リフォーム・リノベーション

和室から洋室へのリフォーム:畳をフローリングに変える際の注意点

和室から洋室への畳リフォーム

新築で家を建てる際、和室を1部屋設けるケースは多いのですが、実際に使うことは、あまりないのではないでしょうか。それであれば、洋室にリフォームしてしまうと良いでしょう。使っていない部屋を有効活用できるからです。

ただし、和室を洋室にリフォームするにはいくつかのポイントや注意点があります。そこで、このページでは和室のリフォームをする際に知ってほしい情報をすべてまとめました。

畳からフローリングに変えるポイントはもちろんのこと、費用から壁紙の種類、施工事例まで紹介します。おそらく、あなたの役に立つ内容ばかりです。ここでお伝えしたことを考慮して、和室のリフォームを成功させましょう。

1.和室から洋室へのリフォーム費用の相場

和室から洋室へリフォームする費用は、規模にもよりますが、畳からフローリングにするのみの場合約20~30万円になります。そして、和室全部を洋室に変えるリフォーム(リノベーション)の場合、値段は100万円ほどになります。

しかしながら、内容や種類によって値段が変わるため、一概に和室から洋室にリフォームする値段を断定することはできません。そこで、以下では和室のリフォーム費用を事例別に紹介します。

おおよその費用がリフォームの種類によってわかれば、あなたが工事を行う際の参考になるはずです。

ただし、単価は都道府県や業者、グレードによっても変わってくるため、必ずここで紹介する金額になるわけではないことをご了承ください。

1-1.畳からフローリングへのリフォーム費用:20~30万円

畳からフローリングへのリフォーム

畳からフローリングに変えるリフォームを行う場合、20~30万円程度の費用が必要です。

また、和室のリフォームの中でも張り替える作業のみで済むため、手軽に行え、数日で終わるリフォームです。

ただし、畳だけをフローリングに変える場合壁や天井などはそのままになります。フローリングでも壁や天井が和室のままだと、気になる方もいらっしゃることでしょう。その場合、壁や天井もリフォームすることをおすすめします。

1-2.和室の押し入れをクローゼットに変える費用:20~30万円

和室押し入れリフォーム

出典:EIDAI

和室の押し入れをクローゼットにリフォームする場合、おおよその費用は20~30万円程度かかります。

和室の押し入れは、突っ張り棒などでハンガーをかけられるようにしたとしても、上下で仕切られているため、コートなどの丈が長い服などをかけられません。

そこで、クローゼットに変えることで収納性や使いやすさが増します。

服をハンガーでかけるのはもちろんのこと、中に収納ラックなどを取り付けても良いでしょう。また、扉を折れ戸タイプのものにすると、開いた際に戸が邪魔になりません。この扉の場合、クローゼットに物をしまう際の出し入れがとても楽です。

また、和室はそのまま使えるため、独自の雰囲気を楽しむことができます。収納スペースが充実すると、いろいろなものをしまうことができ、とても便利です。

押し入れをクローゼットに変えて、収納スペースを活用しましょう。

1-3.和室全体を洋室へリフォームする:80~110万円

和室から洋室にリフォーム

和室の壁や床、天井などすべてを洋室に変えるリフォームの場合、おおよそ80~110万円の費用がかかります。畳をフローリングに変えたり、壁紙の張替え、押し入れをクローゼットに改修したり、さまざまな工事を行うからです。

ただし、全体を工事する分費用は高くなりやすいです。また、和室の傷み具合などによっても値段は変化します。

したがって、必ず上記の値段でリフォームが行えるわけではないことを、あらかじめ理解しておきましょう。

和室をあまり使わない方の場合、洋室にリフォームしてしまうと実用性があります。使わない空間はもったいないため、思い切ってリフォームしてしまいましょう。

2.和室から洋室へのリフォームの注意点

和室を洋室にリフォームする場合、いくつかのポイントがあります。壁やフローリングといっても、さまざまな種類や特徴があるからです。そのため、それらを知った上でリフォームを行う必要があります。

