住宅の基礎知識

地鎮祭・上棟式のご祝儀、お礼は必要?式次第のお礼の動作やマナー

地鎮祭お礼マナー

地鎮祭は、地の氏神に建設地の利用許可を願い、合わせて工事の安全と家の繁栄を祈願する祭祀(さいし)です。

祈願は、主催者(施主あるいは施工会社)が中心ですが、施主や施工会社の関係者(親戚あるいは下請け会社)が招かれて参加する場合もあります。

なお、地鎮祭などの祭祀は、独特な祝詞(のりと)や所作(しょさ)で行われ、これを担う(になう)のが、神職(神主)になります。

地鎮祭の主催者側が配慮しなければならないお礼には、神職に対するものと、地鎮祭に参加していただいた関係者に対するものとがあります。

以下から、地鎮祭に際してのお礼、そして参加する場合の所作やマナーついて紹介していきます。

地鎮祭・上棟式のご祝儀、お礼は必要か?

地鎮祭祝儀

出典:ご贈答時のマナー

地鎮祭におけるご祝儀は、参加者に対するお礼です。個人の地鎮祭で、参加者が施主と施工会社の営業担当者あるいは現場管理者だけの場合は、ご祝儀やお礼はなくてもかまいません。工事の安全を祈願する当事者同士が、お礼しあう必要はないのです。

しかし、地域や規模によっては、知人や近隣の人、あるいは工事の下請け業者が参加する場合もあります。

このような場合は、時間を割いて参加していただいたことに対するお礼は必要でしょう。

その場合、ご祝儀あるいはお礼としてお金を渡すのも良いのですが、菓子折りをお渡しするのも良いでしょう。

またその際には、菓子折りを入れれる紙袋も用意しておくことをお勧めします。

神社への初穂料(玉串料):ご祝儀の相場

地鎮祭玉串料初穂料

出典:https://home-kensetu.com/kiso/hatuho.html

地鎮祭を執り行ってくれる神職に対するお礼のお金(謝礼金)を、初穂料(はつほりょう)あるいは玉串料(たまぐしりょう)といいます。なお、この謝礼金は祝儀袋に入れますが、お祝い金ではなく、あくまでもお礼のお金です。

地鎮祭の謝礼金相場は、個人住宅の場合で、3〜5万円ほどです。

ただし、神社によっては、前もって金額を決めているところもあるため、事前に確認しておくといいでしょう。

会社が行う規模の大きい地鎮祭の場合も、規模によって様々ありますので、事前に神社に相談しておくことを勧めます。

お車代が必要な場合はいくら?

地鎮祭お車代

これは、神主の地鎮祭を行う場所までの交通費です。一般的には、地域の神社にお願いしますから、5,000円前後、少し遠い場合でも10,000円ほどが相場です。

お車代は、上で述べた謝礼金とは別に用意します。お車代を入れる袋は、祝儀袋でも無地の封筒でもかまいません。上の写真のような仰々しくない袋の方がお勧めです。

工事関係者や職人さんへのご祝儀やお礼の相場

個人住宅で、施主と施工者だけの地鎮祭では「ご祝儀やお礼は必要ない」と述べました。

そして、直接の関係者以外の人が参加する場合は、何らかのお礼が必要だともお伝えしました。

では、施主や施工者以外の方が参加する時のご祝儀やお礼の金額の相場はどれくらいなのでしょうか。紹介していきます。

なお、以下の内容は上棟式にも共通となります。

現場管理者、設計事務所

本来、現場管理者は施主同様に、工事の安全を祈願する中心の立場ですから、ご祝儀やお礼は必要ありません。

しかし、他の参加者に渡す場合に現場管理者を無視する訳にはいないでしょう。ですから、渡す場合は、「これからの工事をお願いします」、と言う意味になります。

その場合、現場責任者(監督)や設計事務所には、5千円〜1万円ほど、現場担当者には、3千円〜5千円ほどが相場です。

大工棟梁等

色々な建材や部材が工業化されてきているとは言え、やはり住宅の基本工事は大工さんが中心です。

その大工さんの棟梁(とうりょう)には、5千円〜1万円、その他の大工さんには、3千円〜5千円ほどが相場です。

その他職人

大工さん以外の職人には、3千円〜5千円が相場です。

地鎮祭のお礼のやり方やマナー

地鎮祭に招待されるのは、親しい人や仕事で尊重されている取引先、あるいはこれからお付き合いを願ったものですから、喜ばしいことでしょう。

しかし、地鎮祭に初めて参加する人にとっては、どのよう所作(動作)や作法(マナー)が必要なのか分からないこともあります。

つぎからは、地鎮祭の進行内容に合わせて、参加者の所作とマナーについて紹介していきます。

地鎮祭の式次第:儀式の内容や流れ、所作

地鎮祭流れ

出典:https://www.shinmeisya.or.jp/gaisai/jj_siki01.html

上の式次第(しきしだい)は、地鎮祭式次第の1例です。神社や地域、そして規模によって、多少異なります。

しかしその内容は、ほぼ同様の内容です。そのため、上の式次第に合わせて説明していきます。また、個人住宅の地鎮祭で規模が小さい場合には式次第がない場合もありますが、同様の内容で進行されます。

