住宅メーカーの営業マンやパンフレットから「今が買い時」というキャッチフレーズをよく見聞きします。旬の季節がある食べ物なら分かりますが、住宅に買い時はあるのでしょうか。
消費税や年齢などさまざまな要因がありますが、家族構成やライフプランに応じて家の購入を検討するようにしましょう。
無理に家を買えばいいわけではありません。また、遅すぎてもいけません。
そこで当記事では、景気や住宅ローンといった金銭面から、年齢や家族構成まで幅広い視点で住宅の買い時について考え紹介します。
注文住宅の検討を始める方法も紹介しますので、これから家を建てる方はぜひ参考にしてみてください。
住まいの買い時ってあるの?
住宅を購入する買い時はあります。ローンで購入するので、早ければ早いほうがいいです。購入するタイミングが遅いと完済する年齢も遅くなりますし、家賃を支払っているのがもったいないですよね。
とはいえ、早めに買うといっても頭金なしで無理やり買えばいいというわけではありません。しっかり準備をしてから購入するようにしましょう。
家を買っても、ローンの返済に追われて貧乏になってしまえば元も子もないですよね。
次項からは、具体的な家の買い時のタイミングについてご紹介していきます。一緒に一度の買い物なので、後悔しないタイミングで家を買いたいですよね。
家の買い時のタイミング
まずは、さまざまな視点から住宅を買うのに最適なタイミングを考えてみましょう。これから検討を始める方は、参考にしてください。
金利の影響から家を購入する
家を建てるときは、住宅ローンを利用する方がほとんどだと思います。住宅ローンの金利は銀行の金利に連動して変動するため、ローンを組むタイミングによって総支払額に影響します。
例えば3,000万円を金利固定の35年ローンで組んだ場合の例を見てみましょう。
金利 | 月々の返済額 | 支払い総額 |
0.5% | 77,875円 | 32,707,560円 |
1% | 84,685円 | 35,567,804円 |
差額 | 6,810円 | 2,860,244円 |
金利が0.5%でも異なると月々の支払いで約7,000円変わってきます。また、総額でも約300万円の差がありますので、車が一台変えてしまうほどの差があります。
たった、数パーセントでも住宅ローンの場合は大きな差になりますので、金利の安い時期やキャンペーンなどを利用するとお得に家を購入できます。
家の購入を検討している方は、金利の動向をチェックしておきましょう。
消費税増税の前に購入する
2019年10月から消費税率が引き上げられ、現行の8%~10%になることが決定しています。購入金額の大きい住宅への影響も気になるところですよね。
住宅を購入する際、土地代には消費税がかかりません。基本的には新築する建物部分のみに消費税がかかります。
仮に建物代が1000万円だとすると、2%の増税で20万円の差額がでます。20万円もあれば新しい家具や家電が買えますから、可能なら増税前のタイミングで購入したいところですね。
通常住宅にかかる消費税は、引き渡し時点の税率が適用されます。しかし今回の税率引き上げでは6か月間の経過措置があり、2019年3月31日までに契約した住宅は8%の税率が適用されます。
消費税の観点で見ると、買い時は「2019年3月31日までに契約」か、「2019年9月30日までに引き渡し」のどちらかです。
ただし、注文住宅はプランをじっくり練らないと住みづらくなる場合もあります。
安く済ませようと慌てて、せっかくの注文住宅が台無しになっては本末転倒。担当者ともよく相談して、「8%で済めばラッキー」くらいに考えておきましょう。
家族構成から考える
現在の家族の人数、これからの計画などを含めてタイミングを考えることも重要です。
子供が生まれて家族構成が固まったタイミングはプランを練りやすいため、検討を始める人が多いようです。
引っ越しするエリアによっては子供の学区が変わる場合もありますので、子供の年齢も考慮してあげましょう。
まだ子供がおらず、夫婦2人だけのタイミングで建てるのもメリットがあります。
子供ができると時間を確保するのが難しく、夫婦間の話し合いや打ち合わせを行うのが容易ではありません。
子供が居ないうちはプランをじっくりと考える余裕があるので、住みよい家を造りやすくなります。
このようなケースでは、家族計画をよく話し合い、子供が生まれても対応できるプラン作りが必要です。
予定が変わって子供が増えても問題ないように、間仕切りで部屋を増やせるようにするなど工夫しましょう。
年齢から考える
注文住宅を建てるのに住宅ローンを組む場合は、年齢も考慮すべき重要なポイントです。基本的に住宅ローンは最長で35年まで、完済時の年齢は76歳未満となっています。
つまり、40歳を超えるとローンを組める年数が短くなるということで、例えば45歳の人は30年ローンしか組めません。
