掲載元:SUUMO
マイホームは、一生に一度の高い買い物ですよね。それだけに、購入に際しては夢や希望が膨らむものです。でも、もしそれが失敗や後悔する買い物だったら、ましてトラブルが起きてしまったら、せっかくのマイホームも色あせてしまいます。
業界トップクラスの積水ハウスだからと、安心して任せきりにしていると、失敗したり後悔したりすることがあります。
本記事では、積水ハウス実ユーザーの失敗談や後悔している内容を紹介し、それらから学ぶ点などを述べていきます。これから積水ハウスの注文住宅でマイホームを計画されている方は参考にしてくださいね。
積水ハウスの注文住宅概要
まず、積水ハウスの注文住宅の概要を簡単に紹介しておきましょう。同社の住宅構成には、鉄骨系と木質系があり、中心は鉄骨系住宅ですが、木質系住宅(シャーウッド)も高品質と高性能で人気があります。
鉄骨系住宅
積水ハウスの主力商品で、1階建て〜4階建てまでに対応しており、開放的な大空間・大開口と質感ある佇まいを感じさせる高品質な住宅です。
高い安全性と自由設計を誇るオリジナル構法「ダイナミックフレーム・システム」と専用外壁(1・2階用)のダインコンクリートが特徴です。
本体の販売価格は70〜100万円/坪で、ボリュームゾーンは、80万円前後/坪となっています。
木質系住宅
グラヴィスに代表される木質系住宅シャーウッドは、構造用集成材による木造軸組構法に専用金具を用いた工法で、オリジナル商品の陶板外壁(ベルバーン)が人気です。1階建て〜3階建てまでに対応しています。
シャーウッドの本体販売価格(税別)は、70〜110万円/坪で、ボリュームゾーンは鉄骨系同様に80万円前後/坪となっています。
実ユーザーが後悔・失敗した内容
冒頭で述べたように、業界トップクラスの積水ハウスだからと、任せていても失敗や後悔することはあります。むしろ、任せていたために起こることがあるのです。
では、どのような失敗や後悔があるのか、実ユーザーの声を聞いてみましょう。学ぶ点があるかもしれませんよ。
チェック不足
特に問題もなく、満足して引渡しを受け入居したが、実際に生活してみると、それまでに気づかなかったことなどで、不満が積み重なりストレスになることもあります。
以下は、積水ハウスの実ユーザーが入居後の実生活で、不満に感じたことの一例です。
- 将来の間仕切り部分に電気スイッチがついていた
- ソファーを配置したらコンセントが隠れてしまった
- コーヒーメーカーとウォーターサーバーのコンセントを忘れた
- カップボードに予定していた大型のオーブンレンジが入らない
- インターフォンのモニターは、1階と2階の両方にするべきだった
これらは、小さな失敗とも言えますが、毎日のことですから不満となってストレスになるのはまちがいないでしょう。
外観や間取りのチェックにエネルギーを使い果たしてしまったのかもしれませんね。ですが、外観や間取り図が決まったからと、安心してはいけません。間取り図上で日常生活をシミュレーションしてみてください。そして、予定している家具や家電製品のレイアウトに問題がないかもチェックしてください。上の失敗例は、ユーザー自らがチェックしておくことの重要性を教えてくれます。
もちろん、事前に予定しているリフォーム内容、そして予定している家具や家電製品を設計者に伝えておくことが一番大事です。しかし、それでも設計者の経験不足などで見落としや気づかないことがあるかもしれないのです。
上の失敗例の、将来の間仕切り部分にスイッチがついていた、というのは設計者のミスのように思いますが、ユーザー自身がもう少し自分でもチェックしていたら防げたのに、と後悔されていました。
後悔したオプション類
一生に一度のマイホームですから、どうしても夢が膨らみ、モデルハウスや住宅雑誌などに出てくるおしゃれな設備などを選びたくなります。
しかし、実際にはあまり必要がなく、効果もないために後悔してしまうものがあります。反面、予算が膨らむことを心配してつけなかったために後悔する場合もあります。
- おしゃれと思ってつけたお風呂の横長の鏡も、水垢の掃除が大変で無駄な費用だった
- ミスト機能とテレビ付きのユニットバスにしたが、使っていない
- ダウンライトを調光器付きとしたが、ほとんど使っていない
- 電動シャッターにしておけばよかった
- ベランダに散水栓をつければよかった
上記もほんの一例ですが、それらが全ての人に失敗であるかどうかは人それぞれで、住んでみて初めて分かることもあります。ですから、全ての失敗や後悔をなくすことは無理かもしれませんが、可能なかぎり、必要の有無を十分に検討するようにしてください。
