注文住宅

一条工務店のアイスマート 坪単価と仕様を徹底解説

一条工務店の住宅商品には、ホームページ上で紹介しているだけでも6種類あり、その他には規格住宅もあります。

それらの中でも、アイスマートは主力商品であり、圧倒的な販売戸数を誇っています。

         一条工務店HPより抜粋

上の表は、2021年の一条工務店の販売実績を表したもので、正確な数値は読み取れませんが、販売戸数(左の表)は12,000戸を超えています。

そして、その戸数の中でアイスマートの販売戸数(右の表)が9,000戸を超えており、およそ75%を占めています。驚きですね、まさに、同社の主力商品といえるでしょう。

そこで、本記事では一条工務店の主力商品アイスマートの坪単価、そして同商品の仕様等を徹底紹介していきます。

アイスマートの性能特徴

一条工務店の紹介によると、アイスマートは、住まいの隅々まで美しさと機能性の両立にこだわり、業界最高レベルの快適性能をプラスしたスマートデザイン住宅としています。

同社の住宅特徴には色々ありますが、ここでは住宅性能について紹介していきましょう。

なお、同社の住宅性能は各商品に共通となり、商品グレードによって性能が変わる住宅メーカーが多い中で、最高のスペックを共通性能としている同社の姿勢は見事だと思います。

耐震性能:耐震性能等級3以上

一条工務店の標準仕様の基礎は布基礎です。ただし、地耐力が30kN(キロニュートン)の場合で、30kN/㎡を下回る場合はオプションのベタ基礎となり、契約前には地耐力調査が必要になります。

なお、標準の布基礎の場合でも、各サイズ・鉄筋ともに建築基準法に示されている内容以上のものとしています。(下図参照)

              出典:一条工務店

なお、上部構造は木造枠組壁工法で、標準的な2✕4材(38✕89mm)に比べて1.5倍以上も大きい2✕6材(38mm✕140mm)を使用した構造としています。

この枠組材を使った骨組みと面材耐力壁を組み合わせた構造は、6面体のモノコック構造となり、優れた耐震性能を発揮します。

 

モノコック構造と枠組壁工法は、阪神・淡路大震災の時に倒壊しなかったことで、一躍知られるようになりました。

              出典:一条工務店

上図は建築基準法と品確法の等級レベルを比較したもので、品確法の耐震等級は、1〜3まであります。(上図では耐震等級2が省略されています。)

建築基準法レベルを等級1、1.25倍レベルを等級2、1.5倍レベルを最高等級の3としているのに対して、一条工務店では建築基準法レベルの2倍の耐震等級3以上としているのです。

断熱性能:ZEH基準を上回る性能

 

              出典:一条工務店

日常生活で住宅の性能を感じるのは、断熱性能です。一条工務店の断熱材は、2✕6材の壁内に140mmの高性能ウレタンフォームを充填し、外側に50mmの同断熱材を張るダブル断熱仕様としています。

                 出典:一条工務店

断熱材の他に、断熱性能の大きな役割を果たしているものに窓サッシがあります。

現在の新築では断熱仕様のサッシが標準になりつつありますが、多くはアルミ・樹脂の複合サッシ枠としています。

一方の一条工務店では、より上位の樹脂サッシ枠にアルゴンガス封入のトリプル硝子の組み合わせとしており、外側に強化Low‐E硝子を採用し、内側には防犯合わせ硝子を採用するというこだわりようです。

 

ダブル断熱と断熱サッシによる一条工務店の断熱性能は、ZEH基準のUA値(外皮平均熱還流率)を上回るもので、業界でもトップクラスのものです。

熱交換型24時間換気システム(ロスガード90)

 

