古民家をリノベーションして住むことが注目を集めています。昔ながらの和風住宅や思い出など、日本の伝統を未来に残していきたいと考える方が増えてきているからです。
日本の昔ならではの住宅に住み、それをこれからの将来に残していくのはとても魅力的です。
ただ、一般住宅のリフォームとは異なる点がいくつかあるため、それらを事前に把握する必要があります。理想の古民家を手に入れるには、ここでお伝えする内容を把握しておきましょう。
1.古民家リノベーションのメリット
古民家をリノベーションすると、いろいろなメリットがあります。古民家のリノベーションを検討している方は、以下でお伝えするメリットを参考にして、日本伝統の文化を未来に残すことの意味を再確認しましょう。
1-1.材料の強度に優れている
古民家の柱や梁には、数百年前の材料が使われています。というのも、使用されている樹齢100年以上の檜(ヒノキ)やケヤキなどの木材は、強度が非常に優れているからです。
一見、古い材料だと強度が心配な方も多いのではないでしょうか。実は、樹齢100年以上の檜の場合、木材として使われてから100年経過すると、強度が一番強くなるのです。そして、その後200~300年間の間、その強度は保たれます。
出典:木づかい.com
つまり、古いヒノキを使用しているからといって、強度を心配する必要はないのです。逆に、強度が高まるため、安心できます。
たとえば、京都や奈良などでは、古くからの形を現代でも保っているお寺があります。これらが今も昔の形のまま残っているのは、ヒノキなどの建材を使用しているからなのです。また、古民家に使用されている古い建材は、手に入れようと思っても入手は困難です。
このように、古民家に使われている古材(古い材料)は、価値が高くとても貴重なものになります。そのため、それらをそのまま活かしたリノベーションを行い、頑丈で古い味わいのある住宅にしましょう。
1-2.安全性が高い
近年使われている人工的な建材は、シックハウス症候群やアレルギーなど、人体に有害な影響を与える可能性があります。しかし、古民家に使われている古材は、それらの原因になる物質が含まれていません。つまり、安全性が高いのです。
お子さんがいる家庭は、安全性が気になるのではないでしょうか。お子さんが小さい場合は、特に心配です。
しかし、古い建材は人体に優しいため、このような不安がなくなります。安心して生活することができるのです。古民家をリノベーションして、家族の体に優しい環境で生活できる住まいづくりを目指しましょう。
1-3.資源の保護になり、日本の伝統を守れる
古民家をリノベーションするということは、資源の保護になります。昔の住宅や建材を再利用できるからです。昔からある日本の文化である古民家を未来に残していくことは、これからを生きる日本人の使命なのかもしれません。
資源を保護する目的に加えて、日本の文化を守ることができる古民家のリノベーションは、とても価値のあることなのではないでしょうか。
1-4.固定資産税を減税できる
固定資産税は、築年数に応じて減税額が決まります。つまり、築年数が100年などの古民家の場合、新築に比べて税金がお得になるのです。
したがって、古民家をリノベーションして、固定資産税を賢く節税しましょう。
ただし、古民家を増築するリフォームの場合には、注意しなければいけません。増築すると、評価が見直されるからです。そのため、固定資産税の値段が高くなってしまう可能性があります。
とはいえ、固定資産税は地域によって方針やルールが異なります。住んでいるエリアによっては、固定資産税の決め方が変わるかもしれません。これから古民家のリノベーションを検討している方は、あらかじめ確認しておきましょう。
1-5.昔ながらの日本住宅のデザイン
古民家をリノベーションすると、昔ながらの日本住宅のデザインを持った家で生活することができます。
これは、古民家をリノベーションして生活する最大の魅力ではないでしょうか。日本の歴史や、思い出を肌で感じれる古民家は、それでしか味わえない温かみがあります。
また、古民家はすべての住宅が異なる形状やデザインをしています。そのため、洋風住宅のようにデザインが同じ家が少ないのです。つまり、あなただけの特別な住宅で生活することができます。
内装やデザインにこだわり、あなただけの和風住宅で生活しましょう。
2.古民家リノベーションのデメリット
古民家をリノベーションすることによって、日本の伝統や文化を現代に活かすことができます。
しかし、古民家をリノベーションして生活するにあたって、いくつかのデメリットが存在します。古民家は古い設計であるため、現代の住宅のように機能性に優れていないからです。
では、どのようなデメリットがあるのかをお伝えしていきます。
2-1.普通の物件に比べて工事費用が高くなる
古民家は、古い構造の住宅になるため、リノベーション費用が高くなりやすいです。なぜなら、一般的な住宅とは仕様が異なるからです。古民家の場合、使う材料が数百年前の古材になったり、それを利用したりします。
一般住宅に使われる材料とは異なるため、施工費用が高くなってしまうのです。
もし、あなたが古民家のリノベーションを検討しているのであれば、一般的な住宅に比べて施工費用が高くなることを覚えておきましょう。
2-2.古い住宅のため耐震性に不安がある
