出典:http://kagawa.ii-ienavi.com/work/shinchiku/
「一体感のある家にしたい」「空間を有効活用したい」
注文住宅を建てる際に、このような思いはありませんか?空間を有効に使いながらも開放感を演出でき、さらに部屋と部屋を繋げる一体感を作り上げるのが、今回ご紹介する「スキップフロア」です。
また、このスキップフロアは室内のデザイン性を高めると共に、メリハリのある個性的な間取りにしてくれます。
今回は、そんな優れた住宅デザイン「スキップフロア」についてご紹介していきます。
素敵なスキップフロアを手に入れましょう。
スキップフロアとは
出典:https://www.yamatojk.co.jp/choose/piks
スキップフロアとは、居室の一部に少しの段差を設け、階段で繋げている中2階、中3階または1.5階や2.5階といった中間層の空間を言います。中二階とも呼ばれます。
例えば、リビングダイニングから一段高くして設置したスキップフロアは子どもの遊び場として使えます。
リビングダイニングは別空間として利用できるため、子どものおもちゃがリビングを占領することなく、メリハリある使い方ができます。
また、子どもにとっては自分達だけの秘密基地のような心地もしますよね。スキップフロアの下にできた空間は収納スペースとしても活用できます。
または、寝室に設けたスキップフロアはお父さんの書斎にしたり、リビングから一段低い空間を土間フロアにしてペットと楽しむフリースペースにしたりと、使い方は様々です。
スキップフロアのメリット
スキップフロアにはたくさんのメリットがあります。段差を設けるからこその開放感や特別感を演出してくれます。
- 家族のコミュニケーションがとりやすい
- スキップフロアの下の空間を有効活用
- おしゃれなデザイン性
- 奥行き感のある間取りになる
- 2階建てでも3層以上にできる
- 狭小住宅との相性が良い
- 土地に高低差があるとそれを利用できる
スキップフロアには、このような多くのメリットがあります。スキップフロアを検討している方は、とてもおすすめなのでぜひ取り入れるようにしましょう。
家族のコミュニケーションがとりやすい
出典:https://suvaco.jp/doc/split-level-home_7-selection-150214
スキップフロアは階段や段差があっても、2つのフロアの繋がりを維持できることが特徴です。
例えば、1階と2階では壁と天井に遮られてコミュニケーションはできませんが、スキップフロアはすべてが遮断されているわけではありません。
床に高低差を設けても連続したフロアとして成り立っているため、家族と同じ空間にいる感覚を失いません。
リビングに設けたスキップフロアをお父さんの書斎にしてみましょう。書斎で作業をしながらでも、そこから顔を出せばリビングが見えるため、家族とのコミュニケーションが気軽にできます。
家族の存在感を感じながらも、プライベートスペースで仕事や趣味を楽しむことができるのです。
スキップフロアは、別のフロアとしてのメリハリがありながも、大きなひとつの空間としての一体感も保てることがメリットです。
スキップフロアの下の空間を有効活用
出典:https://suvaco.jp/doc/split-level-home_7-selection-150214
空間の一部に段差を設けることで、居住スペースを圧迫することなく、段差の下には大きな空間が出来上がります。
スキップフロアの下に空いた空間は収納スペースとして有効活用できるのです。
ひな人形や七五三といった、子どもの成長と共に増えていくイベント用具などを収納する時に便利です。使用頻度が少ない季節物や、かさばりやすい日用品のストックの収納にも使いやすいですね。
こうした収納スペースの他、ちょっとした遊びのスペースにする方法もあります。
小さな空間ですが本棚として設計したり、座り机を置いて作業ができるようにしたりと、子どもが活用できるスペースにするのもいいでしょう。
カプセルホテルのように狭い空間でも、子どもにとってはお気に入りの大切な場所になるものです。スキップフロアは、アイデア次第で何通りもの使い方がありますね。
おしゃれなデザイン性
スキップフロアは空間に動きを与えるため、インテリアのデザイン性を高めることにも繋がります。
