注文住宅の見積もりをいざ取ろうと考えたとき、「どうすればいいのか」という相談は多く受けます。注文住宅の見積もりを依頼する場合、どのようなポイントに気をつければいいのかわかりませんよね。
また、どこに依頼すればいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。注文住宅は一生に一度の買い物になるため、失敗したくないものです。
そこでこのページでは、注文住宅の無料見積もりを依頼する際に必要な情報をすべてまとめました。これから家の見積もりを取ろうと考えている方は、必ず最後まで目を通しておきましょう。
1.注文住宅の相場や価格、費用
まず見積もりを依頼する前に、注文住宅がいくらかかるのかを把握しましょう。この項では、注文住宅の相場や価格、費用をお伝えします。
1-1.土地ありの注文住宅相場
注文住宅の建設において土地がある場合、土地購入の費用が必要ありません。そのため、その分の費用を建物にかけることができます。
住宅金融支援機構(フラット35の金融機関)の利用者調査の場合、以下の表のデータになります。
地域別に分けると土地がある場合の注文住宅の相場は、以下のようになります。
- 首都圏:3,586万円
- 東海圏:3,377万
- 近畿圏:3,274万円
- 全国平均:3,274万円
都道府県ごと相場は異なるため、あなたの住んでいる地域の費用を参考にしてください。
1-2.土地なしの注文住宅相場
土地がない場合、住宅の建設費用に加えて土地購入のための費用が必要です。よって、土地と住宅の建設費用を合わせた金額を参考にしましょう。
住宅金融支援機構(フラット35の金融機関)の利用者調査の場合、以下の表のデータになります。
地域ごとの相場は以下の通りです。
- 首都圏:4,666万円
- 近畿圏:4,081万円
- 東海圏:4,075万円
- 全国平均:3,506万円
土地がない場合、土地なしに比べて住宅の相場は高くなります。土地と住宅の購入を検討している方は、この程度の費用がかかることを覚えておきましょう。
2.見積もり依頼の手順と注意点
注文住宅の見積もりを依頼の手順をご紹介します。これから見積もりを検討している方は、まずは準備をしましょう。そして、スムーズに見積もりを依頼しましょう。
2-1.どのような家にしたいのか要望をまとめる
見積もりを依頼する前に、どのような家にしたいのか要望をまとめましょう。あらかじめ要望を決めておくことで、具体的な見積もりプランを作成できるからです。
たとえば、「平屋にするのか」「キッチンはどうするのか」「LDK(リビングダイニングキッチン)の大きさはどのくらいがいいのか」などいろいろあるのではないでしょうか。
できるだけ具体的に建てたい注文住宅のイメージを考えるようにしてください。そしてこのとき、生活の不満点を考えるとどのような家にしたいのかがわかります。
たとえば、キッチンが狭いのであれば「キッチンを広くしたい」など、日々生活で不便な部分を解決できるような家づくりを心がけましょう。
そうすれば、住みやすい家になります。
また、「家のイメージをどのようにしたいのか」考える際は、できるだけ家族に相談してから決めてください。家族の要望を取り入れることで、暮らしやすい家を造ることができます。
2-2.資金計画を立て予算を決定する
資金計画を立て、予算を決定しましょう。注文住宅は、数千万円単位の買い物になるため、念入りに資金計画を立ててください。
このとき、月々の支払う金額から注文住宅の購入費用を考えるのも1つの方法です。一般的に、年収の6倍を目安にすると無理のない購入金額になります。
たとえば、年収が600万円の場合、以下のような計算式になります。
600万円(年収) × 6倍 = 3,600万円(理想の住宅購入費用) |
また、持ち家の場合固定資産税や修繕費の積み立てなどがかかるため、住宅ローンの支払い以外にも月々3万円程度の費用が必要です。そのため、それらを踏まえた上で無理のない返済計画を考えるようにしてください。
2-3.ハウスメーカーや工務店の情報を収集する
見積もりを依頼する前に、ハウスメーカーや工務店の情報を集めるようにしましょう。数多くのハウスメーカーや工務店の中から、見積もりを依頼する業者を数社まで絞らなければいけないからです。
ただし、無数に存在するハウスメーカーや工務店の中から、数社までどのように絞ればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで役立つのが、パソコンやスマホから誰でも簡単に一括見積もりや資料請求が行えるサービスです。たった3分の入力で優良業者の資料やカタログなどがもらえるため、とても人気のサービスになります。
これからマイホーム購入を検討している方は、ぜひ活用しましょう。
