「家を買いたい」と思い立っても、さて何から始めればいいのでしょうか。日常品を買うように、いきなりお店に出かけることはしませんよね。
一生に一度の、それも高額な買い物です。家を買いたいと思ってから実際に購入するまでには、それなりに時間や手続きが必要になります。
高額な住宅ですから、時間やエネルギーが必要になるのは仕方ありませんが、できれば効率的に賢く行動したいものです。
ここでは、資金計画の目処(めど)がついて実際の家探しを行う際の、手順や注意点を紹介していきます。参考にしてください。
建売と注文住宅では相談先が違う
買いたい家が、建売住宅か注文住宅なのかで、情報集めの方法や相談先が異なります。
建売住宅では、住みたい地域で販売している建売住宅の有無、そしてどのような不動産会社があるのかをチェックすることから始まります。
そして、注文住宅の場合は、ハウスメーカーや地域の工務店情報を集めることから始まります。
ただし、ハウスメーカーにも事業展開していない地域がありますので注意が必要です。
以上をふまえて、建売住宅と注文住宅のそれぞれについて、どのように情報集めをするのか、あるいはどこに相談すればよいのかについて、もう少し詳しく紹介していきます。
建売一戸建て・中古は不動産会社
建売一戸建てや中古物件を探す際には、地域の不動産会社を利用するのが一般的です。
不動産会社とは、不動産(土地や建物)売買の仲介(ちゅうかい)を業務とし、宅地建物取引業法(宅建業法)で登録された会社を言います。
業務の具体的な例として、建売一戸建てでは売り主と買い主が売買契約を結び、仲介業者(不動産会社)が仲介手数料を受け取る仕組みになっています。
しかし、ここで注意が必要です。
建売一戸建ての売り主(分譲事業者=土地と建物の所有者)が宅建業法上の不動産会社を兼ねている時があり、その場合の売買契約では仲介手数料は発生しません。
つまり、不動産会社が売り主になって、一戸建てを販売している場合は仲介手数料が発生しない訳ですね。
一方で、宅建業法上の不動産会社でもある売り主が、自社で販売するだけでなく地域の不動産会社に販売を委託していることもあります。
そして、この場合の地域の不動産会社を通して一戸建てを購入する時には、仲介手数料が発生します。
このように、同じ建売一戸建てでも、仲介手数料が発生する場合と発生しない場合があるのです。
建売一戸建ては土地付きですから売買価格は高額になります。その時の仲介手数料は、100万円を超えることも珍しくありません。
仲介手数料の有無で、それだけの金額が変わるのですから、売り主物件か仲介物件かの情報を調べて上手に賢く購入しましょう。
参考までに、仲介手数料の算出方法と金額を以下で紹介します。
売買価格が400万円超えの場合の仲介手数料は、
( 売買価格 ✕ 3% + 6万円 )+ 消費税
例えば、3,000万円の建売住宅の場合、
( 3,000万円 ✕ 3% + 6万円 )+ 消費税( 8% )= 103.68万円
金額が大きくなるとこの手数料がかかるので、無視できない金額になります。
これだけの費用があれば、本来は付いていなかったカーポートやテラスなどを付けることもできます。
新築の建売を購入する際は、この手数料が込みの価格なのかを確認しておくようにしましょう。
なお、中古物件の売買契約は個人所有者との間で行われることが多いため、仲介手数料が発生するのが一般的です。
ただし、不動産会社が下取りなどで買い取って販売する時には仲介手数料は発生しません。
住みたい地域の不動産会社に相談
地域の建売情報を一番たくさん持っているのは、地域で営業している不動産会社です。
中には、まだ計画段階の建売情報を持っていることもあります。ですから、住みたい地域が決まれば、その地域や近辺の不動産会社に相談してみましょう。
先に紹介したように売り主(分譲事業者)が直接販売している物件を、地域の仲介業者(不動産会社)でも取り扱っている場合があります。
この場合、売り主から買えば仲介手数料が不要なのに地域の不動産会社を通すと仲介手数料が必要になります。
ですから不動産会社での相談は、とりあえずは情報集めだけにして、売り主側での直接販売の有無なども確認しておきましょう。
なお、今までの実生活の中で、気に入った地域を決めているかもしれませんが、建売情報が具体的に判れば、あらためて現地確認しておくことをすすめます。
資料などで見るのと直接見るのでは、雰囲気などが大きく変わってくるからです。大きな買い物なので、絶対に訪問するようにしてください。
単に車で周囲を見て回るだけではなく、できれば散歩をかねて、ゆっくり見て回ることをおすすめします。
土地分譲+注文住宅(建築条件付き)
注文住宅を計画している方に知って欲しいのが、建築条件付きの土地を購入して家を建てる場合です。
これは、注文住宅を建てる業者を指定して土地を販売しているのです。このような土地を建築条件付き(停止条件付きとも言う)といいます。
つまり、「この土地を購入したら、指定している業者で家を建ててくださいね。その代わり安くしますよ」というように家を建てる業者を指定して、土地を販売しているのです。
ユーザーはハウスメーカーや工務店を指定できませんが、通常よりもお得に土地・建物を買うことができます。
建築条件付きの物件は、比較的大型団地に多く、団地内に建売住宅が混在しているケースも多くあります。
いずれにしても、建築条件付きの物件情報も、不動産会社で得られます。
また大型団地では、団地内にモデルハウスあるいは案内センターなどを設けている場合がありますので、そこで情報を得ることができます。
