建売住宅の購入を予定している方が、何の準備も心構えもないままに、建売の見学に出向くと、相手のペースに巻き込まれて失敗することがよくあります。
建売住宅を購入して失敗してしまったという方もいるので、あなたは絶対に失敗しないようにしてください。
住宅は、一生に一度の、それも高額な買い物です。ですから、建売住宅の購入前の見学で失敗や後悔をしないようにしたいですよね。
そこで本記事では、これから建売住宅を検討しているあなたのために、準備や心構え、見学のポイントなどをご紹介します。参考にしてください。
建売の見学をする前の準備
建売を見学する前には、いくつかの準備しておくことがあります。
せっかく、家族のスケジュール調整を行って出かけても、現地でチェックできなかった、あるいは「チェックするのをついつい忘れてしまった」と言うのはよくあることです。
また、帰宅後に見学した分譲地の近くに、同じような建売があったのに忘れてしまったというのもあります。
ここでは、そんな後悔をしないように、建売の見学前に準備しておくことについて述べます。
複数の物件の資料請求
一生に一度になるかも知れない高額な買い物ですから、できるだけ沢山の物件からベストな選択をしたいものです。その際、1冊のスクラップブックを活用することをおすすめします。
スクラップブックとは、上の画像のようなノート状のもので、新聞やチラシの切り抜き、そして写真などを貼り付けられるようにしたものです。
これに気になった建売のチラシや写真などを貼り付けておけば、希望する建売情報を1冊にまとめることができ、比較検討も楽になります。
それでは以下に、建売の情報収集とスクラップブックの活用方法について説明します。
チラシやCMで見学する物件を選ぶ
建売の物件を選ぶ際は、チラシやCMで物件を選びましょう。
チラシ
チラシは、近くで建売が販売されると新聞やポストに投函されます。また、駅やショップに置いているフリーペーパーなどにも建売情報が載っています。
建売の購入を検討している方は、どのような物件があるのかチェックするようにしてください。
ただ、単に販売している物件紹介だけのものや、「チラシ持参の方には粗品進呈」などと販促キャンペーンを兼ねたものもあります。
それらのチラシ物件が、希望している地域や建売分譲業者であれば、目を通して必要に応じて上に挙げたスクラップブックに貼り付けて残しておくようにしましょう。
キャンペーンのチラシは期間限定のものが一般的ですが、期間内に見学できない場合でも、近くに寄った時や後の比較参考資料にもなります。ですから、気に入った物件であれば残しておくようにしましょう。
CM
テレビの地方局では、建売のCMを流している場合があります。わずか数十秒のものですから、なかなか必要な情報を得ることは出来ません。ですが、会社名や分譲地名などはメモしておきましょう。
現在では、建売業者もWEBを利用しているのがほとんどです。ですから、メモした会社名や分譲地名から改めてWEBで確認することができます。
そして、必要だと思った時はプリントアウトして、チラシ同様にスクラップブックに残しておきます。
WEBサイトと資料請求
上で述べたように、気になる情報をじっくりとWEBで確認できるのがインターネットの良いところです。
チラシやCMでは手に入れることのできない情報も、インターネットで知ることができます。
特に、希望する地域が現在の住居地から離れている場合には、有効な手段です。
WEB上には資料請求画面が用意されています。氏名や住所などを入力しなければなりませんが、WEBでは公開していない情報を得られることもあります。
また、建売事業者やハウスメーカーの特徴なども、より詳しく判ります。
なお、住宅に関する専用サイトでは、一括資料請求サービスを無料で提供していますので、それを利用するのもいいでしょう。
以上で得られたお気に入り物件情報は全て、スクラップブックに貼り付けておきます。そして、見学の時にはその1冊を参考書として持参するのです。
建売の見学は予約が必要な場合がある
建設中、あるいは完成後でも、外から見学する場合は、特に予約の必要はありませんが、中に入って詳しく見学を希望する場合には予約が必要です。
建設中に勝手に入り込んでの見学は施工の邪魔になりますし、完成物件への無断侵入はいけません。
モデルハウスやオープンハウスとして開放している場合は、誰か担当者がいますので、ことわりを入れて見学するようにしましょう。
常時オープンしている注文住宅のモデルハウスと違って、建売住宅のモデルハウスやオープンハウスでは、予約見学が一般的です。内部の見学や詳細な説明を希望する場合は、電話やネットで予約するようにしましょう
