平屋建ては、家族のコミュニケーションが取りやすい、家事動線が少なくて済む、老後の生活を考えると安全、などの理由で最近人気です。
2階建てではなくあえて平屋を建てる方は多く見られます。
ただ、建て替える場合どのような費用がかかるのか気になりますよね。建設費用以外にも解体費用や引っ越し費用などがかかるので、どのくらい必要なのか知りたいですよね。
今回は、そのように人気が高まっている平屋の建て替えをするにあたって必要な費用やハウスメーカーの選び方などを紹介します。
平屋の建て替えを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!
平屋の建て替えにかかる費用
平屋の建て替えには、建設費だけではなく色々な費用が出て来ます。
頭金を用意したと思っていたら、実は足りなかったということにもなりかねません。建設費以外にどのような費用が発生するのかを確認して予算を立てましょう。
解体費用:1坪約3~4万円
構造 | 坪単価 |
木造住宅 | 3~4万円 |
鉄骨造 | 4~5万円 |
鉄筋コンクリート造 | 6~7万円 |
解体にかかる費用は一般的に坪単位の値段が提示されます。しかし、解体費用は、単純に住宅の坪数かける坪単位の値段ではありません。
例えば、同じ20坪の家でも、平屋で20坪と2階建てで20坪では解体費用が全く異なるので注意が必要です。
同じ30坪でも、2階建ての場合は15坪が上下に重なった状態ですよね?つまり敷地は平屋の半分です。
そのため、屋根の大きさと基礎部分も半分になる点が違います。屋根や基礎部分の解体が壁などの解体より費用が大きくなるのです。
反面、平屋建ては建物の高さが低く、小型重機で解体できるため予算を抑えられるかもしれません。
電線が上空にあっても影響しないため安く解体工事ができる可能性があります。
また、建物の種類によっても値段が変わります。木造、鉄骨、鉄筋の順で高額です。
その他、本体の住居以外に、ブロック塀や浄化槽、庭石、カーポートなどは別途で計算されます。
解体を頼む場合はどのくらいになるのかを数社の解体事業者に見積もってもらいましょう。
目安としては20坪で80万円〜120万円、30坪で120万円〜150万円です。
もし解体する家がかなり老朽化している場合、特に古民家に当たるなら空き家対策特別措置法が施行された影響で補助金制度も増えています。
建物のある自治体に問い合わせてみましょう。もしかしたら数十万円の補助金が出るかもしれません。
引っ越し費用
家族 2人 | 家族 3人 | 家族 4人 | 家族 5人以上 | |
---|---|---|---|---|
~15km未満 (市区町村内) |
平均80,527円 | 平均93,593円 | 平均116,398円 | 平均138,115円 |
~50km未満 (都道府県内) |
平均81,822円 | 平均103,078円 | 平均114,283円 | 平均122,071円 |
~200km未満 (同一地方内) |
平均105,918円 | 平均138,112円 | 平均151,298円 | 平均120,111円 |
~500km未満 (近隣地方) |
平均114,905円 | 平均177,000円 | 平均183,241円 | 平均318,571円 |
500km~ (長距離) |
平均148,949円 | 平均185,867円 | 平均205,932円 | 平均257,122円 |
出典:価格ドットコム
仮住まいへの引越しと新居への引越しをしなくてはいけません。短期間に2度の引越しが必要です。
引越しの際には、不用品も多く出ますから、ゴミ処理の費用も発生します。できるだけ早めに引越し準備を整えると無駄な出費が少なくなります。
引越し業者も、建て替えやリノベーションに特化した引越しを提供指定くれるところがあります。
普通の引越しより2度の引越しでリーズナブルにしてくれるので問い合わせてみましょう。
「建て替え引越しパック」とか「建て替えコース」という名前でサービスを提供しています。4人家族の荷物で20万円前後です。
仮住まいに入りきれない荷物を預かってくれるサービスもあるので、トータルでどのくらいになるのか見積もりをしてもらって業者を選んでください。
仮住まいの費用
項目 | 費用 |
---|---|
仮住まい家賃 | 8万円 × 8カ月分 = 64万円 |
敷金 | 8万円 × 2カ月分 = 16万円 |
礼金 | 8万円 × 1カ月分 = 8万円 |
総額 | 88万円 |
仮住まいを借りるとすると家賃だけではなく、礼金敷金などが必要です。工事にもよりますが、最短で2ヶ月から8ヶ月ほどの期間借りるとこになります。
短期間だから、礼金敷金を安くしてもらえないかと考えてしまいがちですよね?
