地鎮祭は、新築時に行う神事ですから、生涯でも一度か二度あるかないかのものです。ここでは、地鎮祭の玉串料(たまぐしりょう)・初穂料(はつほりょう)の金額やそれを入れる「のし袋」の選び方や書き方について説明していきます。
のし袋(熨斗袋)は、コンビニやスーパーなどで手に入れることができ、購入した「のし袋」の中には使用説明が書かれています。
その使用説明に従えばよいのですが、全てが書かれている訳ではありません。また、詳しく記載されていない場合があります。
そこでこのページでは、地鎮祭の「玉串料や初穂料の金額」それに使われる「のし袋」について紹介していきます。マナーがあるので間違えないようにしましょう。
のし袋の表書きの書き方
「のし袋」の表書きは、水引(みずひき)の上側に玉串料あるいは初穂料と書きます。地鎮祭は祭事の一つですから、玉串料・初穂料のいずれでもかまいません。そして、水引の下側に名前をフルネームで書きます。
参考ですが、初穂料はお祝いごと、玉串料は神事全般に使えると覚えておけばいいでしょう。
連名の書き方の種類やマナー
二世帯住宅の両世帯主、あるいは家族の氏名を連名で「のし袋」に書くこともあります。その場合、少しばかり注意することがあります。
二世帯住宅の両世帯主を連名とする場合は、年齢順になります。そして、家族を連名とする場合は、世帯主、次に家族の年齢順となります。
書き方としては右から左へ、そして家族連名の場合は、世帯主のみフルネームとします。
「のし袋」の大きさを考えれば、連名で書けるのは3名まででしょう。ですから、家族連名で、それ以上の人数になる場合は、世帯主を中央に書き、左側に「他家族一同」としましょう。
のし袋の中袋の書き方
標準的な「のし袋」には、お札を入れる白い中袋とセットになっています。中袋の表側に金額を、裏側には、住所と氏名を書きます。
出典:おくりびと
のし袋の中袋なしの時の書き方
のし袋に中袋がない場合は、のし袋裏の左下側に金額と住所を書きます。しかし、標準的な地鎮祭の玉串料や初穂料に見合う「のし袋」では中袋がついているのが一般的です。
のし袋はボールペンではなく黒い筆ペン
のし袋の表書きは、毛筆で書きます。日頃は使い馴れていない毛筆でしょうが、筆あるいは筆ペンで書くようにしましょう。
文字の上手・下手はマナーに関係がありません。丁寧に書くことが大事です。ボールペンで書いて、礼を失してはいけません。
コンビニなどで筆ペンは売っているため、必ず筆ペンで書くようにしてください。
のし袋に書く漢字は旧字体?
中袋の表書き・裏書きも毛筆で書きます。そして、金額の数字は旧字体が基本です。
旧字体とは、例えば1万円であれば以下のような字になります。
1万円 = 壱萬圓
中袋のない「のし袋」の廉価版には、裏側に金額欄が横書きに印刷されている場合があります。
その場合は、アラビア数字(0〜9)でもかまいません。しかし、上でも述べたように、地鎮祭の玉串料(初穂料)の金額範囲の「のし袋」では中袋がセットされているのが一般的です。そして、中袋の表に旧字体で金額を書くのが基本です。
なお漢数字の、一、二、三、・・・などは、修正や改ざんされやすいことから使われていません。注意しましょう。
旧字体一覧
参考までに、標準的な地鎮祭の謝礼金の範囲で、使われそうな数字を旧字体で表してみます。
金額 | 書き方 |
1万円 | 壱萬圓 |
2万円 | 弐萬圓 |
3万円 | 参萬圓 |
5万円 | 伍萬圓 |
7万円 | 七萬圓 |
8万円 | 八萬圓 |
10万円 | 拾萬圓 |
上記には、4、6、9はありません。これらは、死(4)、無(6)、苦(9)につながるとして、ご祝儀には使われていません。
のし袋の水引の結び方は「蝶結び」
祭事やお祝いに使う「のし袋」にも3種類があります。地鎮祭に使用する「のし袋」はどれを選べばよいのでしょうか。それぞれについて説明していきます。
「のし袋」の種類
出典:https://ameblo.jp/siratamochi/entry-12283579502.html
のし袋には図のように、結びきり、あわび結び、蝶結びがあります。
1.結びきり
水引が中央で固く結ばれた形で、ほどくことが困難な意味を示しています。一
度きりや繰り返さないことを願ったお時に使うもので、結婚祝いが該当しま
す。
2.蝶結び
いく度でも結び直すことができる意味を示しています。何回、あっても良いお
祝いとしては、出産や進学が該当し、地鎮祭にも使われます。
3.あわび結び(あわじ結びとも言う)
結びきりと同じ形ですが、少しほどきやすい形になっています。関西以西で広
く使用されており、結びきりと蝶結びの両方を兼ねたものです。
このように説明していくと、地鎮祭の「のし袋」には「蝶結び」が最適だとわかります。ただし、関西以西では、あわび結びの方が多く使われているようです。
水引が印刷してあるものでもいいの?
