皆さん、注文住宅のチラシを見て「この値段なら買いたい!オシャレだし広そう!」「値引きされるから、今が買い時かも!」と思ったことはありませんか?
不動産チラシには、低価格を売りにしたものや値引き販売で魅力的に見せているものが、いくつもあります。しかし、それは本当にお得なのでしょうか?
今回は、注文住宅のチラシをはじめとする広告の見方と注意点についてご紹介します。また、すぐに活用できる良いチラシと悪いチラシの見極め方も、事例と共にご説明していきます。
注文住宅のチラシの注意点
注文住宅のチラシには良い広告と悪い広告があります。当たり前ですが、良い広告には正確な情報が分かりやすく記載してあります。
売主の都合ではなく、ユーザーにとって嬉しい情報も悪い情報も均等に掲載してあるはずです。
一方で、悪い広告にはユーザーが思わず飛びつくようなお得情報が、都合の良いように掲載してあります。
都合の悪いことは小さい文字で記載してあり、本当の内容よりも過剰に表現していることも少なくありません。ある意味「だまし」のような広告も多いのです。
納得できる注文住宅を購入するためにも、チラシの良し悪しを見分ける手段は知っておく必要があるでしょう。
美味しい話には裏がある
価格の安さを強調している美味しい話には、高い確率で「裏」があると思っていいでしょう。
- 「アレもコレも付いて1,200万円から購入可能!」
- 「月々5万円台で夢のマイホームが建てられる!」
- 「最終1邸!家具付き特別分譲!」
このようにチラシに掲載している価格が、周辺物件よりも飛び抜けて安くなっている時があります。
その理由は、条件が悪く売れ残っている、または実際にはお得な金額で購入できない可能性があります。美味しい話には、購入する側にとっては好ましくない実態が隠れているものなのです。
例えば、上記の文言で考えてみましょう。
「アレもコレも付いて1,200万円から購入可能!」
アレもコレもと言われると、たくさんオプションが付いているイメージがありますが、実際には、ほとんど設備が含まれていないこともあります。
「月々5万円台で夢のマイホームが建てられる!」
月々の支払が5万円台だったとしても、土地が狭く条件が悪い家であることがあります。
または、頭金が数百万円、ボーナス払いが数十万円という無理な金額が設定されている可能性が高いです。
「最終1邸!家具付き特別分譲!」
実際には最後の1邸ではなかった、または家具はモデルハウスの使い回しのものだったというケースもあります。
不動産広告は規定が厳しく、過剰な表現や購入を急がせる表現は広告違反になります。しかし実際には、グレーゾーンの広告は山ほどあるのです。
実際は提示価格になることはない
注文住宅の広告に大きな文字で「最終価格改定!2,490万円」と書いてあっても、実際には2,490万円では買えません。
まだ完成していない注文住宅の場合には、事前に価格が決まっていても、その価格はどんどん変動することが当たり前の世界です。
間取りの変更、クロスの変更、オプションの追加など、理想の家を追求すればするほどコストアップしてしまいます。
仮に、オプションや変更を加えずに価格を重視して購入を希望するとしましょう。それでもやはり、提示価格では買えないのです。
なぜなら、住まいに必ず必要な設備であるにも関わらず、提示価格には含まれていないものが多すぎるためです。
チラシに掲載してある価格は、建物本体の工事価格であって、様々な付帯工事や各種申請費は含まれていません。
例えば、本管引き込み費用や地盤調査費用がこれにあたります。
「本管引き込み費用」とは、水道管を設置する費用のこと。水道管が通っていない土地に家を建てる時は、必ず水道管を引き込む工事が必要です。
水道は必ず必要であるにも関わらず、この本管引き込み費用は建物価格に含まれていないことが多くあります。
現実には契約時になってから追加料金として提示されるか、悪徳な場合は契約後に追加料金として請求されます。
「地盤調査費用」とは、住宅の耐震性を確保するために行う地盤の調査費用です。
土地の地盤を調査し、地盤が緩いなどの問題があれば、地盤の改良工事費用も追加で発生します。
家の耐震性を確保することは建築法の規約で決まっているため、費用の発生は避けることができません。
大規模な工事を必要とする場合は、数百万円にも上ることがあります。
小さく書いてある注意書きをチェック
注文住宅のチラシには、小さな文字で注釈が書いてあることが多くあります。この注意書きは大変気づきにくいのですが、必ず読むべき内容が書かれています。
「掲載の写真はイメージです」に注意!
