二世帯住宅

二世帯住宅での失敗例・後悔と失敗しないためのポイント

親世帯と子世帯とが一緒の住宅に住む二世帯住宅は、「すぐ身近に頼れる親族がいる」「世帯ごとに家を分けるよりも安く建てられる」などで人気があります。

しかし、実際に二世帯住宅を建てた方の中には、「二世帯住宅で失敗したと感じる方」もいらっしゃいます。

そのため、二世帯住宅を計画中であれば、あらかじめ二世帯住宅での失敗例・後悔を知り、事前に回避することが重要です。

こちらのページでは、二世帯住宅での失敗例・後悔と失敗しないためのポイントについてご紹介します。

二世帯住宅での設計・プランニングについての失敗例・後悔

二世帯住宅での設計・プランニングについての失敗例・後悔は、子世帯と親世帯とでいくつか意見が異なります。

そこで、まずは二世帯住宅での設計・プランニングの失敗例・後悔について、それぞれの世帯別に確認しておきましょう。

子世帯が話す二世帯住宅での設計・プランニングの失敗例・後悔

子世帯が話す二世帯住宅での設計・プランニングの失敗例・後悔として、以下のものがあります。

収納スペースが全然足りなかった

二世帯住宅を建てたが、それぞれの世帯の収納スペースが全然足りなかった。

そのため、「二世帯分を考えて、多めに収納スペースを設けるべきだった」と後悔した。

二世帯住宅を建てて住む場合、親世帯と子世帯とで収納スペースを多めに用意するように、間取りを計画しましょう。

また、できるだけ収納スペースに余裕を持つため、ウォークインクローゼットなどの大きめの収納スペースを設置することも検討してみましょう。

親世帯のリビング付近に共有の浴室を作って後悔

二世帯住宅を建てる際、親世帯が過ごすリビングの付近に共有の浴室を設置した。

その結果、夜や朝に浴室を気軽に利用できなくて後悔している。

親世帯が過ごすリビングの近くに共有の浴室を設けると、リビングにいる親世帯の方に配慮しなければならなくなります。

こうした事態を避けるには、「浴室を世帯ごとに分ける」「リビングから遠くて音が気にならない位置に浴室を設ける」などの工夫をすると良いでしょう。

子世帯側から鍵をかけられるようにするべきだった

二世帯住宅を建てる際に、子世帯と親世帯との間を扉一枚で仕切り、その扉を出入りするだけで親世帯のスペースに行けるような設計にした。

しかし、「子世帯側から鍵をかけられるようにすれば良かった」と建築後に感じて後悔している。

扉一枚開けるだけで親世帯のスペースに入れるような設計ですと、親世帯の方に何かあったときにすぐ駆け付けられるのがメリットです。

ただ、親世帯の方が子世帯のスペースに度々来るようになってしまうと、それがストレスの原因になってしまうこともあります。

こうした事態を避けるためには、二世帯住宅の計画しているとき、親世帯の方に「セキュリティを高めるために、内鍵を付けた方が良い」と提案してみるのが良いでしょう。

親世帯が話す二世帯住宅での設計・プランニングの失敗例・後悔

一方、親世帯が話す二世帯住宅での設計・プランニングの失敗例・後悔として、以下のものがあります。

バリアフリーを考えた設計にするべきだった

二世帯住宅を建てる際、バリアフリーのことを考えていなくて、そのまま住宅を建ててしまった。

高齢になったときのことを考え、バリアフリーを考えた設計にするべきだったと後悔している。

住み始めたときは元気でも、高齢に近づくごとにどうしても足腰が弱ってしまい、階段などの段差がつらくなってくるものです。

高齢になったときのことを踏まえ、「玄関やトイレに手すりを付ける」など、バリアフリーを意識した二世帯住宅にすれば、高齢になってからも快適に過ごしやすくなります。

出典:光建設

住む階を分けず、縦割りにするべきだった

二世帯住宅を建築する際、親世帯が住むスペースを1階にし、子世帯が住むスペースを2階に分けた。

その結果、親世帯が住む1階は冬の寒さがつらく、子世帯が住む2階は夏場が暑いことに気づいた。

1階と2階とで住む世帯を分けるのではなく、縦割りにしてそれぞれの世帯で1階と2階で過ごせるようにするべきだった。

住宅内の1階と2階とでは、冬場と夏場とでどうしても気温の差ができやすくなってしまいます。

二世帯住宅を縦割りに設計し、それぞれの世帯で1階と2階で暮らせるようにすれば、冬場と夏場を過ごしやすくなるのでおすすめの方法です。

共有スペースについての二世帯住宅での失敗例・後悔

次に、共有スペースについての二世帯住宅での失敗例・後悔をご紹介します。

共有スペースについての二世帯住宅での失敗例・後悔をチェックし、共有スペースを決めてから後悔することがないようにしておきましょう。

玄関を共有スペースにした場合での失敗例・後悔

出典:ホームプロ

玄関を共有にしたところ、親世帯と子世帯の靴で、玄関があふれかえるようになってしまった。

また、親世帯が帰ってきたときにように配慮する必要があって後悔している。

玄関を共有スペースにすると、それぞれの世帯の靴で玄関がいっぱいになりやすいです。さらに、親世帯の方が返ってきたときに出迎えなければならないケースもあり得ます。