例えば、一段高くしたリビングにソファとテレビを置いて、外が見渡せる大きな窓を設ければ、まるで別荘のような空間になります。目線が少し高くなるため、外の景色の見通しが良くなり開放感もアップします。
また、リビングに繋がる和室をスキップフロアにすることで、薄暗いイメージになりがちな和室も、明るくモダンな雰囲気に演出することも可能です。
一段高くすることで別空間として隔たりもでき、リビングのインテリアとも違和感なく畳や障子のある”和”を楽しむことができます。
平坦で整然とした空間にスキップフロアを設けることで、動きが加わりメリハリのある個性的な住宅デザインになります。
奥行き感のある間取りになる
スキップフロアの特徴として、大きな壁や圧迫感のある隔たりが少ないことが挙げられます。
空間に壁は設けずに床を上下にスライドさせることで、程よい距離感のある別フロアとして完成させます。
しかし一体感は保たれるため、ワンルームとしての開放感や奥行き感は顕在したままなのです。
居室からスキップフロアへの繋がりは空間の連続性を感じさせるため、通常の設計よりも余計に奥行きを演出してくれます。
2階建てでも3層以上にできる
構造の問題や土地の規約上、2階建て以上の高さの家を建築できない土地でも、3層の家を実現できます。
層が一段増えることで床面積を多く確保できるため、居室を広くしたい場合は収納を増やしたい場合に適しています。
狭小住宅との相性が良い
スキップフロアは上下の空間を有効活用できる設計デザインです。本来はないはずの空間にフロアを追加したり、収納スペースを確保したりできます。
狭小住宅は、スペースが限られているのでスキップフロアにすると収納スペースが増えたり、居住スペースを増やしたりできるメリットがあります。
また、スキップフロアは壁で仕切らないため、圧迫感を排除しながら個別のスペースを設けることができるのです。
壁がないことで居室に開放感が生まれ、光を取り入れやすくなるため明るい室内にもなります。スキップフロアは、限られた土地を有効的に使いたい場合に最適です。
狭小住宅を建てる方は、スキップフロアのある家づくりがおすすめです。
土地に高低差があるとそれを利用できる
家を建てる土地が傾斜地、つまり高低差があったり坂になっていたりする土地はスキップフロアを作りやすいメリットがあります。
段差を自由に変えられるスキップフロアは、高低差によって発生してしまう無駄な空間やデッドスペースを有効的に使えます。
例えば、「2階にするほどの高低差がない」といった場合には吹き抜けにしたり天井を高くしたりすることが多いのですが、スキップフロアにすれば無駄なく居室スペースを確保できます。
基本の高さから少し低くなる土地であれば、半地下タイプのおしゃれなビルトインガレージが出来上がります。
スキップフロアのデメリット
スキップフロアにはこのような多くのメリットばかりではなく、デメリットもあります。コスト面や技術面に関わる弱点が存在します。
- 建設費用が高くなる
- 冷暖房が効きにくい
- 施工会社の技術力が必要
- 固定資産税が高くなる
メリットが多いスキップフロアですが、デメリットもあります。いい点だけではなく、悪い点も踏まえた上で判断するようにしましょう。
それでは、デメリットをご紹介していきます。
建設費用が高くなる
スキップフロアは床面積が多くなることからも建材費が高くなります。
また、壁が少ないため、柱の構造や工夫によって耐震性を高めなければならず手間や工夫が必要になり、技術料や人件費も高くなる傾向があります。
家づくりはこだわるほど値段が高くなるので、予算には気をつけるようにしてください。
冷暖房が効きにくい
スキップフロアは別空間と隔たりなく連なる、ひとつの大きなワンルームのようなものです。そのため風や光の通りが良く、空気が循環しやすいというメリットがあります。
ただその反面、冷暖房が効きにくいというデメリットがあります。
特に、スキップフロアの隣が吹き抜けのリビングになっていて上下にも開放的な空間になっていると、さらに冷暖房が効きにくく感じるでしょう。
スキップフロアの家では、断熱性の高いクロスや外壁材を採用したり、ペアガラスや遮熱性のある窓ガラスにしたりと、快適な温度に保てる工夫が必要です。
施工会社の技術力が必要
