仕事や趣味に没頭できる自分だけの書斎、あこがれますよね。しかし、土地が狭くスペースの制約が大きい日本では、書斎は造りやすいとは言えません。
とはいえ、それでも書斎が欲しいですよね。1人の空間は欲しいものです。
そこで当記事では、書斎のメリットやデメリット、おしゃれな書斎の事例をご紹介します。書斎を造るポイントも解説しますので、書斎を考えている方は参考にしてください。
書斎(しょさい)とは
古くは、知識人や文人が読書や読み書きをするための部屋を「書斎」と呼びました。現代では読書や仕事に加えて、落ち着いて趣味をするなど様々な使い方をします。
完全な個室タイプの書斎は、仕事や趣味に集中するには最適ですね。リビングの一角などに造るオープンタイプの書斎は、子どもの様子が見えるため安心して在宅ワークができます。
普段の生活と切り離された書斎には、さまざまなメリット・デメリットがあります。次の項目から解説していきますね。
書斎のメリット
寝室やリビングとは違い、書斎の役割は使う人それぞれです。仕事部屋だけではなく、趣味や勉強部屋など、人の数だけ書斎の使い方があるといっても過言ではありません。
- 作業に集中できる
- 1人だけの空間を確保できる
- 自分の趣味の部屋にできる
- 喧嘩したときに便利
- 書類などを見られる心配がない
書斎の使いかたによって、さまざまなメリットがあります。どんなメリットがあるか、ひとつずつ解説していきます。
作業に集中できる
リビングなどで作業を行うと、いろいろなことが気になり集中するのは難しいものです。キッチンで料理する音が気になったり、テレビの内容が気になったりしますよね。
書斎スペースは、視線や音を遮り、集中しやすい環境を作りやすいのがメリットです。
小さめの書斎は、より集中しやすくなるためおすすめです。スペースが余っていると、ついつい余計なものを持ち込んでしまいますよね?
限られたスペースだと仕事などのものしか置くことができないのでおすすめです。
読みかけの雑誌や、ほかの部屋に入りきらないものを持ち込んでしまうと、なかなか集中できません。書斎は必要最低限の広さで造るようにしましょう。
1人だけの空間を確保できる
パソコンを使った在宅ワークなど、自宅で仕事を行う方は年々増えています。しかし、学校に上がる前の子どもがいると、遊びをせがまれてしまいなかなか集中できません。
また、どうしても手が離せない家族から、ちょっとしたことを頼まれることも多いですよね。
このような場合は、書斎スペースを作って仕事場にすることで、仕事中だということがわかりやすくなります。
さらに、仕事中は声をかけないといったルールを作るとよいでしょう。仕事中は一人で集中して、休憩中はリビングで家族とすごす、といったメリハリが生まれます。
プラモデル作りやボトルシップ製作などの、集中力を必要とする趣味にもおすすめですね。
一人の空間での作業は、とてもはかどり時間短縮になります。結果的に家族との時間を増やすことができますよ。
自分の趣味の部屋にできる
リビングや居室などに、趣味のスペースを作るのは難しいものです。作りかけのプラモデルなど繊細なものは、家族が行き来する場所には置きづらいですよね。また、掃除するときにも邪魔になってしまいます。
そのような悩みは、書斎スペースに趣味の道具や品物を収納すれば解決します。
家族のスペースを圧迫せず、お互いに気を使いません。前述したように一人で集中できる書斎は、趣味に没頭するには最適ですよね。
多趣味な方などは、書斎に収納スペースをたくさん作っておきましょう。間取り的に難しい場合は、天井裏や床下などのデッドスペースを利用するのがおすすめです。
喧嘩したときに便利
毎日一緒にいると、夫婦で喧嘩をしてしまう事もありますよね。このような場合、時間を置いてクールダウンすることで仲直りしやすくなります。
リビングとキッチンなど、お互いの顔が見える場所にいてはなかなか冷静になれません。かといって、家を出て喫茶店などに行くのもちょっと大げさですし、心配になりますよね。
個室タイプの書斎であれば、適切な距離を置いて落ち着く時間を確保できます。ベランダへの通り道にしないなど、生活の動線から切り離せば顔を合わせずに家事も行えます。
喧嘩中にうっかり顔を合わせてしまうとヒートアップしてしまいますが、書斎があればクールダウンしやすく便利ですよ。
書類などを見られる心配がない
自宅に客間を設けることが少ない現代では、来客があった時はリビングに通すことが多いと思います。
この時、会計簿や町内会の書類など、あまり見られたくない書類があるとお互いに気分がいいものではありません。個人情報の扱いという観点から見ても、なるべく他人の目には触れないようにしたいですね。
また、仕事の書類を持ち帰り、自宅で扱うケースもあると思います。このような書類は、家族の目に触れてはいけない場合もあります。
