住宅の基礎知識

【注文住宅】家を建てる際の手続きの流れやかかる費用やお金

家を建てる費用

注文住宅を建てる際の手続きの流れ、かかる費用を事前に把握しておきましょう。

手続きの種類やタイミング、かかる費用がわかっていれば実際に注文住宅を購入する際にスムーズですよね。

そこで本記事では、家を建てる手続きの流れやかかる費用についてご紹介します。

注文住宅は、これから年単位の時間をかけて建設するため、どのような手続きやいくらぐらいの費用がかかるのか事前に把握しておきましょう。

土地購入の手続きと費用

土地購入の手続きや費用をご紹介します。土地購入をする方は、ぜひ参考にしてください。

土地契約時に手付金を払う

土地購入の契約を行う際、手付金を支払います。手付金とは、土地の購入価格の一部のお金をあらかじめ支払うことです。

一般的に、10%ほどの費用になるため、土地購入を検討している方はあらかじめ用意するようにしてください。

たとえば、1,000万円の土地を購入する場合、100万円の手付金が必要です。また、1,500万円の土地を購入するのであれば、150万円を用意しておきましょう。

手付金を支払ってから土地の契約をキャンセルすることができますが、その費用は戻ってきません。そのため、手付金を支払う前によく考えて契約を結びましょう。

土地購入時にかかる諸費用

土地を購入する際、手続きなどに費用がかかります。そのため、それらの費用をあらかじめ用意しておきましょう。具体的にどのような費用がかかるのでしょうか。

土地購入時にかかる諸費用は以下をご覧ください。

項目 金額 内容
土地の仲介手数料 約700,000円(土地代が2,000万円の場合) 土地代の3%+60,000円+消費税
土地購入の印紙代 20,000円 金額によって増えるが、一般的な住宅地であれば20,000円
固定資産税 場合による 固定資産税は、土地を受け渡した残り期間に応じて決定する
金融機関手数料 31,500円 ローンを組む際に必要な手数料(金融機関によって異なる)
ローン保証料 約500,000円 金融機関によって異なる。一括で支払うほうが安く、月々で支払うと金利分高くなる
ローンの印紙代 21,000円 住宅ローンの契約書に貼る印紙。金額によって異なる
土地所有権移転登記 約200,000円 土地の所有権を変えるための手続きにかかる費用
抵当権設定費用 約150,000円 銀行に土地を担保にするための費用

具体的にどのような費用なのか順番に解説していきます。

土地の仲介手数料

土地を購入する際、不動産会社に仲介手数料支払わなければいけません。この費用は法律で決められており、「土地代の3% + 60,000円 + 消費税」になります。

つまり、土地代が2,000万円の場合、おおよそ800,000円の費用がかかります。土地購入費用によって変わるため、土地代の3%ほどの費用がかかることを把握しておきましょう。

土地購入の印紙代

土地購入時の手続きの際に必要な印紙代になります。20,000円程度になります。

固定資産税

土地を所有すると固定資産税を支払わなければいけません。ただ、土地を売却した時期に応じて支払う費用は日割りで計算されます。

たとえば、4月1日に土地を売却した場合、1月1日~4月1日までの固定資産税を売主が支払います。そして、4月1日以降の固定資産税は、土地を購入したあなたが支払うのです。

ただし、1年のスタートを「1月1日」「4月1日」としているかは、地域によって異なるため、不動産会社に確認しましょう。一般的に、関東地方が1月1日、関西地方が4月1日としている不動産業者が多い傾向にあります。

