注文住宅

一条工務店、なぜ安い?ローコストで性能が高い理由

一条工務店の注文住宅は、ハイエンドクラスではありませんが、その標準仕様の住宅性能はハイエンドクラスに勝るとも劣らないものです。

同社には、比較的低価格な住宅商品もありますが、全般的にはミドルクラスになるでしょう。

” 安い ” には価値の割合に対して低価格という意味があり、ローコスト(低原価)で販売価格を抑えている場合などが該当します。

単に低価格で低価値しかないものを安いとはいいませんよね。

その他では、スポット的なディスカウント(値引き)を含めて、恒常的に利益率を下げて販売価格を下げている場合があります。これも安いと感じるケースでしょう。

では、一条工務店の住宅は、それらのいずれに該当するのでしょうか。価格相当なのか、お買い得なのか、チェックしてみましょう。

安い・高いは長期的なコスパで考えよう

どんなに高品質で高性能でも手が届かないほどの価格では、コストパが高いとはいえず、当たり前と感じます。

かと言って、低価格で価格相当の品質・性能では、当初は満足できても、やがては後悔することも考えられます。

住宅の長寿命化が進んでいる現在は、住宅性能と価格の対費用効果(コスパ)は、数十年スパンで考えるようにしましょう。

特に、リフォームや改造では簡単に性能アップできない耐震性能や断熱性能は、長いスパンで考え、可能な限りの最高スペックとすることを勧めます。

一条工務店の耐震性能は、最高等級3以上を必須としており、地震の多い日本で設定されている最高のスペック以上となっています。

その同社の耐震性能の紹介は他の記事に譲るとして、今回は日常的に体感できる断熱性能のレベルとコスパについて紹介していきます。

世界から見た一条工務店の断熱性能の高さ

一条工務店の断熱性能は、ZEHの基準をクリアするもので、全国一律の仕様としています。

具体的には、もっとも厳しい北海道地域のZEH基準仕様を全国に適用しており、温暖な地域ではオーバースペックでは?と感じるほどのものなのです。

同社の断熱仕様は下図のように、140mm厚の高性能ウレタンフォームと50mmの同ウレタンフォームのダブル断熱仕様としています。

 

現状の最新の断熱性能等級は、2022年10月に制定されたもので、等級1〜等級7まであり、ZEH基準に必要な性能は等級5以上となっています。

参考に、断熱性能等級2(等級1は建築基準法レベル)が設定されたのは1980年で、その後数年ごとに上位等級が追加され、先の等級7にまで至っています。

なお、2023年4月からフラット35における省エネ基準の断熱性能は、等級2から等級4に引き上げられています。

世界の断熱性能基準とZEH基準のレベル比較

一般的に、ZEH基準の断熱性能であれば十分とされている等級5は、世界的にはどれくらいのレベルになるのかご存知ですか?

結論から述べると、主な先進国基準は、1〜2ランク上の断熱性能が基準になっています。

例えば、比較的温暖な日本の4地域(長野)から6地域(東京)に相当するアメリカのカリフォルニア州のUA値(赤線)基準が0.41W/㎡・kに対して、日本のZEH基準(青線・青枠)では0.6W/㎡・kとなっています。

それに対して、一条工務店のダブル断熱の性能は、0.25W/㎡・kとなっており、世界レベルに負けない断熱性能(緑線・緑枠)となっています。

 

   ※野村総合研究所による資料調査をもとに作成

UA値とは、家の表面( 屋根、外壁、窓、床 )から熱が逃げる程度を表したもので、数値が小さい方が断熱性能が高い評価となります。

省資源・省エネルギー政策が進むなかでは、住宅に求められる断熱性能は今後も上がっていくと思われ、上で述べたようにZEH基準の等級5よりも上位の等級6・7が設定されています。

そして、一条工務店のダブル断熱によるUA値( 0.25W/㎡・k )は、等級6から等級7をクリアするものです。( 下表緑枠参照 )

断熱性能の高さは、冷暖房のランニングコストを下げてくれます。しかし、日本の断熱性能は世界的にみても決して高いとはいえず、今後も住宅に求められる断熱性能は上がってくると思います。

ですから、先に北海道のZEH基準仕様を全国一律に適用するのはオーバースペックでは?と述べましたが、決してそうではないのです。

断熱サッシの断熱グレードについて

一条工務店では先のUA値に大きく影響する窓に、樹脂枠とアルゴンガス封入のトリプル硝子サッシを標準で採用しています。

         出典:一条工務店

樹脂枠は、アルミ枠に比べて上図のように1/1000の熱伝導率になりますので、家全体のUA値に大きく貢献するだけでなく、結果としてサッシ枠の結露を防いでくれます。

古い資料ですが、1999年時点の省エネ基準レベルの断熱性能調査では、夏の窓からの熱の流入が73%、冬の窓からの流出が58%となっています。( 経済産業省資源エネルギー庁 )

現在の新築での断熱性能はもっと上がっていますが、それでも50%前後は窓から熱が流出入しているのでしょう。ですから、窓の断熱が重要なのです。

しかし、樹脂枠サッシを標準採用している日本の住宅メーカーは少なく、多くはアルミ枠やアルミ樹脂複合枠がほとんどです。その理由は樹脂枠の高コストが主なものでしょうが、一条工務店では標準採用しています。

 

     出典:YKK AP(2022年3月)