チラシに掲載してある写真の端のほうに、小さい文字で「イメージフォト」または「建物完成予想図」というような注意書きを確認してみましょう。
イメージフォトとは、サンプル写真のようなもので、実際の建物写真ではありません。建物完成予想図とは、イラストまたはパソコンで機械的に描いたもので、実物とは見た目が異なることがあります。
チラシに掲載している写真のほとんどは、現物よりも見栄えが良いものです。
ユーザーの目を引くように、美しい写真を使っているからです。特に建物完成予想図は、隣接する建物や電柱が描かれていなことが多々あります。
狭く圧迫感がある土地でも、開放感たっぷりに見えてしまうことがあるので注意しましょう。
「設備仕様は異なります」に注意!
チラシに掲載してある室内の写真に、小さい文字で「この写真にはオプションが含まれます」「設備・仕様は異なります」と書かれていることがあります。
例えば、室内写真に写り込んでいたキッチン吊戸棚や壁面収納、無垢材のようなフローリングなど住宅の印象を大きく左右する設備が、実際のプランには付いていないことが多々あります。
チラシの写真を見ると「暮らしやすそうだな」「おしゃれなデザインだな」「収納も豊富そうだし、いいかも!」と感じることがあるでしょう。
しかし、それは足を運んでもらうための”しかけ”です。
実際にはデザインが大きく異なったり、設備がほとんど付いていなかったりと、実物はがっかりするほどチープだった…ということも少なくありません。
「家具・調度品は本体価格に含まれておりません」に注意!
モデルハウスの写真は豪華です。
ヴィンテージ感のあるソファにかっこいい照明、大ぶりな観葉植物などが置いてある室内は、誰もが憧れるおしゃれな空間に見えます。
しかし、実際にはこのような家具や照明はついていません。住まいは家具のセンスひとつで大きく印象が変わります。
建物そのものは安っぽくても家具が高級であれば、それなりに豪華な印象を与えてしまうのです。モデルハウスの写真は、注意深くチェックすることが必要ですね。
良いチラシの事例
では、ユーザーに対して煽りやだましがない、良いチラシとはどんなチラシを指すのでしょうか?良いチラシの事例を見てみましょう。
モデルハウス見学会へ紹介するチラシ
※クリックして拡大できます 出典:https://www.kowa-h.com
良いチラシの代表例は「価格を大きく掲載していないチラシ」です。お得感や安さでユーザーの目を引こうとはせず、品質を重視している傾向があります。
上記のチラシは、モデルハウス見学会の案内をメインに掲載しています。「実際に見に来てもらえば良さを分かってもらえる」と考えている、売主の自信が感じられますね。
このように売主の焦りや必死さが見られない案件は、条件が良いため人気が出る可能性が高いです。
紙面がシンプルであるほど、早めに行動したほうが良いと言えます。
それでもやはり、お得に購入したいと考えているなら、正しい価格表記を行っているかどうかを見分けることが重要です。
次に、価格をメインに打ち出しているチラシの正しい見方について解説いたします。
常識のある価格表記のチラシ
出典:http://www.akashika.net
「新価格」とは、値引き価格という意味です。このように住宅を値引きして販売することを、二重価格と呼びます。
二重価格を掲載する場合は、厳しく掲載方法が決められています。
例えば、「大幅値下げ!」などと価格を強調した表現は禁止されています。そのために、新価格というな遠回しな表現になってしまうのです。
また、価格を改定した場合は、改定前の価格を同時に表示しなければならず、さらにいつからいつまでその価格で販売していたのか、ということも表示する必要があります。
上記のチラシを見ると、モデルハウスとして使用していた2戸が、値引きされて表示されています。様々な条件が分かりやすく記載してあり、曖昧な表現は一切ありません。
- 消費税増税前のキャンペーンであること
- モデルハウスとして使用していたこと
- 土地や家具がセットになっていること
- どんな建物か写真が掲載していること
- 値引き前の価格と売り出し価格を明記している
このように、ユーザーが知りたいことが正確に書かれていますね。チラシをあまり見ない人でも、理解しやすい内容になっていると思います。
良いチラシというのは、誰もが分かるシンプルさ・明確さがポイントです。
こういう安い価格を提示しているチラシは要注意
出典:http://www.akashika.net
このようなお得感のある注文住宅のチラシには要注意です!「すべてコミコミ」や「フル装備」という文言を見ると、オプション設備がたくさん付いているイメージがありますよね。