重要な書類は書斎にまとめておけば、不用意に人の目に触れません。普段から書斎で扱うようにしておけば、急な来客に慌てることもなく安心ですね。
書斎を造るデメリット
さまざまなメリットがある書斎ですが、注意しないといけない点もあります。わざわざ間取りの一部を利用して造るスペースですから、有効活用したいですよね。
- せっかく造っても使わない
- 荷物置き場になる
- 書斎に引きこもって家族との時間が無くなる
よくあるデメリットを紹介しますので、同じような失敗をしないようにしましょう。
せっかく造っても使わない
用途をはっきりと設定せずに、何となくの憧れで書斎を造った場合に多いパターンです。
趣味をしたかったが、「汚れると大変なので結局外でしてしまう」というケースもよく見られます。汚れる作業をする場合は、床はクッションフロアにするなど、あらかじめ対策をしましょう。
仕事、趣味、書斎で何をしたいのか、はっきりとさせることが重要です。逆に、よくよく考えてみたら書斎でなくてもできることだった、という場合は造らない方がいいでしょう。
また、子どもの自立などで部屋が空き、書斎自体が必要なくなるということも考えられます。
ライフスタイルの変化も見据えて、間仕切りを変更しやすくしておくと無駄がありません。使わなくなったら壁を撤去してリビングを広げる、といった設計も考えておきましょう。
荷物置き場になる
マイホームが完成して、「いざ住み始めると収納スペースが足りない」ということはよく聞く話ですよね。平面図で考えていると、収納スペースの量というのは想像しづらいものです。
「だんだんと物が増えてとりあえず書斎に」と置いていくうちに物置になってしまいがちです。
こうなると、気持ちよく集中することができずに、いつの間にか使わなくなってしいますよね。このような事態を防ぐために、家全体の収納スペースは多めに造っておきましょう。
また、用途をはっきりとさせておけば、何となく物を置いてしまう事も防げます。
仕事以外の物は置かない、趣味以外の物は置かない、といったルールを作り、家族で共有しておきましょう。
書斎に引きこもって家族との時間が無くなる
前述したように、一人の時間を確保して、集中することができるのが書斎の大きなメリットと目的です。
反面、居心地のよさに書斎に引きこもりすぎると、家族とのコミュニケーションがおろそかになってしまう事が考えられます。
趣味や仕事に没頭するあまり、一日書斎にこもりっぱなしで、家族と話すのは食事の時だけということになりかねません。
書斎をリビングの隣に設置し、家族との距離を近く保つとよいでしょう。また、窓を設ければお互いの様子がわかり安心です。
デスクを2つ設置して、ひとつは子どもの勉強机にするのもいいでしょう。
お互いに集中していても、同じ時間を共有することができます。宿題のわからない部分に答えてあげることもできますね。
おしゃれな書斎の間取りやプランニング事例
ここからは、実際に書斎を造ったおしゃれな事例を紹介してきます。実際の使い勝手を想像しながら、理想の書斎づくりの参考にしてください。
リビングの一角を書斎に
出典:https://www.renoveru.jp/journal/3287
広々としたLDKスペースの一角に、デスクを設置して書斎スペースとした事例です。個室タイプではなくオープンなため、家族と交流しながらPCでの作業ができますね。
オープンタイプの書斎は、家族の共有スペースとして利用することもできるのがメリットです。
作業に疲れたらソファーでくつろぐ、といった切り替えもしやすいですね。家族全員で次の休みの計画を練るなど、PCでの調べごとをしながらの家族会議にもいいですよ。
特別大きなスペースを必要としないため、リフォームでの採用率が高いのも特徴です。将来書斎として使わなくなったとしても、ほかの形で活用しやすいのもうれしいポイントですね。
リビングを見渡せる書斎
出典:https://srdk.rakuten.jp/entry/2018/04/11/110000
先ほど紹介した事例と同じ、オープンタイプの書斎です。この事例の特徴は、デスクがリビング側を向いているためリビングとの一体感が高いことです。
家族とお互いの顔が見えるため、よりコミュニケーションがとりやすくなっています。作業をしながら、リビングで宿題する子どもの質問に答えることできますね。
また、壁に向かって設置しがちなデスクをリビング側に向けることで、広々とした視界を確保しています。大きな窓から入ってくる自然光が気持ちよく、作業もはかどりそうですね。
机のみを照らすスポットライトを、壁面に設置しています。夜間はリビングの照明を落とし気味に、机を明るく照らすことができ、集中しやすいです。
机を置くだけの簡単な書斎
出典:http://the360.life/U1301.doit?id=3220