また、和室を洋室にリフォームする際のポイントなども紹介します。これから和室を洋室に変えたい方は、必ず目を通しておいてください。

2-1.和室の壁のリフォーム

和室の壁をリフォームする場合、壁紙(クロス)の種類を決める必要があります。一言で壁紙といっても、いくつか種類があるため、あなたにあった特徴のクロスを選ぶようにしましょう。

中でもビニールクロスは、汚れに強く手入れがしやすい人気の壁紙になります。以下の画像がそのクロスです。

ビニールクロス

ビニールクロスは、水拭きで汚れを落とすことができます。そのため、メンテナンスが簡単なことが特徴です。小さなお子さんがいる家庭の場合、壁紙を汚してしまう可能性があります。

そのような場合でも、このクロスであればお手入れが簡単で気を使わなくてすみます。

あなたも特にこだわりがないのであれば、ビニールクロスでリフォームすると良いでしょう。なお、このクロスは値段もそこまで高くないため、コストパフォーマンスにも優れているのも人気の理由です。

2-1-1.クロス選びのポイント

壁紙を選ぶ際、色選びに注意しましょう。一時的な感情で好きな色にリフォームしてしまうと、後々後悔してしまう可能性があるからです。特に、柄物を選ぶ際は、気を付けるようにしてください。

壁紙リフォーム 柄

一見、おしゃれに見える柄物ですが、ごちゃごちゃしてしまうことがデメリットです。せっかくリフォームしたのにも関わらず、落ち着きのない部屋になっては元も子もありません。クロスを選ぶ際は、よく考えて決めましょう。

また、壁紙のリフォームに関しては、「壁紙・クロスの張り替えリフォームの6つのコツ:費用や失敗談」でさらに詳しく解説しているため、クロスを新しくしたい方はこちらにも目を通しておきましょう。

2-2.畳からフローリングへのリフォームの注意点

畳からフローリングへリフォームする場合、床材の種類に注意してください。フローリングには無垢(丸太から切り出した木材)と合板のものがあるからです。

同じフローリングでも床材によって特徴が異なるため、あらかじめどのようなものかを理解しておきましょう。

2-2-1.無垢フローリング(単層フローリング)

無垢フローリング

出典:無垢フローリング専門店KODAMA

無垢のフローリングは、丸太から切り出した天然の木材を使用するため、本物の木を使った匂いや雰囲気が魅力的です。以下がそのイメージ図になります。

無垢フローリング

木のぬくもりを楽しめ、暖かみのある雰囲気のフローリングになります。また、無垢フローリングは、木材が呼吸をしているので、湿度を調節してくれます。

したがって、湿度の多い夏であってもベタつかないため、サラサラとした肌触りのフローリングになるのです。

また、無垢のフローリングは表面が傷んだ場合でも、削れば表面を新しくすることができます。

ただし、無垢の材料は天然のものを使用するため、値段は比較的高くなります。高いものだと、一坪当たり3万円程度するため、予算のバランスに注意してください。

しかしながら、無垢フローリングは、使用する木材によって品質が大きく異なります。安く品質の悪いものだと、すぐにひび割れたり、反ってしまったりする可能性があるのです。

そのため、無垢フローリングにする際は、しっかりとした建材を選びましょう。

なお、天然素材は、木目や色柄にばらつきがあります。これが天然素材の良さですが、気になる方は控えることをおすすめします。

2-2-2.合板フローリングに張り替える際の注意点

合板フローリング

出典:ホームプロ

フローリングの材料に、合板フローリングというものがあります。これは、木質のボードに薄い仕上げ材を張り付けて一体化させたものです。以下が合板のイメージ図になります。

合板フローリング

合板の建材は、工場で加工された製品になるため、加工しやすいです。木材が反ることもほとんどありません。また、値段も安いのが特徴です。おおよそ、1坪あたり5,000円程度が目安になります。

床材に指定やこだわりがないのであれば、この建材を使用するのがおすすめです。合板フローリングは、価格もそこまで高くないため、多くのフローリングのリフォームに使われます。

