建売を買う前に

建売住宅が安い理由:安くて大丈夫?安い建売で後悔しないコツや安い時期

建売住宅安い

注文住宅より、建売住宅は「安い」というイメージを持っている方は多いですよね。価格が安いというメリットだけでなく、造りが安い、脆い、といった悪いイメージで、建売住宅を避ける方もいます。

ただ、建売住宅が安いのは決して悪いことではありません。土地を安く仕入れたり、無駄を無くし て建設コストを抑えたりしているからです。

今回は、建売住宅の安さの理由と、後悔しないための選び方のポイントを解説します。お得に新築一戸建てを手に入れましょう。

新築一戸建て建売住宅が安い理由

建売住宅が安いのは、注文住宅と違う部分で、コストを削減することができるからです。コスト削減できるポイントを土地、施工費、人件費の3つのポイントに分けて説明します。

土地を安く仕入れてる

建売住宅が安い理由のひとつは、土地を安く仕入れることができることです。

新築を建てる場所や、建物のグレードによっても変わってきますが、土地代が建売住宅に占める割合は50%前後になることもあります。

そのため、土地代を安くすることが家の総額を安くすることになります。

建売住宅を建てる際、建築業者がまとめて購入した土地を何区画かに分けて販売します。このとき一軒分の土地を購入する場合、売主と買主の間に仲介業者が入り、中間マージンが発生します。

一方で、10軒分の土地をまとめて仕入れる場合は、中間マージンは10軒分ではなく割安になります。

たとえば、スーパーでリンゴを一個買う場合と、一箱買う場合では、一箱買いの方が一個当たりが安くなるのと同じです。

不動産の営業免許を持っていない一般の人が、広い土地を分割して販売することは禁止されています。そのため、一般の人は1000坪などの広い土地を購入することができません。

一般の人が購入することがないような、100坪以上の土地もまとめて仕入れることができるため、土地代を安く仕入れることが出来るというわけです。

施工を簡易的にしてる

建売住宅が安い二つ目の理由は、施工費を抑えられることです。工事の質を落とすのではなく、工夫を凝らすことで施工費を安く仕上げています。工夫のポイントを3つ説明します。

シンプルな間取り

ローコスト住宅コスト

建売住宅ではプランがあらかじめ決まっているため、どんな人でも住みやすいように、よく見かける一般的な間取りが採用されることが多いです。

シンプルな造りにすることで、材料を減らし、施工の手間を抑えることができます。また何軒も同じ間取りで建てるため、職人が慣れているため施工のスピードがあがり、結果的に施工費が安くなります。

材料を大量発注

同じ仕様の材料をまとめて何軒分も仕入れることができるため、一軒ごとに発注するより割安になります。

発注の際にかかる事務手間が省けますし、同じ場所にまとめて配送可能です。そのため、配送費も抑えることができるのです。

壁紙やフローリングも、居室はすべて統一するなど、なるべく同じものを使用することで、ロスが少なくなります。

工事日程が短い

新築工事では、大工工事・設備工事・外壁・屋根工事・電機工事・内装工事など、複数の職方が出入りします。

スペースの関係で同時に行える作業には限りがあり、大工さんの作業が終わるまで、電気屋さんが待機する、など無駄な時間が発生することは少なくありません。

同時に数軒建てる建売の場合、すぐ目の前に別の現場があるので、こっちが混んでいればあっちといったように、職人同士で混雑を避け、ロスのないスムーズな施工が可能です。結果的に、工事にかかる日数を減らすことができ、工事費用を抑えることが出来ます。

このように、建売住宅ではさまざまな工夫で施工にかかる費用を抑えています。同時に建てる件数が多いほど、割安にすることができます。

人件費を抑えてる

建物が完成してから販売する建売住宅では、建てる前の打ち合わせにかかる時間がありません。そのため、営業マンと買主の打ち合わせを少なくし、人件費を抑えることができます。

注文住宅の打ち合わせをすると、壁紙・フローリング・ユニットバス・キッチン・トイレ・サッシ・外壁・屋根と、ざっと挙げただけでも、これだけのカラーを選ばなければなりません。

さらに間取りの打ち合わせは、一度で決まることはほとんどありません。営業マンとお客さんの打ち合わせは何度も行われます。

プランが決まっている建売住宅では、これらの打ち合わせがありませんので、営業マンの人件費を抑えるこができます。また同じような設計の家を何軒も建てるため、設計費用も抑えることができます。

安い建売住宅は後悔するのか

住んでから後悔した、という意見が多いのは建売住宅です。建売選びの際に、見逃すと不満が発生しやすいポイントを3つ解説します。

検討の際によくチェックすることで、回避することができますので参考にしてください。

施工ミスがある恐れがある

前述したように多くの建売住宅は、施工日程を短くするなどの工夫で施工費を抑えています。

ところが、コスト削減をし過ぎた建築業者が、検査を省略して施工ミスを見逃すといった事例が報告されています。

建物が完成してから販売する性格上、買主は建築途中を見学することができません。現場の職人や現場監督の緊張感が欠けやすいことが原因で、手を抜いてしまう事もあるようです。