金融機関手数料

住宅ローンを組むにあたり、手数料が発生します。ローンを組む際に手続きなどにお金がかかるからです。

ただ、費用は金融機関や借入金額によって異なるため、あらかじめ把握しておいてください。

ローン保証料

住宅ローンを組む際、ローンの保証料を支払います。保証会社に保証料を支払うためです。

この住宅ローン保証料とは、万が一住宅ローンをお客様が支払えなくなったとしても、金融機関が保証会社に住宅ローンを保証してもらうための費用になります。

一般的に、2%ほどの費用がかかります。つまり、2,000万円の住宅ローンの場合600,000円必要です。

保証料は、一括で支払う場合と月々支払う方法があります。一括で支払うほうが費用は安いため、できれば一括で支払ったほうがお得です。

ローンの印紙代

住宅ローンの手続きに必要な印紙代になります。借入金額によって異なります。

土地所有権移転登記

土地の所有権をあなたのものに変えるための手続きになります。おおよそ200,000円ほどの費用がかかるため、土地を購入する方は把握しておきましょう。

抵当権設定登記

抵当権(ていとうけん:担保のこと)を設定するための手続きです。ローンを組む際、土地を担保にする必要があるため、必ず行う手続きになります。

費用は、おおよそ150,000円の費用がかかります。必要な費用になるため、あらかじめ用意しておくようにしてください。

注文住宅の手続きや費用

注文住宅を購入する際の手続きや費用についてお伝えしていきます。手続きの内容や費用を把握しておき、準備をしましょう。

地盤調査の手続きと費用

注文住宅を購入する際、施工会社に見積もりを作成してもらいます。概算の見積もりの場合、地盤調査は必要ありませんが、最終的な見積書を作成する場合、土地の地盤を調査する必要があります。

地盤の固さに応じて、地盤改良を行う必要があるからです。

地盤とは、軟弱地盤のままでは家を建てることができないため、地盤を固くしたり、杭を打ったりする工事のことになります。

地盤調査費用

地盤調査費用は、10万円程度必要になるため、この費用がかかることを想定しておきましょう。

設計を依頼

本格的な打ち合わせを行うにあたり、設計費用を支払います。設計費用は、10万円ほど必要です。設計を依頼する際は、お金を用意しておきましょう。

また、設計事務所などに設計を依頼すると費用は100万円を超えるケースがあるため、注意が必要です。

工事費用を支払いの流れやタイミング

本契約後(請負契約)いよいよ着工です。住宅の建設費用を支払うのですが、一括で支払う場合と工事の経過に応じて支払う方法があります。金融機関や施工会社ごと異なるため、確かめておきましょう。

たとえば以下のように、4回に分けて支払うケースが多く見られます。

  1. 契約時:着手金
  2. 着工時:着工金
  3. 中間(上棟)時:中間金
  4. 引き渡し時:残代金

それでは、具体的にどのくらいの費用がかかるのかお伝えしていきます。なお、施工会社によって3回のケースもあるため、事前に確かめておきましょう。

契約時:着手金

契約を行った際、着手金(契約金)を支払います。費用は、工事費用の10%になります。特に費用に関しては、基準がないため、施工会社によって金額は変わってきます。

また、この費用は自己資金で用意しなければいけません。たとえば、2,500万円の家の場合、250万円程度かかるため、事前に用意しておきましょう。

着工時:着工金

工事の着工時に、「着工金」を支払います。おおよそ費用の1/3の金額を支払います。住宅ローンは、施工完了時に支払われるため、この費用を用意しなければいけません。

しかし、数百万円を用意できない方は、分割で住宅ローンの費用を支払ってくれる金融機関で融資を受けましょう。

もし、分割で融資できない場合、つなぎ融資を行う必要があります。住宅ローンは、建物が完成したときにはじめて建物を担保にすることができるため、ほとんどの場合住宅の工事完了後に融資が行われるのです。

しかしながら、ほとんどの方が数百万円単位の着工金などの費用を建て替えることはできませんよね。

そこで、住宅ローンが融資されるまでの間、融資を受けるのがつなぎ融資になるのです。

ただし、金融機関や住宅会社ごと詳細は異なるため、事前にどのようなお金の流れになるのかを確認しておくようにしてください。

中間(上棟)時:中間金

工事の中間時に「中間金」を支払います。工事費用の1/3の費用になるため、事前に用意しておきましょう。

そして、この工事の中間時期ですが木造住宅の場合、上棟時(じょうとうじ)になります。上棟とは、建物の梁や柱などが組み終わった状態のことです。上棟式(工事の無事を祈るお祭り)を行う方は、このタイミングが中間時になります。

なお、鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅の場合、コンクリートを打ち終わった際が上棟のタイミングです。