ただし、表面のフローリングの仕上げ材によって品質が変わります。

中には、本物の木材と区別がつかないほど、完成度の高いシートを張り合わせる合板フローリングもあります。

これであれば、本物の木材そっくりのフローリングになるため、サンプルなどを見比べてあなた好みのものを選びましょう。また、合板フローリングの中でも、本物の木材を張り合わせたフローリングもあります。

一見、無垢のフローリングと変わりない質感や高級感があります。少しでもフローリングにこだわりたいのであれば、本物の木材の雰囲気を味わえる合板にしましょう。

2-3.襖(ふすま)引き戸にリフォームする

襖引き戸リフォーム

和室から洋室にリフォームする上で、襖も同時にドアにリフォームしましょう。洋室なのにもかかわらず、襖のままでは不自然だからです。

このとき、扉は引き戸にしましょう。襖も引き戸になるため、リフォームが行いやすいからです。

これにより、費用を抑えることも可能です。また、開いた扉が邪魔になったりぶつかったりすることがありません。

小さなお子さんがいる家庭は、子供が走り回る際にドアがあると大変危険です。家族の安全性や使いやすさを考慮しても、引き戸にリフォームしたほうがいいでしょう。

2-4.安全性やバリアフリーを考えたリフォーム

和室段差バリアフリーリフォーム

和室を洋室にする際、畳とフローリングとの段差をできるだけなくすようにしましょう。段差があるとつまずく可能性があるため、危険だからです。最悪の場合、ケガや骨折をする可能性があります。

高齢者の事故は、自宅の室内で起こるケースが多いです。そのため、お年寄りがいる家庭は、できるだけバリアフリーリフォームをするようにしてください。年齢を重ねると当たり前のことが難しくなってくるからです。

ただ、バリアフリーのリフォームを行うと段差をなくすため、その費用が高くなるデメリットがあります。

しかし、費用を軽減するために、段差がある状態のままにしておくと、日々の生活がしにくくとてもストレスになります。一緒に住む家族が幸せに暮らせるような仕様にしましょう。

3.マンションの和室から洋室のリフォーム

畳フローリングバリアフリー

和室から洋室にリフォームするうえで、戸建てとマンションでは注意するポイントが異なります。住宅とは違い、マンションは集合住宅であるため、制限や規約があるからです。この規約を、「マンション管理組合規約」といいます。

たとえば、マンションの規約に違反したリフォームを行った場合、後々トラブルの原因になる可能性があるのです。

そこでこの項では、マンションにおける和室を洋室にするリフォームのポイントを紹介します。

3-1.畳からフローリングに変える場合、防音性に注意する

和室から洋室にリフォームする場合、畳からフローリングに変える必要があります。このとき、防音性に注意してください。畳とは違い、フローリングは音を伝えやすいからです。

フローリングの種類を選ぶ際、ついつい色などばかりを気にしてしまうのではないでしょうか。

しかしながら、マンションの場合、下の階の人に振動が伝わると迷惑になってしまいます。トラブルの原因になる可能性あるため、極力音が伝わらないようにしなければいけません。

フローリング材を選ぶ際は、遮音性能(音をどのくらい遮断できるのかを表す数値)を気にするようしてください。

遮音性能とは、上の階から下の階へどの程度の音が聞こえるかどうかを示した数値になります。複数ある数値の中でもマンションの場合、LH(重量衝撃音)が問題になることが多いです。

そのため、実際にフローリング材を選ぶ際は、LHの数値に注意してください。なお、この遮音性能に関しては、マンションごと異なるため、管理組合規約を確認しましょう。

まとめ

和室から洋室にリフォームするポイントを紹介してきました。費用やポイントなどを理解できたのではないでしょうか。

畳をフローリングにする場合や、和室すべてを洋室にするリフォームによって注意点が異なります。そのため、リフォームを成功させるためにも、それぞれ適したポイントを押さえて工事を行うようにしてください。

ここで紹介したことを活用し、和室のリフォームを成功させましょう。

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