さらに、価格は相場よりも安く、頭金も0円なので、気軽に買えてしまう印象があります。
しかし、実際には”だまし”や”煽り”である可能性が高いのです。なぜなら、ほとんどの表現が曖昧であるためです。
- 「すべてコミコミ」の”すべて”とは何なのかが分からない
- 「フル装備」の装備内容が分からない
- 「自由設計」は、どこまでが自由なのか分からない
- 月々支払い42,283円~の上に表記してある「※3」は要チェック
例えば、「すべてコミコミ・注文住宅自由設計」という文言には、誤解が出てしまうケースが多くあります。
つまり、これらの「すべて」や「自由」に該当する内容は、業者が設定した範囲のみで適用されます。
例えば、装備されているのは浴室乾燥機ぐらいで、その他の設備はオプションになる可能性もあり得ます。
また自由設計と言えども、キッチンやバスルームの仕様は一切変えられず、間取りが少し変更できる程度かもしれません。
「収納を増やしたい」とシンプルな注文でも、簡単に料金が追加されることもあります。
さらに、月々支払いの提示金額にも要注意です。「月々4万円台なら今の家賃よりも安い支払いで買えるわ!」と喜ぶのは時期尚早です。
実際には、35年ローンでボーナス払いが何十万という設定である可能性が大いにあります。
こういった曖昧な詐欺まがいのチラシは非常に多いので注意しましょう。
注文住宅の資料請求がおすすめ
「チラシだけで購入を判断するのは難しい」「チラシには騙されたくない!」と考えている方は、まずは自分で選んだハウスメーカーや工務店に資料請求をすることをおすすめします。
チラシは過度な場合がある
不動産広告では、ユーザー心理を過剰に煽ったり期待させる表現がしばしば見受けられます。
不動産会社にとっては、家を売れば大きな利益になり、逆に売れ残れば大きな損失に繋がります。売れ行きが悪いものは、あの手この手を使って売り切ろうとするのです。
仮に契約までいかなくても、「少しだけ相談してみようかな…」と販売店やモデルハウスへ行くと、しつこいセールスにつかまってしまう可能性もあるでしょう。
注文住宅について知りたい場合は資料請求がおすすめ
納得のいく家づくりをするなら、チラシを待つだけの受け身態勢ではなく、自ら進んで行動することをおすすめします。
良質な住宅メーカーを見つけるためには、気になる複数社をピックアップして資料請求から始めてみましょう。
資料請求とは、その会社の強みや住宅デザインを掲載しているカタログを無料でもらうことです。
資料請求のメリットは多くあります。
- わざわざ出かける必要がないので簡単で気軽である
- しつこい営業を受けることがない
- パソコンまたはスマホで登録するだけだからスピーディ
- 家でじっくり考えることができる
- 複数社の住宅メーカーを簡単に比較できる
資料請求は、忙しくて時間がない人、セールスを受けたくない人、まだ買う予定がなくゆっくり検討したい人には特におすすめです。
自分のペースでじっくり考えることができるため、契約を焦らされることもなく、いろいろな情報に惑わされることもありません。
まずは一括資料請求サービスを使う
「どのメーカーに資料請求すればいいのか分からない」「複数社に資料請求するのが面倒くさい」という方には、一括資料請求サービスが便利です。
資料請求は、それぞれの住宅メーカーの公式サイトで1件ずつ申し込まなければなりません。
その都度、住所や名前を登録するため、意外と手間がかかります。そこでおすすめなのが、一括資料請求サービスです。
このサイトには日本全国の住宅メーカーが登録していて、複数社を同時に資料請求が行えます。
申込はパソコンまたはスマホから3分程度の記入で済むため、時間も手間もかかりません。
「とりあえず有名な大手住宅メーカーに資料請求したい」「いくつかの資料請求を簡単に済ませたい」という方は、ぜひ試してみてください。
まとめ
注文住宅のチラシの中には当然、正しい情報を記載した魅力的な広告もたくさんあります。
しかし一方で、都合の悪いことはひた隠しにし、お得に見せようとするチラシも多く存在するのです。
そんな甘い情報に目を奪われないためにも、チラシの正しい見方を習慣づけておきましょう。
また、良い住まいづくりを始めるためには、自分から積極的に行動することも大切です。
まずは資料請求をして相性の良い住宅メーカーを探してみてください。比較検討するためには、最低でも3~5社程度は見比べるとよいでしょう。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料