住宅の基礎知識

【完全版】地鎮祭とは?意味やマナーなどこれを読めば全てわかります

地鎮祭とは

地鎮祭(じちんさい)の経験がない方でも、その言葉だけは聞いたことはあると思います。そして、「新築着工前に行う儀式」、と言うくらいは知っているのではないでしょうか。

しかし、いざ我が家を建てるとなると、地鎮祭を行うことの意味や意義、そしてマナーなどで分からないことが多いのではないでしょうか。

そこで、地鎮祭について意味やマナーはもちろんのこと、これから地鎮祭をやる方にとって必要な情報を全てまとめました。これから地鎮祭を予定している施主の方や、参列を予定されている方は参考にしてください。

地鎮祭とは:本当の意味

地鎮祭お供え物

地鎮祭は、神道(神社)や仏教(お寺)に由来するものではなく、日本の民族信仰の一つです。

古くは日本書紀にも記述されている日本文化の一つで、地鎮祭儀式を行う役目を地域の神職(神主)がになっています。まれに、住職(お寺)がとり行う場合もあります。

昔から日本では家を建てる際に、この地鎮祭を行ってきました。

つまり、家を建てる前の行事で、神様を祀って(まつって)神様の加護を受けるための儀式になります。

では、地鎮祭の意味や意義を紹介していきます。

土地に住む神様を祝い建物を建てる許可を取る

地鎮祭の目的は、地域の神様(氏神:うじがみ)に土地利用の許可を求め、その土地の永遠の平安無事を願うものです。

つまり、地域の土地に住む神様に家を建てるお伺いをたて、建築場所を祓い(はらい)浄めて(きよめて)もらう行事が地鎮祭になります。

工事の安全と家族の繁栄を祈願する

地鎮祭は、上で述べた土地の利用許可と平安無事を願うと共に、工事の安全と無事に完了することを願い、そこに住む家族の健康と繁栄を願うものです。

せっかくの新築(お祝いごと)を、事故や怪我などでつまずきたくはありませんよね。

ですから、単に迷信として片付けるのではなく、いい気分で家を建てるためにも、地鎮祭は必要な行事と考えてもよいでしょう。

地鎮祭はしたほうがいい?

上で述べたように、迷信と片付けることもできます。現実に、地鎮祭を省略される人も半分くらいはいるようです。

しかし、一方では日本文化として定着しているものを簡単に無視することには抵抗感がありますよね。

以下では、地鎮祭をするのかどうかについて解説しています。

地鎮祭はしたほうがいい

地鎮祭をやるかどうかで迷っている場合は、地鎮祭を家と家族のメモリアル・イベントとして企画されてはいかがでしょうか。一生に一度か二度の経験ですから、良い思い出になりますよ。

