積水ハウス

積水ハウスで30坪の注文住宅を建てる!間取りと費用は?

掲載元:積水ハウス

延床面積30坪は、マイホームとしては決して広い方ではないかもしれません。ですが、敷地面積や予算などでやむを得ない場合もありますよね。

ただ、家が大きくなると予算も増えるので考えものですよね。

本記事では、積水ハウスの注文住宅を30坪で建てるとするなら、どのような間取りになるのか、そして費用は? について同社ユーザーの実例を参考に紹介していきます。

30坪の価格やプランを参考にしてほかの坪数や間取りと比較してみましょう。

積水ハウスの注文住宅、35坪の間取りや安くコスパよく建てるコツ限られた予算と延床面積で、どのような間取りが可能か?思い描いたマイホームになるのか? など、新築を計画されている方には、色々な不安がある...

鉄骨造と木造、どちらを選ぶ?

掲載元:積水ハウス/鉄骨造:ダイナミックフレーム・システム、木造:シャーウッド構法

積水ハウスの注文住宅には、鉄骨造と木造の2種類があります。主力商品は鉄骨造で、戸建て住宅部門では戸数・売上ともに62%ほどを占め、残りの38%ほどが木造ということになります。(2021年Financial FactBookより)

では、延床30坪の規模では、どちらを選べばいいのでしょうか? 積水ハウスの注文住宅における、それぞれの特色を簡単に紹介しておきましょう。

住宅基本性能(耐震性能と断熱性能)

どちらの構造も、高い耐震性能で安全性を確保しており、間取りにもよりますが、耐震性能は品確法の最高等級が標準です。断熱性能についても、最高等級を標準としています。

間取りの自由度

積水ハウスのHPやカタログの紹介では、いずれの構造においても設計の自由度を確保しているとあります。

しかし、一般論として木造軸組をベースにしている木造(シャーウッド)のほうが、より自由度が高いといえるでしょう。

価格

積水ハウスの2021年度の売上実績を参考にすると、1戸当りの売上高は鉄骨造の方が60万円ほど高くなっています。

しかし、年度によっては逆転している時もありますから、ほぼ同じですね。

以上から、どちらかを選ぶ決定的な差はなく、結局は木か鉄かのユーザーの好みによるという結果になります。住宅規模が極端に大きく、あるいは小さくない限り、ほぼ同じと考えていいでしょう。

事例からみる30坪の間取り

積水ハウスの実ユーザー例から、延床面積30坪前後の間取りをピックアップして紹介します。敷地形状や家族構成などの諸条件は異なるでしょうが、参考になると思います。

ユーザーA/延床:107.72㎡(32.5坪)、1LDK+フリースペース、夫婦+子供3人

掲載元:SUUMO

専用の子供室は必要になった時に区切ればよい、との考え方でフリースペースを大きくした、とのことです。

キッチンは、シンクとコンロを分けたセパレートタイプで、階段と吹き抜けを取り込んだLDKになっています。

ユーザーB/延床:96.5㎡(29.1坪)、3LDK、夫婦+子供2人

掲載元:SUUMO

このプランでは、子供室を2部屋に分割することを前提に計画されています。キッチンの斜め後ろのタタミルームは、家事室兼室内干しスペースに使用するとのことです。

庭に面した大きな開口部が、LDKをより広く感じさせます。LDKを挟んで、寝室と子供室を上下に配置したシンプルで無駄のない29坪です。LDKとトイレ・洗面・浴室、そして家事室を回遊動線でつなげており、家事作業にも配慮されています。

ユーザーC/延床:114.46㎡(34.6坪)、2LDK+予備室、夫婦+子供2人

掲載元:SUUMO

隣家を考慮して、あえてリビングの外壁には窓を設けず、吹抜けのコートからの採光としています。コートは、リビングとダイニングに視覚的な広がりを与えるとともに、プライバシーの確保にもつながっています。

土間収納からLDKへは回遊動線で、途中に手洗いとトイレを配置しています。2階の洗面所は、ほぼ洗濯スペースですが、ホールに洗面コーナーを設けて解決しています。

ユーザーD/延床:115.12㎡(34.8坪)、2LDK(3LDK)、夫婦+子供1人

掲載元:SUUMO

将来、家族が増えることを想定した、実質的には3LDKの間取りです。

はじめに子供室を広くしておいて、後で分割するケースはよく見かけますが、寝室を分割するタイプは新鮮ですね。このプランでも、2階の廊下にオープンな洗面コーナーを設けて、省スペース化を図っています。

