住宅の間取りを考える際、作業動線や日当たりなど考えることがたくさんありますが、「鬼門」「裏鬼門」と呼ばれる要素もあります。
玄関を設置する際、鬼門や裏鬼門が気になる方は多いのではないでしょうか。
今回は、間取りづくりで必ず登場する鬼門と裏鬼門のタブーや、実際の調べ方を詳しく説明します。これから家を建てる、購入する方はぜひ参考にしてください。
鬼門(北東)裏鬼門(南西)に玄関を設置してはいけない
鬼門と裏鬼門は古代中国から日本に伝わり、その後陰陽道によって日本独自の考え方として作りあげられたと言われています。
しかし、どこで誰が考え出した思想なのかはわかっていません。鬼門は北東の方角、裏鬼門南西の方角を示し、不吉なことが起こる方角だと言われ、玄関を配置してはいけないとされています。
古い言い伝えなので科学的根拠はありませんが、昔から脈々と受け継がれてきた考え方なので無視もできません。
「夕焼けなら翌日は晴れ」のように、昔の人々の生活の知恵から発生しているとも考えられるからです。
実際、鬼門といわれる北東の方角は常に日当たりが悪く、じめじめして苔などが生えやすくなります。
毎日出入りをしてお客様を迎え入れることもある玄関を配置するのに適した場所とは言えないでしょう。
裏鬼門の南西は西日が強く当たるため、外装の痛みが早くなります。昔の玄関は現代のようにアルミドアではなく木の扉や引き戸だったため、強い日差しで寿命が短くなってしまいます。
材料の強度が進化した現代のドアや外壁でも変色などの劣化スピードは早くなりますから、住宅の顔である玄関を配置するのに適してはいません。
そのほかにも水回りも設置してはダメ
ほかにもキッチン・トイレ・洗面所・お風呂などの水回りも配置するのは良くないことだとされています。
北東の鬼門は日が当たりづらく家の中でも一番寒い場所ですから、お風呂を配置すると冬の入浴は寒くて大変です。
カビなども生えやすくなってしまいますので、やはり水を扱う場所としては適していません。換気扇などの設備がある現代でも、積極的に配置すべきで場所ではないでしょう。
南西の裏鬼門は夕方の強い西日によって室温が高くなります。冷蔵庫が無かった時代は、台所を裏鬼門に配置すると食べ物の傷みが早くなってしまうため避けられていたようです。
設備の整っている現代では食べ物の腐敗は心配ありませんが、火を使うキッチンは西日を受けるとさらに室温が上昇するため快適に調理できません。
エアコンを使う頻度も高くなってしまうため、家計にも環境にもいいことはないです。よほどの事情がない限り、これらの配置も避けた方がいいでしょう。
鬼門を判断する方法
実際の建物における鬼門の調べ方を見てみましょう。家相には複雑なルールが多いため一見難しそうですが、ポイントを押さえれば問題ありません。
これから家づくりをする方は、特に覚えておきましょう。
宅心を調べる
鬼門を調べるためには、まず家の真ん中である宅心を調べる必要があります。家の外形が凸凹のないキレイな四角の場合は、対角線が交わった場所が宅心となります。
正確に調べるためには、家を建てたときの設計図面をコピーして使うと良いでしょう。
図面が見つからない、入手できないときは家の外周を正確に測り、1/100前後の縮尺で紙に書き写します。
専用の用紙などが無くても、距離と直角を正確に書き記せば問題ありませんので特別な手間はかかりません。
家の形が複雑な場合
住宅の間取りは土地や使い方に合わせているケースも多く、綺麗な四角ばかりとは限りません。凹凸が多く対角線で調べるのが難しい場合は「バランスの中心」を調べます。
住宅の図面を厚紙に書き写し、外形に沿って切り取って家の形を作ります。その厚紙を針やペン先など尖った物の上に置いて、バランスがとれる場所を探しましょう。
どこか一点バランスが取れる場所があり、そこが宅心となります。
方位盤を使って正確な位置を調べる
宅心が導き出せたら、いよいよ鬼門と裏鬼門を調べます。鬼門は15度~75度、裏鬼門は195度~255度の方角と言われていますが、分度器などを使って調べるのは面倒ですし間違える可能性もあります。
方位盤という方位を測る道具がありますので、これを使いましょう。