自分だけの書斎が欲しいけどスペースがなくて作れない、という悩みを解決するシンプルな事例です。寝室やリビングに2畳ほどのスペースがあれば簡単に設置できます。
シンプルな机に、ヘッドホン掛け、カップホルダーなどのアイテムを追加して収納力を高めています。
壁面も活かしていて、本や鍵など小物の置き場所にも困りません。あまり物を多くすると、雑然とした印象になってしまいます。シンプルなアイテムをバランスよく配置することで、すっきりとおしゃれな雰囲気になっていますね。
思い立ったらマネすることができそうな、身近な事例です。まずは机から、少しずつアイテムを集めて書斎づくりを楽しんでみてはいかがでしょうか。
書斎を造る際のポイント
使いやすく、落ち着ける書斎を造るために抑えておきたいポイントを紹介します。また、予算や間取りの関係で、書斎を造るのが難しい場合もあります。
そのような場合の解決アイデアもありますので参考にしてください。
書斎の収納スペースは重要
仕事の書類、本、オーディオなど、意外と書斎に置きたいアイテムは多いものです。また趣味の部屋として活用する場合、さらにたくさんの物が書斎に詰め込まれることになります。
備え付けのクローゼットや、大きな棚を設置できる場合はいいですが、難しいことも多いですよね。
壁面に棚を付けると、床面積を消費せずに収納スペースが造れます。本や小物、書類入れなども確保できて便利ですよ。
これから書斎を造る方は、石膏ボードの代わりに構造用ベニヤを壁面に使用しておきましょう。どこでもビスが効いて、好きな場所に棚が追加できます。
屋根裏収納や、床下収納もデットスペースが活かせておすすめです。サッと出し入れするには不向きですが、趣味用の大きなものも収納しておけます。
なるべくたくさんの収納を確保しておくと、使い勝手のよい書斎になりますよ。
書斎を設置すると費用がかかる
当然ですが、書斎の設置にはコストがかかります。新築を建てる場合は、全体の予算との兼ね合いも出てきますよね。個室タイプの書斎は、一部屋多くなるのと一緒ですので、費用が多くかかります。
オープンタイプの書斎の方が、間仕切りがないため費用がかかりません。
完全個室の書斎を造りたいが、予算が足りなくて断念、といった場合もあきらめるのは早いですよ。リビングの一角にオープンタイプの書斎で費用を抑え、間仕切り家具などで半個室にするといった工夫もできます。
事例で紹介したようなシンプル書斎を自分で作れば、材料費以外の費用も掛かりません。コンセント設置などの、自分でできないことだけ設計に入れれば最低限のコストで済みます。
壁面にベニヤ下地を入れておけば、自力で収納棚を付けることも可能です。
自分で設計し、作り上げた書斎は、思い入れも強くお気に入りの場所になりますよ。費用も抑えられますし、書斎造り事態も楽しめておすすめです。
空いたスペースを有効活用する
限られたスペースで間取りをやりくりするのは、大変なことです。リビングや居室とくらべて書斎の優先順位は低いことが多く、スペースが確保できずに断念するケースがよくあります。
そのようなときは、デットスペースを有効活用するとよいでしょう。例えば階段下などは、形が悪い為活用しづらく、物置などになりやすい場所です。
このような場所も、机や収納の形を工夫することで、書斎にすることが可能です。小さな空間でも、窓の設置を工夫すれば、狭さを感じさせません。
屋根裏部屋や、ロフトを設置するなど、空いたスペースは探してみると意外と多いものです。
ただし、そのままでは使いづらい場所が多いため、よく検討して工夫するようにしましょう。ちょっとした隠れ家気分が味わえて、わくわくするような書斎も素敵ですよね。
コンセントの数を確保する
PCにスマホの充電機、プリンターやオーディオなど、書斎では多くの家電を使用します。コンセントが一つだけで、延長コードだらけの書斎はおしゃれに見えません。
使い勝手も悪く、ホコリの掃除もしづらいため大変です。書斎スペースは使い勝手を考えて、コンセントの数と配置を決めましょう。
デスクを設置する場所には、デスク高さにコンセントを設置します。モニターや充電器のコンセントが指しやすく邪魔になりません。
また前述したように、壁面に棚を付ける場所にもコンセントを付けておきましょう。オーディオなど置く場合も、コードが見えずにすっきりと設置できますよ。
まとめ
書斎の作り方と、実際の事例をご紹介してきました。書斎造りのためにまずは、書斎で何をしたいのかを具体的にイメージすることが大切です。
誰が書斎を使うのか、1日のうちどれくらいの時間を過ごすのか、どんなものを置くのかを家族で話し合いましょう。
ここでご紹介した内容を参考にして書斎を造っていただければ、理想の書斎が造れるはずです。
しっかりと計画して造った過ごしやすい書斎は、生活を豊かにしてくれますよ。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料