家の中心から見て北東の方角を鬼門(鬼門)、反対側の南西の方角を裏鬼門と言います。鬼門は鬼が出入りする所だと言われていて、災いを起こす方角として恐れられてきました。
古代中国から伝承した考え方で、日本では江戸時代頃から広まったと言われています。
現在でも、鬼門と裏鬼門を意識した家づくりやインテリアが取り入れられていますよね。
今回は、鬼門・裏鬼門に置くと縁起が良い植物をご紹介すると共に、植物以外でもできるおすすめの対処方法をまとめました。
ぜひ、鬼門の植物で悩んでいる方は参考にしてみてくださいね!
鬼門・裏鬼門は植物で邪気を払える
家の鬼門・裏鬼門は、適した環境にし気を浄化すれば、邪気を追い払えるとされています。
そのため、鬼門と裏鬼門には昔から植物を置くことが多くあります。
植物が持つ空気を綺麗にしたり環境を好転させたりする効果から、植物には魔除けの力があると信じられています。
植物は手軽にできるのでおすすめ
本格的に鬼門と裏鬼門を対処するには、仏堂やお稲荷様を設けるなど神仏を祀ります。しかし、一般家庭では、そう簡単にできることではありませんよね。
そこで、日本の住居では手軽に取り入れられる植物を活用してきました。
鉢や花瓶に入れて室内に飾ることもありますし、鬼門方向の庭先に直接植えることもあります。
鬼門や裏鬼門におすすめの植物8選
鬼門や裏鬼門の方向に取り入れたい植物をご紹介していきます。
南天(なんてん)
ちいさな赤い実をつける南天は、日本の住宅の庭先で見られることが多い植物のひとつです。
「難転(なんてん)=難を転ずる」とも言われており、昔から鬼門の魔除けとして植えられることが多くあります。
また、赤い色は中国や日本で邪気を払う色としても親しまれています。
ヒイラギ
クリスマスや節分にも使われるヒイラギは、鬼門の魔除けとしても親しまれている植物です。
硬くトゲトゲした葉が特徴的で、このとげが邪気を追い払うと考えられています。
また、葉が密に生えることから、害獣対策や防犯として生垣にすることもあります。
サンスベリア
大きく尖った立派な葉が頼もしい観葉植物です。サンスベリアのように、鋭く尖った葉は悪い気を浄化してくれると言われています。
鬼門の方向に飾る他、気が乱れやすい玄関や水廻りに置くこともあります。
サンスベリアは、少ない水やりでも丈夫に育つ植物なので初心者にもおすすめです。
有害物質を吸着する性質もあるとされており、部屋の空気をキレイにしてくれる効果も期待できます。
幸福の木
薄緑の葉に緑色の線が入ったシャープな葉が印象的な観葉植物です。幸福の木は別名ドラセナとも呼ばれます。
幸福の木という名前からも、とても縁起の良い植物ですよね。花言葉は「幸福」や「隠し切れない幸せ」「小さな恋」です。
鬼門の魔除けというよりも、良い気を呼び込んでくれるという意味合いのほうが強い縁起の良い植物です。
ヤシ
南国の爽やかな風景をイメージさせるヤシ。インテリアとして飾れば、ほっとリラックスできる空間を演出してくれます。
ヤシは太陽が強い南国でも力強く伸びるその生命力から、勝利や富の象徴として愛されています。細く鋭い葉を持つことからも、家に良い気をもたらす植物とされています。
家の中に飾るのであれば、コンパクトサイズの「テーブルヤシ」がよいでしょう。
観音竹
観音竹は、名前に竹と入っていますがヤシの仲間です。エキゾチックでスマートな佇まいなので、和室だけでなく洋室にも馴染みます。
半日陰でものびのびと育ちますので、扱いやすい観葉植物です。
細く伸びた葉には邪気を払う力があるとされ、観音竹という縁起の良い名前からも、福を呼ぶ植物と言われています。
ヘデラ
ヘデラは別名アイビーとも言います。小さな可愛らしい葉を付け、気温の変化にも強いため、日本ではインテリアグリーンとして大変人気のある植物です。
その強い生命力から悪い気を吸収してくれる力があると信じられています。
また、ぐんぐん伸びていく様子から、金運アップ・健康運アップにも効果があると言われています。
香りのある木:金もくせいなど
甘い薫りを漂わせるオレンジの花が印象的なキンモクセイ。
「香り」には邪気を追い払う力があるとされているため、香りの強いキンモクセイは、昔から鬼門に配置する植物として活用されています。
キンモクセイは日当たりを好むため、日本では庭先のシンボルツリーとしてや生垣にすることが多いようです。
逆に鬼門や裏鬼門に植えていけないものは
植物には縁起の良いものだけではありません。鬼門・裏鬼門とは相性が悪い植物もチェックしてみましょう。
さるすべり
さるすべりは、サルも木から落ちるほどつるっとした樹皮を持つことから、その名が付けられたと言われています。
さるすべりの「すべる」がすべって落ちることを連想するため、運気が落ちる植物として扱われています。
さるすべりを植える際は注意しましょう。
いちじく
いちじくは美味しい果実が実る植物ですが、風水的にはあまり良しとされていません。
漢字では「無花果」と書き、実や花を付けないという意味を持つことから、子孫ができない・出世できないと言い伝えがあります。
また、根が広く張るために床下に湿気を溜めやすい性質があり、家に植えると病人がでるとも言われています。
家相においていちじくは良くないので注意してくださいね。