しかし、一旦人が入ると短期間でもハウスクリーニングなどが必要になります。
大家さんとしても、長期間安定して収入がある方が良いので、礼金敷金を支払わずに借りることは不可能です。
仮住まいの家賃を10万円として計算してみました。地域によって相場が違いますから、もっと安く済む場合もあります。
あまり安い住宅を借りると、持っている家具が入りきらないため、倉庫を借りる必要があるかもしれません。
平屋を建て替える際の相場・値段
平屋を建て替える場合、1,000万円前後〜2,500万円前後が一般的です。
月々どのくらいの返済額になるのかを計算して、どのような家を建てられるのかを考えていきましょう。
変動金利と固定金利で計算しています。参考にしてください。
1,000万円の住宅シミュレーション:月々の返済額
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
変動0.5% | 25,958円 | 10,902,385円 |
固定1% | 28,228円 | 11,855,786円 |
1,500万円の住宅シミュレーション:月々の返済額
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
変動0.5% | 38,937円 | 16,353,686円 |
固定1% | 42,342円 | 17,783,808円 |
2,000万円の住宅シミュレーション:月々の返済額
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
変動0.5% | 51,917円 | 21,804,939円 |
固定1% | 56,457円 | 23,711,746円 |
2,500万円の住宅シミュレーション:月々の返済額
金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
変動0.5% | 64,896円 | 27,256,252円 |
固定1% | 70,571円 | 29,639,780円 |
以上のように、月々の返済額はアパートの家賃程度に抑えられます。
簡単な計算ですが、この費用に解体費用などの諸費用が加わります。さらに2割くらいの費用が実際にかかると思っていただければいいです。
金利については、変動金利にするか固定金利にするか悩むところです。
現在は変動金利がかなり安いのですが10年後、20年後を考えると少し不安になるかもしれません。
安い金利で月々しっかり貯蓄し、繰上げ返済をすることを考えているのであれば、変動金利がおすすめです。
平屋の建築事例を紹介
平屋の設計プランを予算別に紹介します。予算内でどのような家が建てられるのかの目安です。
素材や都道府県によって価格は変動しますから、あくまで目安として参考にしてください。
960万円新築平屋:19坪2LDK
出典:アイパッソの家
2LDKの間取り
出典:アイパッソの家
1,000万円以下でできる平屋の例です。2LDKで夫婦だけ、または一人っ子の家庭なら十分の間取りです。
リビングが広いので、玄関に大きめのシューズクリーク、各室に押し入れやクローゼットなどの収納場所をふんだんに設置しているため、すっきりと暮らせます。
玄関前のポーチも、植木などを置くスペースがあり、リビングの掃き出し窓からも連絡があり、オープンな雰囲気の住宅です。
玄関から、リビングを通らないと個室にいけないため、家族のコミュニケーションが常に取られるスタイルです。
1,229万円新築平屋:23坪3LDK
出典:アイパッソの家
3LDKの間取り
出典:アイパッソの家
最初の例より4坪、つまり約13平米広いプランです。リビングをさらに広く、洋室を一室プラスしています。
トイレがどの洋室からも行けるので、一室を子供部屋として利用したときに、お友達が気軽にトイレを支えます。
洗面所・浴室・キッチンを1ヶ所にまとめているため、家事をするための動線が短く、あらゆる家事を同時進行でできる点もこの設計のメリットです。
2,000万円の4LDKのスタイリッシュな平屋
本体価格 | 2000万円 |
---|---|
坪単価 | 64万円 |
延床面積 | 103.51m2 |
敷地面積 | 241.49m2 |
工法 | 木造軸組 (木造軸組*金物併用) |
ツートンカラーのおしゃれなファサードの平屋です。玄関前がなだらかな勾配になっていることが贅沢な雰囲気を出していますね。
伝統的な木造家屋の方法を改良した木造軸組構造で、自由度の高い設計ができます。地震に弱いという欠点を金物を併用することで解消しました。
内装・イメージ
赤い家具でアクセントをつけたキッチンの裏側にはL字型に机を置いて、家事&スタディーコーナーを作っています。
高い天井で高窓から光が入ってきて明るいスペースです。
PCで家計簿をつけたり、子ども達と一緒に勉強したり、家族が一緒に活動でき、コミュニケーションスペースになります。
出典:スーモ
高い天井にダウンライトを埋め込んでいるため、すっきりした開放感あるデザインのキッチンです。
対面式のキッチンで料理を作りながら、家族と交流できます。
奥に見えるリビングの天井には、化粧梁が設置され、リゾートホテルのような雰囲気です。床も無垢材を使い、ナチュラルな感触を楽しめます。
平屋を建てる際におすすめのハウスメーカー
平屋建てにするのであれば、やはり平屋建てを得意としているハウスメーカーに頼みたいですよね?
