中古マンションを購入してリフォームする際、見積もりを取りリフォーム会社を決定します。このとき、上手に見積もりを依頼することで、適正価格でリフォームが行えるのです。
ただ、中古マンションのように、物件の購入に合わせてリフォームの見積もりを取る場合、いくつかのポイントがあります。
そこで本記事では、「中古マンションリフォームの見積もりのポイントや物件購入」「リフォームを行うまでの流れ」をご紹介します。物件を購入してすぐにリフォームを行い住み始めるためには、あらかじめ効率よく準備を行うようにしましょう。
1.中古マンションリフォームにおける見積もりのポイント
中古マンションのリフォームの見積もりを依頼する際、いくつかのポイントがあります。大規模リフォームになるため、通常のリフォームよりも特に注意して見積もりを取らなければいけません。
しかしながら、「見積もりの取り方がわからない」という相談は多く受けます。そこでこの項では、中古マンションにおけるリフォームの見積もり依頼のポイントをご紹介します。
1-1.複数社見積もりを依頼する
見積もりを依頼する際、複数社に頼みましょう。1社だけでは適正価格なのか判断することが難しいからです。また、優良業者なのかも判断できないのではないでしょうか。
たとえば、以下のように1社に見積もりを依頼したと仮定します。
- A社:1,200万円
この場合、マンションのリフォームの価格が、1,200万円と言われてもこの価格が適正なのかわかりません。高いかもしれませんし、安すぎるかもしれません。そのため、複数社見積もりを取ることで相場を判断するのです。
一方、以下のように3社見積もりを依頼したのであればいかがでしょうか。
- A社:1,200万円
- B社:1,500万円
- C社:1,000万円
他のリフォーム会社価格がわかれば、1,200万円が高いのか安いのかを判断することができます。したがって、これからリフォームを行うのであれば、複数社に見積もりを依頼しましょう。
1-2.条件やグレードを統一する
見積もりを依頼する際、必ず条件やグレードを統一するようにしてください。条件が異なると見積もりの価格が変わってくるため、比較しにくくなるからです。
たとえば、2社にそれぞれ普通のグレードと高級なグレードの見積もりを依頼した場合、以下のようになります。
- 普通のグレード:1,000万円
- 高級なグレード:1,500万円
この場合、当然ながら高級なグレードのほうが設備機器の価格などが高くなるため、その分費用は高くなります。そのため、見積書を比較しにくくなってしまうのです。
同じ条件であれば、業者ごとの値段やサービスの違いがわかります。しかし、条件が異なると値段が変わることが当然なため、判断しにくくなってしまうのです。
これから複数社見積もりを依頼する場合、必ず条件やグレードは統一するようにしてください。
1-3.値段だけでリフォーム会社を決めない
見積もりを依頼した後、リフォーム会社を選びます。しかしこのとき、値段だけでリフォーム会社を決めるのは控えてください。
「安かろう悪かろう」という言葉がある通り、値段を重視すると工事の質が下がってしまうからです。
リフォームの価格は「定価」というものが存在しません。そのため、工程を省くなどの手抜き工事を行えば簡単に値段を下げることができてしまいます。複数社見積もりを依頼した場合、ついつい値段だけでリフォーム会社を決めてしまいがちです。
せっかくのリフォームが、質の低い工事になってしまっては元も子もないのではないでしょうか。そのため、値段だけでリフォーム会社を決めないようにしましょう。
1-4.あらかじめプランを考えておく
見積もりを依頼する前に、大まかなプランを決めるようにしてください。見積もりを依頼した後にプラン変更がある場合、再度見積もりを作り直す必要があるからです。これでは、二度手間になってしまいます。
そのため、事前に家族全員で話し合い、どのようなリフォームプランにするのかを決めておきましょう。
このとき、「生活の中でどのような悩みがあるのか」を考えれば、理想のリフォームプランがわかります。