また、日本文化を知る良い機会にもなります。さらに、神頼みとは言え、慣習や文化を無視することに対する不安や迷いがなくなる安心感は大きいと思います。

お金がかかるのでしないのもいいですが、家は一生一度の大きな買い物です。また、あなたと家族がこれから毎日生活するものです。

家族が幸せに暮らせるようにと願うのであれば、地鎮祭はした方がいいですよね。

予算がない場合は簡易的なものにする

地鎮祭直会

出典:https://artisan.ti-da.net/e7739835.html

かつては、地鎮祭の後には直会(なおらい)という、会食の場を設けるのが一般的でした。地域によっては、まだその慣習が残っているところもあります。

直会を行うために、職人さんや親族、そして近隣の方達にも参加していただく場合もあり、直会に要する費用がそれなりに掛かっていたのも事実です。

しかし、近年では施主の経済的な負担を下げることや、飲酒運転の防止などのために、お酒が出る直会を省略するケースが一般的になっています。

また、個人住宅の地鎮祭では、参列者も家族と施工業者だけの少人数で簡単なものになっています。

地鎮祭少人数

出典:https://www.universalhome.co.jp/blog/onomichi/2016/01/22/806/

地鎮祭と聞くと、儀式内容を知らないことや、儀式 = 作法というイメージなどから、抵抗感を持つ人も多いでしょう。

しかし、そこまで気にする必要はありません。地鎮祭を、もっと気軽に考えてください。

地鎮祭の日取りはいつがいいのか

地鎮祭日取りの決め方

地鎮祭を実施するとなると、つぎに気になるのが日取りでしょう。地鎮祭には、適した日取りがあります。

カレンダー(暦:こよみ)には、大安や先勝・・・などと記載されているものがあり、それらを暦注(れきちゅう)と言います。

暦注は、その日の運勢を表わしたものです。これらを元に、一般的な地鎮祭の日取りの決め方について紹介していきましょう。

「六曜吉凶」で日取りを決める

上に挙げた、大安や先勝は「六曜(ろくよう)」と言い、その日の吉凶を表わしています。

「六曜」には、以下のものがあります。なお( )内の読み方は地域や神社によって、異なる場合があります。

  • 先勝(さきがち):午前中が吉、午後から凶
  • 友引(ともびき):朝・晩が吉、お昼が凶
  • 先負(さきまけ):午前中が凶、午後から吉
  • 仏滅(ぶつめつ):終日凶
  • 大安(たいあん):終日吉
  • 赤口(しゃっこう):正午頃が吉、後は凶

以上から、日程や時間帯を決めますが、地鎮祭は午前中に行われることが多いため、大安、先勝、友引が一般的に選ばれる良日となります。

建築の場合は「十二直」で吉日を確かめる

地鎮祭吉日カレンダー

出典:http://panndasensei.com/archives/171

上記の「六曜吉凶」以外に、少し詳しい暦では、「十二直(じゅうにちょく)」を表わしているものがあります。

これは、北斗七星の回転と十二支とを組み合わせたもので、その日の行動の向き不向きや吉凶を表わしたものです。

  •  建(たつ):万物を建て生じる日。
  •  除(のぞく):障害を取り除く日。
  • 満(みつ):万物満ち溢れる日。
  • 平(たいら):物事が平になる日。
  • 定(さだん):善悪が定まる日。
  • 執(とる):執り行う日。
  • 破(やぶる):物事を突破する日。
  • 危(あやぶ):物事を危惧する日。
  • 成(なる):物事が成就する日。
  • 納(おさん):物事を納め入れる日。
  • 開(ひらく):開き通じる日。
  • 閉(とづ):閉じ込める日。

上だけでは少し分かりづらいでしょうが、建、満、平、定、成、開が、地鎮祭に良日とされています。

以上から、地鎮祭を行う良日は、まず「六曜吉凶」で選びます。そして、少しこだわる場合は、「六曜」の良日と「十二直」の良日が重なった日を選びます。

なお、暦に「三隣亡(さんりんぼう)」や「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」と記載されているものもあります。

「三隣亡」とは3件隣まで亡びると言う意味で、もちろんこの日を選んではいけません。

「一粒万倍日」は、良いことも悪いことも万倍になる日です。ですから、「六曜」や「十二直」で選んだ良日が「一粒万倍日」でしたら最高です。わからなければ、ハウスメーカーや工務店の方に日程を相談してみましょう。

地鎮祭の日取りについては、「地鎮祭・上棟式の日取りはいつがいい?良い日取りの選び方」の記事で詳しく解説しています。

地鎮祭の当日の流れやスケジュール

標準的な地鎮祭儀式の項目と流れは、以下のようになります。

  1. 修跋の儀(しゅばつのぎ)
  2. 降神の儀(こうしんのぎ)
  3. 献饌 (けんせん)
  4. 祝詞奏上(のりとそうじょう)
  5. 清祓い(きよはらい)
  6. 地鎮の儀(じちんのぎ)
  7. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
  8. 撤饌(てっせん)
  9. 昇神の儀(しょうじんのぎ)
  10. 閉式の辞(へいしきのじ)
  11. 神酒拝戴(しんしゅはいたい)