今回は、平屋建ての住宅を計画する上でおすすめのハウスメーカーとそれぞれの特徴を紹介います。
ミサワホーム
「蔵のある家」で有名なミサワホームには、平屋のシリーズが3つ用意されています。
蔵のあるシリーズの「 Granlink HIRAYA」、「SMART STYLE A HIRAYA」、 と12畳の小屋裏がある「MJ WOOD HIRAYA」です。
蔵や小屋裏は物置として使え、室内をいつもすっきりと利用できます。
ミサワホームのもう一つの特徴は「木質パネル接着工法」です。木質パネル接着工法は、強固に作られたパネルを面単位でしっかりつなぎ合わせる方法です。
そのため、高い気密性を実現できます。
プラスサッシや換気システムで熱利用を上手に設定すれば、エコロジーな家になり、消費エネルギーを抑えられる家づくりが可能です。
地震対策に「M GEO(エム・ジオ)」があり、住宅の2ヶ所に設置すると地震の破壊力を最大50%軽減できます。
積水ハウス
累積建築戸数世界一を誇る積水ハウスは、開発とマテリアルの生産、施工を全部社内ですることでコストダウンを実現しています。
「ZEH(ゼッチ)」基準を満たす住宅が多いことが特徴です。
「グリーンファーストゼロ」というシステムを取り入れ、消費エネルギーを抑えるだけではなく、エネルギーを生成することにも力を入れています。
シックハウス症候群の原因になる化学物質が抑えられており、換気設備も備えているため、化学物質の濃度は国が掲げる許容量の半分以下です。
アフターサービスにも定評があり、社員の10%がカスタマーセンターで対応しています。
デメリットとしては設計の自由度が低いことですが、設計モデルがたくさんあり、自由度の低さをカバーしています。
大きな窓を持つ開放感のある平屋モデルも豊富です。
セキスイハイム
セキスイハイムの特徴は構造体の大部分を工業製品化しているため、クオリティが一様で、工期が短いことです。
最短で2ヶ月で出来上がる場合もあります。そのため、仮の住まいで過ごさなくてはいけない時期が大幅に短くなります。
また、中高層マンションなどでも採用されている「ラーメン構造」の1種である「ボックスラーメン」構造を利用しています。
地震が起きても、たわみができにくく、耐震性に優れた住宅です。
「快適エアリー」システムで、通風性がよく、1年を通してさわやかな環境で過ごしやすさを実現します。
高い除湿性能もあり、普通の除湿機の4倍も除湿するため、健康的です。平屋建てのプランは、おしゃれなリゾートのようなデザインなど豊富です。
リビングの天井を高くして、傾斜した天井に窓をつけた開放的なデザインなど、平屋でも明るい住宅が実現できます。
大和ハウス
流通店舗なども扱う建設業界では、トップクラスの「ダイワハウス」の戸建住宅部門が「大和ハウス」です。
大和ハウスの主力商品である「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」は、高い天井が特徴です。
高さが2m72cmもあり、贅沢な空間を作り上げました。同じ広さでもずっと広く感じられます。
一般的に高い天井を作ると柱や壁で補強する必要がありますが、「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」の特徴は独自の技術で柱や壁を取り払っています。
リビングの開口幅が7m以上もあり、広い窓で庭が見渡せるデザインです。
設計の自由度が高いため、広いワンルームを将来壁で仕切って、新たに部屋を作れます。
家族構成が変わったり、子どもが大きくなったりしたら設計を少しだけ変えられるので便利です。
大和ハウスオリジナルのエネルギー吸収型体力壁を採用しており、地震への強度があります。
坪単位の費用は比較的高価ですが、安心できるクオリティで選ぶ人も多いようです。
パナホーム
パナソニックグループが運営するハウスメーカーです。パナソニックの平屋建ては、夫婦だけの生活にコンセプトを置いた住宅づくりを目指します。
広い窓を持つバスルームの外に坪庭を置くなど、夫婦の贅沢な時間を作るためのアイディアがたくさん詰まったデザインを提供しています。
家全体を断熱材で包むようにした「丸ごと断熱」や屋根にしつらえた太陽光発電など、テクノロジーを駆使しており、家全体にパナソニックの技術が使われています。
リフォームと建て替えどっちがお得?