まずは東西南北を示す正中線を二本図面に書き入れます。北が図面に書いていない場合は、先に方位磁石を使って正確な方位を調べましょう。
最近はスマートフォンなどでも方位が測れますので活用してください。
正中線が引けたら方位盤の正中線と合わせて図面に重ね合わせます。後は方位盤の鬼門・裏鬼門の方位に印をつけて、印を結んだ線を引けば完成です。
外周と線が交わった場所が鬼門・裏鬼門となりますので、その位置に水回りや玄関がないか調べましょう。
玄関は鬼門・裏鬼門と正中線(15度)を避ければOK
玄関を配置する際は東北の鬼門と南西の裏鬼門は基本的にNGとされます。さらに、正中線の真西である15度の位置も避けるべきといわれています。
土地の状況や間取りの条件によっては100%回避できない場合もあるかもしれませんが、頭に入れておきましょう。
それ以外の場所には基本的に設置OKです。玄関は一日のスタートを切る大切な場所ですから、朝日が当たる東側や南側に配置することが多いようです。
良い玄関の配置で素敵な家を建てよう
住宅の顔ともいえる玄関の配置は間取りの中でも重要な要素の一つです。玄関の配置一つで素敵な家に見えることもあれば、残念な印象の家になってしまう事もあります。
そこで、良い場所に玄関を配置できるように、家相のプロに依頼するのも一つの手です。
プロに玄関の位置を考えてもらおう
鬼門と裏鬼門を避ける玄関の配置も大切ですが、間取りを考える際は全体のバランスなどほかにもさまざまなポイントがあります。
基本的な家相の知識は本やインターネットで入手可能ですが、家相は複雑な要素があり一般の方ではすべてを網羅することはできません。
家相にこだわるあまり移動動線が悪く、使いづらい間取りになってしまう可能性もあります。
そこで、間取りを考える際は家相の専門家に相談しましょう。鬼門や裏鬼門といった家相の観点でのアドバイスはもちろん、たくさんの間取りを見てきたプロとして使いやすい間取りに対してのアドバイスももらえます。
家の間取りは、建ててみて不満があるからといって簡単に直せるものではありません。プロ目線の正確なアドバイスをもらって、気持ちよく住める理想の間取りづくりに活かしましょう。
プロなら玄関以外の間取りのアドバイスもしてくれる
前述しましたが、家相で考えるべきポイントは玄関だけではありません。お風呂やキッチンなどの水回りや子供部屋の配置など、考えるべきことは無数にあります。
それぞれ単体の配置だけでなく相関関係にも気を配る必要がありますので、やはりその道のプロに相談するのが間違いありません。
鬼門や裏鬼門といった家相の考え方は、昔の人の生活の知恵が詰まったものでもありますので、悪い家相を避けていけば自然と住みやすい間取りになります。
家相のプロは家づくりのプロとも言えますので、生活の悩みや要望なども気軽に相談してみましょう。
自分たちだけで間取りをゼロから考えるのはなかなか難しいものです。「3回建てないと良い家は作れない」という格言もあり、実際に住んでみないと不満が出るポイントは分かりません。
プロの力と、昔から積み上げられてきた先人たちの知恵を借りて住みやすく素敵な間取りを作りましょう。
家相の無料診断ができる一括資料請求サービス
家相のプロに間取りの診断を頼むといっても、自分で一人ずつ探していくのは骨が折れる作業です。
一言でプロといっても考え方や実績なども様々ですから、色々と見くらべて比較するのも重要です。
これらの手間を省き、手軽にたくさんの家相プランを比較するために一括資料請求サービスを活用しましょう。
家を探しているエリアや条件を指定すれば、一度の作業で数社から家相にも考慮した間取りプランと見積がもらえます。
さらに資料をもらうことで、家の性能やどんな雰囲気の家を建てているかという情報も分かりますので、実際に詳細な見積をお願いする会社を絞り込むのにも役立ちます。
住宅展示場で何社も回って資料を集めるという手間がかかりません。
いい間取りを作るためにはたくさんの情報を仕入れ、その中から自分たちのイメージに合ったものを選ぶことが必要です。
理想の家づくりの第一歩として、手軽に情報を入手できて家相診断もしてもらえる一括資料請求サービスを積極的に活用しましょう。