上記の各儀式には参列者としての作法(マナー)があります。

特に、施主などの参列者が直接関与する儀式には、地鎮の儀と玉串奉奠(たまぐしほうてん)があり、その作法を知っておく必要があります。以下に、図を交えて説明しておきます。

地鎮の儀(じちんのぎ)

地鎮の儀は、刈初の儀(かりぞめのぎ)、穿初の儀(うがちぞめのぎ)、鎮物埋納の儀(しずめものまいのうのぎ)の3種類で成り立っています。この内、鎮物埋納の儀以外は、施主、設計者、施工者が担当します。

刈初の儀(かりぞめのぎ)

刈初の儀(かりぞめのぎ)

出典:https://hamaken.hamazo.tv/e5998306.html

斎砂(盛り砂)に植えられた草に手を添えて、斎鎌(いみかま)で刈りとる仕草を3回行い、3回目に草を抜きます。

抜いた草は盛り砂の脇におきます。設計事務所が行うのが一般的で、建物が設計・施工の場合は省略されます。

つまり、その場合は、頂上の草は必要ありません。

穿初の儀(うがちぞめのぎ)

これには、鍬を用いたものと鋤を用いたものがあり、地を掘り・均すと言う意味があります。

鍬入の儀(くわいれのぎ)

鍬入の儀(くわいれのぎ)

出典:http://www.c-atlas.co.jp/jitinsai.htm

斎鍬(いみくわ)で土を掘る仕草を3回行い、3回目に盛り砂の一部を掘ります。これは、施主が担当します。

鋤入の儀(すきいれのぎ)

鋤入の儀

出典:http://www.c-atlas.co.jp/jitinsai.htm

斎鋤(いみすき)で盛砂を崩す仕草を3回行います。施工者が担当します。そして、この後、鎮物埋納の儀で神職が鎮め物を砂に埋めます。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

玉串

出典:http://www.sun-ray.co.jp/sougi/s4.html

神職から玉串を受け取り、上図の作法にしたがって神前にお供えします。以上が、地鎮の儀と玉串奉奠の作法になります。失礼にならないようにしましょう。

地鎮祭の当日の流れは、「地鎮祭にかかる時間は?当日の流れや開始時間は何時からがいいのか?」の記事で詳しく解説しているので、合わせて読むようにしてください。

地鎮祭にかかる時間は?

地鎮祭の儀式そのものにかかる時間は、30分〜1時間ほどです。規模にもよりますが、祭壇の組み立てや四方の竹(斎み竹:いみだけ)としめ縄などの準備に小一時間、後片付けに30分ほどは必要でしょう。

ですから、総時間としては3時間前後が目安になります。

地鎮祭にかかる費用の相場

地鎮祭にかかる費用は規模や地域によってもことなりますが、個人住宅の場合の標準的なものを紹介します。

標準的な地鎮祭に必要な費用項目と金額は、以下のようになります。

  • 初穂料(玉串料):2~3万円
  • 祭壇用品・他:1〜2万円(レンタルあるいは使用料)
  • 四方竹としめ縄、テント・椅子:約3万円(レンタル:設置費を含む)
  • 供え物代金:2万円

上の祭壇用品などは、神社で用意している場合が一般的で、その場合の初穂料は、それらの使用料を含めて3〜5万円ほどになります。

また、四方竹としめ縄は必要ですが、テントとパイプ椅子の有無は、季節や天候によっても変わります。

個人住宅の少人数で行う地鎮祭では、あまり使用されていません。その場合、四方竹やしめ縄は施工業者が用意しているのが一般的です。

したがって、テントや椅子の必要がない場合は、7万円前後、必要とする場合でも10万円前後と考えればいいでしょう。

ただし、上記は比較的少人数の場合で、規模が大きく参列者も多い場合は、祭壇の大きさやテントの大きさもかわりますので、費用も増えます。

その他にかかる費用としては、以下のものがあげられます。

  • 直会(なおらい)の食事代:1食あたり約2,000円
  • 職人さんへのご祝儀:基本的に不要
  • 近所への挨拶する際の費用:4,000円(500円×8件)

