大和ハウス

大和ハウス、意外と知られていない木造注文住宅の高品質と特徴

鉄骨住宅のイメージが強い大和ハウスですが、商品構成には木造住宅もあります。では、鉄骨造の注文住宅が主流の大和ハウスが建てる木造注文住宅とはどのようなものでしょうか。

大和ハウスが2022年3月に公表した決算書によると、鉄骨造の戸建て住宅1戸あたりの平均販売価格と平均延床面積は、4,090万円・138㎡となっています。一方、木造の戸建て住宅では、4,300万円・144.6㎡と、いずれも鉄骨造を上回る結果となっています。

鉄骨造が主流の同社の結果としては意外な印象を持つのではないでしょうか。本記事では、意外と知られていない大和ハウスの高品質な「 鉄骨の技術を活かした木造住宅 」を紹介していきます。

木造住宅の商品構成

大和ハウスのHP上で現在紹介されている木造注文住宅の商品構成は、平屋・2階建てでは3種類となっています。

鉄骨商品でも、3商品と多くはなく、他社に比べても圧倒的に少ないバリエーション構成になっています。

それぞれの商品に標準仕様はあるものの、自由設計の注文住宅ではバリエーションを多く持つことにそれほど意味がないのかもしれませんね。

Premium Granwood(プレミアムグランウッド)

フルオーダーの邸宅商品 Premium GranWood 」は、大和ハウスの木造住宅の最高位の商品で、「 住む人を、美しく、魅せる 」を開発コンセプトとしています。

室内天井と軒天井の高さを揃え、高窓との相乗効果で、外へ広がる視線が特徴です。また、内樋屋根の採用で、軒先をスッキリ見せています。

外壁には塗り壁を採用し、天井・床には無垢材、内壁には漆喰壁を採用するなど、どれをとっても邸宅にふさわしい仕上がりといっていいでしょう。

xevo Granwood(ジーヴォグランウッド)

大和ハウスの木造注文住宅の主流は、この xevo Granwood 」です。鉄骨造のノウハウと技術を活かしながら、空間を巧みに使いこなす日本の伝統木造建築の考え方を受け継いだ住まいです。

内装に木をふんだんに使い、家族のいきいきとした暮らしを育んでいくことをコンセプトの一つとしています。

なお、xevo Granwoodoには、「平屋暮らし」という別商品があり、Puremium GranWoodにも負けない邸宅感があります。

xevo Be Wood(ジーヴォビーウッド)

自分らしく自然体の人生を満たしていく、そして「いつまでも美しい木の家」がコンセプトで、コストを抑えるために、BOX形状の外観を多用しているのが特徴です。

大和ハウスの商品構成の中では、コストを抑えた商品ですが、住宅の基本性能や品質は十分に満足のいく内容になっています。

高品質と特徴の1:躯体の基本構造(耐震性能)

住宅に必要な基本性能の一つに、躯体構造における耐震性能があります。大和ハウスの木造注文住宅は、最高等級3を上回る性能を邸別に構造解析(計算)を行って確保しています。

構造用集成材+専用接合金物

構造用集成材と専用接合金物を組み合わせた軸組構造は他社でも多く採用されており、木造ハウスメーカーのほとんどが採用しているといってもいいでしょう。

木造住宅全般では、日本伝統の仕口・継ぎ手加工した軸組み構造もまだ多くありますが、構造用集成材と専用接合金物を組み合わせる良さには、構造計算による詳細な耐震設計が可能だということがあります。

構造用集成材は、求められた強度(規格)に応じて選別された一枚一枚の板(ラミナー)で構成されており、自然木の強度のばらつきがほとんどありません。また、専用接合金物も実験等で強度が確認されています。