それでは、地鎮祭の式次第項目と内容を順を追って説明していきましょう。

1.開式之辞

進行係が式の開始を告げます。

2.修祓(しゅばつ)

神をお招きする前に心身の穢(けがれ)を祓(はらう)うことです。一同が起立して、お祓いが終わるまで低頭(頭を下げる事)します。その後、着席します。

3.降神の儀(こうしんのぎ)

祭壇に神をお招きすることで、一同、起立します。また、神職が降神の際に声を発しますので、合わせて低頭します。その後、着席します。

4.献饌(けんせん)

神にお供えすることです。着席のままでかまいません。

5.祝詞奏上(のりとそうじょう)

神に工事の安全を願い、祝詞を奏上します。一同起立して、祝詞奏上中は低頭します。その後、着席です。

6.切麻散米(きりぬささんまい)

建築する土地を祓い清め、工事関係者に災いが生じないよう、また式が無事に終了することを願うものです。

7.鍬入之儀(くわいれのぎ)

土を掘り起こし、起工の一歩を印します。

8.玉串奉奠(たまぐしほうてん)

建設地の永遠の安定と、施主と工事関係者の守護を願うものです。神職が順に奉奠者を読み上げますので、それに従って、玉串を奉奠します。

9.撤饌(てっせん)

祭壇からお供物をさげる儀式です。献饌で蓋を開けたお供物は蓋を閉じます。着席のまま進行します。

10.昇神之儀(しょうしんのぎ)

祭壇から神がお帰りになる儀式です。一同起立して、低頭します。

11.閉式之辞

進行係が式の終了を告げます。また、直会がある場合は、その案内や誘導を行います。

12.直会(なおらい)

神にお供えした御神酒(おみき)や神饌(しんせん)を食する会です。

本来は、地鎮祭を行った場所で行いますが、規模が大きい場合は場所を変えて行う場合もあります。

なお近年では、車の運転に配慮して省略されるケースが増えています。

上の式次第において、切麻散米や鍬入之儀は、清祓(きよはらい)いや地鎮之儀(じちんのぎ)と表わしている場合もありますが、その内容は同じものです。

鍬入れ(くわいれ)の儀と玉串奉奠(たまぐしほうてん)

上で説明した各儀式のうち、地鎮祭特有の鍬入之儀や、祭祀に共通の玉串奉奠の所作(動作)とマナーについて詳しく説明しておきます。

鍬入之儀(くわいれのぎ)

地鎮祭鍬入れ

出典:http://d.hatena.ne.jp/nisinojinnjya/20150811

この儀式には、忌鎌(いみかま)、忌鍬(いみくわ)、忌鋤(いみすき)の用具を用います。「鎌で草を刈り」「鍬で土を掘り」「鋤で土を均す」を象徴的に表わしたもので、神に着工の報告をするためのものです。

この図は、斎砂(いみすな)を忌鍬(いみくわ)を入れているところです。

鍬入れ道具

出典:https://www.uedakanamono.co.jp/show.php?no=30353

左から、忌鎌(いみかま)、忌鋤(いみすき)、忌鍬(いみくわ)となります。

神職より忌鎌を受けた設計者または施主は、神前に一礼し、斎砂(いみすな)の前で草刈りの所作を3回行います。終わったら、神前に一礼し、忌鎌を神職のお返しし、自席に戻ります。

神職より忌鍬を受けた施主または施工者は、神前に一礼し、斎砂の前で地を穿(うが)つ所作を3回行い、斎砂を崩します。終わったら、神前に一礼し、自席に戻ります。

神職より忌鋤を受けた施工者は、神前に一礼し、斎砂の前で地を均す(斎砂を崩す)所作を3回行います。終わったら、神前に一礼し、自席に戻ります。

玉串奉奠(たまぐしほうてん)

玉串奉奠

出典:https://www.kufs.ac.jp/news/detail.html?id=Xj2YlgYP

玉串奉奠は、祭祀に共通のもので玉串に自身の心を込めて、神に捧げるものです。地鎮祭の場合は、地の安定と施主・施工者の工事安全祈願の心を込めます。

この玉串奉奠の所作には、作法(マナー)がありますので以下を参考にしてください。

玉串奉奠マナー

出典:https://ameblo.jp/1965-1130/entry-12345629957.html

なお、玉串奉奠で、上司などの代表者が玉串奉奠をする場合は、同席している関係者も代表者に合わせて、二礼・二拍手・一礼の所作を行います。

まとめ

地鎮祭のお礼には、神職に対するもの、そして参列していただいた方々に対するものがあります。

なお、これらのお礼をお渡しする際には、方法とマナーがありますので注意してください。

また、地鎮祭の参加者が神前で行う所作には、独特の作法(マナー)があります。とくに、鍬入之儀や玉串奉奠では、決まりごとがあります。

事前に、それらの所作やマナーを知って、神様や招待していただいた方に失礼のないようにしましょう。

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