住友不動産の注文住宅を徹底解説！【安心・納得の標準仕様】｜注文住宅の教科書：FP監修の家づくりブログ

大規模な都市開発から、超高層ビルや高級マンションを手がけている住友不動産が建てる注文住宅とはどのようなものでしょうか？新築を計画されている方には、大いに興味がある住宅メーカーだと思います。

住友不動産は、総合ディベロッパーとしてのノウハウを活かし、住宅性能の高さと洗練された都会的なデザインに特徴があり、グッドデザイン賞も数多く受賞しています。

本記事では、住友不動産の注文住宅を取り上げ、同社の住宅性能や住設備などの標準仕様を中心に紹介していきます。

シリーズ商品の特徴紹介

まず、はじめに住友不動産の注文住宅のシリーズ商品を紹介しておきます。同社の注文住宅には、４シリーズあり、いずれも洗練されたデザインと高い性能を誇っています。

ジェイアーバン

J・アーバンシリーズは住友不動産の主力商品です。都市に生活する楽しさ、豊かさ、そして安心を既存の住宅イメージにとらわれず、きわめてシンプルに、スタイリッシュに新しい住空間として表現しています。

同シリーズにはコンセプトの異なる9商品が用意されています。例えば、限られた敷地を有効に活かし、光・風や季節の色をふんだんに取り入れながらもプライバシーと防犯に配慮したシリーズの代表的なJ・アーバン。

あるいは、郊外の街並みに調和するモダンなデザインのJ・アーバンコート、そして小屋裏や床下などの空間を利用し2階建ての外観でありながら6層の空間を持つJ・ルコンテなど、多彩なライフスタイルに合わせて選ぶことができます。

プレミアム・ジェイ

住友不動産の最上位の注文住宅で、際立った大胆な造形美と静かに落ち着いたたたずまいが特徴です。

都会の中でも、中庭やルーフガーデンなどを取り入れ、内外一体となった住空間を提供しています。

ジェイ・レジデンス

日本の家に新しいスタンダードをコンセプトに、深い軒と天然木で落ち着いた雰囲気をだし、飽きることなく住み継がれる住宅を目指しています。

最大2.7mの天井と最大2.4mのハイサッシで、明るさと広々とした視界を実現し、ゆとりと開放感あふれる高い居住性を実現しています。

邸宅型住宅シリーズ

世界各国の伝統的な住宅スタイルをモチーフにした、個性あふれる外観が特徴です。

日本の街並に溶け込みながらも、様々な暮らしに対応できるバリエーションを用意しており、海外スタイルが5種類、日本スタイル3種類が用意されています。

住友不動産の注文住宅の販売価格帯は、最上位のプレミアム・ジェイが70〜90万円／坪で、その他のシリーズでは60〜80万円／坪とされています。

工法による住宅性能と特徴

住友不動産の注文住宅には、4種類の工法があり、商品やニーズに合わせて選択できるようになっています。

ここでは、工法による住宅性能の違いを一覧にまとめ、別途それらの詳細を個別に紹介していきます。

工法名称	構造	耐震等級	断熱等性能等級	制震装置	基礎	サッシ
ウッドパネルセンチュリー	木造軸組構造	最高等級３	最高等級 4		ベタ基礎基礎幅18cm 高強度RC	樹脂サッシトリプルガラス
ウッドパネル工法				○	ベタ基礎基礎幅15cm	アルミ複合サッシペアガラス
２×４工法	木造枠組構造
２×６工法					ベタ基礎基礎幅17cm

ウッドパネルセンチュリー

木造軸組工法の柱や梁の接合部に専用の金物を採用し、軸組にある筋交いをウッドパネル（面材耐力壁）に置き換え、あるいは併用した構造としています。伝統の軸組工法に、ツーバイフォーの良さを取り入れた構造ともいえます。

この工法で特徴的なのが、内外のダブル断熱とトリプルガラス樹脂サッシしていることで、4工法の中で最も断熱・省エネ効果の高い仕様としています。

基礎幅は、ダブル断熱で外壁厚が大きくなることから必要とされる18センチ幅としていますが、結果的には耐震強度の向上にもつながっています。

ウッドパネル工法

基本構造は上のウッドパネルセンチュリーと同じですが、この工法では、制震システムが標準装備となっており、他工法ではオプション扱いとなります。

制震システムは、地震や台風などの外力を約50％に抑える効果があり、繰り返される地震の揺れに対して基本構造の長寿命化を図ることができます。さらに、内外装の揺れによる損傷を低減してくれる効果もあります。