築30年くらいの住宅ですとリフォームか建て替えか悩む人も多いのではないでしょうか。
リフォームの方が安いからとリフォームにすると後悔する場合もあります。地盤や構造部分に問題がある場合は、リフォームをしてもすぐに問題が出てきます。
家の状態がどうかは専門家に診てもらい、判断してもらいましょう。
10年、20年の間にどのくらいメンテナンスが必要で、どの程度のコストが必要なのかを確認しましょう。
二階建の二階部分を除去して平屋建てにするというリフォーム方法もあります。
しかし、解体にも費用が必要で、屋根も作り直さなくてはならないため、あまり費用を抑えられる方法ではありません。
建て替えですと、部屋の配置なども自由で、住みやすく作れるというメリットがあります。
場合によっては、建て替えの方が安くすむ場合も多いので、しっかり見積もりをしてもらうことが大切です。
平屋を建て替える際のポイント
素敵な平屋を建てて満足できるためのポイントを紹介します。後悔しないようにしっかりチェックしてくださいね。
1階建てなので間取りをよく考える
2階建ですと、寝室などのプライベート空間と人が集まる空間を分けることができ、間取りに変化をつけやすいです。
平屋の場合は、間取りをちゃんと考える必要があります。どのような生活がしたいのか、10年後、20年後の家族形成なども踏まえて、間取りを考えましょう。
外からの視線も考えて窓の位置を設定することも大切なポイントです。高窓やトップライトをつけると平屋でも通風と日当たりが良好になります。
2階よりプライベート空間を作ることが難しいですが、間取りの段階できちんと考えればクリアできます。
価格を比較して業者を選ぶ
相見積もりをして値段を比較は、とても大事です。同じ条件で設計してもらっても、かなりの差額があります。
ただし、見積もりでは諸経費の内訳がきちんと書かれているかどうかもチェックしましょう。
安いだけで選ぶのではなく、ご自分の要求がきちんと反映された値段かどうかがわかりません。
あとから、必要な要素が入ってないことがわかり、追加料金を要求される可能性もあります。
相見積もりをするときは、それぞれの業者が同じ条件で見積もりを出しているかどうかのチェックが必要です。
平屋が得意なメーカーで家を建てる
業者を選ぶには、安いだけではなく、どのような住宅を作っているかもチェックしてください。
平屋を建てるのですから、平屋が得意なメーカーを選びましょう。平屋と2階建の家では、家事動線や外からの視線、光や通風の考え方などが違います。
まとめ
平屋は、坪あたりは二階建てに比べると高くなると言われますが、こうやってみると比較的リーズナブルにできるようです。
ミサワホーム、積水ハウス、セキスイハイム、大和ハウス、パナホームがそれぞれに個性的な平屋のモデルを提供しているので、比較してみましょう。
一括資料請求サービスなどでパンフレットや資料を集めて、理想的な平屋を建ててくれるハウスメーカーを見つけてください。
建設費用以外にも解体費用や仮住まいの家賃、引越し費用、登記など色々な費用がかかります。計画的に建て替えをするようにしてくださいね。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料