リフォームを行おうと考えたとき、多くの方が「費用」「業者選び」について悩まれます。
リフォームは定価というものが存在しないため、見積もりの価格が適切なものかわからないからです。そこで、適正相場でリフォームを行う方法として、「相見積もり」があります。
相見積もりをすることで、適正価格が明確になります。また、その時の対応で優良リフォーム会社が分かり、信頼できる業者に工事を依頼することができるのです。
ここでは、リフォームの相見積もりを行う際の5つの心得をご紹介します。これから相見積もりを行う方は、この記事に目を通しておきましょう。
1.相見積もりとは
相見積もりとは、複数社に見積もりを依頼して比較することです。それにより、価格や業者を比べることができます。また、理想の費用で優良業者に工事が依頼できます。
ただし、リフォームには電化製品のように「定価」というものが決まっていません。素人であるお客様が、適正な価格なのか判断することは難しいものです。
たとえば、1社だけに見積もりを依頼した場合、それが本当に正しい値段なのか判断できますでしょうか。
しかし、複数社に見積もりを依頼することができれば、値段を比較することができます。そのため、適正価格でリフォームが行えます。
また、業者の対応なども比べることができるため、対応が良く提案力の高いリフォーム会社・工務店に工事を依頼できるのです。
2.絶対に相見積もりでやってはいけないこと
素人が相見積もりを依頼する場合、絶対にやってはいけないことやマナーがあります。
ほとんどの方が相見積もりによって、リフォーム会社を比較することは初めてでしょう。そのため、マナー違反な行動や失敗してしまうことがあるのです。
あなたの理想の住宅を納得のいくリフォームを行うために、ここでご紹介する相見積もりを依頼する際の注意点を把握しておきましょう。
2-1.他の業者に見積書を見せる
相見積もりを依頼する際、ほかの業者に見積書を見せるのは控えるようにしてください。他の業者に見積書を見せた途端、価格競争になるからです。
リフォームは、工程を省いたり、材料を安いものにしたりするといくらでも値段を下げることができてしまいます。そのため、見積書を他の業者に見せてしまった途端、値下げ競争になってしまうのです。
当然ながら、安い提案をした業者に工事を依頼する方は多くいらっしゃいます。
ただし、安さを求める場合、手抜き工事を行う悪徳業者に工事を依頼してしまう可能性は高くなります。また、安さだけで仕事を受注する業者は、お客様のことを考えてはいません。
工事の品質やプランなどの内容を一切気にしていないからです。そのため、相見積もりを行う際、他社に見積書を見せないようにしてください。
2-2.値引きばかりを行うと手抜き工事を行われる
相見積もりを行う際、値引き交渉だけを行うのは控えるようにしてください。先ほどお伝えしたように、工事の値段は、手抜き工事を行えば簡単に安くすることができるからです。
つまり、値引き交渉ばかり行うと手抜き工事を行われる確率が高くなります。リフォームの工事の費用は、数十万円~数百万円単位です。決して安い金額ではないため、「少しでも安くしたい」と思うのは仕方がないことです。
しかしながら、安さを求めたばかりにリフォームの質が下がってしまうのは、本末転倒ではないでしょうか。
リフォームの本来の目的は、「生活を豊かにしたい」はずです。値段を安くすることも重要ですが、本来も目的を忘れないようにしてください。
2-3.4社以上の業者の見積もりをとる
相見積もりを依頼する際は、2~3社までにするようにしてください。それ以上の業者に見積もりを依頼するとかえって、逆効果になるからです。
見積もりを依頼するということは、その都度、リフォーム会社・工務店と打ち合わせを行うということになります。そのため、見積もりを依頼する業者が増えるほど、打ち合わせの回数が増えてしまいます。
忙しい中打ち合わせを行うのは、手間ではないでしょうか。これが4社以上にもなると、打ち合わせにばらつきがでたり、プランがバラバラになってしまったりします。
また、打ち合わせの回数が増えれば、1社ごとの質が下がります。そのため、いい提案や工事を念入りにプランニングすることができません。
複数社見積もりを取ることは良いことですが、4社以上になるとメリットがなくなります。各業者と質の高い打ち合わせを行い、質が高く安い工事を行うのであれば、2~3社までにしましょう。
2-4.条件を統一しない
相見積もりを比較する際、条件を統一するようにしてください。同じ条件でなければ、見積もりを比較することができないからです。
たとえば、キッチンの見積もりを依頼する際、A社に一般的なグレードのキッチンの見積もりを依頼したと仮定します。
そして、B社にそれよりもグレードの高いキッチンの見積もりを依頼した場合、当然ながらグレードの高いB社のほうが値段は高くなります。
これでは、相見積もりを取ったとしても、価格を比較することはできません。また、条件が変わってくるため、比較ができません。したがって、相見積もりを行う際は、必ず同じ条件で行うようにしてください。
2-5.途中でリフォームプランを変更する
相見積もりを行う際、途中でリフォームプランを変更しないようにしましょう。先ほどお伝えしたように、同じ条件で見積もりを依頼しないと比較することができないからです。