建売の見学に必要な持ち物
建売の見学で、情報の収集や確認をするためには、必要なツールがあります。以下のツールを各自の目的に合わせて用意しましょう。
- デジタルカメラ
- メジャー
- スニーカーなどの脱ぎやすい靴
- 方位磁石
- 筆記用具
- メモとスクラップブック
以上のツールについて、どのように役立てるのか、具体的に説明していきます。
デジタルカメラ
専用のデジタルカメラでなくてもスマホでかまいません。建売分譲地の全体の様子、建物の内外観だけでなく、分譲地の案内図や近隣の風景なども撮影しておきましょう。
また、建物の建築面積や延床面積、合わせて土地や建物の価格情報なども合わせて記録しておきます。
ノートにメモ書きするのも良いのですが、カメラで撮影しておく方が、早くて確実です。
あとで整理するつもりでとりあえず撮影しておくようにしましょう。その時には気づかなかった情報も撮影画像から得られることがあります。
合わせてビデオ撮影もおすすめで、住宅や分譲地の雰囲気をリアルに思い出せます。
メジャー
これは、いわゆる物差しや巻き尺です。手持ちの家具や家電製品、あるいは購入を予定しているものがレイアウトできるかどうかを確かめるために使います。
メジャーといっても、裁縫などに使う布製の巻き尺ではなく、スチール製のものがおすすめです。スチール製のものを、一般的にはコンベックスやスケールと言い、文具店やDIY店で購入できます。
コンベックスの良い点は、少しくらいなら巻き尺部分を出しても垂れることがなく図りやすいと言うことです。
これには色々なサイズがありますが、一般の方が利用するにはコンパクトな3.5mで十分でしょう。
メジャーで測っておきたいものには、上記の他に駐車スペースのサイズ、カーテンを用意するために必要な窓のサイズなどがあります。
いずれにしても、事前に測っておきたい内容をスクラップブックに整理しておくようにしましょう。
スニーカーなどの脱ぎやすい靴
完成物件を見学する際には、ひんぱんに靴を脱いだり履いたりします。ですから、脱ぎやすく履きやすいスニーカーが便利です。
なお、建設中の建物の中を見学する際には、革靴やヒール靴は嫌われます。
現場では、床などを養生していますが、底の硬い靴やヒールで傷がつくことを恐れるからです。また、スニーカーの場合でも、軽く砂や泥を振るい落とすくらいの気配りは必要です。
方位磁石
建売の平面図や分譲図には、方位が記載されているのが一般的ですが、念のため、方位を確認しておましょう。
なお、スマホには方位アプリがありますので、それで代用するのもいいでしょう。
筆記用具
「これは念のために」というもので、カメラで記録する以外に気づいたことのメモを取るためのものです。
当日に、確認しておきたいことや営業マンから聞いたことなどをメモって、スクラップブックに貼っておきましょう。
メモとスクラップブック
出典:https://life-designs.jp/webmagazine/
スクラップブックの活用は上でいく度も挙げましたが、まずは事前に調べたチラシやWEB情報などを貼り付けておきます。
次に確認しておくことなどを追記しておきます。そして、見学で得られた画像や情報などを追加添付します。
こうすることで、確認忘れや聞き忘れが少なくなり、最終的な総合判断の時にも貴重な資料になります。とてもわかりやすいですよね。あなただけの家づくりノートを作りましょう。
新築建売のチェックポイント・リストをご紹介
上記で、建売住宅を見学する際に準備するものについて説明してきました。次は、いよいよ実際の建売見学です。
建売の見学には、どのようなチェック・ポイントがあるのでしょうか、紹介していきます。
立地条件
建売住宅を選ぶ時の最優先項目は、立地条件でしょう。ライフスタイルや家族構成などで、優先する順位や項目は変わりますが、主な項目は以下のものになります。
- 駅までの距離、徒歩何分か
- スーパーや病院までの距離
- 学校や会社までの通勤通学時間
- その他の公共施設(公園、図書館、市役所・・・)
- スポーツジムなどの商業施設
- 自然環境
上記は、チラシなどの建売情報にも記載されていますが、実際に車や徒歩で確認しておくことをおすすめします。
また出来れば、日常生活をイメージしながらシミュレーションしておきましょう。車で行く場所と徒歩で利用する場所とを分けて確認しておくことが重要です。
周囲環境
建売分譲地の周囲環境は、平日と休日では異なる場合があります。
休日に見学した時には、気が付かなかったが、いざ入居してみたら、近隣の工場騒音や全面道路の交通量の多さにビックリすることもあります。