たとえば、「キッチンが狭くて使いにくい」というのであれば、キッチンのリフォームを行いましょう。また、「お風呂でゆっくり疲れを癒したい」というのであれば、お風呂のリフォームを行う必要があるのです。
リフォームは、生活の悩みを解決するために行います。今、どのような悩みを抱えているのかをよく考えて、リフォームプランを決めるようにしましょう。
2.中古マンションリフォームの注意点
中古マンションのリフォームを行う際、いくつか注意点があります。通常のリフォームとは異なり、中古マンションを購入してリフォームするからこそ、気にしなければいけないポイントがあるのです。
2-1.管理組合へ届け出が必要
マンションをリフォームする場合、管理組合への届け出が必要になり、許可を取らなければいけません。分譲マンションとはいえ、マンションは共同住宅になるからです。そのため、あなたの好き勝手にリフォームを行うことはできません。
マンションを購入して見積もりを依頼するためには、事前に必ず管理組合に届け出を出すようにしてください。
2-2.物件によってはリフォームできない可能性がある
中古マンションによっては、リフォームに制限がある場合があります。構造上、間取りを変更できなかったり、配管を移動できなかったりします。
そのため、すべての中古マンションがあなたの理想通りにリフォームできるわけではないのです。
もし、これからリフォームする予定の物件を探すのであれば、リフォームが自由にできるのかをあらかじめ確認するようにしてください。
このとき、中古マンションを購入する不動産業者に聞いてみると、リフォーム会社を紹介してくれます。リフォームのことなどで気になることがあれば、積極的に聞いてみてはいかがでしょうか。
ただし、不動産業者によっては紹介したリフォーム会社に工事を依頼するよう進めてくる場合があります。しかし、必ずその業者に工事を依頼しなければいけないわけではないため、必要がなければ断るようにしましょう。
2-3.古い場合耐久性が不安
中古マンションのリフォームを行う場合、物件の築年数が古いと耐久性が不安です。リフォームした箇所は、きれいになるかもしれませんが、それ以外の部分は古いままだからです。
間取りやトイレなどをリフォームした場合、それらは新品同様になります。しかし、マンションの骨組み部分などはどうでしょうか。その部分はリフォームすることができないため、古いままです。
たとえば、築30年のマンションをリフォームした場合、その後30年経過したと仮定すると、築60年になるということです。
リフォームしたマンションにこれから住み続ける場合、30年後のことを考えて物件選びやリフォームプランを考えるようにしましょう。
3.中古マンションリフォームの流れ
中古マンションを購入してリフォームを行う場合、物件探しと並行してリフォーム業者を探したり、見積もりを取ったりしなければいけません。
中古マンション購入後にすぐに工事を始めなければ、住み始めるのが遅くなってしまうからです。
住み始めるのが遅くなる場合、仮住まいの賃貸費用が高くなってしまうのではないでしょうか。スムーズにリフォームを行うためには、流れを把握して効率よく段取りを行いましょう。
3-1.物件探しと並行してリフォーム業者を探す
まず、物件探しと並行してリフォーム業者を探しましょう。物件を購入してから見積もりを依頼するためには、事前に見積もりを依頼するリフォーム会社を数社ピックアップしておきましょう。
そうすれば、物件を引き渡し後、すぐに相見積もり(数社に見積もりを取ること)が行えます。
ただ、「物件が決まる前に見積もりを依頼すればいい」と思う方もいるかもしれませんが、基本的にリフォーム会社や工務店は、契約が決まっていない物件の見積もりを取ることを嫌がります。
物件が決まっていない場合、その中古マンションの見積もりを取ったとしても、契約できなければ無駄足になってしまうからです。
つまり、物件を購入して引き渡しが完了しなければ、リフォームの見積もりを取ることはできません。したがって、引き渡し後スムーズに工事を行うためには、事前にリフォーム業者をピックアップしておきましょう。
3-1-1.物件探しの注意点
先ほどお伝えしたように、物件を探す際はリフォームに制限があるのかどうかを確認しましょう。物件によっては、リフォームに制限がかかる場合があるからです。