たとえば、A社にトイレのリフォームの見積もりを依頼したと仮定します。
一方、B社に工事を依頼した場合には気が変わってしまい、トイレに加えて、お風呂のリフォームの見積もりを依頼してしまう場合、同じ条件で比較することができません。
相見積もりをとる目的は、見積書を比較することです。そのため、同じ条件でなければ比較することができません。もし、途中でリフォームのプランを変える場合は、今一度、新たに見積書を作成してもらうようにしてください。
3.相見積もりを成功させるポイント
相見積もりを行う際、いくつかのポイントがあります。これを抑えるだけで、相見積もりを成功させることができます。
これから「初めてリフォームや相見積もり」を行う方は、ぜひ参考にしてください。
3-1.有料か無料か確認する
複数社に相見積もりを依頼する場合、必ず見積もりが「有料」なのか確認しておくようにしてください。一般的に、無料で見積もりを行ってくれるリフォーム会社がほとんどです。
しかし、中には有料でサービスを行っている会社もあるため、後々「知らなかった」ということのないように、あらかじめ確認しておくようにしてください。
3-2.業者ごと見積書の書き方が違う
見積書の作成方法は、リフォーム会社によって異なります。同じキッチンの項目であっても、表記が変わってくるのです。
たとえば、同じキッチンの見積もりであっても、A社は「一式」とざっくりした表記であったり、B社は「詳細」に記載してあったりします。
リフォーム会社によって見積もりの表記は変わるため、見積書を比較する際はその点に注意してください。
3-3.直接会って話を聞く
見積もりを依頼する際、必ず直接話を聞くようにしてください。中には、電話対応しかしない業者も存在するからです。
リフォームは高額な商品になるため、直接会ってやり取りを行わなければ、言いたいことが伝わりません。
見積書をメールや郵送で送ってもらうのもいいですが、それではわからない部分などを聞くことができません。必ず直接会い、わからない部分を質問するようにしてください。
質の高い見積もりを行うためには、必ず直接会うようにしましょう。
3-4.見積書では比較できないこと
相見積もりを依頼する際、見積書では比較できないことがあります。それは、サービスなどの違いです。見積書はあくまでも書面になるため、そこから業者の品質などを比較することはできません。
同じ内容や金額の工事であったとしても、業者ごとサービスは異なります。
たとえば、同じ金額でも丁寧に工事を行ってくれるところもあれば、簡単に行う業者もあります。つまり、見積書では品質や業者の良し悪しまでは判断できません。
したがって、見積書を比較する際は、書面上だけで判断するのではなく、実際にリフォーム会社や工務店などを含めた上で決めましょう。
3-5.図面があれば用意する
リフォームを行う際、図面があれば用意するようにしてください。見積もりを作成する際に、間取り図があるのとないのでは、プランの具体性が異なるからです。
図面や間取り図に関しては、新築を建設した際に工務店から渡されているため、それをコピーしてリフォーム会社に送るようにしてください。
4.必ず業者に確認することリスト
業者に相見積もりを依頼する際、必ずリフォーム会社や工務店に確認することがあります。「言った言わない」というトラブルが非常に多いため、必ず確認しておきましょう。
4-1.諸経費の内訳
リフォームを行う際、諸経費の内訳を確認するようにしてください。リフォームの費用のうち、10~20%程度諸経費が発生するからです。
しかし、見積書には「諸経費」として記載してあるため、その内訳がわからないのではないでしょうか。
一般的に、諸経費は「交通費」「事務所の維持費」「現場監督費」などの費用が含まれます。そのため、諸経費が一体どのようなものなのかを確認するようにしておきましょう。
4-2.追加費用がかかるのか
相見積もりを依頼して、安いリフォーム会社に依頼する際、必ず追加費用がかかるのかを確認しましょう。
たとえ見積書が安くても、後々追加工事や費用がかかってしまえば、最初の見積もりの費用よりも高くなってしまうからです。
たとえば、以下の2社にリフォームの見積もりを依頼したと仮定します。
- A社:100万円
- B社:120万円
A社の価格が安かったため、工事を依頼したとします。しかし、実際に工事が始まったら追加の費用がかかってしまい、結局、140万円の工事になってしまったのであればいかがでしょうか。
最初からB社に工事を依頼しておけばよかったということになりかねません。
安い費用のリフォーム会社に依頼しても、追加費用がかかってしまえば、結果的に高くなってしまう可能性があります。
そのようなことを防ぐためには、見積もりを依頼する際、見積書の価格以外に追加費用がかかってしまうかどうかを確認してください。
4-3. 見積もり項目の確認
見積書の内容にわからない部分があれば、必ずリフォーム会社や工務店に確認するようにしてください。わからない部分をそのままにしておくと、後々トラブルになるからです。
たとえば、キッチンの見積書を依頼したと仮定します。その項目に「一式」と記載してある場合、詳細がわからないのではないでしょうか。