ユーザーE/延床:99.25㎡(30.0坪)、2LDK+書斎、夫婦+子供1人

掲載元:SUUMO

家族3人であれば、30坪でも少し余裕がでてきます。書斎、2箇所のWIC、そして洗面所と洗濯室を分けているところに余裕が現れています。

何よりもダイニング・キッチンからみる景色が最高ですね。ウッドデッキには大きく屋根が被さっていますから、完全にダイニング・キッチンの延長で、アウトドアリビングの役目を果たしています。

ユーザーF/延床:96.12㎡(29.0坪)、1LDK+ストックルーム、夫婦

掲載元:SUUMO

凹凸のない正方形の総2階建てで、三方向に配置したウッドデッキが特徴です。下部を収納とした端まで伸ばしているキッチンカウンターとリビングのソファーは、おそらく造作でしょう。

外回りのシンプルさに対して、内部はこまかな部分に配慮した丁寧な設計が感じられます。

ユーザーG/延床:110.75㎡(33.5坪)、3LDK+ロフト、夫婦+子供3人

平屋風の小屋裏2階建てです。ロフト面積を含んだ33.5坪ですから、1階は30坪を下回っていると思います。3LDKで子供が3人ですから、将来はロフトも子供室になるのかもしれませんね。

事例からみる30坪の予算

上記同様に実ユーザー例から、延床30坪前後の建築予算についても紹介しておきます。なお、諸費用は除いています。

 

事例 商品名 延床面積 建築工事費 別途工事費 総額 坪単価
1 シャーウッド(木造) 35.00 3,600 200 3,800 108.6
2 ザ・グラヴィス(木造) 34.03 3,257 365 3,622 106.4
3 モデラーレ(木造) 31.00 2,708 201 2,909 93.8
4 マキシオ(木造) 27.00 3,500 3,500 129.6
5 ビー・モード(鉄骨造) 34.00 2,600 250 2,850 83.8

単位/面積:坪、費用:万円、赤字は仮定数字

事例1/延床35坪、総額:3,800万円、総額坪単価:108.6万円

この事例の建築工事費には、仕様のグレードアップの他に、イレギュラーですが、地盤改良、屋外給排水などの費用が含まれています。

一般的に、地盤改良や屋外給排水は別途工事に含まれます。なお、別途工事の200万円は、アプローチや植栽などの外構費用です。

間取りは、3LDKに家事室、WIC、サンルームをプラスしたもので、LDKを重視して21帖にしたとのこと。

事例2/34.03坪、総額:3,622万円、総額坪単価:106.4万円

参考外観/積水ハウス:ザ・グラヴィス

建築工事費の3,257万円は値引き(150万円)後の額で、瓦一体型の太陽光発電システム関係、床暖などが含まれています。

別途工事の365万円には、地盤改良、屋外給排水、外構工事が含まれています。間取りは3LDKでLDKは22.2帖とのことです。

事例3/31坪、総額:2,909万円、総額坪単価:93.8万円

参考外観/積水ハウス:モデラーレ

建築工事費の2,708は値引き110万円後の価格です。別途工事費の201万円には、地盤改良と屋外給排水は含まれていますが、外構が含まれているかどうかは不明です。

夫婦と子供2人の家族で、勾配天井とスキップフロアの収納がお気に入りとのことです。

事例4/延床27坪、総額:3,500万円、総額坪単価:129.6万円

参考外観/積水ハウス:マキシオ

マキシオとは、シャーウッドの3階建て商品です。総額3,500万円には、地盤改良、屋外給排水、外構などの別途工事が含まれていますが、グレードアップ等の追加費用なしの価格とのことです。

それでも、総額に対する坪単価が130万円近くになっています。延床面積が少し小さ目であることと、3階建てということで高くなっているようです。

事例5/34坪、総額:2,850万円、総額坪単価:83.8万円

参考外観/積水ハウス:ビー・モード

この事例では、別途工事が不明でしたので250万円と仮定しました。ウッドデッキと他の追加で予算を100万円ほどオーバーしたとのことですが、グレードアップや追加の費用が100万円というのはかなり抑えた数字でしょう。

そして、それらを抑えれば積水ハウスの注文住宅でも安くできることが分かる例です。

公開されている30坪前後の積水ハウスの注文住宅を無作為に集めると、1件のみが鉄骨造(ビー・モード)で、後は木造という結果になりました。

積水ハウスの注文住宅では、延床面積30坪ほどの大きさは、木造ユーザーの方が多いのかもしれませんね。

標準価格を上げる追加工事等

積水ハウスが設定している注文住宅の標準価格よりも、実際にユーザーが建てる住宅の価格が上がっている要因をいくつか紹介しておきましょう。

ユーザーごとにマイホームに求めるものは異なりますが、本当に必要なものは何か、そして必要な予算を組む際の参考にしてください。

太陽光発電システム関係:200〜300万円(4kWの場合)