現在の社会制度では60歳~65歳で定年を迎える会社が多いため、収入が減るケースがほとんどです。
高額なローンが65歳以降も続くのは心配ですから、20代後半から30代にかけた早めのタイミングが買い時と言えるでしょう。
初期費用・頭金に応じて購入
注文住宅を建てるとき、土地代や建物代以外にも様々な費用が発生します。
住宅取得にかかる各種税金や登記費用などの諸経費は、住宅購入金額の10%前後が目安です。仮に3,000万円の家なら、300万円の諸経費がかかるということですね。
これらの諸経費は住宅ローンに組み込むことができず、現金で用意する必要があります。
諸費用ローンという別枠のローンを用意している金融機関もありますが、無い場合もあるため100%あてにはできません。総額の予算からおよその諸経費を見積もっておき、現金を用意しておきましょう。
また住宅ローンは頭金ゼロ円だと金利が上昇する商品が多く、長い目で見ると大きな損になってしまう事もあります。
頭金の額が総額の1割を切ると金利が高くなるので、頭金と諸経費が貯まったら購入する、というのがおすすめのタイミングです。
返済計画に基づいて購入
住宅を購入する上で、返済計画は重要です。家は住宅ローンで購入するため、返済計画を建てましょう。住宅ローンを何年で返すのかによっても変わってきますよね。
35年で住宅ローンを返済すると仮定する場合、35歳で家を購入すると70歳になってしまいます。定年退職を60歳で考えた場合、それ以降仕事をしなければ返済に困ってしまいますよね。
60歳になったら退職金で残りの残債を支払うのか。それとも、60歳までに繰り上げ返済を行い、早めに住宅ローンを返済するのかなど、明確な返済プランを考えておくようにしましょう。
明確なプランがあれば、どのようにお金の使い道に迷わないですよね。
家族ができると貯金もしなければいけないので、家を買う際は返済する年齢とどのように完済するのかをあらかじめ考えるようにしてください。
実際に住宅を購入した方の年収や年齢
ここからは実際のデータをもとに、どんなタイミングで家を建てる人が多いのかを見ていきましょう。
世の中の傾向を知ることで、自分が家を建てるタイミングの指標として役立ててください。
家を購入した方の世帯年収
出典:フラット35利用者調査
住宅を購入した方の世帯年収を300万円から1,200万円までの間で区分すると、年収400~600万円が一番多いことが分かります。
注文住宅では約40%の方が、土地付き注文住宅では45%とかなり多めの割合ですね。
住宅の総工費は年収の5倍までに収めておけば、返済に困らないとよく言われます。
400万円~600万円の年収帯を5倍すると2000万円~3000万円となり、住宅の価格相場で一番多い金額に相当します。
つまり、新築の市場相場にちょうど手が届く年収400万円~600万円が、購入しやすいタイミングということなのでしょう。
この年収に到達するのは30代の方が多いため、年齢的にもいいタイミングだといえます。
住宅を購入する年齢
出典:フラット35利用者調査
土地付き注文住宅を建てている人の年齢は30代が一番多く、50%を超えています。
30代でローンを組むと定年を迎える60~65歳前後で返済が終わるため、老後のことを考えるといいタイミングです。
結婚して子供が生まれるなど、子育てしやすい環境を整え始める方が多いのも理由の1つでしょう。
前述したように、家族構成が固まるとプランを考えやすいのも大きな理由だと考えられます。
土地から探すケースより土地付き注文住宅の方が30代の比率が高いのは、住み始めるまでの期間を短くしたいからです。
30代は仕事の転勤が多い年齢で、急に転勤が決まることも珍しくありません。引っ越しのタイムリミットが決まっているので、なるべく早めに竣工しなくてはならないというわけです。
家を買う方の家族人数
出典:フラット35利用者調査
注文住宅を購入する方は3人家族が最も多く、4人家族と合わせると全体の5割以上を占めます。近年の家族構成は夫婦に子供1人~2人のケースがほとんどです。
1人目の子供が生まれたタイミングか、2人が揃ったタイミングで建てる方が多いということが読み取れますね。
土地から探す場合とくらべて土地付き注文住宅では、4人以上で購入する方の割合が減っています。
土地付き注文住宅では、3~4人家族にちょうど良い広さの土地が多いため、家族が多いと余裕はありません。
そのため、4~5人家族は広い土地から探して注文住宅を建てるケースが多くなるのだと考えられます。
土地からの場合はオリンピック後に購入する
過去にオリンピックが開催された国の景気を見ると、開催の前年までは上昇し、開催後は下落する傾向があります。
建材や施工費は景気の影響をさほど受けませんが、土地などの不動産価格は大きく影響を受けます。
土地から探して注文住宅を建てる場合は、2020年の東京オリンピックが終わってから購入すると安く購入できるかもしれません。