直会は、地域や規模によって様々ですが、前述の地鎮祭の流れで紹介した神酒拝戴(しんしゅはいたい)を直会として省略するケースが増えてきています。

また、行う場合も、お弁当を用意するケースが多く、差し入れのお菓子類や飲み物等を含めても一人あたり2,000円ほどを予定しておけばいいでしょう。

なお、会社で直会を行う場合は、場所を変えて会食するケースが一般的です。

上で、ご祝儀は不要としていますが、地鎮祭でご祝儀を渡すことは稀で、職人さんへのご祝儀は、上棟式の時に渡すのが一般的です。以下に参考として紹介します。

  •  設計者・現場責任者:5千円〜1万円
  • 棟梁:1万円〜3万円
  • その他の係員や職人:3千円〜5千円

以上がご祝儀の相場で、職人の人数にもよりますが、5万円〜10万円ほどになるでしょう。

上棟式の総額費用は15万円前後が相場

地鎮祭上棟式

上棟式(じょうとうしき)は、「棟上げ式(むねあげしき)」と言う場合もあります。

棟が無事に建て上げられたことに対する感謝やお礼を祝うもので、今後の完成までの工事の安全を願うものでもあります。

この儀式を神職にお願いして行う場合、儀式そのものに掛かる費用は地鎮祭と同じくらいの費用になります。

しかし、最近の上棟式は神職にお願いするケースが少なく、棟梁が弊串(へいぐし:御祝いの柱もしくは束)を飾り、施主と現場監督が四方に御神酒やお米などを撒いて祝う形式が一般的なものになっています。

ですから、その場合の上棟式の費用はご祝儀が中心です。そのため、ご祝儀の総額は参加者の人数によりますが、上で述べたように、5万円〜10万円ほどになります。

そして、直会の代わりに弁当と飲み物を渡す場合は、差し入れのお菓子や飲み物も含めて、直会費用は5万円前後ほどを予定しておけばいいでしょう。

つまり上棟式の総費用としては、15万円前後になります。

上棟式では、参加する人数を現場監督に事前に確認しておくことが必要ですね。
上棟式をする費用が15万円前後で、地鎮祭の費用が10万円前後(少人数のテントを含み、直会はなし)