引き渡し時:残代金

工事が完了後、いよいよ引き渡しです。残りの1/3の費用を支払います。

ただし、この場合に限っては住宅ローンの融資が行われるため、自己資金などで用意する必要はありません。

つなぎ融資を行っている方は、それを清算する手続きなどを行いましょう。

注文住宅購入時にかかる諸費用

家を建てる際、いろいろな諸費用がかかります。以下では注文住宅にかかる諸費用をご紹介します。

思いがけない出費がある可能性があるため、お金にはある程度余裕を持たせておきましょう。

項目 金額 内容
下水道負担金 約500,000円 市町村に支払う水道工事費用
ガス引き込み代 約150,000円 ガスの引き込み工事費用。プロパンガスならば不要
エクステリア工事費用 約1,000,000円 庭の駐車場やフェンスなどの施工費用
金融機関手数料 31,500円 ローンを組む際に必要な手数料(金融機関によって異なる)
ローン保証料 約600,000円 金融機関によって異なる。一括で支払うほうが安く、月々で支払うと金利分高くなる
印紙代 21,000円 住宅ローンの契約書に貼る印紙。金額によって異なる
火災保険料 約600,000円 建物や住んでいる地域によって異なる
抵当権設定費用 約150,000円 抵当権を設定する費用

住宅購入時には、このような費用がかかります。そのため、住宅購入費用の約2割程度の費用を用意しておきましょう。それでは、具体的にどのような費用なのかさらに詳しく解説していきます。

下水道負担金

土地の下水道がない場合、その工事を行う必要があります。その場合、土地の大きさに応じて費用を支払います。

ただ、既に工事を行っている場合、下水道負担金を支払う必要はありません。最初に工事を行った場合に支払うものだからです。

ガス引き込み代

ガスを引き込む工事が必要な場合、ガスの引き込み代がかかります。都市ガスの場合、引き込む距離によって費用は変化します。

一般的に1m引き込むに場合、1万程度の費用がかかるのです。仮に、10m引き込む場合、十数万円の費用がかかるということになります。ガスを引き込む場合は、これらの費用がかかることを想定しておきましょう。

ただし、プロパンガスの場合不要です。

ガスを引き込む都市ガスとプロパンガスの違いは、費用です。ガスを引き込む場合費用がかかりますが、ガス代が安くすみます。一方、プロパンガスの設置は簡単ですが、ガス代が高い特徴があるのです。

「費用をかけて引き込むのか」それとも「設置が簡単なプロパンガス」にするのかをよく考えて判断してください。

エクステリア工事費用

住宅のエクステリア工事費用(外構工事)は、住宅の購入費用に含まれていないケースがほとんどです。そのため、工事費用を別途に用意しなければいけません。

エクステリア工事が、住宅の費用に含まれていないことをご存知ではない方は多く見られるため、事前に準備しておくようにしてください。

また、エクステリア工事費用は、100万円を超えることは珍しくありません。工事の内容によっては、200万円近くするケースもあります。この費用は、住宅の購入価格に含まれていないため、注意が必要です。

ただし、エクステリア工事費用は、住宅会社に依頼しなくても直接外構工事業者に依頼するのも1つの方法です。直接外構工事業者に依頼することで、仲介手数料分の費用を削減できます。

金融機関手数料

金融機関に支払う手数料が必要になります。建物の住宅ローンを組むのに必要な費用です。数万円程度になります。

ただ、金融機関によって異なるため、覚えておきましょう。

ローン保証料

住宅ローンを組む際の保証料になります。先ほどお伝えしたように、金額に応じて数十万円の費用がかかるため、用意しておくようにしてください。

印紙代

住宅ローンの契約書に貼る収入印紙代になります。金額によって異なるため、値段に応じた費用が必要です。

火災保険料

住宅購入にあたり、火災保険に加入します。そのため、その保険料が必要になります。

火災保険といっても、風災補償(台風などで屋根が割れた場合などでも保険料が給付される)があるので覚えておきましょう。

家は、10年に一度外壁塗装を行う必要があります。その際、屋根が割れたり雨樋が破損していたりした場合、風災補償によって保険料を使い、お得にメンテナンスできます。

たとえば、屋根と外壁が台風で破損して火災保険を申請すると仮定します。このとき、150万円の費用が支払われたのであればいかがでしょうか。

150万円を使って外壁塗装が行えるため、それよりも塗り替え費用が安ければ実質負担0円で塗り替え工事が行えます。火災保険は火災が起きた場合出なくても使える便利なサービスです。