先ほど説明したように、古材は強度が強いです。しかし、耐震性に優れているわけではないため、地震などの大きな揺れが心配になります。見えない部分に亀裂があったり、破損していたりする可能性が全くないわけではないからです。
したがって、古民家をリノベーションする場合、耐震診断を専門家に依頼すると安心できます。
2-3.断熱性が悪い
古民家は、断熱性が良くありません。天井が高かったり、風通しの良い設計だったりするからです。暖房の暖かい空気などが高い天井に逃げてしまいます。
そのため、なかなか暖房が効かないというケースがあるのです。
そうなると、必然的に暖房代などのコストも高くなってしまいます。したがって、古民家をリノベーションする際は断熱性を高める工事を行う必要があります。その分の費用がかかることを覚えておきましょう。
とはいえ、夏は風通しがよく涼しいというメリットがあります。冬と夏のそれぞれの温度による快適性のバランスを考えた上で、断熱性の工事を行いましょう。
そうすれば、理想的なリノベーションが行えるのではないでしょうか。
2-4.湿気に弱くメンテナンスが大変
古民家は天然素材の木材を使用しています。そのため、湿気に弱いという特徴があります。湿気があるとシロアリやカビの発生の原因になってしまうのです。
古民家の家で生活する際は、湿気対策を怠らないようにしましょう。このとき、24時間換気や乾燥機を設置すると、湿気対策ができます。
もし、これからリノベーションを検討しているのであれば、それらの設備を設けるのがおすすめです。
3.古民家リノベーションの費用や相場
先ほど述べたように、古民家のリノベーションは、費用が高くなりやすいといった特徴があります。
一般的な住宅に比べて仕様などが異なり、お金がかかりやすいからです。そのため、リノベーション費用は1,000~3,000万円になります。
ただし、リノベーションする古民家の状況によっても工事費用は変わってきます。また、デザインや仕様をどこまでこだわるのかによっても、値段は変化します。
つまり、リノベーション費用は住宅の状況やプランごとに異なるため、「一概にいくらかかる」とは言えません。
したがって、数千万円単位の費用がかかるということを把握しておきましょう。
4.古民家リノベーションがおすすめな人
古民家は、昔ならではの住宅をリノベーションします。古民家でしか得られないメリットがたくさんあるためです。では、どのような人に向いているのでしょうか。
実際に、古民家をリノベーションした方々の特徴を参考にして、向いている方の条件をまとめました。以下で紹介する項目に該当する方は、古民家のリノベーションが向いている人に当てはまるかもしれません。
4-1.レトロな雰囲気が好きな方
古民家はレトロな雰囲気あります。レトロな雰囲気が好きな方は、古民家に住むのも1つの方法です。
昔のおじいちゃんの家のような、懐かしい雰囲気を現代になっても楽しめます。夏に縁側に座って花火を見たり、庭でスイカ割りを行ったりすることは、現代の洋風住宅ではなかなか難しい体験です。
古民家をリノベーションして、あなたが小さいころに感じていた思い出や雰囲気をお子さんたちにも味合わせてあげましょう。
4-2.歴史や伝統的文化が好きな方
古民家は、日本の歴史や伝統文化そのものです。日本古き良き伝統が好きな方は、古民家をリノベーションして、生活してみてはいかがでしょうか。それを味わいながら暮らせるのはとても幸せなことです。
昔ならではの生活を家族と楽しむために、日本の伝統文化である古民家で生活してみてはいかがでしょうか。
4-3.古民家で店舗を考えている
古民家のリノベーションを検討している方の中で、店舗運営を考えている方は多く見受けられます。特に、和風のレストランなど、日本の住宅のイメージが店舗にピッタリな場合、古民家で店舗運営がおすすめです。
古民家でしか得られない雰囲気やイメージは、あなたのビジネスを成功させてくれるに違いありません。
古民家で店舗運営を考えている方は、リノベーションを行って日本住宅を活かしたお店を開店させましょう。
4-4.お金や時間に余裕がある方
前述のように、古民家のリノベーションには一般住宅よりも費用がかかります。また、打ち合わせなどの時間も多く必要になります。そのため、お金や時間に余裕のある方におすすめな住宅です。
予算に余裕が無かったり、時間に余裕がなかったりすると、納得のいく古民家のリノベーションにならない可能性があります。もし、あなたが古民家に興味があるのであれば、リノベーションによって理想の住宅で暮らしてみてはいかがでしょうか。
5.古民家の物件の探し方とポイント
古民家に住みたいと思っても、どの物件にすればいいのか決まっていない方は、これから述べるポイントを抑えながら良い物件を探しましょう。
古民家は、一般的な住宅とは異なるため、じっくり優良な物件を探し出す必要があります。
では、具体的にどのような方法で古民家を探せばよいのでしょうか。
5-1.その地域に住んでから物件を探す
古民家を探す際、住みたい希望の地域で生活してみてから、古民家の物件を探すようにしましょう。そこの土地勘もなく、住み心地もわからないまま、古民家の物件を探すのは難しいからです。
たとえば、東京都に在住の方が「静岡県の伊豆の物件を探したい」と思っても、全く情報もわからなければ、どのような物件がその地域にあるのかもわかりません。
ましてや、住宅は一生に一度の買い物になるため、納得のいく物件を探したいものです。
