注文住宅の建築を考える場合、「せっかく家を建てるなら、自分や家族のこだわりをできるだけ採り入れたい」と考える方は多いです。
注文住宅に採り入れるこだわりポイントは人それぞれですが、こだわりすぎて失敗する方も多いため、こだわりを採用する際には注意が必要です。
こちらのページでは、注文住宅のこだわりポイントランキング、こだわりポイントの失敗例・失敗しない方法についてご紹介します。
注文住宅でこだわりたいポイントランキング
まずは、注文住宅でこだわりたいポイントのランキングをご紹介します。
こちらの内容を確認していだだき、注文住宅で採り入れるこだわりを検討する際の参考にしてみてください。
1位:間取り
注文住宅のこだわりポイントとして、最も人気が高いのは「間取り」です。
注文住宅であれば、建売物件や賃貸物件などとは異なり、自分や家族が好きな間取りを決めて家づくりできます。
また、注文住宅の間取りにおけるこだわりポイントの例として、「和室のある間取り」「スキップフロアのある間取り」などがあげられます。
和室のある間取り

出典:アンハウス株式会社
スキップフロアのある間取り

出典:重量木骨の家
2位:外観デザイン
注文住宅の外観デザインも、間取りと同様に人気の高いこだわりポイントです。
以下のような、「リゾートのような外観デザイン」や「和モダンの外観デザイン」などを採り入れた注文住宅にすれば、普段の生活も楽しくなります。
リゾートのような外観デザインの注文住宅

和モダンな外観デザインの注文住宅

3位:インテリア(リビング・各部屋)
普段過ごすことの多いリビングや部屋(洋室、寝室など)についても、何かこだわりを採り入れたいと考える方は多いです。
リビングに畳スペースを設置すれば、客間や子供の遊び場などとして重宝します。
また、リビングに吹き抜けやリビング階段などを設けた場合には、リビングを開放的な空間にすることが可能です。
畳スペース

出典:アンハウス株式会社
吹き抜けがあるLDK

リビング階段

出典:アンハウス株式会社
4位:収納スペース
注文住宅の建築を検討する際に、「せっかく建てる家が散らかるのは避けたい」と考え、収納スペースにもこだわりを採り入れる方は多いです。
ウォークインクローゼットやパントリーなど、大容量で便利な収納スペースを採用すれば、家の中がスッキリと片付いた状態に保ちやすくなります。
ウォークインクローゼット

パントリー

出典:SUVACO
5位:キッチン・ダイニング
注文住宅のキッチンやダイニングについても、こだわりポイントを採り入れておしゃれで便利にすることが可能です。
キッチンをアイランドキッチンにすれば、キッチンが開放的で広く使いやすくなります。
また、ダイニングにカウンターを設ければ、食事用や勉強用などのスペースとして使うことができて便利です。
アイランドキッチン

ダイニングのカウンター

出典:HARBAR HOUSE
6位:採光
注文住宅で理想の間取りを作っていくと、内容によっては採光が難しくなることもあるため注意が必要です。
中庭や天窓などを設置すれば、室内が明るくなるうえに、照明の電気代も浮かせやすくなります。
中庭

天窓

7位:性能(断熱・省エネ・設備・耐震)
注文住宅であれば、間取りや外観などに限らず、家の性能そのものにこだわることも可能です。
たとえば、防犯と断熱に優れたサッシを採用して、住宅の安全性と断熱性を高めることもできます。
また、屋根に太陽光発電システムを採り入れて、電気代を浮かせたり売電収入を生み出すことも可能です。
防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ(一条工務店)

出典:一条工務店
太陽光発電システム搭載の注文住宅

8位:玄関ホール
玄関ホールは、家に入ったときに一番最初に目にとまる場所であり、「こだわりのあるデザインや収納スペースを採り入れたい」と考える方は多いです。
広めの玄関土間やシューズクロークを設ければ、玄関をスッキリとした状態に維持しやすくなります。
広めの玄関土間