ざくろ
ざくろはひとつの実の中にたくさんの種を抱え込んでいることから、子宝や安産のご利益があるとされる植物です。
しかし、鬼門・裏鬼門への配置はあまりよくないという説もあります。
ザクロの実は熟すと実が割れてくることから、「身が割れる」=体に良くないことが起きると連想させます。
そのため、住居の庭先に用いるのは、縁起が悪いという考え方もあるようです。
藤(フジ)
紫色をした可憐な花を咲かせる藤(フジ)は、見た目には美しいですが鬼門・裏鬼門には避ける風習があります。
枝から花が垂れ下がっている様子から「運を下げる」と言われているためです。
また、フジ=不治と言葉が似ていることから、不治の病を連想させて縁起が悪いと考えられています。
サボテン
サボテンは植物の中で最もトゲが多い植物です。
先ほど、尖っている植物は鬼門に効果的とご紹介したので、サボテンが鬼門におすすめしないことが不自然に感じてしまいますよね。
サボテンは、とても霊気が強い植物だとされています。鋭いトゲを持っているので、悪い気だけでなく良い気までも跳ね返してしまうとも言われています。
上手に使えば縁起が良いという考え方もありますが、置き方が非常に難しい植物のひとつです。
植物・植栽以外でもできる対策・対処法
植物をとり入れるだけでなく、他にも方法はたくさんあります。植物と併せて活用するとよいでしょう。
部屋の掃除をする
鬼門・裏鬼門の邪気を払うには、家を清潔に保つことが最も有効とされます。汚れた環境や淀んだ空気は、運をどんどん下げていきます。
特に鬼門方向に水廻りが位置している場合は、換気をして湿気を溜め込まないことが大切です。
またカビや汚れが繁殖しないように、常に清潔を心掛けると良いでしょう。
窓やドアを開きっぱなしにしてはいけない
鬼門・裏鬼門方向に窓やドアがある場合は、ずっと開けっ放しにしてはいけません。
換気程度なら問題ありませんが、ずっと通りを良くしておくと、邪気が入り込むやすくなるとい考えがあるためです。
できれば鬼門方向は壁であることが理想とされています。
盛り塩を置いて清める
塩は昔から穢れを清める力があるとされています。
告別式の帰りに塩をふったりお相撲さんが土俵に塩も撒いたりするのも、同じ効果を期待してやっていることです。
盛り塩とは、塩を山のように円錐形に置くものです。小さめのお皿の上に10g程度の塩を盛ります。
湿気を含んだり固まったりすれば取り換えるようにしましょう。使った塩はキッチンで流すか白い紙に包んで捨てると言いそうです。
神社のお守り・お札を飾る
鬼門・裏鬼門の邪気払いとして、魔除けのお札を飾るのもおすすめです。日本の神社やお寺の多くは、魔除けのお札を取り扱っています。
氏神様(その土地の守り神)を祀る神社や、ゆかりのある神社・お寺がよいとされています。
神社で厄除けをしてもらう
鬼門・裏鬼門の魔除けとして、神社でお祓いをしてもらう方法もあります。希望する場合は、神社やお寺にて事前に問い合わせるとよいでしょう。
鬼門の厄除けを行っているか、またその際に確認しておくことや用意しておくことを聞いてみましょう。
猿の置物や水晶を置く
猿は古来から鬼門の魔除けのシンボルとして扱われてきました。陰陽道では、鬼門は丑寅(うしとら)の方向を指します。
その鬼門の反対側は、未申(ひつじさる)が位置することから、猿がよく用いられています。
また、水晶は気を浄化する力があります。インテリアとして取り入れられる猿の置物や水晶の飾りを置くとよいでしょう。
明るい香りを使うと気を追い払える
昔から「香り」には気を浄化する力があると信じられてきました。確かに、香りにはその場の雰囲気を和やかにしますよね。
特にアロマは身体にも良い効果をもたらします。
例えば、ジュニパーは古来から気の浄化や魔除けに使われていた香りです。また、タイム、ゼラニウム、セージなんかにも魔除けの効果があると言われています。
海外では教会のお清めに使われていることもあるそうです。
樹脂系のアロマもおすすめです。フランキンセンスやサンダルウッドが該当します。
明るい色の花で玄関を鮮やかにする
風水の考え方では、どんな色でも花を飾ると良い効果があると言われています。特に明るい色の花は、邪気を払い幸運を呼び寄せてくれます。
特に、鬼門の方向には白い花が良いとされています。
気を浄化し幸せを取り入れる効果があると言われています。白い花の代表例としては、デイジー、マーガレット、白いバラ、ガーベラなどです。
まとめ
家には必ず鬼門・裏鬼門と呼ばれる方向が存在します。
鬼門である北東方向は、日当たりが良くないため、湿気を含み空気が汚れやすい場所でもあります。トイレや浴室が配置された家も多いでしょう。
そのため鬼門は、清潔にしておくことが最も大切です。邪気が停滞しないようにこまめに掃除をし、空気の循環を良くしておきましょう。
植物やお塩で浄化することも大切ですが、まずは綺麗に保つことが一番です。清潔な環境は鬼門・裏鬼門問わず、住まう人に元気と幸せをもたらしてくれるはずです。
さらに、観葉植物やアロマを使えば、単に魔除けの効果だけでなく、医学的にも心を癒してくれる効果も期待できます。
インテリアとしても家に彩りを加えてくれるので、積極的に取り入れていきたいですね。