念願の注文住宅の計画・契約、そして新築・引き渡しまでの間、さらには入居後も含めて、ケアレスミスや気づかなかったことなどから、後悔することがあります。
どんなに注意してチェックしても、限界があります。また、慣れない図面や見積りを理解するのに疲れて見過ごすこともあります。
このように、新築住宅では全体として満足することはあっても、100%満足するケースは本当に稀ではないでしょうか。
本記事では、大和ハウスの注文住宅を中心に取り上げ、少しでも後悔を減らすために、見落としや気づきにくい点をピックアップして紹介していきます。
これから同社で注文住宅を計画している方の参考になり、少しでも後悔を減らせることが出来ればと願っています。
チェック不足から後悔した事例
後悔の中には、あとから見たら、なぜ見落としたのか分からい、というものがあります。
そんな単純なミスも、当時は時間がなかったり心理的に迷っていたりなど、様々な要因でおこります。
しかし、できれば後悔は少ない方がいいにきまっています。当たり前すぎて、見えていたのに見ていなかったチェックミスを紹介しましょう。
● まる見え・まる聞こえのトイレが使いづらい
住宅にトイレを2箇所設置するケースが増えてきていますが、便利さだけではなく、心理的な使いやすさにも配慮しておかないと、後悔する場合があります。
左図のテレビとソファーのレイアウトから、トイレへの出入りに視線をあびることがわかります。
家族でも気になりますが、来客者が使用するには、かなり心理的なハードルが高いと想像できます。
また、横の書斎ルームへの音漏れも気になりますよね。
さすがに、大和ハウスの注文住宅事例ではこのような間取りはありませんでしたが、油断していると、これに近いケースになることもあります。
● 電気製品や家具がうまく配置できない
一般的に、提案プランには標準的な電気製品や家具がレイアウトされています。しかし、レイアウトされているそれらが、ユーザーが予定しているもののサイズになっているでしょうか。
場合によっては、間取りに合わせて買い揃えるケースもあるでしょうが、少なくとも家族数に応じた食卓やソファーなどがレイアウトできるかをチェックしておいてください。
間取り図に、予定している家具を自身でレイアウトしてみると実感が湧いてきます。なお、リビングソファーや食卓は、余裕を持ったサイズで検討しておくことを勧めます。
TV・コンセント類は、一般的に想定される電気製品のレイアウトに応じて設置されますが、念のために事前に電気製品の種類やレイアウトを伝えておくことも必要です。
忘れやすいのが、ウォーターサーバーや空気清浄機などです。せっかくの新築なのに、コンセントが家具で隠れたり、必要な場所になかったりして、延長コードを使わなければならない後悔なんてしたくありませんよね。
デメリットに気づかず進めてしまった後悔事例
見た目のかっこよさから、そのメリット・デメリットを良く理解しないままに採用してしまうと、リアルな日常生活の中では後悔してしまうことがあります。
● 吹き抜けは魅力的だが冷暖房費が上がる、掃除も大変
リビング階段や吹き抜けは、明るく開放的で魅力的な空間です。
ですが、他方では冷暖房効率が悪く冷暖房コストが上がるというデメリットももっています。特に、冬の暖房には注意しなければなりません。
それを理解した上での吹き抜けならば、メリットがデメリットを上回る判断ですからOKですね。
ただし、その場合でもできれば断熱グレードをアップしておくことを勧めます。
大和ハウスの注文住宅の断熱仕様(グレード)は、鉄骨造で3種類、木造で5種類が用意されています。本契約前までに、吹き抜けと冷暖房、そして断熱グレードにに関する疑問・不安は、技術担当者に確認しておいてください。
● 2.72mの天井高はオプション
大和ハウスの注文住宅の特徴の一つに、業界でもトップクラスの天井高2.72mというのがあります。
ですが、これは標準仕様ではなく、オプション扱いとなっています。
例えばリビングを一般的な天井高2.4mから2.72mに変更するには数十万円が必要になります。そして、先に紹介した冷暖房コストの問題も有ります。
そして、天井高をあげると必然的に窓サッシもそれに合わせたサイズになりますから、さらにコストが上がります。
チェックするべきは、それらのコストをかけて得られる満足度が、本当に必要なものか、あるいは諦めたほかのオプションの優先順位よりも上かどうかです。