              出典:一条工務店

一条工務店が採用している換気システムは、給気・排気ともに機械で強制的に行う第一種換気システムに熱交換率90%の熱交換機能を付加しています。

せっかく暖めた、あるいは冷やした空気をそのまま排出するのでは、エネルギーの無駄ですから、熱交換型の換気システムには合理性がありますね。

全館床暖房:エアコンとセット

一条工務店の全館床暖房は、浴室まで含めているほどのこだわりようです。床下に施設された温水配管は継ぎ目がなく、耐用年数は50年以上とされています。

床暖房に使う温水はヒートポンプ式の室外機で作り、同じ室外機を利用した延床面積に応じた台数のエアコン室内機とセットになります。

              出典:一条工務店

つまり、一条工務店の全館床暖房ではエアコンもセットになっており、別途エアコンを用意する必要がないわけです。これは、お得じゃないでしょうか。

上記以外にも一条工務店の特徴はありますが、後述の仕様のところで紹介しますので参考にしてください。

アイスマートの本体坪単価

アイスマートの実ユーザーが公開している情報を参考に、本体坪単価と合わせて本体以外の費用も紹介しますので予算計画の参考にしてください。

なお、ここでは建築基準法上の延床面積に対する単価ではなく、施工面積に対する単価とします。

事例−1 事例−2 事例−3 事例−4 事例−5
階数 2階建 2階建 2階建 2階建 平屋
施工面積 31.1 32.5 33.3 35.1 34.0
施工坪単価 68.2 67.5 67.4 67.2 71.5
本体価格 2,121 2,193 2,245 2,359 2,430
付帯工事費 ★1:211 122 127 162 120
標準仕様外費用 ★2:333 244 241 240 ★3:320
太陽光発電システム 205 208 228 220 180
申請業務費用 40 41 37 40 37
小計 2,910 2,808 2,878 3,021 3,087
消費税 291 281 288 302 309
合計 3,201 3,089 3166 3,323 3,396
総合計施工坪単価 102.9 95.0 95.1 94.7 99.9

注:上表で、面積関係は坪、費用・単価関係は万円を単位とする。

  • 施工面積:各住宅メーカーが独自に決めたルールで算出した面積で、建築基準法で定められた柱・壁で囲まれた水平投影面積(法定床面積)にポーチやバルコニーなど、実際に施工される部分を含めたものです。
  • 付帯工事:仮説工事や屋外給排水などの本体工事を行う上で必要な工事が含まれます。
  • 標準仕様外費用:いわゆるオプション費用で、植栽やアプローチ、カーポートなどの外構工事も含まれます。
  • 申請業務費用:建築確認申請、長期優良住宅申請・認定などの申請費用や手続き費用が含まれます。

★1:このユーザーの場合、浄化槽工事があるため、付帯工事費が他の事例よりも高くなっています。

★2:ベタ基礎やハイドロテクトタイル、その他にも水回り設備のグレードアップや付加設備などが多くあるため、高額になっています。

★3:ここでは、植栽などの外構工事が含まれているため、高額になっています。

 

以上の事例から、アイスマートの本体施工坪単価は70万円前後となり、工事に必要な費用を含めると、100万円前後になることが分かります。

なお、各事例は2021年以降のもので、その後の値上りも予測されますので、あくまでも参考としてください。

アイスマートの標準仕様

標準仕様の項目・内容のすべてをここで紹介することはできませんが、アイスマートの主だった部分を書き出してみましょう。

構造・断熱仕様

構造や断熱の性能と特徴は前述していますので省略しますが、表にすると以下のようになります。

部位 標準仕様
構造 基礎 鉄筋コンクリート布基礎+防湿土間コンクリート
上部構造 枠組み壁工法( 2✕6 )
耐久性/耐火性 長期優良住宅/省令準耐火
断熱材 1階床 高性能硬質ウレタンフォーム140mm厚
屋根下 高性能硬質ウレタンフォーム235mm厚
外壁 高性能硬質ウレタンフォーム50mm+140mm厚(外内ダブル断熱構法)
外部建具 玄関 断熱玄関ドア
一般窓・勝手口 高性能樹脂サッシ(トリプル硝子・アルゴンガス充填・ツインLow-E硝子)
キッチン・バスの窓 ブラインド内蔵高性能樹脂サッシ(高性能Low-E硝子)

ここでは、窓の網戸がオプションになっているのが特徴的で、見積事例でもオプション追加している方がほとんどです。

外装・内壁仕様

部位
標準仕様
外装 外壁 石面調ボーダータイル
屋根 ガルバリウム鋼板またはFRP高耐候トップコート
内装 EBコートフローリング12mm(玄関はタイル、洗面・トイレはCFシートも可)
壁・天井 オリジナルセレクトクロス
天井高 240cm
内部建具 内部建具 木調インテリアドア

外壁は、標準で石面調ボーダータイルとなっていますが、多くのユーザーは、ほぼメンテナンスフリーのハイドロテクトタイルに変更しています。

理由としては、標準タイルがホワイトの1色に対して5色から選べること、そして比較的割安(50万円ほど)であることなどです。

 

屋根の標準は、ガルバリウム鋼板となっていますが、一条工務店ユーザーは瓦一体型の太陽光発電パネルを搭載する場合が90%以上と多いため、迷うことがないのかもしれません。