出典:SUVACO
シューズクローク

出典:SUVACO
9位:トイレ・バスルーム
注文住宅のトイレやバスルームも、さまざまなこだわりを採り入れられる場所の1つになっています。
見た目がスッキリとした「タンクなしトイレ」や、「テレビ付きバスルーム」など、好みや生活スタイルに合わせて選んでみるのも面白いでしょう。
タンクなしトイレ

出典:SUVACO
テレビ付きバスルーム

出典:SUVACO
10位:駐車スペース
駐車スペースについても、「どのような位置・向きで駐車するか」「車を住宅内に保管できるようにしたいか」など、こだわりを採り入れる要素が複数あります。
また、注文住宅を建てる面積が狭い場合には、ビルトインガレージを設けることで、駐車スペースの確保と居住空間の広さを両立させることが可能です。
ビルトインガレージ

出典:ポラスグループ
注文住宅購入者がこだわって良かったポイント事例集
注文住宅を買った方が「こだわって良かった」と感じているポイントの事例には、以下のものがあります。
- オープンスタイルのダイニングキッチン
- リビングの畳スペース
- キッチンと洗面室の動線
- 中庭テラスで遊べるスペース
- 広いスペースを確保した玄関ホール
上記の事例について、購入者のコメントも交えつつ、1つずつ順番にご紹介します。
ポイント1:オープンスタイルのダイニングキッチン
主婦なので、過ごす時間が長いキッチンとダイニングにはできるだけこだわりたいと考えていた。
キッチンは、料理や食器洗いなどの作業をしていても家族の気配を感じやすくするために、アイランドキッチンにした。
またキッチンの収納スペースでは、「光を採り入れやすくて明るいキッチン」にしたかったので、吊戸棚ではなく、壁面に収納スペースを設けて採光しやすくした。
アイランドキッチンは開放感があるうえに、ダイニングにいる家族と会話をしながら作業することもできます。
そのため、キッチンで作業をしながら家族とコミュニケーションを取りたい場合には、アイランドキッチンを検討してみてはいかがでしょうか。
アイランドキッチン

また、キッチンの収納スペースについては、吊戸棚よりも壁面に設けた方が、キッチンがスッキリとしますし、光も採り込みやすくなるのでおすすめです。
壁面収納

出典:SUVACO
ポイント2:リビングの畳スペース
注文住宅を建てるとき、自分の子供がまだ小さくて目を離せなかったため、リビング内に畳スペースを付けた。
また、小上がりの段差がある畳スペースだと、「子供が段差で転んで危ない」と考え、フルフラットの畳スペースを選んだ。
畳スペースはフローリングの床より柔らかいので、子供が遊んでいるときに転んでしまったとしても、ケガをすることがないので安心。
小さなお子さんがいるご家庭ですと、キッチンなどで家事をしている際に、お子さんから目を離すのがどうしても怖くなってしまいがちです。
リビング内にお子さんが遊ぶための畳スペースを設置すれば、お子さんから離れた位置にいても安心して家事をしやすくなります。
また、リビングから畳スペースの間の段差がない「フルフラットの畳スペース」にすれば、お子さんがケガをする確率を大きく下げられますので安心です。
フルフラットの畳スペース

出典:重量木骨の家
ポイント3:キッチンと洗面室の動線
普段の家事が楽になるように、キッチンのすぐ隣に洗面室を設置する間取りにした。
このような間取りにしたことで、キッチンで料理をしているとき、その合間に洗面室で洗濯物の作業をできるようになったので便利。
また、洗面室のドアを2ヶ所設置して、別の方向からも洗面室に入れるようにしたら、洗面室への動線がスムーズになって移動がしやすくなった。
キッチンのすぐ隣に洗面室があれば、キッチンから洗面室までの動線がかなり短くなり、毎日の料理や洗濯などの家事・作業が楽になります。
さらに、洗面室のドアを2箇所に設置すれば、自分の位置から近くにあるドアを通して洗面室を移動でき、洗面室を介した移動がスムーズになるので便利です。
ポイント4:中庭テラスで遊べるスペース
住宅の密集地に注文住宅を建てることになったため、普通の庭では近所や通行人からの視線が気になりそうだと感じていた。
そこで、住宅内でのリビングの隣に、「ウッドテラス付きの中庭」を設置して、プライバシーが確保された状態で子供たちが自由に遊べるスペースを設けた。
もともと住宅のサイズ自体が小さく、リビングもあまり広くなかった。
そのため、リビングからつながる中庭のウッドテラスがあることで、リビングから中庭までが1つの大きな空間として使えて便利。
さらに、中庭を通してリビングに光を採り入れられるので、明るいリビングになって満足。
住宅密集地では、自宅のすぐ隣に他人の住宅があります。そのため、自宅の外側に庭を設置する場合、庭にいるとどうしても近所の目が気になってしまいます。
住宅の内側に中庭を設置すれば、隣の家や道路の通行人などから見られない「プライベートが確保された庭」になります。
中庭であれば、子供たちを安心して遊ばせられますし、中庭のウッドテラスとリビングを1つの広い空間として使うことも可能です。
ウッドデッキ付きの中庭

