注文住宅の間取りで坪庭とつけたいという方が増えています。
リビングから見える風景や、仕事から帰ったときに玄関から見える風景など、坪庭があることで心が癒される場面は非常に多いです。
大きな庭がほしいけど予算が限られている方にとってぴったりな坪庭。今回は庭についてご紹介します。
坪庭に向いている植物や実際の施工例、注意点も合わせてお伝えしていきます。間取りに坪庭を取り入れたい方や、自然溢れる雰囲気を演出したい方はぜひ参考にしてください。
坪庭とは
坪庭とは、建物の間や家の中に取り入れた小規模な庭のことです。
灯篭(とうろう)やししおどし、飛び石などを利用した和風坪庭、レンガや枕木を使用した洋風坪庭など、坪庭にはたくさんの種類があります。
配置場所もリビングや玄関のホールごしに設置したり、浴室から見られる場所に設置したりと様々です。
自分の好みを反映させやすいことも特徴です。
例えば、ライトアップを取りつけることで昼夜の表情を変えることができます。また、設置する植物やオブジェによって見え方、雰囲気がとても変わります。
自然が好きな方にとって、費用をかけずに、手軽に取り入れることができるため、近年、非常に人気が出てきている間取りの1つです。
坪庭に向いている植物
坪庭をつくるときにとても大切になるのがどの植物を取り入れるかです。植物によって、坪庭の雰囲気はガラッと変わります。
ただ、取り入れる植物によって、見え方や印象が異なります。そのため、坪庭作りにおいて「どの植物にするか」はとても重要なポイントです。
好みに応じて、演出したいイメージを決めたら、どの植物を植えるかを決めていきましょう。
坪庭に向いている植物は、
- 常緑中高木
- 落葉中高木
- 低木、グランドカバー
の3種類があります。
それでは、1つずつ詳しくご紹介していきます。
常緑中高木
1年を通して常に緑色の葉を茂らせているおり、背丈が1.5m以上の樹木を常緑中高木といいます。
常緑中高木は、冬でも自然の緑を楽しむことができます。さらに背丈があるので、家のシンボルツリーとしても人気です。
常緑中高木は、冬には温かな、夏には涼しげな印象を与えてくれます。ライトとの相性も抜群で、おしゃれに装飾をしたいという方にとても人気のある樹種です。
代表的なものとしては、
- ツバキ
- サザンカ
- カクレミノ
- ソヨゴ
- モッコク
- スギ
- ダイスギ
- ヤツデ
- ハウチワカエデ
- シャラ
- シュロチク
- タケ類(モウソウチク、クロチク、ヤダケ)
があります。
柔らかくて優しい雰囲気であれば、葉が大きく、可愛らしい花をつけるツバキやサザンカが人気です。
他にも、凛とした印象を与えるモッコクや、葉の色や形の変化を楽しむことができるカクレミノも人気な常緑中高木と言われています。
落葉中高木
出典:https://suvaco.jp
落葉樹は秋の終わりから冬にかけて葉を落とし、春に向けてまた葉をつけ始めます。日本特有の四季の変化を感じられる樹木として、趣深いイメージを与えてくれる点が特徴です。
紅葉も楽しむことができるため、1年を通して様々な変化を視覚的に楽しめる樹木として人気があります。
代表的なものとしては、
- モミジ
- ヤマボウシ
- ヒメシャラ
- アオダモ
- エゴノキ
- ガマズミ
- サンシュ
があります。
1本植えでも温かな印象を与えてくれるモミジは坪庭や中庭に選ばれることが多い、代表的な落葉中高木です。
存在感のあるヤマモミジや、おしゃれな雰囲気にぴったりのシダレモミジなど様々な種類があります。
また、可愛らしい花をさかせ、柔らかな印象を与える葉をつけるヤマボウシも人気のある落葉中高木です。
低木、グランドカバー
出典:http://www.mick3.com/diy/zone.files/nakaniwa.htm
背丈が1.5m未満に分類される低木や、土が見える部分を隠す効果のあるグランドカバーは坪庭との相性がとてもいいと言われています。
それは、限られた面積に植える必要があるため、敷地面積とのバランスが絶妙にいいからです。
また、グランドカバーはたくさんの量を敷き詰めることで温かな印象をより強めてくれる効果があります。
代表的なものとしては、
- アオキ
- ナンテン
- アセビ
- カンツバキ
- センリョウ
- マンリョウ
- クマザサ
- シャガ
- ギボウシ
- ドウダンツツジ
- ウツギ
- アジサイ
低木では、葉の量が多く、健康的な印象を与えるアオキや、冬に可愛らしい赤い実をつけるナンテンが人気です。
グランドカバーでは、別名「胡蝶花」とも呼ばれる白い可憐な花をつけるシャガ、日本の庭では古くから親しまれているアジサイなどが人気です。
それでは、次項では実際に作られたおしゃれな坪庭の事例をご紹介します。