ここに挙げた2例は、メリットとデメリットが裏表の代表的なものです。たとえコストパフォーマンスが悪くても、本当に希望したもので満足感が継続するものであれば、後悔はないはずです。
しかし、メリットだけを見て、デメリットに気づかずに選んでしまうと、後悔につながりやすいのです。
担当者に任せきりにして後悔した事例
忙しいから、あるいは判らないから、と担当者に任せっきりにしてしまった結果、後悔することもあります。
確かに、判らないことは担当者にお願いするしかありませんが、任せきりにするのではなく、担当者がどのようなことを提案しているのか、説明を受けて理解しておくことは必要です。
「 お任せください! 」「 お任せます! 」は、後悔の前兆です。
● 提案プランに込められた設計意図をしっかり確認しなかった
希望するライフスタイルや間取りを伝えたからと安心して、提案されたプランを十分に検討しないままに、後戻りできない状態にまで進んでしまうことがあります。
ハウスメーカーの提案プランには、担当者が打ち合わせを元にしたユーザーのライフスタイルのイメージが反映されています。
そして、それを確認するのはユーザーの仕事です。
大和ハウスには、家づくりの夢を叶える「 Team-xevo 」や設計のプロ集団が揃っています。彼らは、ユーザーとの打ち合わせから得られたイメージや条件を元に設計しますが、ユーザー自身ではありません。
打ち合わせで説明しきれなかった部分や微妙なイメージが提案されたプランに反映されているとはかぎりません。
ですから、判らないや提案図面の内容を十分に理解しないままに任せてしまうのも後悔の元になります。
担当者には、納得するまで説明を求めてください。それを嫌がる担当者なら、担当者替えをお願いするか、キャンセルしてください。後々まで後悔の元になります。
● 微妙に使いづらい収納スペース
上でも述べたように、ハウスメーカーがプラン提案する前には、必ずユーザーにヒアリングを行います。そして、打ち合わせを重ねるうちに、より具体的な間取りが出来上がってくるのです。
しかし、LDKや個室などに比べて重要視されない、つまり任せっきりにしやすい部分に収納スペースの大きさと配置場所があります。
衣類のクローゼットスペースの位置や大きさは比較的忘れずにチェックするでしょうが、掃除機やある程度ためてから廃棄する古新聞・雑誌などの収納スペースはどうでしょうか。
また、収納するものによっては、電気コンセントが収納スペース内に必要な場合があります。例えば充電式掃除機の場合です。
いずれにしても、収納スペースは単に大きさがあればいいのではなく、収納物のチェックと使いやすい場所かどうかも確認しておきましょう。
確認しておくべき収納スペースと収納物
- 玄関収納(ベビーカー含む)
- パントリー
- 衣類クローゼット
- 布団・毛布等の収納
- 掃除具類の収納
- 日常雑貨品の収納(乾電池、筆記用具、医薬品、他)
- 小屋裏収納(階段を使って、重いものやかさばるものは運べない)
- 床下収納庫(使いづらいが床下点検口として可)
収納に関しては、日常、季節をイメージして、できるだけリアリティーのある家事シミュレーションをするようにしてください。
● キャンペーン情報を知らされずに損した気分になった
時期や交渉次第ですが、本契約直前くらいになると、担当者もキャンペーン割引あるいはそれに準じた割引を提示してくれます。
しかし、初期見積りで価格が合わずに早々と断り、あとでキャンペーンの値引き情報を知り、損をした気分になったと言うユーザーがいました。特に、提案プランは一番気に入っていただけに、教えてくれていたら、と後悔していました。
提案プランが気に入っているのなら、積極的に担当者とコミニュケーションを図り、値引きしやすい時期やキャンペーン情報などを聞きだすようにしましょう。
キャンペーン時期は、特に決まっているわけではありませんが、四半期、半期、期末の各決算期に向けて行われるのが一般的です。大和ハウスの決算期は、6月、9月、12月で、3月が期末決算期になります。
なお、キャンペーンの内容は時期と地域によっても異なり、同社のホームページで確認することができます。
大和ハウス:イベント・キャンペーン情報
オプション選択で後悔した事例
注文住宅で後悔しやすいのは、オプション選択でしょう。予算が合わずに諦めたもの、あるいはせっかく選んだのに、実際には使うことが少なかった、などです。
