60坪の家を建物の老朽化などの理由で建て替えるとき、その費用はいくらぐらいになるのでしょうか?
また、建て替えを行う際には、解体費用や仮住まいの費用、引っ越し費用も必要になります。
土地の購入費用がないと言え、想像以上にお金がかかってしまうので注意が必要です。
これらの費用も考えながら、60坪の建物の建て替えについて詳しく解説していきます。
60坪程度の家を建て替えようとお考えの方は、ぜひ参考にされてください。
事前にいくらぐらいお金がかかるのかわかれば、予算を組みやすいですよね。
家の建て替えにかかる諸費用
60坪の家を建て替える場合、新しく家を建てる費用以外にも、解体費用や引っ越し費用などの諸費用が必要になります。
ここではその諸費用について解説していきます。
解体費用:1坪3~4万円
構造 | 坪単価 |
木造住宅 | 3~4万円 |
鉄骨造 | 4~5万円 |
鉄筋コンクリート造 | 6~7万円 |
元々建っている建物が木造家屋である場合、その解体費用は1坪当たり3万円程度になります。
これは重機を入れることができる一般的な場所に建っている建物の場合です。
解体したい建物が、重機が入れない場所、廃材の搬出用のトラックが横付けできない場所などにある場合などにはさらに高額になることもあります。
また、建物の解体を行う場合には、周囲の住民に迷惑が掛からないように防塵シートを張る必要もあります。
それ以外にも交通整理員の配置が必要な場合もあり、これらの料金は解体費用に上乗せされることが多いようです。
これらの費用を合算すると、解体費用の相場は1坪あたり3万円から4万円程度になります。
そのため、60坪の建物の解体費用の相場は180万円から240万円程度です。
ざっと計算しても、60万円程度の差がありますが、これは業者による料金の差額だと考えてよいでしょう。
解体作業は業者により料金がかなり異なります。
建物の解体を業者に依頼する際には、必ず数社から詳しい見積もりを取ってから解体作業を依頼することをお勧めします。
また、家を解体するときに家具などの不用品が出る場合があり、これらの処分も解体業者に依頼することができることが多いようです。
しかし、この不用品の引き取りにも当然費用が発生します。
この不用品の引き取り費用は、リサイクルショップなどのほうが割安になる可能性もあるので、そのような業者からも見積もりを取るとよいでしょう。
引っ越し費用:約20万円
家族 2人 | 家族 3人 | 家族 4人 | 家族 5人以上 | |
---|---|---|---|---|
~15km未満 (市区町村内) |
平均80,527円 | 平均93,593円 | 平均116,398円 | 平均138,115円 |
~50km未満 (都道府県内) |
平均81,822円 | 平均103,078円 | 平均114,283円 | 平均122,071円 |
~200km未満 (同一地方内) |
平均105,918円 | 平均138,112円 | 平均151,298円 | 平均120,111円 |
~500km未満 (近隣地方) |
平均114,905円 | 平均177,000円 | 平均183,241円 | 平均318,571円 |
500km~ (長距離) |
平均148,949円 | 平均185,867円 | 平均205,932円 | 平均257,122円 |
出典:価格ドットコム
建物を解体し、建て替えている間には当然仮の住まいに住む必要があります。
子どもの学校や職場への通勤の関係などから、やはり建て替え中の住居の近くに仮住まいを借りることが多いようです。
そのような場合、15km未満の同じ市区町村内で、家族三人の引っ越し費用の平均は93,593円となります。
60坪の家の建て替えの場合、家の解体を始めるときと、新しい家が建った場合と2回引っ越しする必要があります。
ですので、引っ越し費用も往復分見積もっておかなければなりません。
おおざっぱではありますが引っ越し費用は20万円程度と考えておくとよいでしょう。
しかし、新生活が始まる新年度やその数か月前は、引っ越し料金が高騰します。場合によっては2倍以上になることもあります。
そのような時期に引っ越しをしなくて済むように、家の建て替え期間を調整しておくこと良いでしょう。
また、早割などのサービスを行っている引っ越し業者もあるため、そのようなサービスを利用することで、引っ越し費用を安くすることができるケースもあります。
引っ越しに関しても数社から見積もりを取り、納得のいくサービス内容と価格の業者を選びましょう。
仮住まいの費用
項目 | 費用 |
---|---|
仮住まい家賃 | 8万円 × 8カ月分 = 64万円 |
敷金 | 8万円 × 2カ月分 = 16万円 |
礼金 | 8万円 × 1カ月分 = 8万円 |
総額 | 88万円 |
60坪の建物の建て替えの際、解体開始から新居の完成までの期間は建て替えを始めるときに分かっています。
