地鎮祭は地の氏神様に、建築する土地の使用許可を願い、工事の安全を祈願する神事です。つまり、施主や施工主(元請け会社)側から見れば、地鎮祭はお願いするもので、お祝いするものではありません。
なお、個人住宅の地鎮祭は施主が主催者になるのが一般的です。
しかし、マンションなどのビル系で規模の大きいものでは、施工主が主催者となることがあります。
地鎮祭に招待されて同席する場合、招待客として施主や施工主を想い、工事の安全を祈願することとなります。また、招待客は施主や施工主に対して、地鎮祭を迎えたことに対するお祝いをする立場でもあります。
ここでは、地鎮祭に参加・同席する場合、そして施主や施工主に対してお祝いをする場合を含めて、地鎮祭時のマナーなどについて紹介していきます。
地鎮祭のお祝いは何を持っていけばいいのか
地鎮祭に招待された場合、お祝い持参しましょう。ただ、何を持っていけばいいのかわからない方は、多いのではないでしょうか。
地鎮祭のお祝いは、以下のものを持っていくようにしましょう。
- お酒(清酒)
- 菓子折り
- 果実
これらの中からどれか持っていくようにしてください。
ただ、持っていく際はのしを忘れないようにしてください。そして、必ず「祝 地鎮祭」「地鎮祭 御祝」と書くようにしましょう。
お酒(清酒)
まず筆頭は、清酒です。特に、招待客が持参する地鎮祭のお供え用としては、清酒2本が基本です。なお、お供え用ではなく、その後の直会(なおらい:食事会)用に持参する場合は、ビールでもいいでしょう。
お供え用の清酒には、縁起の良い銘柄を選ぶのが妥当です。
また、メジャーな銘柄でなくても、地域の清酒でもかまいません。むしろ、地域の清酒の方が、地の氏神様へのお供え物としては良いでしょう。
菓子折り
地鎮祭などの神事のお供え物には、お菓子も含まれています。上の写真では、和菓子ですが、とくに決まりはなく、洋菓子でもかまいません。
上の写真のように袋入で小分けできるものであれば、参加者にも配れますのでおすすめです。なお、スナック類は避けておいた方がいいでしょう。
さらに、菓子折の「折」は折り箱の意味ですから、化粧箱に入れられているものを用意しましょう。
果物
施主・施工主が果物をお供えする場合は、三方(さんぼう)などに直接載せるのが一般的です。
しかし、招待客がお供え物として用意する時には、化粧箱や盛りかごに入れておくようにしましょう。
地鎮祭のお祝いの金額
冒頭で説明したように、施主や施工主側から見た場合、地鎮祭はお祝いするものではなく、祈願するものです。
施主や施工主の祈願に対する謝礼金として「初穂料(はつほりょう)」あるいは「玉串料(たまぐしりょう)」があり、それを神主にお渡しします。
ただし、招待された人が「初穂料」や「玉串料」としてお供えしてもかまいませんが、一般的ではありません。また、お祝い金として渡すこともあまりありません。
それでも、地鎮祭のお供え物が用意できず、手ぶらで参加するのも気が引ける場合があります。そのような時は、新築・着工に対するお祝いの意味で、お祝い金としてお渡しするようにしましょう。
親族の場合
親や兄弟、子供の場合は、1〜3万円が妥当なところです。
親族がお祝い金を渡す場合は、お祝いと共に地鎮祭費用の協力という意味もあります。地鎮祭の規模や直会(なおらい)の有無で調整すればいいでしょう。
知人、友人の場合
この場合は、5千円〜1万円ほどが相場です。
なお、地鎮祭後に直会や会食が行われる場合は、それに相当する費用を考慮して決めるといいでしょう。
取引先の場合
仕事の取引先の地鎮祭に参加する場合、一般的にお祝い金は必要ありません。お供えする清酒を2本用意すれば十分です。
地鎮際のお祝い:のし袋の書き方
のし袋の書き方をご紹介します。正しい書き方やマナーがあるので、失礼のないようにしましょう。
祝 地鎮祭、地鎮祭 お祝い
繰り返しになりますが、地鎮祭に招待された人は、施主や施工主と同席して地の氏神様に安全祈願すると共に、新築着工を迎えられたことをお祝いする立場にあります。
お供え物としてお渡しする時は、のし紙に「奉献」と書き、お祝いとして渡す時には、「祝 地鎮祭」などと書きます。