なお、断熱材は壁内に納まるグラスウール105mmのみとなりますが、断熱等の性能等級は、4工法に同じ最高等級の4となっています。

２×４工法

厚みが2インチ（38mm）で幅が4インチ（89mm）の木材を使用して構造体を作る工法で、一般的にツーバイフォーと呼ばれ、建築基準法では木造枠組壁工法といいます。

2×4の木材で作られた天井（屋根）・壁・床に構造用面材を張ることで6面体の構造となり、その耐震性能の高さは、阪神淡路大震災やその後の震災などでも数多く実証されています。

また、構造用面材を天井（屋根）・壁・床に張ることで、一般的な軸組構造よりも気密性に優れ、断熱材の効果とも合わせて、省エネ効果の高い住宅となります。

２×６工法

2×4工法の外壁部分の枠材幅を6インチ（140mm）に替えて建てられる工法で、外壁内により厚い（140mm）断熱材を入れることができます。

その断熱材の厚みによる冷暖房費のランニングコスト比較では、2×4工法よりも21％以上のコスト削減になるとのことです。（住友不動産比較）

外壁・屋根・住設備の標準仕様

部位	仕様内容	備考
玄関ドア		YKK：ヴェナートD30 D4 三協アルミ：ファノーバ K4
外壁	サイディング16mm	ニチハ：モエンエクセラード16 ケイミュー：光セラ16
屋根	平形屋根用スレート	ケイミュー：コロニアルグラッサ
キッチン	ワイドコンロ（IH or ガス）食洗機付きスマートフード浄水器一体型シャワーヘッド水栓	住友不動産オリジナルパナソニック：ラクシーナ LIXIL：アレスタタカラスタンダード：オフェリア
浴室	暖房換気乾燥機	パナソニック：オフローラタカラスタンダード：リラクシア積水ホームテクノ：BSY-F1
洗面	自動センサー水栓	TOTO：オクターブ
トイレ	洗浄機付き	パナソニック：アラウーノ

玄関ドアは、いずれのメーカーも最新のタッチキーあるいはスマホからの施解錠などができる機能付きのものです。

外壁は、プラチナコートのモエンエクセラード、そして」セルフクリーニング機能の光セラ16で、ともに経年劣化を抑えるものです。

住友不動産の特徴であるガラスマリオン（外装用強化ガラス）は残念ながらオプション扱いとなっています。ガラスマリオンの魅力は都会的な印象を与える独特なもので、これを目当てに住友不動産を選ぶユーザーがいるほどです。

屋根は、ケイミューのコロニアルグラッサのみですが、カラーバリエーションが豊富です。

住設備関係は、地域や支店・営業所によって若干異なるようですが、実ユーザーの評価で高いのが、キッチンのラクシーナ、お風呂のオフローラ、トイレのアラウーノです。いずれもパナソニック製で、さすがはパナホームで積んできた住宅設備のノウハウと実績が反映されていると感じます。

いずれにしても、住友不動産の住設備は、同社の高級マンションにも採用されているものが多く、品質・機能ともにグレードの高いものです。

番外編：規格住宅／シティ・ハウス・スタイル

参照：住友不動産のシティハウススタイル

注文住宅ではありませんが、住友不動産には規格型シティハウススタイルの戸建て住宅があり、同社のHP上でベスト200プランが紹介されています。

人造大理石のキッチンカウンター、2.4mのドア、作り付け家具、ウォークインクローゼットとシューズクローク、エアコン、照明器具、カーテンと、高級マンション仕様そのままの戸建規格住宅です。

工法は制震システムを標準装備したウッドパネル工法で、長期優良住宅の住宅性能の他に、ZEH（ゼロエネルギーハウス）まで標準仕様としています。

プラン変更はできませんが気に入るプランさえあれば、高い住宅性能と充実した住設備仕様、そしてZEHまで備えた戸建が、同社の注文住宅の主力と同じ価格帯（60〜80万円／坪で手に入れられるのですから、お得な商品といえるでしょう。

競合住宅メーカー

住友不動産の注文住宅の競合メーカーには、同じ木造系の一条工務店、三井ホーム、ミサワホームなどがあり、販売価格帯も重なっています。

一条工務店の生活に必要なものを揃えたモデル仕様を標準としている内容は、先のシティハウススタイルに通じるものがあります。また、2×6の枠組壁工法を進化させたプレミアム・モノコック構造の三井ホーム、そして優れたデザインで数多くのグッドデザイン賞を受賞しているミサワホームなどは手ごわい競争相手になるでしょう。

ですから、新築に際しては、これらの競合住宅メーカーとの相見積りとすることをお勧めします。そして、それらの住宅メーカーの情報収集や比較にはネットでの一括無料請求サービスが便利です。