建売住宅の購入候補に残って、いよいよ決めると言う時には、念のために平日と休日の両方で周辺環境を確認しておくようにしましょう。一生に一度の買い物です。失敗はしたくありませんよね。
外構・エクステリア
最近の建売住宅では、外構・エクステリアを含むのものがほとんどですが、その範囲や程度は様々です。
モデルでは、アプローチと隣地境界フェンスの他に、駐車スペースの床、そしてインターフォンなどの機能を備えた複合サインポストなどが付いているのが一般的です。
しかし、それらの中にはオプションとしているものもあります。
ですから、外構・エクステリアのどこまでが標準で価格に含まれているのかを確認しておくことが必要です。
販売価格には、家だけでなく庭も含まれていると思っている方は多いようですが、別々のケースもありますので確認しておきましょう。
外構・エクステリアを含んだ価格が3,000万円と思っていたのに、それらが別途だと後でわかると予算オーバーになるかもしれません。
規模や仕様にもよりますが、外構・エクステリアには少なくとも100万円前後の費用が必要です。
後悔しないように事前に確認しておくとともに、別途の場合はお願いした時の見積り額を確認しておきましょう。
地盤沈下しないか
地域によっては、地盤の弱いところがあります。これは一般の方には判断が難しい部分です。
明らかに地盤の耐力が弱い時には、業者側で相応の施工方法をとっていますが、その施工方法や内容が十分であるかどうかまでの判断は難しいものです。
例えば、東日本大震災の時には、千葉県のある地域で液状化が起こり、住宅が沈下・傾いた映像がテレビで流れていました。最近では、北海道の札幌の一地域で液状化が起きていました。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2802K_Y1A620C1000000/
地盤はとても重要なことなので、担当営業マンに、できれば技術者を交えて地盤耐力の程度や施工方法・内容の説明を受けるようにしましょう。
きちんとした説明や明快な回答がなかった場合は、あきらめましょう。ほかの物件を探すようにしてください。
近くの物件が地盤沈下しているかどうかをチェック
なお、近隣に比較的古い建物がある場合には、それを観察することが地盤の良し悪しを判断する一つの目安になりますので参考にしてください。
例えば、近隣の家や境界のフェンス・ブロック塀に沈下している様子がないか、全面道路が凸凹になっていないか、あるいは道路と敷地の段差に違和感がないか、などは一般の方でも判断できます。
おかしいと思った時は、事業者に確認しましょう。明確な回答が返ってこなかったら没物件です。
ハザードマップを確認する
その他でユーザーの気になるところとして、「地震や水害などの災害は大丈夫か」が気になると思います。
各市町村にはハザードマップがあり、それには、浸水想定区域や土砂災害危険区域、地盤液状化など、地域の危険情報が記載されています。
出典:http://www.pfk96.com/quality04.html
過去にそれらの災害があったところは別として、そうでない区域では、必ずしもそれらの災害が起こるとは限りません。
しかし、できるだけ災害は避けたいものですよね。そういう場合はハザードマップを確認しましょう。
ハザードマップは、各市町村などのWEBサイトでも公開されていますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
建物の目視点検と確認、賢い選び方
完成している建売住宅を購入する時、建物のどのようなところに注意すれば良いのでしょうか。
完成物件での建物点検は、目視による見た目と、仕様の確認が中心となります。以下に具体的に紹介していきます。
外観の不備をチェック
外観目視でチェックしておく点は、それほど多くはありません。見た目のイメージが気に入ったかどうかが全てです。
ただ、あきらかに施工不良と思われる壁の凹凸や波打ち、そして目地やサッシ回りの防水シーリング(コーキングとも言う)がきたなく施工されているものは避けておきましょう。
施工が不慣れ、あるいはずさんな証拠です。
なお、施工技術とは関係ありませんが、外観に樹脂製のモールなどで色々と飾り付けされたものより、出来るだけシンプルなものがいいでしょう。
オーバーデコレートされたものは、飽きてしまうもので、飾り付けられたモールなどが劣化した時には、かえって汚れが目立つようになります。
床のチェック