また、工期が決められていることが多いため、無理やり間に合わせるために突貫工事で工期を短縮してしまう事もあります。

工事に不安がある場合は、契約する前に施工品質について質問し、しっかり説明してくれる業者を選ぶのがよいでしょう。

造りが簡易的

価格を安くするために、シンプルな造りでグレードの低い材料を使うことが多いため、不満を感じる方もいます。

ユニットバスや、キッチン、トイレなどの設備関係は、一番下のグレードを採用することがあります。

現在の住まいより設備のグレードが下がる場合、使いづらさを感じることが多いです。

実際の間取りを見学できるメリットを生かし、じっくりと内見して使い勝手を確認しましょう。階段に手すりを付けたいなど、後から何とかなるものもあります。

しかし、キッチンを大きくしたいなど大掛かりなものは費用がかさみます。実際に住んでいる目線で不満をあぶり出し、解消できることか、しっかり検討しましょう。

担当の営業マンの対応が悪い

前述したように打ち合わせ回数が少ないのは、買主にとっても営業マンにとってもメリットですが、対応の悪い営業マンもいるようです。

経費削減で一軒ごとに割ける時間が少ないため、十分なヒアリングが行われずに買主とコミュニケーション不足になるケースが多いです。

安すぎる建売住宅では、営業マンに入るインセンティブが少ないため、早く売って次の案件に取り掛かりたいことも原因です。結果、「オプションで網戸を付けて」と依頼したのに付いていない、などのトラブルにつながります。

このようなトラブルを避けるため、内見時にしっかりとコミュニケーションをとり、こちらの要望をしかりヒアリングしてくれる営業マンか見極めましょう。

打ち合わせなどで会社を訪問する際にも、ほかの従業員の対応や雰囲気をチェックしましょう。

建売が安い時期

もともと安い販売価格の建売住宅は、価格交渉することは難しい場合が多いです。しかし、交渉しやすい時期もあります。

建売住宅が建設して6カ月が経過したらねらい目

新築住宅は建てられてすぐは、注目度が高く売れやすいため、値引きされることは少ないです。建てられてから6か月以上経った建売住宅は値引きされるケースが多く、安く購入するチャンスです。

6か月も経過すると、ほとんどの区画は売れて実際に人が住み始めます。周りが売れた後にポツンと残された区画は「売れ残った」という印象になり、「売れない理由があるのでは?」と考えられ売れづらくなりますよね。

新築住宅は建ててから1年以上経つと中古住宅扱いになってしまいます。新築を探している方には検索でヒットしなくなってしまうため、売りづらくなってしまいます。

半年以上経つとそのまま売れ残り、中古住宅になるリスクが高くなるのです。

したがって、建売業者は早く物件を売ってしまいたいわけです。安く購入したい方は、6か月経過した物件を目安に価格交渉してみるのも一つの手です。

安い建売住宅メリット

販売価格が安いのは建売住宅の最大のメリットです。安いことで得られるメリットを3つ説明します。

月々の支払いが安い

総工費が安く抑えられる建売住宅では、住宅ローンの月々の支払が安くなります。

例として3,000万円の注文住宅と2,000万円の建売住宅を30年ローンで組む場合、以下のように金額に差が出ます。(固定金利1.5%で計算した場合)

3,000万円 ÷ 30年 = 103,536円/月  (金利総額 約727万円)
2,000万円 ÷ 30年 = 69,024円/月  (金利総額 約484万円)

となり、月額34,512円の差額になり、金利総額は246万円の差額です。

仮に2,000万円を20年ローンで計算すると

2,000万円 ÷ 20年 = 96,509円/月 (金利総額 約316万円)

3,000万円を30年ですとほとんど同じ月額で、10年も早く返済が終わります。金利総額では411万円も安くなります。

子供が大きくなり大学や専門学校に進学する場合、住宅ローンの返済に加えて出費がかさみますよね。

将来の貯金もしなければいけないので、お金はいくらあってもたりません。 無理をして注文住宅を購入するのではなく、このように経済的に余裕のある建売住宅を購入した ほうが場合によっては賢い選択です。 たまには外食などもしたいものです。

また、旅行なども行きたいですよね。無理をして注文住宅を買うよりも、余裕のある返済ができる建売のほうがいいですよね。

年収が低くてもローンに通る

新築住宅を建てる際、ほとんどの方は住宅ローンを利用します。住宅ローンは事前審査と本審査があり、事前審査で物件の金額、借りる人の収入、職業や勤続年数などを申告してチェックされます。