そのため、初めから伊豆の物件を探すのではなく、まずは伊豆に住んでみてから、ゆっくりと物件を見つけることをおすすめします。そうすれば、理想の条件や物件を見つけ出すことができるのです。
5-2.物件を探す方法
どこに住みたいのかを決めていない方は、ネットで探すのも1つの方法です。全国の古民家の情報を取り扱っているサイトがあるため、そこで良い物件を見つけてから実際に見学するのがおすすめになります。
以下が古民家の物件を取り扱っている専用のサイトになります。
また、地元の不動産業者に問い合わせてみても良いです。地元の不動産業者でしか知らない情報を得られるかもしれません。
6.古民家を探す際のポイント
先ほど述べたように、古民家は一般的な住宅とは構造が異なります。物件を探す際は、状態などに注意して選ぶ必要があるのです。
また、古民家は当然ながら古い物件が多いため、劣化の状態によっても補修する工事費用が変わってきます。
つまり、状態の良い物件のほうが直す箇所が少ないです。そのため、その分の費用を抑えられます。
一時的な感情で古民家を探すのではなく、ポイントを抑えた上で理想の物件を探し出すようにしましょう。
6-1.家の基礎の土台を確認する
古民家は、土を固めたところに石を置いて柱を立てています。そのため、コンクリートの基礎に比べて、傾いたり沈下したりしやすいです。
上の建物が丈夫でも、土台が沈んでしまえば元も子もありません。
もし、傾いてしまったり沈んでしまったりした場合、建物の内装はもちろんのこと、柱や梁などを解体した後に、コンクリートの基礎を造る必要があります。
この場合、高額な費用がかかってしまう可能性があります。そのため、建物の基礎である土台の状態を必ず確認してください。そうすることで、余計な費用をかけずに安心して暮らせる住宅を手に入れられます。
6-2.雨漏りがしていないか
古民家の物件を探す際は、雨漏りがないかどうか必ず確認しましょう。
古民家は天然の木材を使用しているため、湿気によって腐ってしまったり、シロアリの原因になってしまったりするからです。
住宅の構造上、重要な柱や梁などにカビが発生してしまう可能性は十分に考えられます。古民家をリノベーションするのであれば、そのような物件はできるだけ避けましょう。
6-3.柱や梁がしっかりしているか
柱や梁がしっかりしているものを選びましょう。この部分の状態が良いと家が長持ちするからです。
古民家をリノベーションするということは、内装の壁などはそこまで重要ではありません。工事によって新しくできるからです。
したがって、柱や梁などの建物自体がしっかりしていれば、内装は多少傷んでいても問題ありません。
そのため、物件を選ぶ際は、柱や梁などの状態を必ず確認してください。また、物件の状態を見る際は、屋根裏などの部分も必ず確かめましょう。
見えない箇所だからこそ、念入りに確認しておく必要があります。
7.リノベーションをする施工会社の探し方
ここまで述べてきたように、古民家は一般的な住宅とは構造や材料が異なります。そのため、リノベーションする業者が重要になります。施工業者の技術やプランニングが求められるのです。
そこで、古民家のリノベーションを依頼する施工会社の探し方のポイントをお伝えしていきます。
7-1.実績のある工務店に工事を依頼する
以上でも述べたように、古民家のリノベーションは、一般的な住宅とは条件が異なります。使う材料や構造が特殊だからです。
そのため、過去に古民家を工事したことのある、実績のある工務店に依頼すると良いでしょう。
そのような工務店であれば、安心して工事を任せられます。また、これまでの経験を活かしたプランニングが可能になります。あなたの住宅をより良いものにするために、実績のある工務店に工事を依頼しましょう。
7-2.大手に依頼すると費用が高くなる
古民家の工事を依頼する際、なるべく地域の工務店に工事を依頼しましょう。大手ハウスメーカーの場合、仲介手数料を取り、利益を確定した上で下請け業者に工事を委託するからです。
このときの手数料は、30~40%にもおよぶため、実際の工事とは関係のないお金を大手ハウスメーカーに支払うことになります。
たとえば、リノベーションの費用が1,000万円だと仮定すると、仲介手数料は以下のような計算になります。
1,000万円(支払う金額) × 0.4(仲介手数料の割合) = 400万円(仲介手数料の金額)
ようするに、施工業者に1,000万円支払ったとしても工事費使われる金額は、手数料400万円を差し引いた600万円になるのです。
古民家の場合、一般的な住宅のリノベーションに比べて工事が高額になりやすいです。そのため、地域の工務店に工事を依頼して、無駄な費用を抑える必要があります。
まとめ
古民家をリノベーションすることで、日本ならではの住宅の特徴を活かした住まいづくりが可能になります。また、日本文化を次の世代に伝えたり、残せたりするといった素晴らしい役割もあります。
しかしながら、一般的な住宅とは構造や材料が異なるため、それを踏まえた上で施工しなければいけません。また、物件の選び方についても古民家ならではの特徴があります。
ここでお伝えした内容をもとに、あなただけの理想の古民家を手に入れましょう。
リフォームは、300万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。