しかし、予期せぬ原因で工期が遅れてしまうこともないとは言えません。
仮住まいの期間とそれにかかる費用については、余裕をもって準備しておくことをお勧めします。
仮に仮住まいの家賃を8万円として、期間は余裕をもって考える必要があるので、8か月と見積もっておきましょう。
そのように計算すると、その間に必要な家賃は64万円となります。
それ以外に敷金2か月分、礼金1か月分と仮定すると、仮住まいに必要な金額の総額は88万円となります。
8万円で借りることができる家では、60坪の家で使用していた家具などをすべて収納することができないケースもあるかもしれません。
そのような場合は、トランクルームの利用をお勧めします。
すぐには利用しない家具や趣味の道具、季節ものの衣類などはトランクルームに収納すると仮住まいを広く使うことが可能になります。
トランクルームの利用料は、約3帖程度で一か月当たり15,000円が相場です。
トランクルームを利用することで、家賃が一か月8万円より安い、少し狭い間取りの家でも十分に暮らせるようになることもあります。
トランクルームを利用する際には、この費用も仮住まいの費用として計上しておきましょう。
全国の平均相場や坪数:土地がある場合
地 域 | 建設費(万円) | 延床面積:㎡(坪) | 坪単価(万円) |
全 国 | 3,353.5 | 128.2(38.78) | 86.47 |
首都圏 | 3,627.0 | 127.0(38.41) | 94.42 |
近畿圏 | 3,408.1 | 126.9(38.38) | 88.79 |
東海圏 | 3,437.2 | 130.1(39.35) | 87.34 |
その他 | 3,193.0 | 128.5(38.87) | 82.14 |
フラット35利用者調査より引用
もし、土地を持っている場合、建てる建物の建設費用は全国平均で3353.5万円、延べ床面積は38.78坪、坪単価は86.47万円です。
建築費用は首都圏が最も高く、3627万円となっており、次いで近畿圏と東海圏となっています。
しかし、実際の新築物件はもう少し低い価格で建てられることが多いようです。
東京都の坪単価がとびぬけて高い理由は、東京都の人件費が高いためだと思われます。
60坪の家を建て替える費用
全国の新築物件の延べ床面積の平均が38.78坪、建設費が3353.5万円であるため、建坪が60坪の建物になると、建築費用はかなりの金額になります。
以下の表にその価格をまとめました。
地 域 | 建設費(万円) | 60坪 | 坪単価(万円) |
全 国 | 5,188 | 60坪 | 86.47 |
首都圏 | 5,665 | 60坪 | 94.42 |
近畿圏 | 5,327 | 60坪 | 88.79 |
東海圏 | 5,240 | 60坪 | 87.34 |
その他 | 4,928 | 60坪 | 82.14 |
全国平均で5188万円となっていますが、これは土地がある場合の全国の相場をもとに計算した金額なので、実際はもう少し安価で建てることができます。
また、住宅の坪単価は住宅の建坪が広くなると下がる傾向にあるため、それも加味するとさらに建設費用は安くなるでしょう。
この数値は概算なので、60坪の注文住宅を建てる際には、実際にハウスメーカーや工務店に相談してみることをお勧めします。
60坪の注文住宅の事例・間取りを紹介
ここでは、建坪60坪の注文住宅の事例と間取りを紹介していきます。
4,500万円のおしゃれで大きな注文住宅
建築費用約4,500万円で建築したおしゃれで大きな注文住宅です。外観はシンプルでありながら、シックな高級感を醸し出しています。
白と黒のシンプルモダンな色遣いがひときわ目を引く外観です。
内装・イメージ
床材には天然の大理石を使用。ゴージャスで開放的なリビングとなっており、開放感も抜群です。
テレビの背後の壁にも大理石を使用しており、さらに高級感を感じさせます。
玄関の天井には高い吹き抜けを作り、アーティスティックな雰囲気を醸し出しています。
間取り図
一階に事務所とリビング、それに付随した和室が配されており、モノトーンでバランスよくコーディネートされた空間が広がります。
モダンな雰囲気の2階はウォークインクローゼットのある夫婦の寝室のほかに、子ども部屋として3室の洋室があります。
2階の内装も生活感を感じさせないよう気が配られたデザインです。
子ども部屋としての洋室にもそれぞれ十分な収納があるため、各自の持ち物を自分の部屋に収納できます。
出典:https://suumo.jp/
4,730万円の60坪の二世帯住宅
本体価格 | 4730万円 |
---|---|
坪単価 | 77万円 |
延床面積 | 204.90m2 |
敷地面積 | 645.69m2 |
工法 | その他(独自認定工法等) |
竣工 | 2016年10月 |