つまり、安定した強度・品質の構造用集成材と接合強度が確認されている専用金物との組み合わせだからこそ、詳細な構造計算が可能になるのです。

大和ハウスの注文住宅は、自由設計で計画された外観・間取りを邸別に詳細な構造解析を行い、耐震等級3を上回る性能を確認しています。

エネルギー吸収型制振装置(グランデバイス)

 

大和ハウスの木造住宅用の制振装置には「グランデバイス」があります。

一般的な耐震等級3の在来軸組構造に比べて、構造の変形を1/2にまで抑える効果を発揮します。

また、50回以上の加振でも柱や梁に損傷はなく、新築時の制振性能を維持することが実験で確認されています。

 

 

国産材を利用した家づくり

同じ、構造用集成材と専用接合金物を使用した構造躯体でも、大和ハウスでは国産材の構造用集成材にこだわっています。

輸入材による構造用集成材を採用しているハウスメーカーが多いの中で、大和ハウスの特徴と言えるでしょう。

その理由として、大和ハウスには、「 日本の家には日本で育った国産材が適している 」、つまり、「 木は、生まれ育った土地の気候に、柔軟に適応しながら生きている 」と言う考え方があるのです。

柱材には、スギあるいはヒノキの12センチ角、梁にはヒノキあるいはカラマツを採用しており、いずれも国産材としています。

高品質と特徴の2:断熱性能(充填断熱+外断熱)

住宅に必要で重要な基本性能の2つめが、断熱性能です。先の耐震性能とあわせて、この2つが住宅に最低限必要な基本性能です。

大和ハウスの断熱仕様は、外壁内の断熱(充填断熱)と外壁側の追加断熱(外張り断熱)のダブル構造になっています。

同社の木造注文住宅の断熱仕様は、省エネ基準地域区分と2022年に改正された断熱等性能等級に応じた断熱仕様(グレード)を5種類用意しています。

改正された断熱等性能等級の内容は、新たに最高等級7が設定されたもので、これにも対応しています。ですが、現在のところは木造の注文住宅が対象で、鉄骨造の注文住宅は従来の3種類のグレードのみとなっています。

いずれ、鉄骨造にも新グレードが追加されるのでしょうが、ここでも木造が優先されていることが推測できますね。

一般的に充填断熱には、室内空間を犠牲にしないことやコストを抑えられる良さがある反面、気密性の確保に難しさがあります。そして外断熱には、コストが上がりやすい反面、断熱・気密性に優れている特徴があります。

大和ハウスのダブル断熱は、両方の良さを合わせ持った構造といえるでしょう。

高品質と特徴の3:デザイナーズ

大和ハウスには、日々の暮らしを満足にする住まいを実現する デザイナーズ 」という設計集団があります。

また、「 一緒につくる。一生をつくる 」をテーマにした、営業、設計、コディネーター、施工、アフターからなる「 Team xevo 」もあります。

これらのスタッフが、素材の良さを活かし、高さ・低さの空間にこだわり、時間・季節さらには経年の変化までを考慮する設計思想が、大和ハウスの高品質な木造注文住宅になっているのです。

まとめ

創業以来、鉄骨住宅を中心に供給してきた大和ハウスが、本格的木造注文住宅の「 xevo Granwood 」を発表したのは2013年で、「 Premium GreanWood 」が2017年となっています。

他方の鉄骨造注文住宅の主流になっている「 xevoΣ 」は2014年に発表されています。

確かに、鉄骨造の歴史が長く実績も多い大和ハウスですが、xevo GranWoodの方が早く商品化しているのも意外です。

このように、鉄骨造注文住宅の印象が強い大和ハウスですが、木造注文住宅のノウハウも技術もしっかり持っており、開発にも積極的なのです。

冒頭の平均販売価格と平均延床面積で、木造の注文住宅が鉄骨造の注文住宅を上回っているのも納得できます。

鉄骨造の技術とノウハウを活かした大和ハウスの高品質な木造注文住宅は、「 掘り出し物 」的なな選択肢になるのではないでしょうか。

 

 

 

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