スキップフロアがある住宅は、間取り図や立面図でイメージを掴むことが難しい設計デザインです。
また、壁がなく高低差がある設計は、生活音の響き方や光の入り方が特殊になるため、構造だけでなく目に見えない部分での配慮が重要になります。
これらの問題を解決するには、設計を担当する建築士や施工会社の技術力や経験値が必要不可欠です。
スキップフロアを取り入れる場合は、スキップフロア設計の経験が豊富で技術力に信頼のある施工会社に依頼しましょう。
固定資産税が高くなる
スキップフロアを設けた家は通常の設計よりも床面積が広くなるため、そのぶん固定資産税も増えることになります。
固定資産税は、家の価値として判断できる床面積の広さに比例して増額されるためです。
スキップフロアを採用して床面積を広くしていく際には、固定資産税の支払計画も一緒に検討すると安心です。
真似したいスキップフロアのおしゃれな実例集
スキップフロアの取り入れ方は様々です。暮らしやすさや使いやすさは住まう人のライフスタイルによりますが、オシャレなデザインや設計ポイントは真似してみたくなりますよね。
参考にしたいスキップフロアの実例をまとめました。
3つの部屋が連なる3層のスキップフロア
出典:https://www.soken-home.jp/ordermade-house/skip-floor.php
リビングに隣接するのは、スキップフロアとして一段下がった土間フロアと、一段高い場所にあるダイニングキッチンです。
リビングの天井は高い吹き抜けになっていて、家族が心地良く過ごせる開放的な空間に仕上げています。
リビングから階段を上っていくと1.5階部分にダイニングとキッチンがあります。
クロスの色はモカグリーンを使って変化させることで、同じ空間にいながらも、別空間としての特別感を演出しています。
一段低い場所にある土間フロアは、DIYやバイクのお手入れを楽しむこともできるアウトドア空間になっています。リビングは外との一体感も感じられる空間になっているのです。
スキップフロアで繋がった3つの空間は、部屋の機能性をしっかりと分離させながらも、ひとつの大きな空間としてまとまっています。
そのため、家族がそれぞれのフロアで作業すると、程よい距離感の中にもお互いの存在感を身近に感じることができる魅力があります。
家族がそれぞれ自由な作業をしていても空間を共有できる…そんな家に住む家族はきっと幸せでしょうね。
小さな隠れ家のようなスキップフロア
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エメラルドグリーンのクロスにアーチの壁という個性的なスキップフロア。室内をパッと明るく演出してくれるデザインです。
スキップフロアにも壁を作れば、同じ空間にあってもひとつのプライベートルームとしても使用できます。
程よくプライバシーを守ってくれる勉強部屋のようなスキップフロアでは、集中して読書をしたい時や落ち着いて作業したい時に便利です。
スキップフロアの下にある余った空間には隙間を設けることで、収納スペースとして利用できます。
階段の中の自由に過ごせるスキップフロア
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2階へ上がる階段の途中に設けたスキップフロアの実例です。
フリースペースとして設けたこのスキップフロアでは、家族が自由気ままに本を開いたり、パソコンで作業したりと、各自が思い思いに使うことができます。
たっぷり収納できる本棚には本や雑誌だけでなく、外出時に使う帽子やランドセルを仕舞う場所としても便利です。
開放的なのに断熱性が高いスキップフロア
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スキップフロアの階段が向かい合った複雑な設計デザインですが、高いデザイン性と開放的な空間が魅力です。
天井から足元まで大きく開いたガラス窓からはたっぷりと陽射しが差し込みます。スキップフロアの居室は、ガラス扉で仕切ることで、圧迫感を与えることなく別空間として機能していますね。
このように壁ではなくガラスで仕切ることで断熱性が高まるため、寒い冬も部屋の温度を維持しやすくなります。
冷暖房が効きにくいといったスキップフロアの弱点をクリアした設計デザインと言えます。