上図のように、アルミ樹脂複合枠は日本だけの特徴で、他の国では樹脂枠が最も多く、次が木製枠、そしてアルミと木の複合枠となっています。

樹脂と聞くと、紫外線でボロボロになった洗濯バサミなどのプラスチックをイメージして、耐久性がないのでは? と思うかもしれませんが、樹脂にも色々あります。

樹脂サッシでは、車などにも使われている耐久性の高いものを採用しており、紫外線対策の塗装もされていますから、問題となるような耐久性ではありません。

        出典:一条工務店

一条工務店の試算によると、一般的なアルミ枠ペアガラスと比べた場合、年間の冷暖房費の差は7万円近くもあり、50年では330万円にもなるとのことで、他の情報資料では、もっと差額が大きくなるとも試算されています。

いずれにしても、一条工務店が採用している樹脂枠トリプル硝子の断熱性能は、先進国でもトップクラスのもので、ダブル断熱仕様と共に、同社のこだわりが現れているところです。

グループ内製品がローコストのポイント

ここまで、一条工務店の断熱材やサッシの断熱性能を中心に述べてきましたが、同社ではそれらを含めて、構造パネル、建築部材、全館床暖房や太陽光発電パネル、さらに住設機器などをグループ内で生産しています。

     出典:一条工務店

同じ生産原価でも、生産者から直接購入する場合と、間に卸売業者が入っている場合とでは、購入価格はかわります。当然、直接購入の方が安く買えます。

一条工務店の場合は、生産者からの直接購入よりも仕入れコストを抑えられる自社グループ工場を持っているのです。

そして、同社の住宅の部材やユニットを製造するグループ工場の規模は、世界No1であることがギネスワールドレコードで記録されているほどです。

冒頭で述べた、” 安い ” の理由のうち、同社の場合は、グループの内製品でコストと販売価格を抑えた結果といえるでしょう。

一条工務店では値引き交渉ができない?

 

一条工務店では値引き交渉ができない、というのが通説です。では、値引きがないの? と疑問に思いますね。安心してください。値引き交渉はできませんが、同社には割引制度があります。

要するに、交渉次第で値引き額が決まるのではなく、同社の割引制度が適用されれば値引きされる、と言うことです。

ユーザーや営業担当者によって変わる可能性のある値引き額よりも、制度の適用で不公平がなくなりますから、この考え方は非常に合理的だと思います。

一条工務店の割引制度の概要

一条工務店側では、割引制度を公開している訳ではありませんが、ユーザーの公開情報をまとめると以下のようになります。

 

知人オーナー紹介:20万円分のオプションサービス

この紹介割引を受ける場合は、展示場でアンケート用紙に名前や住所を記入する際に紹介であることを伝えることがポイントだそうです。

これは後述の親族紹介・法人割引に共通で、建築相談後に伝えても適用にはならないようですから注意です。

割引対象は、オプションに対するもので、20万円分が割引されます。この金額なら、ほとんどのユーザーが満額で受けられますよね。

親族オーナー紹介:本体建築費の1.5%

2親等以内の親族からの紹介である場合に適用されますが、上で述べたように建築相談の後では適用されませから注意してください。

2親等以内とは、契約者(相談者)の祖父母、両親、子、兄弟姉妹、孫のことです。

割引は、本体建築費の1.5%ですから、仮に3,000万円とするなら45万円になります。

法人割引:本体建築費の2〜3%

一条工務店と提携している法人に勤めている人が対象で、教職員、地方公務員、病院関係、そしてインフラ企業などが対象になっているようです。

同社では、提携先を公開していませんので、詳細を含めて事前に勤め先に確認しておくようにしましょう。なお、提携先によって割引率が変わります。

以上の割引制度による値引き額は、ネット上で目にする他社の百万単位の値引きに比べれば小さなものですが、ローコストで販売価格を抑えていることを考えれば妥当なのかもしれませんね。

キャンペーンサービス・他

一条工務店の割引制度は、キャンペーンサービスや工場見学サービスと合わせて利用することができます。

工場見学サービス(住まいの体験館)

これは、工場見学に参加すれば誰でも受けられるサービスですが、受けられるサービスは抽選で中身が変わります。ただし、ハズレはありません。

 

抽選商品は、システムカップボードや玄関オートキー、タッチレス水栓などで、オプションの減額ではなく、タダで貰えるサービスです。

時期や場所などの詳細は担当営業マンに確認して、時間とタイミングが合えば参加しておきたいですね。

キャンペーンサービス

このサービスも、時期や地域によって異なるようですが、太陽光発電システム、システムキッチン、24時間換気システムなど、その時々によって様々です。

ですから、これも担当営業マンに確認するようにしてください。

 

以上の、割引制度やキャンペーンを上手に利用すれば、100万円以上の割引・値引きになり、ユーザーの中には150万円以上になったとの公開情報もあります。

まとめ

結論として、一条工務店の住宅はコスパが高くお買い得、つまり ” 安い ” というのが本記事なりの評価です。

年間の住宅販売戸数がトップクラスであることは、一般ユーザーも同じ評価をしているのではないでしょうか。

” 安い ” を支えているのが、同社グループ工場の内製品の多さで、ローコストで販売価格を抑えたコスパの高さに現れています。

業界でもトップクラスの耐震性能と世界基準の断熱性能、そして充実した住設備機器はハイエンドクラスに負けないものです。

それにもかかわらず、価格がミドルクラスなのですから ” 安い ” と感じるのも当然です。

同社は、ユーザーや担当者によって不公平感がでる値引き交渉には応じないスタンスで、公平な割引制度とキャンペーンサービスなどで対応しています。

これも好感のもてるスタンスで、安心して相談できる住宅メーカーだと思います。

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