注文住宅の新築に合わせて、テラスをつくりたいと考えている方は多いですよね。
青空の下、そして優しい日差しの中でのバーベキューやティータイム、と色々と楽しい生活が思い描けますよね。
ただ、テラスにはどのような種類があるのでしょうか。また、種類による注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
これから注文住宅でテラスを設置したいと考えている方は、テラスの種類やポイントなどを把握しておきましょう。
注文住宅にテラスをつくる前に知っておくこと
テラスは、その設置場所や目的・利用方法などで、つくる前に知っておいたほうが良いことがあります。
それは、テラスの種類やメリットなどです。費用などがかかりますので、せっかくテラスを設置しても使わなかったり、後悔したりしては困りますよね。
次項からは、種類やメリット、実際にテラスを設置している方の事例をご紹介しますので、とても参考になるはずです。
テラスの材料の種類
テラスの構造には木質系とコンクリート系があり、仕上げ材料には、木質系とタイル系が主なものです。
せっかく楽しみにしてつくるテラスですから、それぞれの特色を理解して、用途に合わせた構造・材料選びとしましょう。後悔はしたくありませんよね。
では、具体的に代表的なテラスの構造や仕上げについて紹介します。
ウッドデッキ
出典:https://roof-partner.com/terrace-roof-10737
上のウッドデッキテラスはリビングの大きな掃き出し窓に面しており、一体感があります。
また上部のオーニング(日よけ)は、夏の日差しや雨を防いでくれますので、利用しやすいものだと思います。
ウッドデッキでテラスを木でつくるメリットの最大のものは、その自然木の優しい温かいイメージです。庭やプランターの緑に溶け込む風合いはリラックス効果を増大させます。
なお、ウッドデッキの床材には以下のようなものがあります。
出典:https://www.1128.jp/blog/howto/deck-erabikata
ウッドデッキに使用する床材には、上図のように分類されます。それぞれの特徴を以下に紹介します。
ハードウッド
名前の通り硬い木で、ウリン、イタウバ、イペ、アマゾンジャラ、セランガンバツなどがあります。原産地は、東南アジアや南米です。
ハードウッドを使用したウッドテラスで良く知られているのは、横浜大桟橋の床で、イペ材が採用されています。施工後20年ほど経って色あせこそありますが、腐食はありません。
ソフトウッド
材種には、レッドシダーやSPF(エゾマツ、マツ、ファーの総称)で、カナダや北アメリカからの輸入がほとんどです。
名前の通り、比較的柔らかく加工しやすいものですが、屋外での耐久性は高くありません。
防腐注入木材
国産材や上のソフトウッドに、防腐材を圧力注入し、屋外での耐久性を向上させたものです。
人工木デッキ、樹脂製デッキ
これには、木粉を樹脂で固めた人工木と100%樹脂で成形され木目柄としたものもあります。耐久性はありますが、自然木にくらべるとやはり風合いで劣ります。
上記の中でのおすすめは、やはりハードウッドになります。
価格的にはもっとも高価なものですが、メンテナンスや耐久性などを考慮した総合的なコストパフォーマンスが高く、おすすめです。
次に、テラスを木でつくる時の構造を紹介します。
出典:http://diy201403.blogspot.com/2014/04/blog-post_6.html
1階に木質テラスをつくる時の構造は、上図のようなものが一般的です。図のように、一旦でき上がると床下地や床材の裏側の防腐再塗装が難しくなります。
ですから、腐食しにくい材種選びと最初の防腐塗装をしっかり行っておくことが大事なのです。防腐塗装が十分でなかったり、腐食しやすい材料であったりした時は、数年で腐食が始まってしまいます。
タイルテラス
出典:https://www.homes.co.jp/
上のテラスでは、床にオシャレな色合いのタイルが張られています。
2方向が部屋に面したもので、室内と屋外のつながりを強く感じます。テラスと室内の3つのスペースを楽しそうに行き来する姿が想像できますよね。
では、タイルテラスとする時の構造はどのようなものでしょうか。以下で紹介します。
出典:https://www.sunlive.ne.jp/garden/deck/tile/03.php
上図でもわかるように、土のかさ上げやコンクリート土間などがあり、かなり大掛かりな工事となります。その分、コスト的には木でつくるよりも高くなります。
耐久性やメンテナンス性はウッドデッキよりも上で、ほぼメンテナンスフリーと言えるでしょう。
ウッドデッキテラスの場合、腐ってしまわないように塗料で塗装するなどメンテナンスをしなければいけません。
しかし、タイルテラスはメンテナンスがいらないので、とても楽です。