4,000万円台後半の予算があれば、ゆとりのある2世帯住宅の建設も可能です。
このように外観にもこだわり、重厚感のあるデザインに仕上げることも可能です。
内装・イメージ
二世帯住宅なので、LDKは2つあります。そのうち子供世帯が使用する2階のLDKには、太い梁を見せた吹き抜けをあしらい、開放的な雰囲気になっています。
親世帯が使う一階のLDKは畳のスペースもとってあり、高齢者に使いやすい作りになっています。
この和室は真壁仕様で、壁も和風の珪藻土を使用しており、デザイン以外にも湿度の調整に役立ちます。
将来を考え、バリアフリー仕様で建築されており、廊下も広くとってあるのがこの親世帯が住む一階の特徴です。
間取り図
出典:https://suumo.jp/
二世帯住宅と言えども、双方が余計に干渉しあわないように玄関はそれぞれ設けられています。
親世帯、子世帯の生活リズムがばらばらであってもお互いストレスなく生活できるでしょう。
1階と2階に収納が少ないようにも思えますが、3階に小屋裏スペースがあるので、収納場所に不便を感じることもありません。
バリアフリーの大きな平屋の注文住宅
リゾート地を思わせる外観の平屋は60坪弱の建坪になります。この広さに夫婦二人で住まうということですから贅沢に思われるかもしれません。
定年退職後の住まいにも関わらず、控えめなイエローとオレンジの明るい外壁もリタイア後の楽しい生活を後押ししてくれそうです。
内装・イメージ
内装は将来介護を受けることを考えて、もちろんバリアフリーにしてある以外にも、車いすでの移動を考えて廊下や部屋の入り口を広くとってあります。
まだまだお元気な2人が住む住宅でありながら、開閉が必要な部分はすべて引き戸にになっています。
年齢を重ねても長くこの家に住むことができるような、アイデアが詰まった住宅です。
間取り図
広い廊下と、突き当りの坪庭は介護のためだけではなく、採光や風通しにも役に立ちます。
夫婦2人の住宅なので、二人の共有の持ち物はすべて廊下に設置したクローゼットに収納するなどの工夫がなされています。
60坪の注文住宅を建てる際のポイント
60坪の注文住宅を建てる際に注意すべき点とはどのようなことでしょうか?
これから60坪の家を建て替えたいと思っている方のために、建て替えるポイントをご紹介します。
大きいので価格が高くなりすぎないようにする
注文住宅はただでさえ高価な買い物です。しかも60坪もの建坪になると、注文住宅の全国平均の1.5倍もの広さになり、その分費用も掛かります。
ついついこだわってしまうと、想定よりも費用が高くなってしまいます。注文住宅は、こだわれるメリットがありますが、その分費用が高くなるデメリットがあります。
内装や外装、その他オプションなどでさらに高額になるため、あらかじめ掛けられる金額のリミットを決めておくようにしましょう。
ただ、工夫次第で効率よく値段を抑えることができます。安くなる形状にしたり、設備のグレードを下げたりできるからです。
予算を抑える方法については、こちらで解説していますのでどうぞご覧ください。
必ず相見積もりを取り業者を比較する
同じような間取りの建物を建てる場合でも、業者により建築費用にばらつきがあります。
必ず複数のハウスメーカーや工務店から相見積もりを取るようにしましょう。
一番金額の安い業者と高い業者を比べた場合には、かなりの金額の差が出ることがあるので、損をしないよう気を付けましょう。
一括資料請求サービスを活用して事前に情報収集する
60坪の注文住宅を建てる際には、複数の工務店やハウスメーカーから相見積もりを取る必要があることは前述しました。
しかし、自分の足でいくつのも業者を回り資料を集めて回るのは、現実的ではありません。しかも大変な時間と労力が必要になります。
このような場合には一括資料請求サービスの利用がお勧めです。
そうすることで、時間と労力を大幅に節約しながら、より多くの資料を詰めることが可能になります。
まとめ
ここまで、60坪の家を注文住宅に建て替える方法について解説してきました。
建て替え前の解体費用の相場は180万円から240万円、仮住まいとそこへの引っ越しにかかる費用で約100万円程度、その他諸費用が必要になります。
また、全国の注文住宅の建坪、価格、坪単価の平均と、60坪の注文住宅を建てる場合の価格と坪単価の概算の表もご覧いただきました。
注文住宅の平均が40坪弱なので、60坪の建坪の注文住宅がいかに広いものであるかもお判りいただけたと思います。
60坪の注文住宅はかなり費用が掛かるので、必ず一括資料請求サービスを利用して複数の業者から相見積もりを取るようにしましょう。
同様に古い家の解体費用にもばらつきが出ることから、こちらも一括資料請求サービスを利用して納得のいく業者を選ぶことをお勧めします。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料