3.注文住宅は必ず相見積もりをする
注文住宅の見積もりを依頼する場合、必ず相見積もり(あいみつもり:複数社に見積もりを依頼すること)を行うようにしましょう。
相見積もりを行うことで、優良業者を見極められます。また、適正価格で注文住宅を購入できるのです。逆を言えば、相見積もりを行わなければ、優良業者に適正価格で注文住宅を建ててもらうことは難しくなります。
3-1.相見積もりによって業者を比較する
相見積もりを行えば、業者のサービスを比較することができます。1社だけではわからないことも、複数社に見積もりを依頼して比較すること初めてわかることがあるからです。
たとえば、親身になって打ち合わせを行ってくれる業者もいれば、しつこいセールスばかりしてくる業者もいます。また、シンプルな提案しかしてこない業者もいれば、驚くような素敵なプランニングを行ってくる施工業者もいるのです。
このように、複数社見積もりを依頼することにより、あなたの大切な家を安心して任せられるハウスメーカーや工務店を選ぶことができます。
一生に一度の高価な買い物です。親身になってくれる優良業者に家を建ててもらいましょう。
3-2.相見積もりによって適正価格で家を建てられる
相見積もりを行うと業者に見積もりの費用を比較できます。業者ごとの価格を比較できるため、適正価格で注文住宅を購入できるのです。
注文住宅は自動車のように「定価」がないため、見積もりによって業者ごとの価格を比較して相場を見極める必要があります。
たとえば、1社だけに見積もりを依頼したと仮定します。
- A社:3,500万円
この場合、3,500万円という見積もり価格が高いのか安いのかを判断するのは難しいのではないでしょうか。一方、3社に見積もりを依頼した場合、以下のようになります。
- A社:3,500万円
- B社:3,100万円
- C社:2,900万円
相見積もりを取ることによって、先ほどの3,500万円という見積もり価格が高いのか安いのかを判断することができるのです。注文住宅は、相見積もりを行うようにしましょう。
注文住宅の見積もりを比較する際の注意点
注文住宅の見積もりを比較する際、以下の注意点があります。
- 見積書だけでは判断してはいけない
- 工程や材料の違いを確認する
- 見積書以外の費用を把握する
それでは、順を追って解説していきます。
3-1.見積書だけでは判断してはいけない
注文住宅の見積もりを比較する際、見積書だけで判断してはいけません。見積書だけで判断すると安さで施工業者を決めてしまいやすくなります。
注文住宅は、工程を省いたり手抜き工事を行ったりすれば、簡単に値段を下げることができてしまいます。必ず業者ごとのサービスなどを踏まえた上で、業者を選ぶようにしましょう。
3-2.工程や材料の違いを確認する
工程や材料の違いを確認してください。先ほどお伝えしたように、工程を省いたり材料を安いものを使ったりすると注文住宅の見積もりの価格を安くすることができるからです。
見積書では安い価格であったとしても、実は簡単な工程で安い材料を使っているかもしれません。見積もりを比較する際は、必ず業者ごとの工程や使っている材料の違いを確認するようにしてください。
3-3.見積書以外の費用を把握する
注文住宅の建設は、諸費用などを見積書に記載していない場合があります。
たとえば、エクステリア工事(外構工事)などの費用です。ハウスメーカーや工務店ごと見積書の作成方法は異なるため、業者ごとの見積もりの記載方法を確認しておきましょう。
よくあるのが、見積書にそれらの費用が記載していないことで、家にお金をかけすぎてしまい、「庭の駐車場などの工事費用がなくなってしまう」というケースです。最悪の場合、家は新築でも庭の工事は全く手を付けていないということになってしまいます。
エクステリア工事は、100万円を超える費用になるため、あらかじめ計画しておかないと準備するのは大変なのではないでしょうか。
安いと思ったとしても、「諸費用などが記載していなかったため、後々高くなってしまった」ということのないようにしてください。
4.注文住宅見積書の事例と見方
注文住宅の見積もりを依頼する前に、実際に見積書の事例を見てみましょう。見方がわからなければ見積もりを比較することはできません。では、実際の見積書には、どのようなことが記載してあるのでしょうか。
4-1.総額24,250,000円の注文住宅
出典:田中工務店
本体工事費(建物自体にかかる費用)が18,070,873円になります。そして、付帯工事費(建物以外にかかる費用)が6,179,126円の注文住宅の見積書になります。
本体工事費と付帯工事費を合わせた金額は、総額24,250,000円の注文住宅です。それでは本体工事と付帯工事費の見積書の内訳を見てみましょう。
4-2.本体工事見積もり内訳
