注文住宅

一条工務店の注文住宅 標準外壁と外観特徴 徹底紹介 

住宅に限りませんが、外観から受けるイメージは大事ですよね。ですから、どんなに性能がよくても、デザインが悪くてユーザーに選ばれないのでは残念な気がします。

ですが、デザインと言うのは、好みの問題でもありますから一律に判断することができません。そして、デザインは大きな付加価値( 対価 )なのですが、数字には現れない曖昧さがあります。

 

住宅の外観を構成するものとしては、屋根、外壁、窓(大きさ・位置)、そしてそれぞれの仕上げ材があります。

本記事では、一条工務店の注文住宅を取り上げ、外壁の標準仕様ならびに外観イメージについて、実例なども交えて紹介していきます。

外観イメージの良し悪しは、多分に主観的なものですが、参考にしていただければ嬉しいです。

一条工務店の注文住宅商品の標準仕様と外観イメージ

ネット上の一条工務店の外観評には、” みんな同じに見える ” などの声を聞きます。

同じ商品シリーズで標準仕様の外壁が同じ、そして同じコンセプトなのですから、ある程度は外観が似てくるのは仕方がありません。では、実際にはどうなのでしょうか。

外観イメージを確認する前に、同社各商品の標準外壁と開発コンセプトを確認しておきましょう。

外壁標準仕様

外壁の表情を印象付けるのに外壁仕上材のテクスチャー( 質感 )の役割は大きく、次がカラーとコーディネートでしょう。

一条工務店の外壁で有名なのはタイルで、一般的な意匠サイディングに比べて高級感があります。中でもカラーバリエーションが多く、汚れにくいハイドロテクトタイルが人気です。

では、各商品の標準外壁を見ていきましょう。

標準外壁 開発コンセプトの紹介
グランスマート 大判タイル、ハイドロテクトタイル 業界最高クラスの性能と上質なデザインを両立
グランセゾン ハイドロテクトタイル 華麗と重厚感を併せ持つ、理想のスタイル
アイスマート 石目調ボーダータイル 業界最高峰の性能と機能美のスマートデザイン
アイキューブ 石目調ボーダータイル シンプルモダンで賢く省エネ
セゾン レンガタイル+サイディング吹付け 格調高いヨーロピアンスタイル
セゾンA サイディング+吹付け 明るくカジュアルな欧風モダン
ブリアール サイディング+吹付け 青空と太陽が似合う、南欧風の家

 

上記以外に、和風住宅の「 百年 」もありますが、今回は省略させてもらいます。

石目調ボーダータイル:ホワイトカラーのみ

 

       石目調ボーダータイル:一条工務店のHPより転載

一条工務店の石目調ボーダータイルは、ホワイト一色のみです。タイルは、下の写真のように工場でパネル化された壁に貼られており、パネルのジョイント部分のみ現場施工となります。

         工場での壁のパネル化:一条工務店のHPより転載

標準タイルでも一般的なサイディングよりも耐久性やメンテナンス性は優れているのですが、ホワイト一色しかないことや、より高い耐久性などから、ハイドロテクトタイルにオプションで変更されるケースが多くあります。

ハイドロテクトタイル:5色からの選択とセルフクリーニング機能

 

      ハイドロテクトタイル:一条工務店HPより転載

      ハイドロテクトタイル カラーバリエーション:一条工務店HPより転載

ハイドロテクトタイルは、太陽と雨の力で汚れを落とすセルフクリーニング機能を持っており、メンテナンスの手間や費用を大幅に抑えてくれます。

同社の試算によると、60年間で740万円のメンテナンス費用の削減になるとのことです。

ハイドロテクトタイルのオプション差額

 

      ハイドロテクトタイル セルフクリーニング機能:一条工務店HPより転載

グランスマートとグランセゾンでは標準仕様ですが、アイスマートとアイキューブではオプションとなり、その他の商品には対応していません。

では、差額はいくらなのか、気になりますよね。

標準仕様からの差額ですから、選んだ住宅商品によって異なります。また、差額は外壁面積に対してではなく、床面積によって算出されています。

差額は、アイスマートで1.3万円/坪、アイキューブでは1.6万円ほどで、例えばアイスマートの延床面積40坪の住宅なら、52万円の差額となります。

外観イメージ

先に、各商品の外壁仕様と一条工務店の商品コンセプトを紹介しましたが、具体的にどのような外観イメージなのか、見てみましょう。

グランスマート:風格のプレミアム(2✕6)

一条工務店の最高位の商品で、外壁はハイドロテクトタイルの全面貼りが標準です。大判タイルとボーダータイルの組み合わせで、重厚感とダイナミックさがあります。

        グランスマート外観:一条工務店HPより転載

        グランスマート外観:一条工務店HPより転載

基本的な外観は、片流れ屋根、陸屋根、バルコニーで構成されており、凹凸の立体感があるデザインとなっています。

総二階建ではない邸宅の趣があり、同社の最高位にふさわしいものですね。

グランセゾン:上質なデザインで理想を叶える(軸組工法)