地鎮祭と上棟式を行う場合約25万円

ですから、両方を行う場合は25万円前後となります。

ただ、今では上棟式をする方は少なくなっています。これは、上に説明したように、お金や手間がかかるからです。せめて地鎮祭だけは行うようにしましょう。

地鎮祭の費用については、「地鎮祭の費用や相場・金額はいくら?上棟式や職人さんへの祝儀やお礼」の記事をご覧ください。

地鎮祭の初穂料の金額・相場

地鎮祭のし袋の書き方

地鎮祭の神職に対する謝礼金は、初穂料(はつほりょう)としてお渡しします。なお、初穂料は玉串料(たまぐしりょう)とも言い、上で述べたように3〜5万円が相場です。

ただし、神社によっては金額を決めているところもありますので、予約時に確認しておくようにしましょう。

お車代が必要な場合

地鎮祭お車代

お願いする神社が徒歩で来れるような距離であれば、初穂料に含めてもかまいません。

しかし、車で来るケースがほとんどですからその場合は、別途に「お車代」として5,000円ほどをお渡しします。

なお、施工会社が神職を送り迎えする場合もあり、その場合は特に用意する必要はありません。

地鎮祭のし袋の書き方のマナー

地鎮祭玉串料初穂料のし袋

のし袋の水引は印刷されたものでもかまいませんが、初穂料用には、できれば正式に水引を使用したのし袋を用意しましょう。

御祝儀はさほど大きな金額にはなりませんので、水引が印刷されたものでもかまいません。

なお、上で述べたお車代はのし袋とする必要はなく、無地の封筒でかまいません。

のし袋の表書きの書き方

初穂料

神職にお渡しする謝礼金をいれるのし袋には、水引の上側に初穂料、あるいは玉串料と書き、下側に謝礼する人の氏名を書きます。いずれも毛筆で書くのが基本です。

ご祝儀

職人さんにお渡しする祝儀袋には、水引の上側に「御祝い」あるいは「御祝儀」と書き、下側に施主の氏名を書きます。いずれも毛筆です。

のし袋の中袋の書き方

のしお金入れ方

中袋の表側には、金額を書き、裏側には謝礼する人の住所・氏名を毛筆で書きます。なお、金額は旧字の漢数字で書くのが基本です。

地鎮祭の玉串料や初穂料については、「地鎮祭の玉串料・初穂料はいくら?のし袋の書き方やマナー」の記事をご覧ください。

地鎮祭のお供え物は?準備するもの

地鎮際にお供えする品物や準備するものには、どのようなものがあるのでしょうか。また、誰がそれらを準備するのでしょうか。標準的なケースで説明します。

施主が準備するお供え物は

地鎮祭お供え物種類
  • 清酒(奉献酒)
  • お米
  • 海の幸
  • 山の幸
  • 野菜

以上が、施主が用意するお供え物です。海の幸では、頭と尾が揃っている魚で、扱い安い干物でもかまいません。

また、スルメや昆布なども多く用いられています。

山の幸では果物が一般的で、野菜では地面上にできるものと地面下にできるものの両方を用意します。

神社が用意するもの

神社が用意してくれるものをご紹介します。

祭壇回り用品(祭壇、三方、水器など)

地鎮祭準備祭壇
出典:https://jichinsai21.jp/saidan.htm

地鎮の儀用品:斎鎌(いみかま)斎鍬(いみくま)斎鋤(いみすき)

地鎮祭道具刈り初め
出典:http://yuubanakai.net/jichin/4_8.htm

地鎮の儀に使用するもので、図の左から、斎鎌、斎鍬、斎鋤と呼んでいます。

鎮め物

鎮物

出典:https://teratomo.jp/SHOP/54375.html

人像、楯、鉾、鏡、水玉、刀、長刀の7種類がセットになっており、神職が地鎮の儀で砂に埋めます。

玉串と紙垂(しで)

玉串と紙垂(しで)

出典:https://search.rakuten.co.jp/search/mall/地鎮祭+榊/

榊(さかき)の枝に紙垂をつけたもので、玉串奉奠の時に使用します。

以上が、一般的に神社側が用意する地鎮祭の儀式用品です。祭壇回りの用品はレンタル会社で借りることも可能ですが、これらの儀式用品は扱いなれた神社側にお任せする方がいいでしょう。

施工業者が用意するもの

地鎮祭神社が準備するもの

出典:http://hatena.jinja.ne.jp/jichinsai.html

  • 四方竹(斎竹)
  • しめ縄(注連縄)
  • 盛り砂(斎砂)
  • テント、パイプ椅子

これらは、施工会社が用意するのが一般的で、草とテント・パイプ椅子は、状況に変わります。

草は、刈初の儀を行う場合に必要なもので、建物によっては省略する場合があり、その場合は不要です。テントやパイプ椅子の有無は規模や季節・天候によって決められます。

地鎮祭で準備するものが知りたい方は、「地鎮祭のお供え物の準備:用意するものや費用、お供え物のその後は?」の記事で詳しく解説しています。合わせて読むようにしましょう。

