” ルーフガーデン ” 魅力的な響きですね。同じような表現ではルーフバルコニーと言うのもありますが、一条工務店では、庭を強調して ” ルーフガーデン ” と呼んでいます。
戸建て住宅にルーフバルコニーが普及し始めたのは2000年頃からで、この年は品確法が施工されており、同法の耐震等級基準とルーフバルコニーが大いに関係あるのです。
つまり、頑丈な家でなければ本格的なルーフバルコニーができない理由があったのですね。
その詳細は後述しますが、本記事では、” ルーフガーデン ” の魅力と効用、そして注意する点などを中心に紹介していきます。
一条工務店で ルーフガーデンを計画されている方は、是非参考にしてくださいね。
ルーフガーデンの効用と利用方法
魅力的なルーフガーデンですが、その効用(メリット)や利用方法にはどのようなものがあるのか、改めて考えてみましょう。
ルーフガーデンの実利的な効用
当然ですが、建物を建てると、敷地の空地部分が減ります。
十二分に広い敷地なら、気にならないかもしれませんが、限られた敷地面積から建築面積部分が取られ、残りの空地部分は40%ほどになります。(建ぺい率60%の場合)
建ぺい率とは
都市計画法で定められた建築制限で、敷地面積に対して建てられる建物の水平面積の割合( 建築面積/敷地面積 )を示したものです。
地域によって30〜80%の範囲で決められており、住宅用地で最も多いのが60%です。
でも、ルーフガーデンにすれば、減った敷地面積のかなりの部分を取り戻すことができるのです。
下の写真では、減った敷地面積( 庭 )を屋上部分で取り戻している例です。そして、コートテラスのように外壁で囲み、プライバシー保護や安全対策にもなっています。
出典:一条工務店HPより
建ぺい率の限度まで建物を建てた場合、現実的には隣地境界部分の空地や駐車スペースなどで、実質的な庭はなくなるケースがほとんどでしょう。
敷地面積が狭い場合ほど、” ルーフガーデン ” の効用が大きいと言えますね。
多目的に利用できるルーフガーデン
出典:一条工務店/豊洲まちなみ公園
前述で、庭を取り戻すことやコートテラス利用について紹介しましたが、アウトドアリビングなど、屋外アメニティー空間としての多用な魅力があります。
一条工務店の ” ルーフガーデン ” の多くは、前述のように周囲に壁を立ち上げてコートテラス風にしているのが特徴です。
ルーフガーデンでのバーベキューやキッズプールなど、プライバシーを気にせず、天空の光の下で過ごすアウトドアライフの魅力は格別なものです。ルーフガーデンの最大の魅力と言ってもいいでしょう。
ルーフガーデンの構造とコスト
冒頭で、ルーフガーデンと品確法の耐震性能に付いて述べました。ここで、その詳細を簡単に説明しておきましょう。合わせて、コストに関することも紹介しておきます。
6面体のモノコック構造が重要
阪神・淡路大震災の時、枠組み壁工法( 2✕4 )の住宅に被害が少なかったことから、住宅構造に6面体構造が有効だと、改めて認識されました。それ以降、次第に在来木造軸組み構造にも採用されるようになったのです。
6面体構造とは、床・壁・天井(屋根)に構造用面材を張って、地震の水平力を面材(垂直構面・水平構面)で受ける(耐える)と言うものです。
しかし、単に6面体構造なら何でもいい、と言うわけではありません。まず、地震の水平力に耐えられる耐力壁がバランス良く配置されていること。
次に、その耐力壁の強さを建物全体に分散して伝えられる水平構面が必要だと言うことです。
耐力壁の総量としては足りていても、上図のように左右のバランスが悪く水平構面に十分な強さがないと、建物がねじれるだけでなく、水平構面が菱形に変形して倒壊してしまいます。
単に、屋根としての陸屋根よりも、固定荷重や積載荷重が増えるバルコニーを計画するには、より十分な耐力壁と水平構面が必要になる訳です。
固定荷重:構造躯体、下地、仕上げなどの単位面積当たりの重さで、床・壁・天井などの仕上げによって異なります。
積載荷重:人、家具、植木などの重さで、積雪荷重も含まれ、これらも単位面積当たりの重さで計算されます。
建築基準法レベルの耐震等級1では、ルーフバルコニーに耐えられる十分な強さといえず、基準法違反ではありませんが、確認申請時に行政(建築主事)は否定的でした。
しかし、品確法で耐震性能等級2と3が設定され、次第に普及してきた背景があるのです。