グランスマート、アイスマート、アイキューブは木造枠組壁工法( 2✕6 )の駆体構造ですが、グランセゾンでは木造軸組み工法を採用しています。

グランセゾンは、その木造軸組工法の最高位の商品で、外壁はハイドロテクトタイルが標準になります。

      グランセゾン外観:一条工務店HPより転載

グランスマート同様に凹凸が多く立体感がありますが、繊細なイメージがあります。

      グランセゾン外観(実例):一条工務店HPより転載

写真の平屋は、グランセゾンの実例ですが、上の2階建てのグランセゾンとはまるでイメージが違いますね。ダーク一色の外壁も平屋の規模なら威圧感はありません。

この実例では、片流れ屋根の組み合わせが上手にバランスされており、特に急勾配の屋根が造形的な魅力を引き出しています。

アイスマート:一条工務店の主力商(2✕6)

外観は、片流れ屋根、陸屋根、ルーフバルコニーの組み合わせで、グランスマートとおなじですが、凹凸感が控えめで、総二階+バルコニーが特徴です。

      グランスマート外観(実例):一条工務店HPより転載

アイスマートの外壁は、ホワイトの石目調ボーダータイルが標準ですから、中央のダークタイルはオプションでしょう。ダーク系のタイルが建物を引き締めていますね。

       グランスマート外観(実例):一条工務店HPより転載

この実例もオプションのハイドロテクトタイルを採用していますが、造形的な構成は基本の総二階+バルコニーとなっています。

一条工務店の商品に共通ですが、窓の大きさ・サイズに統一感とバランスの良さを感じます。

完成時の写真で、まだ植栽がないため少し威圧感がありますが、植栽の緑が加われば、もっと魅力的なマイホームになると思います。

アイキューブ:シンプルモダン(2✕6)

標準外壁は石目調ボーダータイルです。外観の基本は名前の通りに立方体で、屋根は陸屋根になりますが、プランによっては片流れ屋根との組み合わせになります。

       アイキューブ:一条工務店HPより転載

ホワイト一色の、ほぼ左右シンメトリーの外観です。サッシ回りとポーチ・バルコニー部分に無地のホワイトモールを採用しており、品のいいアクセントになっています。清潔感もありますね。

      アイキューブ:一条工務店HPより転載

写真は、少し目を引く2色使いですが、若さを感じます。可愛らしさをイメージしたコーディネートでしょうか。

セゾン:格調高いヨーロピアンスタイル(軸組工法)

レンガタイルとサイディングの吹付け仕上げを、標準仕様としています。ヨーロピアンスタイルと素材にこだわった本物志向の住宅で、長く住むほどに満足が得られるデザインをコンセプトとしています。

       セゾン:一条工務店HPより転載

標準のレンガタイル外壁と伝統的な寄棟屋根の組み合わせ、そして全体の色合いに、ベーシックな格調高があります。

      セゾン:一条工務店HPより転載

同じシリーズで先の例と同様の色合いですが、この例では少し和風を感じます。多分に、上のテラコッタ調の瓦とホワイトサッシに対して、この例ではダーク系の瓦とブラックサッシを採用しているためでしょうが、イメージが全く変わってきますね。

セゾンA:明るくカジュアルな欧風モダン(軸組工法)

無塗装サイディングに砂岩調の吹き付けで、塗り壁の自然な風合いがあります。

         セゾンA:一条工務店HPより転載

ホワイトの外壁に、ブラウンの玄関ドアとエクステリアが良く合っていますが、植栽が育ち緑が増えてくれば、もと魅力的になるでしょう。

          セゾンA:一条工務店HPより転載

大きな吹き下ろしの屋根が特徴で、ブラック、ホワイト、ブラウンのカラーコーディネートが成功していますね。

いずれの住宅も、商品コンセプトの明るくカジュアルなイメージが良く現れています。

ブリアール:青空と太陽が似合う南欧風の家(軸組工法)

         ブリアール:一条工務店HPより転載

無塗装サイディングの上に厚吹きのリシン吹き付けが標準外壁で、塗り壁のような仕上がりになります。塗装済の意匠サイディングに比べて、上質感がありますね。

標準仕様のオールドテラコッタ瓦屋根と明るい外壁の南欧風の外観には、植栽の緑や植木の花が良く似合います。

         ブリアール平屋:一条工務店HPより転載

         ブリアール実例:一条工務店HPより転載

新築間もないのでしょうか、植栽がわずかです。植栽やフラワーボックスに緑が加われば、もっと魅力的になるはずです。

この例でも、窓の大きさとバランス(統一)がよくデザインされています。サッシの大きさ・バランス、そして統一感は一条工務店の共通した良さですね。

 