床のチェックポイントには、歩いた時の床鳴りの有無確認が主なものです。ごく稀に、床が傾いている場合もありますが、その場合はその時点でお断り物件でしょう。
「床の傾きは床周囲の巾木が何となく水平でない」「床と巾木との隙間が同じでない」などでわかります。何より、人間の感触は正確で、歩いてみるだけでもわかります。
床の傾きを確認する簡単な方法として、ビー玉やボールを転がしてみる方法があります。
しかし、これは傾きをクレームとして証明するための方法で、新築の建物で試すには、あまりにも露骨で失礼な行為ですからやめましょう。そうありませんが、床が傾いている物件は没物件です。
床鳴りは、かつては多くありましたが、施工の向上でずいぶん少なくなりました。ですが、完全になくすのは難しいのも現実です。
ただ、その場合でも直すことはできますので、選んだ物件で床鳴りした場合は相談してみましょう。
なお、内覧で床に上がる時、一般的にはスリッパが用意されますが、場合によっては靴下のままで床の感触を確かめておくことも必要です。
床に関しては、もう一つ重要な点検項目があります。1階の床には、必ず床下点検口がありますので、蓋を開けて床下を確認するようにしてください。
出典:https://www.enegene.co.jp/blog/reform/『住宅床下について』のお話/
床下にゴミや残材が散らかっているのは、ずさんな施工の証拠ですから避けておきましょう。営業マンのいる前で床下を覗くのは勇気がいるものです。
一生に一度の買い物ですから、契約前には勇気をだして確認しておくようにしてください。
壁・天井のチェック
壁のチェックは、主にクロスの仕上がり具合が中心です。クロスの貼り継ぎ部分に隙間がないか、あるいは浮いているところがないか、などを確認しておきましょう。
稀に、下地のプラスターボードを止めている釘やビスの頭部分が膨らんでいる場合があります。
なお、壁は手で触ってみるのも一つの方法です。
玄関ドア
最近の玄関ドアは、ワンキー・ツーロックが標準で、カードキーやリモコンキーが増えてきています。
カードキーは、カードをセンサー部分に近づけることで2箇所の鍵の開閉ができるもので、リモコンキーは、リモコンをポケットやカバンに入れておくとドアのボタンを押しただけで同様に開閉できるものです。
一生に一度の買い物ですから、耐久性が高いのはもちろんですが、機能面でも最新のものになっているものがおすすめです。
機能が最新のものであれば、安全・防犯性能が高いだけでなく、機能が陳腐化するまでの期間も長くなります。
ただし、建売で決まられている玄関ドアの仕様を変更することはできませんので、あくまでも確認だけです。また、完成前で変更できる場合でもオプション扱いになります。
階段チェック
階段はバリアフリー仕様が定着して、かつてに比べるとずいぶんと緩い勾配のものになりました。
しかし、バリアフリー基準にも範囲がありますので、基準ギリギリか余裕を持って作られているかで、その感触が大きく変わります。これも建売では変更できませんが、上り下りでその感触を確認しておきましょう。
なお、階段に手すりが付いているかどうか、あるいは付けられるかどうかの確認も必要です。
水回りのチェック
チラシや仕様書に記載されているシステムキッチン、洗面ユニット、トイレ、バスユニットの実際のデザインや機能を確認しておきましょう。
モデルでは、オプション装備されている場合もありますので注意が必要です。水回り設備の標準仕様は、出来るだけ変更しないようにしましょう。
変更オプションは商品の差額以上に割高になる可能性があるからです。
ただし、標準仕様に追加オプションとする場合は、一般的な価格で取り付けることができます。
収納スペースのチェック
建売の見学で以外と気づかないのが、この収納スペースです。一般的な建売住宅の収納スペースは、決して十分ではないかも知れません。
これは、居住スペースを優先しているためで、見学の際には現在の住まいの収納スペースや収納量などを思い浮かべながらシミュレーションしておきましょう。
場合によっては、収納物の整理も必要かもしれません。
基礎を確認
基礎で確認できることは、基礎の種類、床下の通気方法、そしてひび割れの有無です。
基礎の種類としては、布基礎とベタ基礎が一般的で、一概には言えませんが、ベタ基礎の方が強固だとされています。
基礎そのものにひび割れがあるものは、その大小にかかわらず避けておいた方がいいでしょう。
ひび割れには構造的なものと、乾燥によるヘアークラックのものがあり、ヘアークラックは構造的に問題ないと言われていますが、避けておいた方が無難です。
屋根裏のチェック