ポイント5:広いスペースを確保した玄関ホール
ゴルフセットやベビーカーなどの外で使う物が多かった。そこで、室内が荷物であふれかえらないようにするために、玄関ホールに広いスペースを設けることにした。
子供が大きくなってからは、ベビーカーの代わりに自転車を置くこともできるし、来客時でも玄関ホールが込み合わなくて済むので便利。
ベビーカーなどの外で使う物は、家の中に上げると室内が汚れる恐れがありますし、外に置きっぱなしだと物自体が汚れてしまいます。
そうした問題を解消するには、玄関ホールを広くして、ベビーカーなどの外で使う物を収納するスペースを玄関ホール内に設けるのがおすすめです。
広めの玄関ホール

これによって、室内を汚すこともありませんし、外で使う物を安心して保管できます。
さらに、玄関ホールをスッキリとした状態に保ちやすいため、急な来客でも玄関を見たときの印象が良いのもおすすめのポイントです。
注文住宅のこだわりポイントの失敗例
注文住宅にこだわりのポイントを採り入れた方の中には、「こだわりすぎて失敗してしまった」という方も多いため、注文住宅に採用するこだわりを考える際には注意が必要です。
そして、注文住宅のこだわりポイントの失敗例には、主に以下のようなものがあります。
- こだわりすぎてリビングが過ごしにくくなった
- こだわりすぎて収納スペースが使いづらい
- 内観にこだわったのにイメージと違うデザインになった
- 設備にこだわったら使わない機能が出てしまった
注文住宅でのこだわりポイントで失敗しないため、これらの失敗例・失敗談についてもぜひ確認しておきましょう。
こだわりすぎてリビングが過ごしにくくなった
注文住宅のリビングを決める際、「吹き抜けを設置して開放感のあるリビングにしたい」「リビング階段を設けて、2階の家族とコミュニケーションを取りやすくしたい」と考える方は多いです。
もちろん、リビングに吹き抜けを設置したり、リビング階段を設けたりすることで、「開放感のあるリビングになる」「2階にいる家族と会話しやすくなる」といったメリットが受けられます。
ただ、リビングに吹き抜けやリビング階段を設置した場合、リビングの断熱性や空調などを考えないと、吹き抜けやリビング階段があることで冷暖房の効率が悪くなりやすいです。
これでは、「開放感のあるリビングだけど、冬寒くて夏が暑くて過ごしにくい」といった状況になってしまうため注意しましょう。
こだわりすぎて収納スペースが使いづらい
注文住宅の建築プランを立てる際には、収納スペースのこだわりを採り入れるケースも多いです。
そして、「今後、家族が増えることを考えて、余裕をもってかなり大きめの収納スペースを確保しよう」と考えることもあるでしょう。
ただ、収納スペースの数や広さにばかり注目し、収納スペースの使いやすさを考慮していなかった場合、「収納スペースを多めに設置したけど、中が暗くて見えにくくて使いにくい」といった失敗をする恐れがあるため注意が必要です。
内観にこだわったのにイメージと違うデザインになった
内観のデザインを検討する場合、注文住宅の設計の担当者から、壁紙やタイルなどの「内装のデザイン」の資料やサンプルを見せてもらうことがあります。
ただ、資料やサンプルを見たうえで壁紙などの内装デザインを採り入れたとしても、完成した住宅を確認したら「実際の色が思っていたイメージと違う」というケースもあるので要注意です。
壁紙などの内装デザインの色は、貼ったスペースが小さければ濃い色に見え、貼ったスペースが大きければ明るい色に見えます。
そのため、内観にこだわりを採り入れる際には、「実際に室内に貼った際に、どのように見えるのか」を担当の設計士に聞きながら検討するのが安全でしょう。