以上、各商品の外観イメージを紹介しましたが、実際には各商品の外観イメージはそれぞれに異なります。

特に木造枠組壁工法(2✕6)と木造軸組み工法では、外観イメージが全く異なります。

ですから、前述の ” みんな同じに見える ” と言うのは少し違いますね。ただ、一条工務店の年間販売戸数の75%ほどが、主力商品のアイスマートで占めていることから、似た外観を多く目にするというのが実態でしょう。

デザインは経済効率・機能の象徴

経済効率(コスト削減)や機能( 性能 )を徹底的に追求して、余分なものを削ぎ落としたデザインというのは、シンプルなものです。

シンプルな外観でも、バランスされていれば、好感の持てるデザインとなり、効果的な意匠をオプションでプラスすれば、魅力的な外観になります。

アイスマートやアイキューブのように経済性や性能を追求したシンプルな外観には、効果的なカラーコディネートや後述の植栽などが有効ですね。

なお、似た外観イメージになる原因の一つに片流れ屋根が多いというのがありますが、これには経済的な理由の他に、太陽光発電パネルの問題があります。

        屋根瓦一体型太陽光パネル:一条工務店HPより転載

同社が勧めている太陽光発電システムのパネルをできるだけ多く載せるためには片流れ屋根が必要なのです。(一条工務店の太陽光発電システム搭載率は94%以上)

ですが、瓦屋根に載せるタイプに比べれば、瓦一体型のパネルの方がスマートなのは間違いないですね。

外構・植栽が外観に与える効果

戸建て住宅の外観イメージを大きく左右するものに、アプローチや植栽などの外構があります。良く知られているのは、シンボルツリーですね。

植栽の緑を上手に利用すれば、素っ気ない外観を補ったりバランスさせたりすることができ、家のグレードをアップさせる効果もあります。

        出典:新美園

植栽後まだ間もない感じですが、住宅オーナーのマイホームに対する愛情を感じます。塗り壁の外壁とブラウンの玄関ドア・エクステリアの魅力を植栽の緑が引き立てています。

        出典:ライフデザインハウス

最近よく見かけるボックス形状のシンプルな外観ですが、右側のシンボルツリーがアクセントになっています。

住宅における植栽は、オーナーのライフスタイルを表現するもので、外観を含めてマイホームの顔です。外観デザインを検討する際には、是非とも植栽計画も合わせて進めるようにしてください。

言いにくいことですが・・・

世の中には ” 合う合わない ”、つまり注文住宅でいえば、営業や設計の担当者との相性問題があります。

完成品の購入なら、営業担当者との相性が悪くても、商品の出来不出来はありませんが、注文住宅はユーザーと営業・設計・施工の各担当者との共同作業で創り上げていくものです。

担当者の相性が悪く、伝えたいことを十分に伝えることができず、不完全燃焼のまま進んでしまい、後悔してしまうこともあります。

そして、非常に言いにくいことですが、各担当者の経験不足やセンスが合わない、なども重要な問題なのです。

これらは、住宅ハウスメーカーに共通の問題で、超大手ハウスメーカーでさえもネット上で批判の口コミになるほどです。

 

 

相性の悪さや経験不足、さらにはセンスが合わないなどは、単に運が悪かったで済ませられることではありません。

ほとんどのユーザーにとっては、一生に一度の高額商品なのですから、可能な限り後悔しないための、Yes・No をはっきり言わなければなりません。

” お客様は神様 ” 的な上から目線の態度はいけませんが、真摯に冷静に担当者変えをお願いする、あるいはキャンセルする勇気も必要です。

ですが、できればそのようなことがないのが一番ですから、事前に住宅メーカー、商品イメージ、そして欲しいマイホームのイメージを明確にもっておくことが最重要なのです。

まとめ

一条工務店の標準外壁は、主力商品のアイスマートが石目調ボーダータイルで、上位クラスのグランスマートやグランセゾンでは、ハイドロテクトタイルとなっています。

ハイドロテクトタイルは、石目調ボーダータイルのホワイト一色に対して、5色から選べることと汚れにくいセルフクリーニング機能などから人気です。

ハイドロテクトタイルは、グランスマート、グランセゾン、アイスマート、アイキューブが対応可能商品となっています。

その他の住宅商品は、無塗装のサイディングに厚吹きリシンなどの塗装で、塗り壁の自然な風合いのあるものになっています。塗装版の意匠サイディングが多い中では異色です。

一条工務店の枠組壁工法(2✕6)と軸組工法では、外観イメージが全く異なり、枠組壁工法の商品が似た外観イメージになる傾向があります。

外観デザインは、選んだ住宅シリーズのコンセプトを基本にしていますが、担当者にお任せするのではなく、提案された外観デザインのYes・Noをはっきり伝える勇気が必要です。

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住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。

実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?

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