これから坪庭を作ろうと思っている方や、間取りに取り入れようと思っている方はぜひ参考にしてください。
小さな坪庭
出典:https://www.niimien.com
窓越しに広がる和のテイストの雰囲気が非常におしゃれな坪庭です。
敷き詰められた緑色と灯篭、中高木のバランスが非常にいいです。また、壁も木材で仕切ることでより温かみを演出しています。
大人の落ち着いた雰囲気を醸し出す和のテイストはすごく落ち着いた印象を与えてくれるので、見ているだけで心が安らいできますね。
照明のあるおしゃれな坪庭
出典:http://www.famitei.co.jp/sekou/detail_kw/00025583_19
照明の点灯、消灯によって表情が変わる坪庭です。
日中も含めると様々な変化を楽しむことができるので、飽きの来ないとてもオシャレな坪庭です。
白と黒のコントラストもスタイリッシュさを増幅させています。この風景を見ると、高級ホテルに宿泊しているような印象を受ける仕上がりですね。
このようなおしゃれな坪庭があれば、毎日、窓の外を見ることが楽しくなりそうですね。
全体的にバランスのよい坪庭
出典:http://www.garden-plat.net/
色彩バランス、調和がしっかりとられており、和テイスト抜群の坪庭です。
まるで日本庭園のような仕上がりで、気品の高さも感じます。ワンポイントカラーになっている花のピンクもとても魅力的です。
植物への水やりや、日中のひなたぼっこもすごく楽しめそうですね。背景のレンガと竹柵のカラーバランスもよく、3面をガラスで囲うことでおしゃれ感をより強めています。
水が風流な坪庭
出典:http://www.gardener-en.com/3392
ししおどしを取りつけたことにより、和のテイストが非常に強く、風流な雰囲気を感じられる坪庭です。
敷き詰めたコケと砂利、飛び石の相性もよく、和風な雰囲気をより強いものにしています。また、壁を黒にすることでコントラスト効果もプラスしています。
和の中に、スタイリッシュでシャープな印象を取り入れたとてもセンスのいい仕上がりになっています。この空間で夜空の星を見上げるととても幻想的な風景になりそうですね。
和を基調とした美しい坪庭
出典:https://hamanigreen.co.jp
和をテーマに、ふんだんなカラーを取り込んだとてもおしゃれな坪庭に仕上がっています。
設置した飛び石のアンバランスなカラーが、カラフルさをプラスしていることも特徴です。
また、3か所に設置した中高木も細いものを選ぶことで大きめの岩とのバランスを保つ役割を果たしています。
和テイストでありながら、どこか洋風の味もあり、非常に美しい出来映えになっています。
隣の家が近いですが、おしゃれな庭でしっかりと空間が仕切られているイメージが沸きますね。
木がおしゃれな本格的な坪庭
出典:http://ryumonen.co.jp/2916.html
ゴヨウマツとシダレモミジのコントラストが非常に美しい、本格的な和を演出した中庭です。
異なる緑色のコントラストが非常にきれいで、高級なお屋敷にいるような気持ちになりますね。
灯篭、うす、コケ、砂利、背景の竹柵と和風のアイテムでしっかりと調和がとられています。
着物でこの中に入ると、京都の由緒あるお屋敷の中にいるような感覚になりそうですね。
タイルがおしゃれな坪庭
出典:http://musouen.net
まさに和と洋のコラボレーション!タイルと植物を市松模様で敷き詰めることで高級感あふれる仕上がりになっています。
奥には低木を植え、背景にダークブラウンの木材を当てています。これにより、緑が引き立つとともに木の持つ独特の温かさと高級感を演出しています。
シンプルな中にこだわりがあり、夏に風鈴の音を聞きながら風に当たるとすごく気持ちよさそうですね。
水鉢や自然石のアクセントがおしゃれな中庭
出典:https://www.niwaya.co.jp
モミジの薄い緑を包み込むように薄めのカラーで統一して作られた坪庭です。
水鉢や仕切りに木材ではなく自然石を用いることで、おしゃれで購入な印象を与えています。
和と洋のアクセントが抜群によく、シンプルですが非常におしゃれな仕上がりになっています。静かで落ち着く印象を与えてくれるので、毎日の疲労も吹き飛びそうですね。
シンボルツリーがおしゃれな坪庭
出典:https://bowcorys.jp/voice/p1926/
中央のシンボルツリーの存在感が、存分に引き立てられたシンプルかつスタイリッシュな坪庭です。
ツリーの周囲を芝生のみにすることで、高低差がはっきりとするので、よりシンボルツリーとして目立つ仕上がりになっています。
間接照明のライトアップで表情変化を加えることができるので、どの季節のどの時間帯に見ても視覚的に楽しめそうですね。