景気が落ち着いて不動産価格が下がると、売り物件も多く出回るため、希望にあった土地も探しやすくなります。
結局いつ購入してもそこまで差はない
住宅の買い時について様々な点から考えてきましたが、待っていれば金利や土地価格などすべてベストの条件が揃うとは限りません。
今後の金融政策次第では金利が上昇することもありますし、住宅関連の増税が施行される可能性もあります。
あれこれと悩んでしり込みしているよりは、建てたいときに建てた方が家族みんなで幸せに暮らせます。
損をしないためにいろいろな要素を検討するのは大切ですが、あまり悩み過ぎないようにしましょう。
遅すぎると家賃代がもったいない
いいタイミングで家を購入しようと慎重になりすぎて、どんどん先延ばしになってしまうのはあまり得策とはいえません。
検討している間も毎月の家賃はかかりますが、帰ってくるお金ではありませんので無駄になってしまいます。
どうせ建てるのなら、賃貸期間を短くして、その分ローン返済に充てたほうがおトクですよ。
ローンの返済年齢を考えて購入しよう
前述しましたが、ローンを組むタイミングが遅いほど完済年齢は上昇し、老後の心配ごとが増えてしまいます。
40歳を超えるとローンを組める年数も少なくなっていくため、月々の返済額が大きくなって生活も圧迫されます。
先ほどもお伝えしたように、住宅ローンの完済年齢を考えて家を購入するようにしてください。35歳で35年ローンを組んでも返済は70歳です。
仕事の定年年齢などを考え、ローンが終わるタイミングをよく検討しましょう。
注文住宅は時間がかかるので早めに情報収集
注文住宅は、土地探しや住宅ローンの手続きなどがあるため、時間がかかります。
したがって、早めに情報収集をしたり家を建てる計画をしたりするようにしましょう。
住宅購入は時間がかかる
注文住宅を買う場合、土地がない場合は土地を探したり、業者を探したりしなければいけません。また、住宅の購入はローンになるので、借りられるのか審査をしなければいけませんよね。
そして、これらの準備が完了してから6カ月かけて住宅を建築するので、とても時間がかかってしまいます。
このように時間がかかることを考えると、早めに住宅を購入する計画を立てるようにしましょう。
希望の土地がなかなか見つからなかったり、家族の意見をまとめるのに時間がかかったり、予想以上に時間がかかるケースもあります。
焦る気持ちで妥協したプランで着工してしまい、住みづらい家になってしまっては本末転倒です。
いい家を建てるには思っているより時間がかかることを理解し、余裕を持たせた計画を立ててじっくりプランを練りましょう。
早めに情報収集をしておく
検討を始めてからスムーズにマイホームを建てるためには、早めの情報収集が必要です。
注文住宅に興味が出たら、具体的な購入時期は決まっていなくてもパンフレットなどを集めて勉強しておきましょう。
知り合いで注文住宅を建てた人が居れば、話を聞いてみたり家を見せてもらったりするのも有効です。
実際に建てた人の体験談ほど身になる話はありませんので、積極的に情報収集しましょう。
特別お金をかけなくても情報収集はできますので、仮に家を建てなかったとしても損にはなりません。
いざ家を購入する段階になって、急に情報収集するのは忙しくて大変ですから、時間のある時にコツコツとやっておきましょう。
一括資料請求サービスがおすすめ
一番手軽な情報収集としては、住宅メーカーや工務店のパンフレットを集めるのがおすすめです。
しかし、たくさんの情報の中から、好みにあった家を作ってくれそうな会社を探すのは簡単ではありません。1件ずつホームページから資料請求するのも大変です。
そこで、同時に何件もの見積りを入手できる一括資料請求サービスを活用しましょう。
全国にあるハウスメーカーの中から、さまざまな条件で絞り込んで好みの会社を見つけることができます。何社かピックアップしたら、資料請求すればまとめて自宅に届きます。
情報収集の時間が短縮でき、相性の良い会社を見つけやすくなりますので、ぜひ活用してください。
まとめ
今回は注文住宅の買い時についてご紹介してきました。さまざまな要素が複雑に影響する住宅購入には、すべてが揃う完ぺきなタイミングはなかなかありません。
細かいことにとらわれ過ぎると、どんどん先延ばしになって金銭的にも精神的にも損をしてしましいます。
まずは家族の幸せを一番に考えて住宅購入を検討し、素敵なマイホームを手に入れましょう。そして、後悔しないタイミングで住宅の購入をするようにしてください。
まずは、一括資料請求サービスなどを活用して実際にハウスメーカーなどに相談してみるのもおすすめです。相談だけであれば、無料なので気軽に相談してみましょう。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料