必ず物件を決定する前に、あなたが行う予定のリフォームプラン通りに工事が行えるマンションなのかを確かめましょう。
3-2.物件が決定したら依頼するリフォーム会社を決める
物件が決定したら依頼するリフォーム会社を決めるようにしてください。いくつかリフォーム会社や工務店の候補をピックアップしている場合、その中から見積もりを依頼するリフォーム会社を決めましょう。
このとき、地域密着のリフォーム会社や工務店に依頼するのがおすすめです。大手のハウスメーカーの場合、仲介手数料が発生するため、費用が割高になります。
一般的に、3~4割の仲介手数料を取ることが多く見られます。費用を抑えつつ品質の高い工事を行いたいのであれば、地域密着のリフォーム会社や工務店を選びましょう。
3-3.引き渡しが完了したら見積もりを依頼する
中古マンションを購入後、引き渡しが完了したら候補のリフォーム会社や工務店に見積もりを依頼しましょう。
先ほどお伝えしたように、物件が決まっていない状態での見積もりをリフォーム会社は嫌がるからです。
そのため、引き渡しが完了したらリフォーム会社に見積もりを依頼してください。このとき、2~3社に見積もりを依頼しましょう。1社だけでは適正価格なのか判断することは難しいです。
また、業者のサービス面などを比較することができないため、優良業者を見極められません。
中古マンションのリフォームは、1,000万円を超える可能性があるため、優良業者に工事を依頼したいものですよね。
3-4.相見積もりによってリフォーム会社を決定する
相見積もり(あいみつもり:複数社に見積もりを依頼すること)を行ったのであれば、リフォーム会社を決定しましょう。
ただし、このとき値段だけでリフォーム会社を選ぶと後悔します。リフォームは簡単に値段を下げることができるため、手抜き工事を行われる可能性があるからです。工程を省いたり、材料を安いものにしたりすると、安く工事が行えます。
相見積もりを依頼した場合、見積書の値段だけを比較してしまいがちではないでしょうか。しかしながら、「値段だけでリフォーム会社を選んで後悔してしまった」という相談は多く受けます。
一生に一度の買い物だからこそ、優良業者に工事を依頼したいものです。そのため、相見積もりでリフォーム会社や工務店を決める場合、値段だけではなくリフォームのプランや業者のサービスなどを踏まえた上で決定しましょう。
3-5.施工完了後入居する
リフォームを終えた後、いよいよ入居です。あなたの理想の住まいに引っ越しましょう。
ただし、リフォーム工事を行う前に、近隣住民へのあいさつは怠らないようにしてください。リフォームを行う際、業者が頻繁に出入りします。また、工事の音など必ず近所の方に迷惑をかけます。
新居に引っ越して早々にトラブルになってしまっては、せっかくの新居でのスタートが台無しになってしまうのではないでしょうか。分譲であってもマンションは共同住宅であることを覚えておきましょう。
4.中古マンションのリフォームの費用を値引きするコツ
中古マンションのリフォームは、工事が大規模になるため、施工費用が高くなりやすいです。規模によっては、1,000万円を超えてしまうことも少なくありません。
そのため、むやみやたらにプランニングしてしまうと予算オーバーになってしまいます。そこで、効率よく費用を抑えるコツをご紹介します。
4-1.メーカーにこだわらない
リフォームの費用を抑える方法の1つに、メーカーをリフォーム会社や工務店に任せる方法があります。リフォーム会社や工務店によっては、安く仕入れられるメーカーや商品があるからです。
たとえば、水回りの設備機器の場合、一式同じメーカーにすると値段を抑えられます。また、低価格で品質の良いメーカーがあるため、それらを利用することで、費用を抑えられるのです。
水回りは、リフォームの中でも工事が大規模になります。そのため、水回りのリフォーム費用を抑えることができれば、全体の費用を安くできるのです。
特に、メーカーにこだわりがないのであれば、リフォーム会社や工務店に任せてしまうのも1つの方法になります。
4-2.シンプルな間取りや設計にする