友人のローコスト住宅と比べてモヤモヤした(2021/1/18 40坪 4,000万円)
大きな買い物で失敗したくないため、最も信用できる積水ハウスを選んで、出来上がりやアフターにも満足していたが、友人が建てたローコスト住宅と大きさや設備が変わらないのに半額程度だったのを聞いて無駄遣いしたのかとモヤモヤしている。
たしかに、同じように見える家が、半額程度で建てられているのを聞くと、何となくモヤモヤとした気持ちになりますよね。
でも、同じように見えても実際は違うケースがほとんどです。同じように見える設備や内外装でも、その品質や性能は異なります。まして、日頃は目に見えない住宅性能や保証は、きっと違います。隣の芝生は青い、の例えです。
なによりも、ハイクラスの住宅を持つ喜びや満足感は、ローコスト住宅では得られないものです。出来上がりやアフターに満足しているなら、もっとマイホームに自信をもつべきでしょう。
リフォームやメンテナンスは積水ハウスに限られる(2021.05.20)
積水ハウスで建てた家は、他社で修理やリフォームをすると積水ハウスの保証が効かなくなると言われた。理由は、積水ハウス独自の規格や工法があるためだそうです。
積水ハウスの注文住宅は、指定する定期検査やメンテナンスをした上で、主要構造部分と雨漏りの恐れのある部分の初期保証を30年としています。法律で義務付けられた保証が10年ですから、おおきなメリットですね。
ですが、独自の商品や技術で建てられているため、安いからと地域の工務店や専業者に修理やリフォームをお願いすると、積水ハウスの保証が無効になり後悔することになります。事前に修理やリフォーム内容を担当営業マンに伝えて、確認しておくといいでしょう。
リフォームや修理を他業者で行うと長期保証がなくなるのは、積水ハウスに限らず、住宅メーカーのほとんどが採用しているシステムですから、仕方がないかもしれませんね。
トラブル例から学ぶ
マイホームを手に入れるという一生に一度のビッグイベントでは、無事に契約が済んでも、着工から入居までの間に、予期していなかったトラブルが起こることがあります。
積水ハウス担当者とのトラブル、あるいは施工業者と近隣とのトラブルなど、注意しなければならない点を紹介します。
施工業者による近隣とのトラブル(2020.12.21)
路上駐車、タバコのポイ捨て、グレーチングの破損などを、現場監督にいくら言っても改善されないので、営業所の上司に連絡してやっと対応してもらえた。
これは、積水ハウスユーザーの声ではなく、お隣さんが積水ハウスの現場監督や営業所とやり取りした内容です。ユーザーは、これを入居前の挨拶時に知って、平身低頭で謝ったそうですが、さぞ気まずい思いをしたことでしょう。
よく住宅メーカーは、「工事期間中は当社に任せていただいて、危険な現場にくる必要はないですよ」と言います。しかし、上のようなトラブルを聞くと、任せきりにはできないと感じますよね。ですから、できれば現場監督に同行してもらってでも、現場訪問することを勧めます。
現場監督に工事の進行具合を聞きながら、近隣対応に問題がないか確認できます。その際に、近隣の方に挨拶しておけば、トラブルになる前に改善できたかもしれません。
約束の設備が使えない事実(2021.07.17)
ある住宅メーカーの洗面台が気に入って、それを絶対条件に積水ハウスと契約したが、実際には積水ハウスでは採用できないことが分かった。
ユーザーがよく聞いてみると、気に入ったという洗面台は、ある住宅メーカーが設備メーカーに依頼したオリジナル商品で、他社では使えないというものでした。
たとえ取引のあるメーカーであっても、著作権が絡んでいますので無理ですよね。安易にその設備メーカーにあるだろうと判断した担当営業マンのミスです。
結果としては、ユーザーのお気に入りの洗面台と同等以上のものが見つかり、増額分は積水ハウスが負担することで解決したようです。それでも、当初は増額分を要求されたとのことで、文書で正式に抗議したら、上長から負担なしの解答を得たようです。
この例は、まれなケースだと思いますが、冷静に文書で抗議したことが成功していると思います。担当者と口頭でのやりとりでは、感情的になっていたかもしれません。
返金交渉で弁護士が入ってきた!(2009.04.26)
手直し工事の多さと施工業者の態度に抗議するも、積水ハウス側に誠実な態度が見られず、返金と言う形になった。しかし、金額交渉している間に弁護士が入ってきた。