以上のように、ウッドデッキテラスとタイルテラスには、それぞれに一長一短があります。また、出来上がったばかりのテラスには、どちらにも負けず劣らずの魅力があります。
では、5年後10年後はどうでしょうか。結論から言えば、タイルテラスの方が魅力の劣化は少ないと思います。
もし迷っているなら、タイルテラスの方が無難です。
ただし、防腐塗装くらいなら自分でも出来るという方なら、ウッドテラスがいいでしょう。それもライフスタイルの一部です。
デザインだけではなく、10年後のメンテナンスなどのことを考えてあなたに合ったテラスを設置するようにしましょう。
テラスを設置するメリット
テラスをつくる目的や利用方法は、ライフスタイルによって様々です。テラスを設置するとどのようなメリットが今一度確かめておきましょう。
- 部屋・空間が1つ増える
- 子供たちを遊ばせられる
- テーブルや椅子でのんびりできる
- 洗濯物を干せる
テラスには、このようなメリットがあります。知っているメリットもあれば、知らなかったメリットもあるのではないでしょうか。
順番にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
部屋・空間が1つ増える
出典:https://profile.ne.jp/w/c-63610/
テラスを設置するメリットの最大のものは、部屋に準じた屋外空間を得られることです。
完全な屋外である庭に比べて、室内の延長としても使えるテラスは、ライフスタイルに余裕とバリエーションを与えてくれます。
昼間であれば外でくつろげるので、部屋が増えますよね。
また、室内から眺めた視線も部屋の延長として見ることができますので、室内の広さ以上の開放感があります。
上の画像は、リビングの延長としてテラスに大判のタイルを張り、目隠しに自然木の塀を採用したものです。まさに、部屋・空間がひとつ増えた感じですね。
目隠しがありますから、テラスでのコーヒータイムや食事もプライバシーを気にする必要がありません。
一部に土を見せたシンボルツリーも魅力的です。タイルの比較的冷たいイメージが自然木の塀とシンボルツリーで和らげられ、いいバランスですね。
子供たちを遊ばせられる
出典:http://iba-web.com
上の画像は、2階のバルコニーをテラス風に仕上げたものです。バルコニーもこのくらいの奥行きと巾があれば、上のように子供の遊び場になるのでおすすめです。
バルコニー防水の上をウッドデッキで仕上げ、手すりも同じ色合いで仕上げています。優しい色合いですね。
わざわざ公園に行かなくても子供を遊ばせることができます。ちょっと洗濯物を畳んでいるなどの家事をしているとき子供がテラスで遊んでくれれば助かりますよね。
テーブルや椅子でのんびりできる
休日の少しゆったりした時間を過ごせる時は、テラスでの朝食やランチもいいですね。
先ほどもお伝えしたように、ウッドデッキはもう一つの部屋です。そのため、テーブルなどを設置してのんびりするのもいいですよね。
写真のテーブル・椅子は折りたたみ式の簡易的なものですが、用途に合わせて片付けられるようにしておくのも工夫のひとつです。
お風呂上りにテラスでお酒を飲むのもおすすめです。考えただけでテンション上がりますよね。テラスでちょっと息抜きしてみてはいかがでしょうか。
野外の開放感はとてもいいものですよ。
洗濯物を干せる
出典:https://sunroom-pro.com
テラスを設置すると洗濯物を干せます。写真のように1階に設置すれば、洗濯物をわざわざ2階に運ぶ手間がなくなりますよね。
濡れた洗濯物を2階に運ぶのは大変です。
しかし、1階にテラスを設置すれば洗濯物を楽に干せます。テラスはくつろぐだけのスペースではありません。洗濯物を干すことを考えて設置することを検討してみてはいかがでしょうか。
洗濯物を干すだけであれば、ちょっとしたテラスでも問題ありません。洗濯物をどこに干すのかを考えてテラスを造るかどうかを考えてみてはいかがでしょうか。
注文住宅の真似したいテラスの事例
上記で、テラスの構造や材種などについて紹介してきました。では、実際にはどのような利用事例があるのでしょうか。
以下からは、具体的な事例をあげて、その特徴やいいところなどを紹介していきます。
おしゃれで機能的なテラスなので、真似したくなりますよ!ぜひ参考にしてみてください。
屋上に露天風呂があるテラス
出典:https://www.e-bellhouse.com
画像奥の天蓋(てんがい)のある部分が浴槽になっています。このような利用方法は特殊なものですが、露天風呂の開放感は最高ですよね。まさに、リゾート感覚です。
このような利用形態ができるのは、主に屋上をテラスにした場合です。
ただ、給水・給湯設備やプライバシー、そして屋外用の家具など、相応に費用も掛かります。
しかし、日常生活の中にリゾート感覚を取り入れられるため、リラックス効果は格別なものだと思います。夜空を見ながら入るお風呂が手に入るなんて最高ですよね!