これらの事態を避けるためには、やはり玄関を世帯別に分けた方が良いと言えるでしょう。

浴室を共有スペースにした場合での失敗例・後悔

浴室を共有スペースにしたが、時間帯によっては、浴室が混雑してしまうことに気づいた。

また、祖父の後にお風呂に入るのを娘が嫌がっていて、仕方なくお風呂のお湯を入れ直さなければならなくなった。

浴室が共有スペースになっていた場合、浴室が空くまで順番待ちをすることが多くなります。

また、子供・孫によっては、「親・祖父母の後にお風呂に入りたくない」と言い、お湯を入れ替えなければならないケースもあるでしょう。

これらの問題を予防する方法として、「親世帯と子世帯とで浴室を分ける」「浴室とは別に、シャワールームを設ける」などの工夫を検討してみてはいかがでしょうか。

トイレを共有スペースにした場合での失敗例・後悔

トイレを共有スペースにしたら、朝の忙しい時間にトイレ渋滞が起こってしまってストレスに感じる。

親世帯がトイレを使う際、ドアを開けたままにすることに家を建てた後で気づいた。このことに慣れず、「トイレを共有スペースにしなければ良かった」と後悔している。

家族の人数が多い場合、それに合わせてトイレの設置数を多くしないと、トイレ渋滞が起こりやすくなってしまいます。

また、トイレの使い方は人それぞれであり、身内に予想外の使い方をする方がいるかもしれません。

これらの事態を回避するには、トイレを共有スペースにはせず、少なくとも各世帯に一基ずつトイレを設けた方が良いでしょう。

洗面所を共有スペースにした場合での失敗例・後悔

出典:アキュラホーム

洗面所を共有スペースにしたところ、親世帯と子世帯とで合わせた人数が多く、洗面所1つでは足りなかった。

また、洗面所と脱衣所が一体であり、親世帯の誰かが浴室を使っているときに、歯磨きなどで洗面所を使いづらいのも悩みになっている。

洗面所を共有スペースにしていて、洗面所と脱衣所が一体になっていると、親世帯が浴室を使っているときに気軽に入りにくくなってしまいます。

洗面所をできるだけ使いやすくするためにも、できれば世帯ごとに洗面所を分けて設けるのがおすすめです。

リビング・キッチンを共有スペースにした場合での失敗例・後悔

リビングを共有スペースにしたが、親世帯と子世帯とでインテリアの好みが合わず、置いているインテリアがちぐはぐになっている。

また、共有のリビングであることで、自分の友達を呼びにくくて気を使う。

親世帯が荷物を片付けずに散らかすことが多く、共用のリビングが散らかりやすくてストレスに感じてしまう。

リビングが共有スペースになっていると、インテリアの好みの違いで落ち着かない空間になってしまったり、お互いに友達を呼びにくくなったりしてしまいます。

また、親世帯・子世帯の中に、片付けが苦手な方がいる場合、共用のリビングが散らかりやすくなるのも難点です。

これらの問題を解消するには、やはりリビングを世帯ごとに分けて設置した方が良いでしょう。

その他の共有スペースに関する失敗例・後悔

共有の駐車場が縦列で車を停める駐車場になっている。

そのため、車で外出するときに、自分の車より外側にある家族の車をどかしてもらわなければならないのが面倒。

縦に車を停める駐車場ですと、どうしても車の出入りが面倒になってしまいます。

住宅の形を変えるなどして、車を横に並べて駐車できる駐車場を設計・設置した方が良いでしょう。

出典:株式会社スエヒロ建工

ライフスタイルについての二世帯住宅での失敗例・後悔

ライフスタイルについての二世帯住宅での失敗例・後悔にも、それぞれの世帯ごとに異なる意見があります。

また、生活音や設備における二世帯住宅での失敗例・後悔の声もあるため、それぞれ順番に確認しておきましょう。

子世帯が話すライフスタイルでの二世帯住宅の失敗例・後悔

親世帯が朝早起きであり、週末や休日などで遅くまでゆっくり休みたくても休めないのが困る。

生活時間だけにとどまらず、食べ物の種類や味付けの好みにも違いがあり、それもストレスの原因の1つになっている。

子供を朝早く保育園に送るため、夜は子供を早めにお風呂に入らせて寝かせたいが、親が長風呂をするのがつらい。

子世帯の方であると、自分のお子さんの世話や普段の仕事によって、親世帯の方と生活スタイルに違いが出て、それがストレスになるケースが多いようです。

これらの問題を起こらないようにするには、完全分離型の二世帯住宅を検討してみるのも1つの対処法になります。

親世帯が話すライフスタイルでの二世帯住宅の失敗例・後悔

子世帯に孫ができたが、それによって夕食やお風呂の時間が以前より早めになった。

そして、子世帯が孫をお風呂に入れてからでないとお風呂に入れないことをやや不便に関している。

子世帯が友達を呼ぶことが多く、パーティーなどをしているときに声がうるさくて困る。

親世帯の方の場合、子世帯に子供(孫)ができたときのライフスタイルの変化によって、不便に感じることが出てきてしまうケースがあります。