” ルーフガーデン ” を安心して計画するには、最大級の構造の安全性が必要になり、一条工務店の耐震性能は、品確法の最高等級3以上を社内ルールとしています。
グッドアイデアの火打パーゴラ
出典:一条工務店HPより
一条工務店の中心となる構造駆体は、6面体構造の枠組み壁工法ですが、一般的な枠組み材の2✕4よりも1.5倍大きい2✕6材を採用しています。
そして、天井部分に耐力面材が張れない ” ルーフガーデン ” では、写真のように壁のコーナー部分に三角形の火打を設けています。火打とは在来軸組工法で採用されている水平構面の一種です。
その火打をパーゴラ風にデザインしているのは、グッドアイデアでオシャレな雰囲気ですね。
いずれにしても、耐震性能にこだわる一条工務店の姿勢が ” ルーフガーデン ” にも現れています。
” ルーフガーデン ” は、坪単価の1/2で造れる
一条工務店の ” ルーフガーデン ” は、いわゆる坪単価の1/2で見積もられています。
屋根(天井)がないだけの同社の ” ルーフガーデン ” は、ほとんど室内と変わらない仕上がりと利用できる空間が半額でできるのですから、ずいぶんお得だと思いますよ。
ルーフガーデンの注意点
魅力的な ” ルーフガーデン ” ですが、注意しなければならない点もあります。その主なものを紹介しますので、理解した上で計画してくださいね。
太陽光発電パネルの問題
陸屋根部分を ” ルーフガーデン ” にする訳ですから、太陽光発電パネルを載せられる面積は大幅に減ります。
出典:一条工務店HPより
社会的背景や時代の流れから、これからも戸建て住宅での太陽光発電システムの普及は進んでいくでしょう。一条工務店でも同システムを推進しており、同社のシステム搭載率は90%を超えているほどです。
アメニティー空間としての ” ルーフガーデン ” と省エネ・冷暖房費を削減できる太陽光発電、その選択は悩ましいところですが、自身のライフスタイルなどを数十年スパンで考え、後悔しない選択としてください。
メンテナンスのリスク
” ルーフガーデン ” には屋根がありませんから、枯れ葉などのゴミが排水口に詰まらないように、注意しなければなりません。排水口が詰まると、雨漏りの原因になります。
また、いつでも気軽に利用できるように、きれいにしておくことも必要ですね。
出典:一条工務店HPより
ゴミやカビ・苔などで汚れていて、利用する前に掃除や片付けが必要な状態では、利用しにくくなり、せっかくのアウトドア・アメニティー空間も無駄になってしまいます。
雨漏りリスクを工場製品化で抑える
” ルーフガーデン ” は下の部屋の屋根の役割も持っていますから、防水性能も重要です。
出典:一条工務店HPより
一般的に、雨漏りの場所は屋根(天井)からが最も多く、屋根は60%以上となっています。
一条工務店のバルコニーには、FRP(繊維強化プラスチック)防水が採用されており、工場でユニット化した部品を現場で組み立てているため、現場での施工のミスを軽減しています。
合わせて、前述した強固な6面体構造で建物の歪みを抑えているため、防水層の亀裂や破断を防ぎ、最大限の防水性能を維持できるようになっています。
また、同社の雨漏り保証期間は、品確法で決められている10年よりも長い15年を無償保証期間としています。これも、自信の現れでしょう。
まとめ
一条工務店の ” ルーフガーデン ” は、一般的なバルコニーと違い、周囲の壁を立ち上げているのが特徴です。
そのため、プライバシーを気にせず、庭やアウトドアリビングとして利用できる快適な空間となっています。
一般的な陸屋根よりも重くなるルーフガーデンは地震時に不利ですが、同社では耐震等級3以上の性能で安心・安全を確保しています。
魅力的な ” ルーフガーデン ” は、居室部分の坪単価の1/2のコストで造れますが、太陽光発電パネルが載せられないことや、こまめなメンテナンス( 主に掃除 )が必要になります。
そのため、それらのメリット・デメリットを十分に理解すると共に、長期的なライフスパンでの利用価値などを考えて計画するようにしてください。
せっかく造った ” ルーフガーデン ” も使わなくては、デメリットだけが残り、コストパフォーマンスはマイナスになってしまいます。
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