出典:田中工務店
建物自体にかかる費用の見積書の内訳になります。工事ごとに価格が分かれているため、どのような工事を行い、それがいくらかかるのかを判断することができます。
もし、見積書を作成してもらった段階で疑問があるのならばすぐに相談するようにしましょう。また、この見積書を参考にして打ち合わせを重ねていき、必要のないものを減らすことで費用を抑えることが可能です。
4-3.付帯工事見積もり内訳
出典:田中工務店
付帯工事費の見積もりです。建物以外の住宅に必要な工事の内容とその費用になります。たとえば、庭に車庫を設けたいのであれば、その費用は付帯工事になります。
ただ、外構工事の場合、注文住宅を建てる工務店でなくても直接外構工事業者に依頼するのも1つの方法です。そのほかにも、カーテンの取り付けなども工務店ではなく、直接内装業者に頼むこともできます。
付帯工事は、必ずしも工務店に依頼しなければいけないわけではないため、費用に応じて直接専門業者に頼むのかを判断しましょう。
5.見積もり費用を抑える秘訣
注文住宅の見積もり費用を抑える方法をご紹介します。工事の品質を保ちつつ、できるだけ注文住宅の費用をできるだけ抑えたいものですよね。
そこで無駄を無くし、効率よく見積もり費用を抑える方法をお伝えします。
5-1.シンプルなものにする
注文住宅を建てる際、できるだけグレードなどはシンプルなものにすると費用を抑えられます。手間暇がかからないため、材料費や施工費用が抑えられるからです。
たとえば、コの字の形状の住宅よりも四角い建物のほうが費用安くなります。
複雑な形状の住宅に憧れる気持ちはわかりますが、費用を抑えたいのであればシンプルな形状の建物にしましょう。
5-2.お金を使う部分にメリハリをつける
お金をかける部分とそうではない部分にメリハリをつけると費用を抑えられます。
たとえば、外観はお金をかけずにキッチンやお風呂などの毎日使う場所にはお金をかけるようにしましょう。そうすることで、無駄を無くし工事費用を抑えることができるのです。
外観は費用を抑えても生活に支障はありません。そのため、毎日使うキッチンなどの機能性にお金を使ってはいかがでしょうか。
5-3.メーカーはハウスメーカーや工務店に任せる
注文住宅に使う材料や機器のメーカーは、ハウスメーカーや工務店に任せると費用を抑えることができます。ハウスメーカーや工務店によっては、安く仕入れられるメーカーがあるからです。
たとえば、水回りのシステムキッチンやユニットバスなどは、有名メーカーではなくても品質が良く機能性が高いものがあります。いってしまえば、ロゴが有名かそうではないかの違いだけです。
特にこだわりがないのであれば、材料や設備機器はハウスメーカーや工務店に任せてしまうのも1つの方法になります。
5-4.大手ハウスメーカーに依頼しない
見積もりの価格を抑えるのであれば、大手ハウスメーカーで家を購入しないようにしましょう。大手ハウスメーカーは、CMなどの広告宣伝費や営業マンなどの人件費などの膨大な経費がかかっているからです。
以下は、大手ハウスメーカーが株主向けに公開している情報を元に、3,000万円の予算で注文住宅を建てる際の費用の内訳になります。
総費用内訳 | 割合(%) | 内訳費用(3,000万円) |
---|---|---|
実質工事費用 | 57% | 1,710万円 |
下請け会社へのマージン | 21% | 630万円 |
研究開発費 | 5% | 150万円 |
営業・人件費 | 5% | 150万円 |
モデルハウス | 3% | 90万円 |
広告宣伝 | 2% | 60万円 |
その他運営経費 | 7% | 210万円 |
実質工事費用の部分が実際に家の施工費用になります。57%になるため、支払う金額の約6割程度の費用しか、建設費用にかかっていません。
たとえば、同じグレードで地域の工務店に依頼すると仮定すると、約2,500万円程度の費用で注文住宅を建てることができるのです。
とはいえ、大手ハウスメーカーには大手の安心感や信頼感があります。
しかし、4割増しの施工費用を支払うメリットがあるかどうかを確かめましょう。大手ハウスメーカーに注文住宅の建設を依頼するのであれば、このことを踏まえた上で頼むようにしましょう。
まとめ
注文住宅の見積もり費用や取り方や比較の注意点などは理解できましたでしょうか。
注文住宅の見積もりを成功させることができれば、理想の優良業者に適正価格で家を購入することができます。そのためには、ポイントを抑えて見積もりを依頼し、それを複数社比較することが重要です。
ここでお伝えした内容を何度も見返して、理想の注文住宅を手に入れるために役立ててください。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料