また、子世帯に友達を家に招く機会が多い方がいた場合、防音性を高めておかないと、声や音が、親世帯が住むスペースに届くこともあるので注意が必要です。

これらの問題を回避するには、完全分離型の二世帯住宅にしたうえで、親世帯と子世帯との間の防音性を高めるのが良いでしょう。

生活音についての二世帯住宅での失敗例・後悔

子世帯の子供(孫)の足音が、下の階に住む親世帯のスペースにまで響いてしまう。

親が高齢になって耳が悪くなったためか、親世帯のスペースから聞こえるテレビやラジオの音がうるさくなってきてつらい。

子世帯の居住スペースから聞こえる子供の足音や、親世帯の居住スペースから聞こえる大音量のテレビやラジオの音など、生活音に関するトラブルも多いようです。

「完全分離型の二世帯住宅を計画し、親世帯のスペースと子世帯のスペースとの間の防音性を高める」などの工夫をすれば、これらの問題を解消できるでしょう。

プライバシーについての二世帯住宅での失敗例・後悔

玄関と郵便受けが共用のため、自分の郵便物を代わりに受け取ってもらった際に見られそうで気になってしまう。

完全分離型の二世帯住宅だが、扉一枚開けるだけで、それぞれの世帯のスペースを出入りできるようにしていた。

そのため、「いつこちらに入ってくるか」が気になって落ち着かない。

二世帯住宅であると、自分の郵便物を見られたり、こちらのスペースに入ってきたりするなど、プライバシーに関する問題が起こることもあります。

これらの問題を解消するには、完全分離型な二世帯住宅にしたうえで、「各世帯が住むスペース同士の間に鍵を付け、気軽に出入りするのは控える」といった工夫を検討すると良いでしょう。

設備についての失敗例・後悔

キッチンを共用にしたところ、親世帯と子世帯とでキッチンの使い方が違い、器具の置き場所や料理の段取りなどで体がぶつかることが多い。

洗濯機を共用にしたら、洗濯物が多すぎてすぐに洗濯機が故障しそう

浴室を共用にしたところ、親世帯と子世帯とで使い方が違っていたためか、浴室が汚れやすいのがつらい。

キッチンや洗濯機などの設備を共用にすると、使い勝手の違いなどでストレスを感じてしまう方は多いようです。

これらのトラブルを回避しつつ、二世帯住宅を建てて住むためには、やはりそれぞれの世帯ごとで設備を分けるのが良いでしょう。

二世帯住宅で失敗しないためのポイント

二世帯住宅で失敗しないポイントとして、以下の3つがあげられます。

  • 世帯ごとに業者との打ち合わせをする機会を設定する
  • 共用スペースの使い方・生活費のルールを決めておく
  • 世帯同士で適度な距離を維持する

これらのポイントについても1つずつチェックし、二世帯住宅を建てて住み始めてから後悔することがないようにしておきましょう。

世帯ごとに業者との打ち合わせをする機会を設定する

親世帯と子世帯とが同じ室内で二世帯住宅の打ち合わせをする場合、嫁入り(婿入り)する子世帯のパートナーは、親世帯の方の前で自分の意見が言いにくく感じてしまいます。

親世帯と子世帯がそれぞれ自分の意見を自由に言えて、お互いに「本当はこういう希望をかなえたかった」と後悔しないためにも、それぞれの世帯が別々に打ち合わせをする機会を設けましょう。

そして、二世帯住宅に住む方全員で、それぞれ自分の希望を担当の業者に伝え、納得できる二世帯住宅を計画していきましょう。

共用スペースの使い方・生活費のルールを決めておく

共用スペースは使い勝手の違いなどにより、どうしてもトラブルが起こりやすくなってしまう部分です。

そのため、共用スペースを設置する際には、それぞれの「使い方の希望」を話したうえで、お互いにルールを決めて使うようにしましょう。

世帯同士で適度な距離を維持する

親世帯と子世帯とが身近にいられるのは二世帯住宅のメリットの1つです。

しかし、お互いに干渉することが多くなると、それがストレスや県下の原因になってしまうこともあります。

そのため、二世帯住宅を建てて住む場合、あいさつを交わすことはあっても、お互いに深くは干渉せず、一定の距離を保つようにしましょう。

そして、お互いに何か助けてもらったときには、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えるなど、世帯同士で気持ちよく暮らしていける雰囲気作りも大切です。

まとめ

二世帯住宅を計画する際には、「親世帯と子世帯との生活スタイルの違い」などを考慮しつつ、できるだけ共用スペースになる部分を少なくした方が良いでしょう。

また、親世帯と子世帯との共用スペースを設ける際には、二世帯住宅を計画する際にしっかりと話し合ってルールを決め、トラブルが起こらないようにしておくのが大切です。

こちらでお伝えした内容をぜひ参考にしていただき、二世帯住宅での失敗・後悔をしないように、注文住宅の建築計画を立てていきましょう。

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