大規模なリフォームを行う際、シンプルな間取りや設計にするようにしましょう。風雑な間取りや設計だと手間暇がかかり、人件費が高くなるからです。
このとき、同じ㎡数のリフォームであったとしても、値段は割高になります。
たとえば、間取りを決める際、壁の数が多くなればその分手間がかかります。したがって、シンプルな間取りやプランにすると効率よく費用を抑えられるのです。
これからリフォームプランを考えるのであれば、シンプルなプランニングにしてはいかがでしょうか。
4-3.費用がかさみやすい物件を避ける
中古マンションを購入してリフォームする場合、物件によっては補修費用がかかるため、リフォーム費用が高くなるケースがあります。
同じ築年数のマンションであったとしても、状態の良し悪しで補修する度合いは変わります。そのため、できるだけ補修箇所の少ない状態の良い物件を選ぶのがおすすめです。
しかしながら、リフォームによって間取りすべてをリフォームする場合、内装はそこまで状態が良くなくても構いません。間取りなどの内装は一度取り壊した後、再度新しく作り直すからです。
そのため、梁や柱などのリフォームによって手を加えない部分の状態を気にするようにしてください。
4-4.予算をあらかじめ設定する
あらかじめ予算を決めてその範囲内でリフォームを行ってもらうのもおすすめです。ただし、安すぎる場合無理があるため、極端な予算を伝えるのは控えるようにしてください。
たとえば、1,000万円前後かかるようなリフォームで「500万円未満にしてくれ」と言っても無理があります。予算をあらかじめ伝える際は、無理のない金額を伝えるようにしてください。
4-5.優先順位を決めてリフォームする
リフォームのプランを決める際、優先順位を決めると値段を抑えられます。予算を使う場所とそうではないところのメリハリをつけることで、リフォーム費用を抑えられるからです。
たとえば、キッチンやお風呂などの毎日使う場所はお金をかけて、壁紙などの生活に直接影響のない部分は費用を抑えるようにします。
生活に影響が出る部分は、その後の私生活の快適さに影響します。キッチンは家事の中でも作業時間が長いため、使いにくいと生活に支障がでてしまうのではないでしょうか。
そのため、キッチンやお風呂など、毎日使うような生活に直接影響を与える部分にお金を使い、そうではない部分の費用を抑えるとリフォーム費用を抑えられるのです。
4-6.地域のリフォーム会社や工務店に工事を依頼する
地域のリフォーム会社や工務店に工事を依頼するようにしましょう。大手ハウスメーカーのように、仲介手数料が発生しないため、費用を抑えられるからです。
一般的に、大手ハウスメーカーの場合、30~40%の手数料を取り下請け業者に工事を委託します。
つまり、大手ハウスメーカーにリフォームを依頼するということは、仲介手数料の分費用が高くなるということなのです。
仮に、1,000万円のリフォームを行うと仮定する場合、以下のような仲介手数料の金額になります。
1,000万円(リフォーム費用) × 0.4(仲介手数料の割合) = 400万円(仲介手数料の金額) |
このように、1,000万円のリフォーム費用を支払ったとしても、実際に工事に使われる金額は600万円になるのです。大手ハウスメーカーに工事を依頼するということは、仲介手数料がかかることを覚えておきましょう。
そのため、リフォーム費用を抑えたいのであれば、地域のリフォーム会社や工務店に工事を依頼すると無駄なく費用を抑えられます。
まとめ
中古マンションのリフォームは、物件やリフォーム会社選びを効率よく行わなければ、スムーズに工事や入居が行えません。そのため、効率よく準備を進めましょう。
また、大規模なリフォームになるため、費用が高額になります。適正価格でリフォームを行うために、ここでお伝えした注意点を踏まえて相見積もりを取りましょう。
なお、中古マンションのリフォームは大規模になるため、無駄を無くすと費用を抑えられます。一時的な感情でプランを決めるのではなく、予算や使い勝手などをよく考えてプランニングしましょう。
リフォームは、300万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。