いずれの場合も、水引の下側には持参した人の氏名や会社名を書きます。なお、会社名を書く時には、(株)や(有)などの省略文字は使わないようにしましょう。
神主への謝礼金
これは、お祝い金ではなく、神主に対しての謝礼金です。
上でも述べたように、のし袋の水引(みずひき)より上側に「初穂料」あるいは「玉串料」と書きます。そして、下側には施主あるいは施工主の氏名・会社名を書きます。
個人住宅の地鎮祭の謝礼金としては、1〜3万円ほどが相場ですが、会社などの規模が大きい時には5〜10万円ほどとなります。
お車代
これは、神主の交通費で、一般的には5,000〜1万円が相場です。上の神主への謝礼金とは別に用意するのが基本ですが、謝礼金と合わせた金額を「初穂料」や「玉串料」としてお渡しするケースもあります。
なお、お車代は特に祝儀袋でなくても良いとされており、謝礼金と同じタイミングで渡す時は、表書き下部の氏名も省略することができます。
地鎮祭のお祝いの言葉
地鎮祭に招待された時のお祝いの言葉は、施主あるいは施工主(元請け業者)が無事に地鎮祭を迎えられたこと、そして、その後に行われる工事着工に対してのものです。
地鎮祭に招待された時のお祝いの言葉について、個人の場合、会社の場合に分けて紹介してみます。
地鎮祭のお祝い:親戚や友人の場合
個人の地鎮祭では簡略化が進み、施主の謝辞や招待客からの祝辞を正式に述べることは、まずありません。
しかし、地域や住宅規模によっては、それらの機会があるかも知れませんね。
親しい親戚や友人ですから、堅苦しく考えず「地鎮祭、おめでとうございます」でいいでしょう。
そして、招待していただいたお礼や上棟や完成の予定などの話も交えて、お祝いの気持ちを伝えておくことが大事です。
地鎮祭のお祝い:取引先の場合
取引先の地鎮祭では、来賓祝辞として挨拶を求められることがあります。一般的には、事前にその旨の連絡がありますので、十分準備しておきましょう。
企業が行う地鎮祭ですから、多少は堅苦しく緊張するかもしれません。心配な時は、原稿を用意して読み上げてもかまいません。
要点としては、無事に地鎮祭・着工を迎えられたこと、そして新築に際して益々の発展・繁栄をお祝いする旨の内容を伝えましょう。なお、祝辞はできるだけ短く簡潔なのが好感を持たれます。
地鎮祭に招かれた時の服装
地鎮祭は神事ですから、礼を失しない服装で参加するようにしましょう。あまりにラフな服装は、招待した施主や施工主に対しても失礼にあたります。
ただし、いわゆる正装とする必要はありません。以下に個人の地鎮祭の場合、会社が行う場合に分けて紹介していきます。
個人の場合
出典:鎮座の坪沼八幡神社
個人の地鎮祭に招待された時の服装は、普段着でかまいませんが、襟のある服装としましょう。
また、色や柄などでも、あまりにカジュアル過ぎないこと、そして清潔であることが大事です。
会社の場合
出典:高良大社
取引先から招待された時は、男女共にスーツあるいは会社の制服が基本です。
女性の場合、必ずしもスーツである必要はありませんが、あまり飾りのないシンプルな服装であれば問題ありません。
また、男性の場合、季節によってはノーネクタイの時もありますが、臨機応変に対応できるように、ネクタイを持参しておくことを勧めします。
まとめ
地鎮祭のお祝いや挨拶などについてお伝えしてきました。招待された場合は、マナーを守るようにしましょう。それでは、今一度おさらいします。
- 地鎮祭に持参するものには、お供えするものと、施主・施工主へのお祝いとがある。
- 持参するお供え物は、清酒2本が基本
- のし紙は、お供えものには「奉献」、お祝いには「祝 地鎮祭」と書くこと
- 地鎮祭のお祝い金は、基本的に不要
- お祝いの言葉は、地鎮祭を迎えたこと、新築・着工を迎えることに対するもの
- 地鎮祭に参加する時の服装は、神事や施主・施工主に礼を失しない服装とする
地鎮祭に招待された人がお祝いする時のマナーには、以上のものがあります。いずれにしても、招待していただいたお礼と感謝を表し、礼を失しないことが重要です。
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