一般的に住宅には、屋根裏点検用の開口部を2階の居室や押入れの天井などに設けています。
一般の見学者が、この点検口から屋根裏を覗くことは難しく、依頼するには勇気がいります。
しかし、契約の意向があり最終決断する前には、覗いておいた方がより安心です。
床下と同様に、屋根裏に断熱材や残材などが散らかっている場合は、避けておいた方がいいでしょう。現場管理の不徹底は施工不良につながっているからです。
日当たり
日当たりの良し悪しは、日常生活の快適さに直結します。一般的に言われている南向きの間取りが良いのですが、全ての建売分譲地が、南向きになるとはかぎりません。
南向きでなくても、工夫で明るい間取りになっているものもあります。
そのためには、明るい時間帯に見学する必要があります。忙しいという理由から夕方や日が沈んでからの見学はおすすめできません。
建物の保証
建売住宅の保証は、法的に義務付けられたものがほとんどです。注文住宅では、ハウスメーカーが任意で保証期間を延長している場合もありますが、建売住宅で任意で保証しているものはないのが一般的です。
以下に、その保証内容について説明します。
住宅瑕疵担保履行法による保証(住宅瑕疵担保保険)
これは、2009年(H21年)10月に施行され、以降に引き渡す新築住宅の全てに義務化されたものです。建売住宅では、その事業者(売り主)が、この保証を実施するために保険に入らなければなりません。
保証される内容は、構造耐力上主要な部分(柱・梁、筋交いなど)と雨水の侵入を防止する部分(屋根、外壁、窓)について10年の保証となっています。
このおかげで、極端にいい加減な住宅が減り、万が一の時にでも保険で改善・修復が可能になりました。
つまり、構造と雨漏りの瑕疵については10年間、ユーザー負担がなくなったのです。
宅地建物取引業法(宅建業法)による保証
上記の住宅瑕疵担保保険(じゅうたくかしたんぽほけん)の対象になっていない部分については、宅建業法上の瑕疵責任が適用されます。
法律上は、2年以上の瑕疵責任となっていますが、実質的には2年としている売り主がほとんどです。
ここで、注意する点は宅建業法による瑕疵保証で、何を瑕疵とするかを知っておかなければなりません。
瑕疵とは見えない欠陥のことですから、購入者の不注意で気づかなかったクロスの剥がれや床の傷などは厳密には瑕疵とはなりません。ですから、見学時のチェックが重要なのです。
家は高価な買い物なので保証はとても重要です。必ず確認するようにしましょう。
必ず金額・値段をチェックする
気に入った建売も、予算に合わなかったり思っていたよりも高くなってしまったりしたら意味がありませんね。
近年のローコスト住宅メーカーの商品には、フル装備の設備で建売住宅並に安いものもあります。
選んだ建売住宅の価格が高いと感じたりオプションをつけたら予想以上の価格になったと感じたりしたのなら、ローコスト住宅メーカーから見積りを取ってみるのも一つの方法です。
ローコスト住宅の中には、坪単価20万円代〜と言うものがあります。仮に28万円/坪として、延床40坪とするなら建物の本体価格は1,120万円となります。注文住宅の場合はこの他に、
屋外の電気・給排水工事費が必要で、一般的には150〜200万円ほどになります。合計すると、1270〜1320万円になり、坪単価で表すと、31.75〜33.0万円/坪となります。これなら建売に十分対抗できる価格ですね。
ただし、注文住宅ですから、土地探しは自分で行わなければなりません。メーカーによっては、土地をさがしてくれるところもあります。
それであれば、手間がかからないので選択肢の一つになるかもしれません。
建売の賢い選び方のコツ
建売を見学する際の準備やチェックポイントを上で述べました。
では、それらに注意した上で、賢い選び方や買い方にはどのような注意点があるでしょうか。
賢い選び方と買い方について紹介していきます。
気になった物件は必ず数回確認する
まず気になった物件は、納得するまで見学して確認しましょう。1回では気づかなかったものも2度目・3度目と重ねるうちに気づくこともあります。
同様に、担当者に納得いくまで説明を受けるようにします。一生に一度の買い物ですから、後悔しないようにすることが大事です。
チラシが仲介業者ではなく売主がおすすめ
不動産の販売には、売り主が直接行う場合と業者を仲介して行う場合があります。仲介業者を通す場合には仲介手数料がかかります。
一方で売り主から直接購入する場合は、仲介手数料の必要がないのです。
仲介業者を通じて売買契約を結ぶ場合は、売買価格 ✕ 3% + 6万円 + 消費税を上限として仲介料が発生します。