ウッドデッキで外にも出れるため、夜空を見上げたり、お昼にお茶会をしたり、BBQをしたりと楽しむ方法がたくさんある点も魅力的です。
リビングからの眺めが最高の坪庭
出典:https://bukkenfan.jp
広葉樹をシンボルツリーとして、低木とグランドカバー、砂利を敷き詰めて造り上げた和風の坪庭です。
全開にした窓の外に広がる和のテイスト満載の坪庭をリビングから楽しむことができます。日中の日向ぼっこやお月見にも最適で、味のある雰囲気を楽しめる仕上がりになっています。
木造の室内との相性も抜群で、高級感溢れる雰囲気もプラスされているため、優雅な空間で毎日すっきりした気持ちで生活が送れそうですね。
坪庭・中庭の注意点
一工夫入れるだけで、見栄えも印象も大きく変わる坪庭。
家の中から見える風景にアクセントを与えることができ、間取りに取り入れたいという方も多いです。
しかし、坪庭や中庭を間取りに取り入れる際、気をつけなければならない点が3つあります。
それは、以下の3つの点があるからです。
- 費用が高くなる
- メンテナンスが大変
- 虫が発生する
どれも重要な問題に発展する恐れがあるので注意が必要です。それでは、1つずつご紹介します。
費用が高くなる
坪庭を取り入れると、通常に比べて費用が高くなります。
注文住宅購入時に同時に取り入れる場合と、家を建て終えた後で装飾する場合がありますが、どちらも費用がかなりかかります。
- 坪庭に取り入れる植物や砂利などの費用
- 四方を囲む際の柵、壁の費用
- 施工費用
が発生するため、予算に余裕がないと非常に難しいです。また、注文住宅業者によっては、坪庭の施工を行っていない場合もあります。
その場合は、造園業者に依頼をしなければならないため、コストが大きくなってしまいます。
植える木や石、砂利などの価格もピンキリなので、予算に合わせてムリのないプランを選ぶことが大切です。
メンテナンスが大変
坪庭や中庭の問題として、細かなメンテナンスが必要になる点が挙げられます。植物も生きているため、日々、成長しています。
そのため、葉や枝をカットしたり、落ち葉を掃除したりする作業が必要です。また、日光や雨、風、雪に伴う被害を受ける恐れもあります。
これらによる汚れを放置してしまうと、せっかくの美しい坪庭も台無しです。照明を取りつけた場合も、きれいにしておかないと逆に見栄えが悪くなる恐れがあります。
そのため、細かなメンテナンスが苦になる方にはあまり向かないと言われています。
虫が多くなる
植物があるため、外から内部に虫が入ってくる恐れがあります。
虫が近寄ってくることは植物が健康的な証ではありますが、虫嫌いな方にとっては非常に大きな問題になります。
窓を開けっぱなしにしておくと虫が家の中に入ってくる恐れもあるため、しっかりと管理をしなければなりません。
害虫が紛れ込む恐れもあるため、防虫剤の散布や定期的なメンテナンスなども必要になります。
また、水を用いた坪庭を作った場合は、蚊への対応策を講じておくこともポイントです。さらに、花粉を運んでくる恐れもあります。
このように虫が原因で様々な問題が生じる恐れがあります。
なので、坪庭を作る際は、思わぬ健康被害に遭わないためにも、虫への対応策もしっかりと考えておくようにしましょう。
まとめ
家の内部とは違ったコーディネートを楽しむことができる点が坪庭の大きな特徴です。
坪庭は、中から見える景色を自分好みにカスタマイズできます。
大きな庭とは違い、小さなスペースで好みの空間を創り上げることができるので、年代問わず、幅広い人気を誇っています。
坪庭に向いている植物としては、
- 年中、自然の緑を楽しむことができる常緑中高木(ツバキ、サザンカ、カクレミノなど)
- 四季の変化を強く感じることができる落葉中高木(モミジ、ヤマボウシ、ヒメシャラなど)
- コンパクトなおしゃれを演出できる低木、グランドカバー(アオキ、ナンテン、シャガ、アジサイなど)
です。
それぞれに特徴があるため、コンセプトを決めてからどの植物にするか選ぶと想像通りの坪庭にすることができます。
また、砂利や壁材との相性も重要になるため、植物を決めて、コーディネートを楽しみましょう。
様々な事例があり、とても魅力的な坪庭ですが、注意しなければならない点もあります。
それは、以下の3つの点です。
- 費用が高くなる
- メンテナンスが大変
- 虫が多くなる
これらへの対処法は健康的に生活を送るためにも非常に重要です。
せっかく思い通りの景色を手に入れられるものなので、しっかりと対処して、失敗や後悔をしない自分だけの坪庭を作り上げてください。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料