この際重視されるのは、“返済負担率”です。

返済負担率とは

年収における返済額の負担率です。年収の20%以内が望ましいです。年収が600万円の場合、年間で120万円以内がリスクのない返済額になります。

この数字は公表されませんが、金融機関ごとに設定された基準を満たさないと審査が通りません。

返済負担率を下げるためには、年収を増やすか年間の返済額を減らすしかありません。しかし、いきなり年収を増やすことは不可能ですし、年間の返済額を減らすために返済期間を長くするとまた審査が通りづらくなります。

価格の安い建売住宅なら、借入額が少なく済むため、年間返済額が少なくなり、審査が通りやすくなります。

審査が通らなかった方や、収入が少なく不安な方は、前述の安い時期を狙って建売を探し、借入額を減らしてみてください。

立地の良い場所にすめる

「土地を安く仕入れてる」の項目でも触れましたが、建売住宅では、一般の人が購入しない広い土地を仕入れて分割します。

一般市場に出回らない土地を独自のネットワークで仕入れるため、条件の良い土地が多いです。

駅やスーパーの近く、公園が近い閑静な住宅街などの建売は人気が高く売れやすいため、建売業者が率先して仕入れます。そのため、このような場所は土地だけ探しても見つからないことが多いです。

また実際に建っている物件を見学できるため、日当たりや隣家との位置関係などを確認することができます。図面だけではわからない部分も、しっかりチェック出来るのは大きなメリットですね。

可能であれば時間を変えて何度も見に行き、朝・昼・夕それぞれの日当たりを確認すれば、住んでから後悔するといったことがありません。

安い建売住宅で失敗しないためには

安く購入できるのは大きなメリットですが、住みづらい建売を買って失敗しては元も子もありません。失敗しないためのポイントを解説します。

資料請求で情報収集をする

初めて一戸建てを建てる方は、内見をして営業マンと話すとき、どんな質問をすればよいのかわからないですよね。結果、大切なことを聞き逃してしまい、契約してから後悔することになりかねません。

まずは、気になる会社の資料請求をし、どのようなコンセプトの会社かどんな家づくりが得意なのか把握しましょう。

資料を見て気になったポイントなどをメモしておくと、モデルハウスに行ったときに聞き逃しがありません。また、熱心に研究する姿勢や知識を営業マンに見せることで、口車に乗せられて主導権を握られることを防ぐことができます。

建売を検討する際、いきなりモデルハウスに行くのではなく、まずはたくさん資料請求をしましょう。

会社ごとの違いを比較し、信頼できそうな建築会社をピックアップして、実際に見に行けば効率も良く検討できます。

ローコスト住宅メーカーともプランを比較する

近年、注文住宅でも価格を抑えたハウスメーカーが増えています。土地込みで2,000万円前後と建売住宅に近い価格で建てることが出来ます。

建売で気に入った間取りが見つからない場合、同じ価格でプランが選べるローコスト住宅はとても魅力的ですね。

ただしプランを選べるため、高いグレードの設備や材料が欲しくなってしまい、結局高く付いてしまう場合もあります。予算を決め、担当者にしっかりと伝えておくことで、予算オーバーを防ぎましょう。

一括資料請求サービスがおすすめ

パンフレット

住宅カタログなどの資料は、一社だけではなく、複数の会社から取って比較検討するのがおすすめです。

ただ、ホームページで一社ずつ資料請求するのは面倒ですよね。そこで、10社以上のハウスメーカーや工務店のカタログをまとめてもらえる一括資料請求を利用しましょう。

予算、人気テーマ、希望エリアなどわかりやすいポイントで建築業者を絞り込めます。そのため、初めて資料請求をする方でも悩むことがありません。

建築業者を一社ごとにネット検索してリストアップするのは、それだけで骨が折れる作業です。

一括資料請求サービスでは、気に入ったコンセプトの会社を簡単にリストアップして、いっぺんに資料請求できます。ぜひ活用してください。

まとめ

行き過ぎたコスト削減で、品質の悪い建売があることは確かですが、すべての建売住宅がそうではありません。

安く手に入れやすい建売住宅は、後のライフプランを考えると大きなメリットがあります。

毎月の返済額が減る分、旅行で家族の思い出を作ったり、記念日や特別なお祝いで外食に出かけたりできるのです。また急に病気で入院など、突発的な出費が発生することもあります。無理してギリギリの返済計画を立てると、不測の事態に対応できません。

今回の記事でご紹介したポイントを抑え、安くても希望に沿った建売住宅を探しましょう。

建売住宅は注文住宅と違いプランを練る時間が必要ありません。浮いた時間で、たくさんの物件を内見したり、じっくり検討したりできます。納得の我が家をお得に購入し、豊かな暮らしを実現しましょう。

【悪用厳禁】注文住宅を723万円も安く買ったコツ

住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。

実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?

建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。

ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。

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