キッチンのリフォームには、厳密にキッチンの値段、施工費用などあるため、一式という表記は適切ではありません。そのため、見積書に一式という表記がある場合、必ずその詳細を確認するようにしてください。
工事費用の内訳は、初心者の方ではわかりません。数十万円から数百万円単位の工事になります。きちんとした見積もり表記でない場合、不安になるのではないでしょうか。
後々トラブルになった場合、せっかく生活を豊かにするための工事を行うのに、後味が悪くなってしまいます。
リフォーム業界は「トラブル業界」と言われるほどトラブルが多いです。トラブルを未然に防ぐためには、必ず内訳を納得できるまで確認するようにしてください。
5. 相見積もりで価格を抑える秘訣
相見積もりを行うということは、「価格を比較したい」「できるだけ安くしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。リフォームは高額な工事だからこそ、少しでも見積もりを比較して価格を抑えたいものです。
ただし、安さばかりを求めすぎると工事の質が下がってしまうため、むやみやたら値段を下げるのは控えるようにしてください。
そこで、相見積もりで価格を抑える秘訣をご紹介します。
「価格を抑えること」「値下げをすること」は、似ているようで全く意味合いが異なります。質の高い工事を適正価格で行うために、ここでお伝えする内容を参考にしてください。
5-1.優先順位を決める
見積もりを依頼する際、優先順位を決めると値段を抑えることができます。キッチンやお風呂など、あれもこれもこだわってグレードの高いものを選ぶと、なかなか価格を抑えられません。
そこで、優先順位を決めて、どうしても必要なものに優先的にお金をかけるようにしましょう。
たとえば、「キッチンとお風呂などの水回りは毎日使うからいいものを使いたいので、床材や壁紙などはそこまで高いものでなくてもいい」というように、お金をかける部分とそうではない箇所のメリハリをつけると値段を効率よく抑えることができます。
リフォームを行う場合、ついつい欲が出てグレードやオプションなどを欲張ってしまうものです。しかし、価格を抑えたいのであれば、優先順位を決めてプランを決定するようにしましょう。
5-2.予算をあらかじめ伝える
見積もりを依頼する際、予算をあらかじめ伝えるのも1つの方法です。「いくらで抑えてほしい」と伝えれば、その範囲内で提案してくれます。
業者としても、あらかじめ予算がわかれば、それに見合う内容でプランを決められるため、話が早いです。
逆を言えば、予算を伝えずにプランが決まってから値下げを行うのでは効率がよくありません。そのため、あらかじめ工事金額が決まっている場合は、その予算を伝えるようにしましょう。
5-3.まとめてリフォームを行うと安くなる
リフォームは、まとめてリフォームを行うと安くなります。別々に行うよりもまとめて行うほうが、手間がかからないため効率が良いからです。
たとえば、今回はキッチンのリフォームを行うと仮定します。
しかし、今後お風呂もリフォームする予定があるのならば、同時に行ったほうが別々に行うよりも費用を抑えられます。
別々に行うと、打ち合わせの回数や工事の手間が増えるからです。また、水回りなどの設備機器は、まとめて購入すると安くなります。
そのため、今後リフォームする予定があるのならば、できるだけまとめて行うようにすると無駄な費用を抑えることができるのです。
5-4.グレードにこだわらないと安くなる
リフォームを行う場合、グレードにこだわらないと値段を抑えることができます。
リフォーム会社によっては、安く仕入れられるメーカーなどがあるからです。そのため、特にこだわりがないのであれば、工務店に任せると値段が安く、品質の高いものを仕入れてくれます。
また、誰もが知っている有名なブランドでなくても、品質が良いメーカーは数多くあります。しかし、実は有名なブランドの多くが、一般的なメーカーのものと品質はほとんど変わりません。
つまり、ロゴが有名かそうではないかの違いになります。
もし、「有名なブランドメーカーでなくても構わない」というのであれば、リフォーム会社や工務店に任せてしまうのがおすすめです。低価格で品質の良いものを使い、リフォームを行ってくれることでしょう。
まとめ
リフォームの相見積もりは、業者を比較することができるため、適正価格や優良業者を見極められます。しかしながら、ほとんどの方が初めて見積もりを取るので、ポイントなどを理解していません。
また、見積もりを比較する際、多くの方が安さだけを求めてしまいがちです。一時的な感情で見積もりを判断してしまうと、後々後悔してしまう方も多くいらっしゃいます。安さを求めすぎる場合、良いリフォームができないからです。
せっかくのリフォームが、「安かろう悪かろう」になってしまうのでは元も子もありません。
リフォームの価格は高額になるため、「値段を抑えたい」ものです。しかし、「生活を豊かにするため」に行うという本来の目的を忘れないようにしてください。
そのため、ここで紹介した相見積もりの失敗例やポイントを抑え、リフォームを成功させましょう。
リフォームは、300万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。