地鎮祭のお酒【奉献酒(ほうけんしゅ)】のマナー

神様にお供えするお酒は清酒で「奉献酒(ほうけんしゅ)」といいます。奉献酒をお供えする際のマナーをご紹介します。

お酒の種類や本数

奉献酒は清酒2本が基本です。いわゆる「にごり酒」で清酒の部類に入るものもありますが、お供えする清酒には透き通ったものを用意します。

2本とするのは、1本を神職にお渡しし神様に捧げてもらい、1本を神霊が宿った御神酒として参列者に振る舞う、あるいは持ち帰るためとされています。

奉献酒は化粧箱に入れる、あるいは縄(紐)で縛り、のし紙をつけてお供えします。

のし袋の書き方

奉献酒につけるのし紙には、水引の上側に「奉献」あるいは「奉献酒」と書き、下側にお供えする人の氏名を書きます。いずれも毛筆です。

地鎮祭のお酒については、「地鎮祭のお酒・奉献酒(ほうけんしゅ):相場や種類、マナーについて」の記事で種類やのし袋の書き方を詳しくお伝えしています。ぜひご覧ください。

地鎮祭の服装は?女性や個人宅の場合

冠婚葬祭には服装マナーがありますが、地鎮祭では定番になるような服装マナーがありません。

しかし、いざ地鎮祭に参列するとなると、どのような服装にすれば良いのか、迷いますよね。特に、女性の場合は気になると思います。

以下で、紹介していきます。

女性の地鎮祭の服装

地鎮祭女性服装

出典:https://www.qoo10.jp

基本的には、カジュアルな普段着でかまいません。ただ、同じカジュアルなものでも、ホームウェアーではなく、少しお出かけできるくらいの服装がいいでしょう。

場合によっては地鎮祭時、あるいは後に近隣の方と挨拶をかわすことも考えられます。

その場合、あまり構えた服装では相手も構えてしまいますし、あまりくだけた服装では、失礼にもなります。

ですから、少しだけ気を使ったお出かけ用の服装くらいがちょうどいいでしょう。

個人宅の場合の服装

地鎮祭服装

出典:https://www.iihi.biz/blog/archives/2009/0914_0832.html

個人住宅の地鎮祭ですから、上で説明したように男性・女性ともに、カジュアルな普段着でかまいません。

ただし、あまりくだけすぎない服装にしましょう。

ラフな恰好にならないように注意

特に、ラフな服装になりやすい夏季は注意が必要です。

暑いからと言って、Tシャツに半ズボン、サンダルと言うような服装は避けてください。少なくとも、襟のあるシャツ(ブラウス)スカート(ズボン)とスニーカーくらいは必要です。

神職(神主)をお呼びして行う祭祀(さいし)ですから、神様と神職に失礼のない服装としましょう。

お子さんは学生服がおすすめ

なお、お子さんの服装で迷った時は、学生服が無難です。まだ、学生服がない小さなお子さんの場合にも砕けすぎない服装にしましょう。

地鎮祭の服装は、「地鎮祭服装は?女性や会社の場合や春夏秋冬の正しい恰好」こちらの記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。

地鎮祭の挨拶回りはしたほうがいい?範囲は?

新築着工に際しての近隣挨拶は、地鎮祭時に行うのが一般的です。これは、施主だけで行うよりも施工者側の責任者が同行した方が、質問が出た場合でも正確に回答できることなどが理由です。

それでは、それ以外に注意する点にどのようなものがあるのでしょうか。以下に紹介します。

挨拶回りはしたほうがいい

地鎮祭挨拶回り

出典:http://koselicummings.com/forget/

施工業者によっては、「近隣の挨拶周りは当社で行っておきますので、ご安心ください。」と言われるかもしれません。しかし、住宅の完成後に長く近所づきあいをするのは施主ですから、施主が中心になって挨拶周りをしておくことを勧めます。

着工前の挨拶で、工事期間中にかける騒音などの迷惑に対する事前のお詫びや協力をお願いしておくことで、引っ越し後の近所づきあいもスムーズになります。

挨拶回りの範囲について

地鎮祭挨拶範囲

出典:https://www.credo-h.jp/hikkoshi/aisatsu/aisatsumawari.html

ご近所の挨拶周りの範囲は、向こう3件両隣と裏側の3件が基本です。すでに家並みが出来上がっている場合には、その件数が増えるかも知れませんが、ある程度の割り切りも必要です。