         一条工務店の瓦一体型太陽光発電パネル

内装に関しては正直なところ、ごく一般的な仕様レベルで、とくに目立ったものはありません。そのためか、床材のグレードアップを選ぶユーザーが多いようです。

設備仕様

部位 標準仕様
水回設備 厨房セット
スマートキッチン
スリムカウンター( 奥行き700mm )、プレミアム鏡面塗装扉
人造大理石トップ、静音ジャンボシンク
吐水口引き出し式シングルレバー混合水栓
IHクッキングヒーター、オープンキッチン専用換気扇、食器洗い乾燥機
洗面台
 
洗髪洗面化粧台( プレミアム鏡面塗装扉 )
両面三面鏡( ミラー照明・くもり止めヒーター付き )
トイレ(2ヶ所) 温水洗浄暖房便座、ペーパーホルダー、換気扇、タオルリング
システムバス
 
 
スマートバス( 1.25坪タイプあるいは1.0坪タイプ )
人造大理石浴槽( 真空断熱保温浴槽 )、握りバー、ワイドミラー
3WAYメタルシャワーヘッド、サーモスタット水栓、換気扇
給湯器 エコキュート( 370リットル )、浴室・台所リモコン
換気・空調  24時間換気システム  セントラル熱交換換気システム( ロスガード90 )、
 全館床暖房システム  電気ヒートポンプ式オリジナル全館床暖房システム(エアコン付属)
電気設備 インターフォン/TEL カラーモニタードアフォン( 親機+子機 )/1ヶ所
テレビ配線 3ヶ所(分配器5ヶ所)
エアコン配線 各居室1ヶ所
火災報知器 各居室1ヶ所

アイスマートのシステムキッチンは、バリエーションの多いスマートキッチンが標準です。

大収納の洗面台など、他の水回り設備を含めて、特にこだわりがない限り、満足できる設備内容だと思います。また、ユニットバスの1.25坪タイプが標準なのが特徴的ですね。

 

一条工務店では、後述の太陽光発電パネルを含めて、内外装から設備機器までオリジナル商品を多く採用しています。

オリジナル商品には、バリエーションが少ないことや、他メーカーを選びにくいなどの面もありますが、一条工務店のように徹底したオリジナル化では、メリットが勝っているように思います。

太陽光発電システムを勧める理由

              出典:一条工務店

先の実見積り紹介でも、太陽光発電+蓄電池のシステムが当然のように組み込まれていました。

一条工務店の太陽光発電システムの搭載率は、2022年で94%を超えており、業界でもトップレベルの実績を残しています。

近年は、売電価格の低下で自己消費型の太陽光発電システムが主流になりつつありますが、一条工務店の太陽光発電システムの特徴としては、自己消費を超える10kW以上としていることです。

理由としては、売電価格が低下している中でも、売電で初期費用の早期回収と回収後の経済的メリットを重視しているためと思われます。この数年の電気料金の高騰を考えれば、先見の明があったとも言えますね。

           一条工務店HPより抜粋

同社の試算によれば、月々の太陽光発電・蓄電池による光熱費の削減メリットが2.4万円ほどで、10年間では288万円にもなります。

先に紹介した見積事例の太陽光発電+蓄電池の初期費用は180〜228万円となっていますから、10年で十分に回収できる額ですね。

そして、初期費用で増えたローン支払い額は、光熱費の削減分でカバーできるわけです。

いずれにしても、太陽光発電+蓄電池のシステムは、これからの新築の標準設備となるでしょう。

まとめ

一条工務店の主力商品のアイスマートは、同社の販売戸数の75%を占めるほどの主力商品です。

その標準仕様は、一般的なユーザーが望む住宅性能や機能をほぼ充足しており、まさに同社の「 家は、性能 」「 モデルハウス仕様が標準仕様 」のキャッチフレーズ通りの内容となっています。

そして、それらの標準仕様で本体坪単価が70万円前後というコスパの高さが、先の圧倒的な販売戸数・シェアの結果になっているのです。

アイスマートの住宅性能や機能は、ハイエンドの住宅クラスに匹敵するもので、他に付加するものがないほどです。

アイスマートは、マイホームを計画する際に、どのような住宅性能・機能とするか、そしてコスパ比較の一つの目安になると思います。

ただし、アイスマートの価格と性能・機能、さらに設備を含めたコスパに匹敵する商品は多くはないでしょう。

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