上で「のし袋」の種類を説明しましたが、のし袋にも正規に水引を使用したものと、水引を印刷したものがあります。
一般的なマナーとして、金額が1万円以下の場合には印刷されたものでも良いとされており、それを超える場合には、水引を使用したものとされています。
神主を呼んで行う地鎮祭で、玉串料・初穂料が1万円以下と言うことはありませんので、水引が印刷された「のし袋」を使用するのはやめましょう。
さらに、水引を使用した「のし袋」にも廉価版(れんかばん:比較的やすい)のものから豪華なものまで様々に市販されています。地鎮祭の標準的な謝礼金を考慮すると、水引を使用したシンプルなものが妥当でしょう。
のし袋へのお金の入れ方
のし袋に入れるお札の向きは、中袋の正面(表)を見て、お札を引き出した時に、お札の正面(肖像画がある面)が見える方向に入れます。
なお、個人住宅の地鎮祭の玉串料(初穂料)は、2〜5万円が相場です。金額に幅があるのは、海の物や山の物などのお供え物を、神社側と施主側のいずれで用意するかで異なるためです。
出典:https://wedding.mynavi.jp/contents/press/detail/post-26/
以下に、お金に関して、もう少し詳しく説明してみましょう。
玉串料(初穂料)はいくらが相場?
上で、2〜5万円が相場と書きましたが、実際には神社側の人件費・交通費、用具使用料を含めた経費と、お供え物のかかる費用とに分けると判りやすくなります。
神社によっては、海の物や山の物まで用意してくれるところがあり、その場合は5万円ほどを「のし袋」に入れましょう。
そして、海の物や山の物を施主側で用意する時は、神社側の経費として3万円ほどが相場となります。
新札が必要?
祭事のマナーとしては、新札が適切です。もっとも、最近は日銀の新旧のお札の管理が行き届いており、しわだらけのお札を見かけなくなりました。
ですから、折れ目のないお札であれば、新札でなくてもいいでしょう。
つまり、折りしわのない比較的きれいなお札であれば、結婚式のように新札にわざわざ変更する必要はありません。
のし袋の折り方
「のし袋」にお金を入れるためには、一旦は水引から袋を取り出さなければなりません。そのため、もとに戻す時に「のし袋」の折り返し方を間違う可能性があります。
図のように、ご祝儀の場合には先に上側を折りたたみ、次に下側を折りたたみ、下側が上に重なるようにします。
これは、目が上向くように、そして幸せを受け止められるようにと願ったものです。不祝儀では逆の折り方になります。
まとめ
「のし袋」に関するマナーや決まりごとは、文化や習慣に基づいたものです。中には、不合理に思えることもありますが、家族の幸せや安全を願い、円満に社会生活を送るための知恵でもあります。
以下に、地鎮祭の「のし袋」に関する注意点を列記します。
- のし袋は、「蝶結び」か「あわび結び」
- 表の上側に、玉串料もしくは初穂料と書き、下段に名前をフルネームで書く
- 中袋の表側に金額を、裏側に住所と氏名を書く
- お供えを含めて、全てを神社にお願いする時は5万円が相場
- お供えものを施主が用意する時は3万円が相場
以上となります。神事に礼を欠くことのないようにしましょう。
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