太陽光発電パネル、蓄電池、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)などで、発電・蓄電容量を4kWほどとしても、200万円前後になります。本記事の30坪で換算すると、坪単価を6.7〜10万円ほどアップさせますが、現在の新築では、ほぼ必須の設備かもしれません。

積水ハウスの戸建て住宅のZEH比率は92%(2021年度)で、日本全体の比率16%を大きく上回る実績を残しており、同社が力をいれている部分です。

水廻り設備のグレードアップ

システムキッチンやカップボードなどをグレードアップすると100万円単位の追加費用が発生します。また、キッチン設備ほどではありませんが、浴室、洗面所、トイレの安易なグレードアップにも注意しなければなりません。

モデルハウスの最高級仕様に惑わされず、各設備のショウルームなどで、本当に必要なものを選ぶようにしましょう。

フロア材のグレード:30〜50万円

フロア材には大きく分けて、以下の4種類があり、価格も大きく異なります。

無垢材

自然木を15mmほどの厚みに加工したものです。原材料の樹種によってグレードが決まりますが、一般的には高価格で、施工やメンテナンスも難しいため、こだわりがある場合の選択になります。

挽き板(ひきいた)

合板の上に2〜3mmほどの自然木を貼り合わせたもので、見た目は無垢材と見分けがつきません。価格は自然木の厚みが大きくなるほど高くなります。

突板(つきいた)

合板の上に0.2〜0.5mmの自然木を貼り合わせたものです。自然木の部分が薄いため、木の質感では挽き板には劣りますが、フロア材としては上位クラスになります。

シート

合板に木目加工した樹脂シートを貼り合わせたものですが、プリント加工技術の向上で見た目は本物と見間違ほどのものもあります。

積水ハウスの注文住宅では、突板が標準ですが、同じ突板でも厚みや樹種で5,000円/㎡ほどの差額がでることもあり、上位の挽き板にすると、差額が10,000円/㎡になることもあります。

仮に20帖(33㎡相当)のLDKを挽き板にグレードアップすると、33万円のアップとなります。

床暖房:50万円前後

掲載元:積和建設

床暖房の気持ちよさは誰もが知るところですが、積水ハウスの場合は、35,000前後/帖の費用がかかります。

例えば、キッチンを除いたダイニング・リビングを15帖とすると、525,000円ほどの費用が必要になります。

また、メーカーが推奨する年に1回の点検費用に5,000円、メンテナンスとしては、熱媒体の不凍液の交換が10年毎でおよそ50,000円ほどが必要になります。

ランニングコストの電気代は使用頻度や設置面積にもよりますが、真冬時には15,000〜20,000円というユーザー情報もありますから、安くはないですね。

仮に、電気を太陽光発電で賄ったとしても、メンテナンスと定期点検の費用は、10年間で、

50,000円+5,000円×9=95,000円

となります。地域によっては、立ち上がりの遅い床暖房よりもエアコンの方が適している場合もあります。

地盤改良と屋外給排水:150〜200万円

積水ハウスの実ユーザー情報を参考にすると、同社では安全側に立って、地盤改良工事を前提としているようです。また、屋外給排水も必須ですから、これらを省略することはできませんね。

外構工事:200万円前後

この費用は、ユーザーによって大きくことなる部分ですが、200万円前後の予算は組んで置いた方がいいでしょう。

ただし、分譲開発地などで、更地の状態から境界フェンス・造園などを計画する場合は、大幅に増えますので注意が必要です。

以上、積水ハウスの標準設定価格よりも実ユーザーの建築総額の坪単価が上がる主な要因を紹介しました。中にはどうしても必要なものもありますが、それ以外に何を求めるかで建築総額が大きく変わってきます。

まとめ

積水ハウスの注文住宅ユーザーには、延床面積30坪前後のユーザーも多くいます。同社のユーザー事例では、子供室スペースを成長に合わせて間仕切る、あるいは洗面を廊下やホールにオープンな形で配置して省スペース化するなど、色々な工夫が見られます。

そして、そんな中でもLDKの広さを何よりも優先している様子が伺えます。延床面積から、一定の制限はあるものの、工夫次第では面積以上の広さと感じる間取りにすることも可能なのです。

費用総額としては、延床面積30坪前後では、諸費用を除いて3,000〜3,500万円が標準的なところです。

総額をアップさせるものには、地盤改良や屋外給排水、グレードアップ、追加設備、外構があります。中には省略できないものもありますが、それらを含めると費用総額の坪単価を10〜20万円も上げることもあります。従って、本当に必要なものだけにして、総額を抑えることが大事ですね。

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