例えば、売買契約額が3,000万円とするなら、3%の90万円と6万円の計96万円(税別)がかかり、消費税がプラスされます。大きい金額ですね。
もちろん、上限金額が決められているだけですから値交渉は可能ですが、ゼロになることはありません。
しかし、もし建売の事業者(売り主)が直接販売している場合は、上の仲介料が必要ありません。
建売事業者は、より多くのユーザー確保のために自社だけでなく仲介業者も利用するのが一般的ですが、事業者の直接販売を見つけた時はチャンスです。
建売のチラシには、売り主の直接販売物件か仲介物件かの情報も載っていますので、注意しておきましょう。
相手のペースに飲まれない
ビジネスですから、程度の差はあっても営業マンは売るための攻勢を見学者にかけてきます。
しかし、その攻勢に負けて相手のペースに飲まれてしまうと、確認したいことも十分に納得しないままに契約してしまうかもしれません。また、値交渉も思うようにはできません。
ですから、100%気に入っていても、まだ気が変わるかもしれないくらいの態度でマイペースに進めることが大事です。
建設中の物件は要注意
建設中の建売物件で売買契約を結ぶ場合には、いくつか注意点があります。以下で説明しましょう。
建設途中の物件ですから、建売事業者にはまだ売却期間に余裕があります。そのため、事業者は売り急いでおらず値下げは期待できません。
もちろん値交渉はするべきですが、大きな値引きにはならないでしょう。
また、完成品を見ずに契約するのですから、実際の仕上がり具合は想像するしかありません。運悪く、ずさんな施工になった場合、色々なところで不満が出てくる可能性があります。
以上の問題点を解決するためには、担当営業マンと十分にコミュニケーションを図って、気長に値交渉するしかないでしょう。
そして、契約後はできるだけ現場に足を運び、監督さんや職人さんとコミュニケーションを図り「よろしくお願いします。」などと言葉をかわすことです。住む人の顔が見えると、いい加減なことは出来なくなるものです。
建物に関する書類(図書)を多く用意している会社がおすすめ
建売住宅の売買契約書に添付される建築図面は、仕様書、敷地・建物配置図、そして平立面図が一般的なものです。それ以外では矩計図(かなばかりず:断面図の1種)が付いている場合もあります。
本来、建築図面には、上記以外にも各階の構造図や電気・給排水などの設備図面などが必要になります。
しかし、建売住宅の場合、建て馴れていると言うこともあって、それらの図面を省略して現場任せにしているところがあります。
一概には言えませんが、建築図面が多く揃っているほど、より施工が統一されており、手抜きを防ぐことに繋がります。
契約時にどれだけ詳細な建築図面を貰えるかは、その建売事業者の建物に対する施工基準や程度を理解するよい材料になります。構造図や設備図を貰える業者はおすすめと言えるでしょう。
また、引き渡し時には、建築確認書や検査済書、そして瑕疵担保保険の内容に関する書類も受け取るようにしましょう。
まとめ
建売住宅の購入で後悔しないためには、出来るだけ多くの建売事業者やハウスメーカーの資料を集めるところから始まります。集めた資料から建売事業者やハウスメーカーの特徴を知っておくと、建売分譲地の見学の際にも理解が深まります。
各資料はそれぞれ請求して集めますが、日々のチラシやWEB情報などからも気になったものを集めておくことが重要です。
各ハウスメーカーには、一括資料請求できるサービスもあるので、まずはこういった無料のサービスを上手に利用するのがおすすめです。
その際には、スクラップブックに、各資料を貼り付けるなどで整理しておくことをおすすめします。
建売住宅を見学する時にそのスクラップブックを持参しておけば、見学での確認忘れを防げます。また、見学や営業マンから得られた情報なども貼り付けておくと、最終判断の時に大きな役割を果たしてくれます。
なお、建売住宅の見学に際しては、カメラやメジャーなどのツールを用意して、記録や確認が簡単にできるようにしておきましょう。
建売住宅には、売り主の直接販売と売り主から依頼された仲介業者を通じて購入するものとがあります。
後者の仲介業者を通じて建売を購入する時には、仲介手数料(土地付き建物価格 ✕ 3% + 6万円 + 消費税)がかかります。そのため、可能であれば、売り主の直接販売物件がおすすめです。
ここで紹介したことを参考にして、お得に夢のマイホームを購入しましょう。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料