返金という形になったことから、積水ハウス側も一応の非は認めているようですが、詳細なことや実際のところは第三者にはわかりません。
ただ、一個人に大企業が弁護士をつかって対抗する姿勢は、まるでスラップ訴訟のようで大人げない気がします。
スラップ訴訟というのは、国や大企業が個人や小さな団体に対して威圧や封殺を目的とした訴訟を起こすことで、どうしても弱者は経済的な理由などで及び腰になってしまいます。
そのため、このユーザーは、相手が積水ハウスでも受けてくれる弁護士がいるのか、と悩んだそうです。
このような場合、各都道府県にある住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)を利用するといいでしょう。弁護士や1級建築士が相談にのってくれ、費用は申請手数料(1万円、もしくは1万4千円)だけです。
失敗、後悔、トラブルを避けるために
よく言われるように、口約束はトラブルの元です。これを避けるために契約書があり、場合によっては打合せノートが役に立つことなどを、改めて確認しておきましょう。
請負契約書類の重要性
注文住宅の契約は、請負契約書と重要事項説明書、そして、添付されている設計図書類によって成立します。つまり、それまでに打合せた内容や約束事が文字や文書、そして設計図書類に記載されており、双方がそれらを確認・同意して契約を結ぶわけです。
言い換えれば、契約書類に記載されていないことは、実行しなくても良いわけです。ですから、担当者にまかせて契約内容を十分に理解や確認しないままに契約してしまうと、失敗や後悔の元になることがあります。
契約書にサインする前には、少し時間をもらってでも、契約書類の熟読と設計図書類の記載内容が打合せ通りであるかどうか、を十二分に確認するようにしてください。
打合せノートの活用
契約前の打合せ内容には、契約書類に記載できないような仔細なことがあるかもしれません。そんな時は、打合せノートに日付と内容を残しておき、心配であれば担当者のサインをもらうくらい気を使うようにしてください。
そういう姿勢を見せることで、いい加減なことはできないと担当者を牽制することもできます。ただし、あまり神経質になりすぎると不審を抱かせる原因にもなりますので、コミニュケーションを図りながら進めるようにしましょう。
施工現場の訪問
近年は、地鎮祭も上棟式も省略される傾向があり、施主が現場に足を運ぶことが少なくなりました。しかし、現場担当者に全てを任せきりにするのはすすめられません。
着工前や入居時の近隣挨拶はもちろんですが、工事期間中も幾度かは現場訪問し、施工者に施主の顔を見せておくことにもトラブルを防ぐ効果があります。誰の家かも分からないようでは、無責任な施工になりかねないのです。
引き渡し前の完成チェックは時間を掛けて
引渡前には、積水ハウスの担当者とオーナーの立ち会いの元に、完成検査が行われ、無事に問題がなければ請負残金の支払い手続きを行って引渡となります。
この完成検査の時に、全てをチェックするのは難しく、ややもするとメーカーのペースで進められ、終わってから気になる部分を思い出す、などということがよくあります。
ですから、前日までに設計図を再確認して、気になる点などを書きだしておくといいでしょう。そして、オーナーのペースで納得するまでチェックするようにしてください。
まとめ
積水ハウスの注文住宅に限らず、マイホームを建てる時には、失敗したり後悔したりすることがあります。時にはトラブルになることもあります。
それらは、住宅メーカーに責任がある場合、双方の勘違い、認識不足など原因は様々で、全てを事前に解消しておくことは無理かもしれません。
ですが、契約前に請負契約書類や設計図書類の内容を十二分に確認して、さらには選択したオプションが本当に必要か、なども再確認しておけば、少しは失敗や後悔をなくすことに繋がるはずです。また、本記事で紹介した失敗や後悔の例も参考になると思います。
数え切れない住宅を担当し、日常業務としている住宅メーカーの担当者と、一生に一度のビッグイベントとしているユーザーとでは、熱意に大きな差があります。その熱意の差がある中で、任せきりにするのは危険なのです。
ですから、最大手の積水ハウスと言えども、安心したり任せきりにしたりするのではなく、ユーザーのペースで細心の注意とエネルギーを注ぎ、より満足のいくマイホームとなることを願っています。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料