建築条件付き物件は、建売住宅と注文住宅の中間ともいえます。住みたい地域に、このような分譲地があれば、検討してみてはいかがでしょうか。
先に紹介した建売住宅や停止条件付き物件は、WEB上でも検索・資料請求することができます。
しかし、WEB上で公開している情報や請求した資料では判らないものもあります。
例えば、建売分譲地の評判や周囲環境などです。
したがって、チラシやWEB情報で事前に情報収集すると共に、不動産会社から得た生の情報も合わせて物件選びをするようにしましょう。
注文住宅はハウスメーカー・工務店
注文住宅で家を買う場合は、ハウスメーカーか工務店(地域の住宅会社を含む)が相談先になります。
注文住宅を建てたいと思ったら、ハウスメーカーや工務店に相談するようにしましょう。注文住宅では、設計力や提案力などが重要なポイントになります。
ですから、建売住宅以上に住宅の知識や情報、そしてハウスメーカーや工務店の情報集めが重要になります。
ハウスメーカーや工務店による価格差は大きく、それによる品質や住宅性能の差は気になるところですよね。
それらを知るためには、ハウスメーカーや工務店の情報をしっかり集めることが重要です。
しかし、いきなりハウスメーカーや工務店を訪れて相談しても、希望する家に必要な情報が得られない可能性があります。
せっかく相談しても希望が叶わず、その後の電話営業や自宅訪問などで困ることになる可能性もあるのです。
では、具体的にどのように進めればいいのでしょうか。以下で紹介していきます。
まずは一括資料請求がおすすめ
注文住宅の情報集めには、一括資料請求が便利です。
これは、WEB上で、地域や家族構成、そして予算などを入力すると、それらに対応出来る業者を一括で紹介してくれる無料サービスです。
以下のように全国600社以上のハウスメーカーや工務店の資料を一括入力でもらうことができます。
会社情報や住宅カタログなどが送付されてくるため、わざわざハウスメーカーごとに問い合わせる必要がありません。
ただし、その後は電話や自宅訪問などがあります。ですから、送られてきた資料を元に、交渉を継続するメーカー、そしてお断りするメーカーの区別をしておきましょう。
その後の住宅購入計画をスムーズに行うためには、はっきりとした意思表示をしておくことも重要です。
なお、断る場合は失礼にならないようにしておきましょう。
ある程度知識をつけてから住宅展示場
注文住宅を買うための情報集めや家のイメージを確認するためには、住宅展示場見学は直接的で有効な方法です。
しかし、せっかく足を運び時間を費やすのですから、できるだけ効率のよい展示場見学にしたいものですね。
上で紹介した一括資料請求で得た情報では分かりにくかったこと、たとえば住宅性能や仕様などで確認したいこともあると思います。
ですから、住宅の展示場見学はカタログなどで予備知識を頭に入れて、それらを確認する機会にすることをすすめます。
例えば、カタログに写っている仕上げや設備などの仕様が具体的にどのようなものなのか、あるいは標準仕様との差があるのか、などを確認しておきましょう。
カタログなどからの予備知識がなく展示場見学の具体的な目的がないと、展示場のかっこよさや華やかさだけに気を取られてしまいます。
このような展示場見学では、その後に確認したいことが多く出て、何度も見学しなければならなくなるかもしれません。
忙しい中での展示場見学ですから、ある程度の知識をつけて、無駄のない効率的な住宅展示場見学としましょう。
最初からハウスメーカー・工務店に相談するのは避ける
何の事前知識もなく、いきなりハウスメーカーや工務店を訪れ、建築相談することはおすすめできません。
理由は、何の事前知識もなく訪問し、営業マンのお任せ説明を聞くだけでは、ハウスメーカーや工務店に主導権を握られやすくなるのです。その場合、施主が知りたいことや希望を十分に伝えられない可能性もあります。
その他には、上の展示場見学と同様に効率が悪くなることもあります。
事前に、その会社の情報や住宅の特色を知っていれば、確認や質問ができ、主導権は施主側になります。つまり、施主のペースで進めることが重要なのです。
勉強と同じで、しっかり予習をしておくと授業の内容もスムーズに理解しやすくなります。
住宅は一生に一度の買い物ですから、失敗するわけにはいきませんよね。そのためには、事前に資料請求などで予習を行っておき、ハウスメーカーや工務店の特徴を把握しておく必要があるのです。
しっかり準備した状態で訪問や相談をすれば、スムーズに話が進みます。また、無駄足もなくなるのです。
家は一生に一度の高価な買い物です。中でも注文住宅の建設はそう簡単なものではありません。
きちんと資料請求などで情報を集め、できるだけスムーズに施主ペースで家づくりをするようにしましょう。
まとめ
住宅を購入する場合、建売住宅と注文住宅では、情報の集め方や相談先が異なります。
いずれの場合でも、家探しには時間とエネルギーが必要で、購入者の負担になるのは間違いありません。
最初は元気で注意深かった家探しも、疲れてくるとおろそかになり失敗や後悔につながる可能性があります。
その負担を軽減するためには、無料の一括資料請求サービスや地域の不動産会社を上手に活用することがポイントです。
それらから得た事前情報を参考にすれば、ハウスメーカーや工務店選び、そして展示場見学が効率的に行えます。
家探しで疲れすぎないようにすることが、上手な賢い家探しにつながるのです。
本記事が、建売住宅や注文住宅を買う際の必要な情報集めに、そして家を買う時の手がかりになれば幸いです。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料