事前にプランなどをしっかり確認して、その後リフォームにも使える可能性があることを覚えておきましょう。そのため、火災保険に加入する際は内容をよく確認して入るようにしてください。

抵当権設定費用

建物を担保にするための手続きと費用です。住宅ローンは、建物を担保にして借り入れを行うため、必ず必要な手続きになります。

必ず必要な費用なので、支払わなければいけません。

引き渡し後の手続きと費用

引き渡し後に住宅ローンが始まります。先ほどお伝えしたように、つなぎ融資などをしている方は、清算するなどの手続きを行うようにしましょう。

また、引き渡し後も諸費用がかかるため、新居での生活がスタートしてもお金が無くなってしまい余裕がなくなっては困りますよね。引っ越し後もお金がかかるので、しっかり準備しておきましょう。

引き渡し後の諸費用

引き渡し後にかかる諸費用は、以下をご覧ください。

項目 金額 内容
引越し代 約150,000円 4人暮らしの引っ越しにかかる費用
仮住まい費用 約8万 × 6カ月 = 約48万円 建て替えの場合、賃貸の費用が必要
カーテン代 20万円~ 一般的な4LDKの場合20万円以上の費用がかかる
照明 約4万円 1つ1万円が4LDKの場合4つ必要です
エアコン代 1台10万円 1台10万円ほどするため、必要数に応じた費用がかかる
家具代 必要に応じて テレビ、洗濯機、冷蔵庫、ソファー、椅子、テーブル

家の引き渡し後、以上の費用がかかります。賃貸の場合は必要なくても、新築で生活する場合かかります。必要に応じてあらかじめ準備しておきましょう。

それでは、具体的にいくらぐらいの費用がかかるのかをお伝えしていきます。

引っ越し代

新生活がスタートすると引っ越しをします。これを引っ越し業者に頼む場合、4人家族でおおよそ15万円ほどの費用がかかるのです。

ただし、自分達で行ったりテレビや冷蔵庫などの大きなものだけを業者に頼んだりすると費用を抑えられます。自分達で行い、費用を抑えるのも1つの方法です。

仮住まい費用

建て替えの場合、仮住まいの費用が必要になります。施工会社によって異なりますが、おおよそ6カ月程度かかります。

1カ月の家賃が8万円だと仮定すると、半年で48万円の費用が必要です。仮住まいする方は、仮住まい費用がかかることを想定しておきましょう。

カーテン代

新築戸建てには、カーテンがありません。また、カーテンレールもないため、それを設置する費用がかかります。

カーテンのグレードや業者によって値段が異なりますが、20万円以上の費用がかかるケースが多く見られます。

ただし、カーテンは住宅会社でなくても購入することができるため、内装業者などに依頼する方法も1つの手です。施工会社の見積もりと内装業者の価格を比較し、お得にカーテンを設置するようにしてください。

照明

見積もりの照明が含まれていない場合、照明器具代が必要になります。以下の画像のようなシーリングライトを購入する方は多く見られます。

新築照明

商品にもよりますが、1つ1万円だと仮定すると、必要に応じた費用がかかるのです。

4LDKでリビングの照明以外に1つずつ購入する場合、4個分の費用が必要になります。また、好きな照明をつけることもできますので、お好みに合わせたものを選びようにしましょう。

エアコン代

新築にはエアコンが設置されていません。そのため、必要な部屋に応じてエアコンを設置しましょう。

価格は、1台10万円以上するので、必要な費用を準備しておきましょう。

家具代

新生活をスタートすると、テレビなどの家電や家具が必要になる方もいるのではないでしょうか。電化製品であれば、テレビや洗濯機、冷蔵庫、家具であれば机やテーブル、ソファーなどが必要ですよね。

新居での生活がスタートするのであれば、家具を一新できるようにお金を用意しておきましょう。

まとめ

家を建てる手続きや費用についてお伝えしてきました。注文住宅の購入時には、契約時や建設時、さまざまな手続きが必要になります。

また、必要に応じて費用がかかるため、手続きの内容や費用がかかるのかを把握しておきましょう。家を建てる際、想像以上にお金がかかります。

家を建てたら「貯金がなくなってしまった」ということのないように、手続きの流れやタイミング、費用などを把握してしっかり準備しておきましょう。

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