不安な場合は、地域の自治会長に前例などをお聞きするといいでしょう。

挨拶回りの手土産の種類や相場

新築着工前の近隣挨拶周りの手土産の価格は、500円前後が相場です。手土産(粗品)の種類としては、洗剤やクレラップなどの生活用品(必需品)が中心です。

また、タオルを手土産とするケースも多くありますが、施工業者が持参する手土産はタオルが一般的ですから、重複しないようにしましょう。

地鎮祭挨拶タオル

さらにお菓子類も手土産では多く選ばれていますが、お菓子類を手土産とするには、少し価格が上がり1,000円前後になります。

地鎮祭菓子折り

なお手土産には、「粗品」あるいは「ご挨拶」と書いたのし紙をつけるようにしましょう。

地鎮祭の挨拶回りについては、マナーがあります。「地鎮祭の挨拶回りはする?しない?範囲や言葉、不在時の手紙の例文」の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

まとめ

上で述べた地鎮祭に関する内容を整理してみましょう。

地鎮祭の意味と意義

  • 地鎮祭は地域の氏神様に土地の利用を願い、工事の安全と家の繁栄を祈願するもの
  • 日本古来の慣習文化で無視することもできるが、家のメモリアルイベントとしても行うのがおすすめ

地鎮祭の日取りと時間

  •  地鎮祭の日取りは、六曜あるいは十二直の縁起の良い日と時間帯に行う。
  •  地鎮祭にかかる時間は、儀式に30分〜1時間。前後の準備や片付けを含めて、3時間前後。
  •  地鎮祭儀式の中で、地鎮の儀と玉串奉奠の作法は事前に確認しておくこと。

地鎮祭に掛かる費用の相場

  • 初穂料(玉串料)は、3〜5万円が相場(祭壇用品使用料を含む)
  • お車代は5千円が相場
  • 地鎮祭時の職人へのご祝儀は不要(上棟時にご祝儀を渡す。)
  • 地鎮祭時の直会は省略されるケースが増えている。

地鎮祭でのお供えとのし紙・のし

  • お供え物は、施主が用意する
  • お供えのお酒は清酒2本とし、水引の上側に「奉献」あるいは「奉献酒」、下側にお供えする人の氏名を書いたのし紙をつける
  • 神職(神主)にお渡しする謝礼金は、のし袋に入れ、水引の上側に初穂料あるいは玉串料、そして下側に謝礼する人の氏名を書く
  • 御祝儀はのし袋の水引の上側に「御祝い」あるいは「御祝儀」、下側に施主の氏名を書く
  • のし紙・のし袋に書く文字は毛筆を使い、金額は旧漢数字を使う

地鎮祭時の近隣挨拶

  • 地鎮祭時の近隣挨拶は、工事期間中にかける迷惑を事前に詫びると共に、協力をお願いするもの。
  • 事前に近隣挨拶を行っておくことで、工事中のトラブルを最小限にし、引っ越し後の近所づきあいもスムーズになる。
  •  挨拶周りの範囲は、向こう3件両隣と裏の3件が基本。
  •  挨拶周りに持参する手土産(粗品)は、500円前後が相場。

地鎮祭の服装

  • 地鎮祭に服装は普段着でよいが、襟のあるものとし、くずれ過ぎないものとする
  • 会社が行う場合は、ビジネススーツもしくは制服とする。ただし、制服は清潔なものとする
  • 女性がビジネススーツや制服以外の服装とする場合は、飾り気の少ないシンプルなものとする

地鎮祭に関することをまとめると、以上のようになります。

地鎮祭をあまり難しく考える必要はありませんが、一生に一度あるかどうかの機会です。せっかく夢の注文住宅を建てるのですから、家族の思い出になる地鎮祭はおすすめです。

地鎮祭をして、家族と家の無事を願い、神様にお祈りしましょう。

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