掘りごたつがあるスキップフロア
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リビングダイニングキッチンの多く面積を占めるのは「畳」。日本人なら和室での食事が落ち着きますよね。
対面キッチンのあるダイニングは掘りごたつがある畳敷きにしています。
一段高くしてスキップフロアにすることで、掘りごたつに座った時にも目線が低くならず、キッチンへの見通しやリビングとの相性も良くなります。
リビングには和モダンのコーディネイトにフィットする琉球畳を採用。畳の空間をオシャレに演出しています。
リビングからは数段の階段がありフローリングのスキップフロアへ。ソファやテレビを置いて普段使いしてもいいですし、子どもが思いっきり遊べるフリースペースとしても使いやすい設計です。
2層構造の畳とダイニングのスキップフロア
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畳のスペースを設けたリビングダイニングキッチンに、2層になっているスキップフロアを採用した設計デザインです。
家族が集まるリビングを中心として、一段高いスキップフロアにダイニングキッチンを、さらに一段高いフロアには畳スペースを設けています。
3フロアに区切ったスキップフロアは一体感がありながらも、それぞれ異なる顔を見せてくれる独立した空間を演出する効果があります。
特に、畳のスペースは椅子の高さほどある段差を設けることで、畳の上に座っても、ダイニングテーブルと目線の高さが同じ位なので違和感なく過ごせる工夫をしています。
和の空間が、モダンなインテリアの中にも自然に溶け込んでくれるメリットもあります。
階段の中にあるスキップフロアの書斎
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1階と2階の間である1.5階に設置したスキップフロア。背後にある階段には、本を置いて荷物置きにも使えてしまう構造です。
書斎スペースから下を覗くとダイニングが見える開放感と特別感があります。
書斎では、ゆっくりと読書を楽しむのはもちろんのこと、仕事場としても家族と会話を楽しむ場所としても、様々な活用方法が見つかるはずです。
アーチ状のオシャレなスキップフロアと土間フロア
出典:https://www.soken-home.jp/ordermade-house/skip-floor.php
1階のダイニングキッチンを挟んで、庭先に繋がる場所には土間フロアを、2階へ続く階段の途中エリアには、アーチ状のオシャレなスキップフロアを設けています。
スキップフロアがない一般的な間取りだと、平坦で動きの少ない印象になりますが、このように個性的なスキップフロアを採用することで、デザイン性の高い印象になります。
土間フロアは、居室と同じ空間に位置しながらも自転車やスケートボードを置いて、アウトドアな印象にすることもできます。
庭でバーベキューを楽しむ時にはキッチンと行き来がしやすいため、準備や後片付けもスムーズですね。
階段脇のスキップフロアは、子どもの遊び場としてもちょっとした収納スペースとしても大活躍。顔を出すとダイニングが見えるので、家族とのコミュニケーションを取りやすい仕様です。
ホテルのような寝室があるスキップフロア
出典:https://suvaco.jp/doc/split-level-home_7-selection-150214
天井と足元にはまるでホテルのような間接照明がちりばめられ、間口の狭い限られた出入口の先を進めば、眠りを誘う静かなベッドルームがあります。
少し背の高い仕切りで寝室を囲むことで、静寂を包み込みながらも圧迫感はなく開けた空間に仕上げています。
まとめ
スキップフロアの特徴やメリット・デメリット、またおしゃれなスキップフロアの実例をご紹介しました。
スキップフロアには決まった使い方がありません。基本設計は段差があることだけで、段差の高さやフロアの広さ、床の材質なども自由に決めることができます。
そのため、アイデア次第で、世界でひとつのステキなスキップフロアが実現するのです。家族が暮らしやすく心地良いスキップフロアを考えてみましょう!
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料