● オプションはユーザー自らが優先順位をつけて選ぶべき
ハウスメーカーの初期見積りには、メーカー提案のオプション工事が含まれています。例えば、太陽光発電システム、外壁タイル、無垢のフロア材などのようにです。
どれも魅力的なもので、優先順位の中でも最上位にはいるものばかりです。一方、厨房機器などの水回りオプションを選ぶユーザーが多いのも事実です。
予定している予算内であれば構いませんが、選んだオプションのコストパフォーマンスや優先順位もチェックしておきましょう。
付ける必要がなかった、あるいは付けておけばよかったものも含めて、後悔しやすいオプションを紹介しておきます。
後悔しやすいオプション
- 浴室:多機能(ミスト機能、床暖房、乾燥暖房機、大型ミラーなど)を選んだが、ほとんど使わなくなった。
- 食器洗浄機:家族数に合わせて浅型・深型など、適切な容量のものを選ばないと結局つかわなくなる可能性がある。
- トイレ・浴室の窓:近年は24時間換気の普及と外観デザイン、そして防犯などから必ずしも必要ではなくなっている。
- ベランダ:椅子やテーブルなどを置いてくつろげるスペースのベランダならよいが、単にエアコンの室外機置き場になるだけのベランダはコストパフォーマンスが悪すぎる
- 和室:リビングの面積を犠牲にして和室を併設したが、利用頻度がすくなく、リビングを広くした方がよかった。
- 床暖房:現在の新築の断熱性能は上がっており、本当に床暖房が必要な地域は限られています。
- 窓の電動シャッター:防犯や災害の回避で窓にシャッターをつける場合は、コストは上がるが電動式がおすすめ。日常的に手動での開閉は重労働。
以上のオプション事例が全てのユーザーに当てはまる訳ではありませんが、メリット・デメリットを検討して、優先順位を決めおかないと後悔しやすい例としてあげました。
また、メリット・デメリットから採否を検討する際には、長期的な使用イメージで判断するようにしてください。
● 可能であれば、制振装置はつけておくべき
これは、本記事からの提案です。近年の新築注文住宅の耐震性能は最高等級3が標準になってきています。しかし、1回目の地震で倒壊や破損を免れても、2回目・3回目は?となると疑問です。
たとえ耐震等級3でも揺れれば、柱や梁、そして基礎との接合部にはなんらかの障害は残りやすくなります。大きな揺れであればあるほど障害も大きくなり、初期の耐震性能が失われていくのです。
それを最小限に抑えるのが制振装置です。大和ハウスの制振装置には、鉄骨造専用のエネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST」(ディーネクスト)があります。震度7クラスの地震にも連続して耐える持続型耐震構造としています。
木造では「グランデバイス」があり、構造の変形を1/2にまで抑え、50回以上の加振でも新築時の耐震性能を維持していることが実験で確認されています。
一生に一度の高い買い物です。また、近年の住宅は長寿命化が進んでいます。
不幸にして地震にあっても大事な資産価値を減らさない、あるいは失わないためにもオプション選択しておくべきでしょう。
まとめ:後悔しないために
以上、大和ハウスの注文住宅で後悔しないための参考事例を紹介しましたが、それらは同社に限ったことではありません。
できるだけ後悔を少なくするには、事前にメリット・デメリットを理解し、本契約する前までに、できるだけ多くのシミュレーションをして、問題がないかを確認しておくことです。
また、一生に一度の注文住宅だからと色々なオプションを選ぶ気持ちは理解できますが、落ち着いて優先順位と長期的なコストパフォーマンスも考えるようにしてください。
その中でも、制振装置と断熱グレードアップは、最も優先すべきオプションだと思います。
後悔は、予期していなかった不具合(デメリット)などに対して感じるものです。なかには、致命的な後悔もあるでしょうが、メリットとデメリットは表裏の関係にあります。
デメリットを理解した上で、メリットを優先して採用する分には、全体として満足度の高い注文住宅になります。
注文住宅の計画に際して、本記事が参考になり、改めてチェック・シミュレーションする機会になれば幸いです。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料