設備にこだわったら使わない機能が出てしまった
注文住宅の設備の中には、「浴室に設置して見られる薄型テレビ」などの便利で豪華な機能をもつものもあります。
しかし、このような便利で豪華な設備を採り入れる場合、その分だけ建築費用が高くなります。
また、浴室に設置する薄型テレビなどであると、「テレビを見たくても家事や仕事が忙しくてほとんど見られなかった」といったケースも考えられるでしょう。
そのため、魅力的な機能を備えた設備を採り入れたいと考える場合、「使う機会が少なくならないか」などまで考えなくてはなりません。
注文住宅のこだわりポイントで失敗しない方法
注文住宅のこだわりポイントで失敗しない方法として、以下の考え方・手法があげられます。
- こだわるだけでなく、使いやすさも考える
- 設備の機能にこだわるときは、必要な機能かを考える
- 無理にこだわりを採り入れすぎない
注文住宅のこだわりポイントでの失敗を避けるため、これらの考え方や方法についてもぜひ確認しておきましょう。
こだわるだけでなく、使いやすさも考える
注文住宅に採り入れるこだわりについて考える場合、理想やあこがれなどにばかり注目していると、建築後に「こだわりを採り入れたら、思っていたよりも使いづらかった」といった状況になりやすいです。
そのようなことにならないためには、注文住宅のこだわりを決める際に、「使いにくくはならないか」「実現させて後悔することにならないか」などまでしっかりと考慮することが重要です。
そうしたうえで、担当の設計士・建築士に相談してみたり、住宅展示場などで「気になっているこだわりポイント」をチェックしてみたりすることで、注文住宅のこだわりポイントでの失敗を避けられるようになります。
設備の機能にこだわるときは、必要な機能かを考える
注文住宅に採り入れる設備の機能にこだわりたい場合、「その機能が本当に必要かどうか」を必ず考えるようにしましょう。
たとえば、「ジャグジー付きのバスタブ」の場合、豪華な感じがして魅力的ですが、「ジャグジーを使うことで長風呂になりがちで、水道代や光熱費が上がってしまった」ということになるケースも考えられます。
そして、最終的にほとんど使わなくなってしまっては、そもそも高い設置費用をかけて「豪華な機能が付いた設備」を採り入れた意味がなくなってしまいます。
設備の機能にこだわる際には、「どのくらい実用性があるか」「ライフスタイルの変化で使わなくなってしまわないか」なども考慮しつつ、必要な機能を備えた設備を選ぶようにしましょう。
無理にこだわりを採り入れすぎない
注文住宅にこだわりを採り入れるにしても、すべてのこだわりを採用しようとすれば、その分だけ建築費用・設置費用が高くなってしまいます。
このとき、こだわりを全てかなえられるように住宅ローンを多く組んでいたとしたら、「せっかくこだわりを多く採り入れた家を建てたのに、ローン返済で生活が苦しくて辛い」といった状況になりかねません。
注文住宅にこだわりを採り入れる際には、実用性を考えるのはもちろんですが、建築時の費用負担なども忘れずに考えるように注意しましょう。
まとめ
注文住宅のこだわりポイントとして特に人気が高いのは、間取りやインテリア(リビングなど)、収納スペースとなっています。
そして、こだわりを採り入れる際には、実用性や建築費などまでしっかりと考慮し、担当の建築士に相談するなどして、こだわりでの失敗を事前に避けられるようにするべきです。
ぜひ今回ご紹介したこだわりポイントや失敗例、失敗しない方法を参考にしていただき、こだわりを採り入れた注文住宅を実現させてください。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料