ぬれ縁風のウッドデッキテラス
出典:https://www.reposhouse.com
これは日本の縁側に近いテラスです。写真のように子供の遊び場になると共に、庭でバーベキューなどをした時のベンチ代わりにもなります。
室内から庭へ、庭から室内への接続空間として非常に有効な方法ですね。テラス空間の利用よりも接続空間としての役割が大きいもタイプです。
このようなウッドテラスであれば、狭い庭でもスペースを取らないのでいいですよね。
食事ができるテラス
出典:https://www.yoshikawa-fh.co.jp/sekojitsurei/96/
テラスにテーブルと椅子を置ける広さがあれば、写真のように食事を楽しむこともできます。テラスの楽しみ方の主力かもしれませんね。
上のバルコニーテラスの床は防水層のままですが、耐久性や雨漏りを考慮すると、何らかの防水層保護が必要です。テーブルや椅子の脚で防水層を傷つける恐れがあるのです。
ひとたび防水層が破れ雨漏りになると、修復・復旧コストが高額になりますから注意が必要ですね。
バルコニーテラスの場合、防水層を保護するデッキを造り付けとする他、下の写真のような簡易型の敷き込みタイプのものもありますのでおすすめです。
便利なものが販売されていますので、こういったものでアレンジしましょう。そして、暮らしやすい素敵なテラスにしてください。
注文住宅でテラスを設置する注意点
あれば本当に便利で、色々な使い道のあるテラスですが、使い道をイメージしないまま漠然とつくってしまっては、失敗してしまいます。
以下で、失敗しないための注意点を紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
本当に必要かを考える
安易に漠然とした希望だけでテラスを作ってしまうと、使い道の少ない非常にコストパフォーマンスの悪い結果になってしまいます。
テラスには利用目的に応じた広さが必要で、くつろぐためにはプライバシーにも注意しなければなりません。
ですから、つくる前に具体的な利用イメージを持っておくことが必要です。そして、そのためには利用シミュレーションしておくようにしましょう。
雨や風の影響を受けることを考える
テラスを利用しやすくするためには、雨や日差しを遮るパラソルなどのアイテムが必要になります。夏場などは暑いですよね。日影が欲しいものです。
しかし、風が強い場合には、それらを片付ける、あるいはたたむ必要もあるので注意しましょう。ついつい忘れてしまい、強風で飛ばされてしまったということのないようにしてください。
計画しているテラスにどちらが適しているのかは、ライフスタイルや利用形態にもよります。いずれもコストの掛かるものですから、上手に選択するようにしてください。
費用がかかるので複数社を必ず比較
テラスは一般的には、オプション扱いになるのがほとんどです。
新築時に注文住宅の建設業者にお願いすることもできますが、予算が合わない時には無理をせず、他業者からも相見積りをとるようにしてください。
ハウスメーカーにそのまま依頼するよりも、エクステリアはほかの業者に依頼したほうが安いケースがあるからです。
エクステリア専門業者のほうが、良いアイディアを持っている場合があります。また、専業だけに安くできる場合もあります。
いずれにしても、住宅本体とは工事種別が異なりますので、あせらず十分な比較検討やシミュレーションを重ねた上で、納得のいくテラスづくりにしてください。
まとめ
テラスの最大の魅力は、室内の延長空間として屋外を楽しめることにあります。単に庭の一部ではなく、プラスアルファーの生活空間です。これは、2階バルコニーをテラス風にした場合も同様です。
青空の下での食事や子供の遊び場、そしてリラックスゾーンなど、その魅力は色々とあります。
一方、テラスは屋外ですから、紫外線や雨に対する耐久性を考慮しなければなりません。また、維持・メンテナンスを含めたトータルコストにも配慮も忘れないようにしましょう。
本記事を参考にし、後悔しない上手なテラスづくりをしてください。魅力的なテラスは、きっと日常生活を豊かにし、ライフスタイルのバリエーションを増やしてくれるでしょう。