近年、団地を購入してリノベーションする方は多く見られます。価格が安く、理想の住まいが手に入るからです。
しかし、団地のリノベーションの特長はそれだけではありません。そのほかにも、団地でしか得られないメリットがたくさんあるのです。
本記事では、団地リノベーションのメリットやポイントをお伝えします。理想の住まいをお得に手に入れるためにも、ここでご紹介する内容を参考にしましょう。
1.団地とは
団地とは、集合住宅のことを指します。一般的な分譲・賃貸マンションとは異なり、「都市再生機構(旧日本住宅公団)」「地方公共団体」が建設したものがそれに当てはまります。
広い敷地にたくさん建物があり、公園などが近くにあるのが特徴です。そのため、休日などには子供たちを安心させて遊ばせることができます。また、団地の建物と併設して、いろいろな施設が建設されているところもあります。
敷地内に、幼稚園や学校、コンビニや銀行などがあり、まるで一つの街のような団地もあるのです。このように、団地は住環境に必要なものが揃っているため、暮らしやすいメリットがたくさんあります。
2.団地リノベーションの魅力
団地をリノベーションする場合、いろいろなメリットがあります。先ほどお伝えしたように、団地でしか得られないさまざまなメリットがあるのです。
とはいえ、団地の魅力について理解している方は少ないのではないでしょうか。以下では、団地のリノベーションの魅力をお伝えして行きます。
2-1.安く理想的な住まいが手に入る
団地のリノベーションの魅力は、そのコストパフォーマンスの良さです。団地は、築年数が経過しているものが多く、30年を超えるものだと物件自体の費用はほとんどありません。そのため、安いものであれば、500万円以下でも購入することができるのです。
この費用にリノベーション費用を加えたとしても、合わせて1,000万円程度の費用で理想の間取りや仕様の住居を手に入れられます。
ただし、仕様やグレードによってリノベーションの施工価格は変化するため、こだわるほど値段が高くなることを覚えておきましょう。
2-2.公園があるから緑が多い
団地の多くは、その敷地内に公園があります。そのため、徒歩数分のところで子供たちを遊ばせることができます。わざわざ車で出かける必要がないので、手軽に出かけることができるのです。
夏休みなどの長い休みのとき、「お子さんたちをどこに遊びに連れて行けばいいのか」悩む方は多いのではないでしょうか。
しかし、その場合でも近くに公園があれば、子供たちを遊ばせることができるため、わざわざどこかへ出かける必要はなくなります。お子さんがいる家庭は、近くに公園があるととても便利なのではないでしょうか。
2-3.家族のような人付き合い
団地は、公園などがあることから近所付き合いがしやすいのが特徴です。また、住民同士のイベントなどもあるため、一般的なマンションに比べて交流が生まれやすいのです。
特に、同年代の母親たちで仲良くなれば、一緒に出掛けたり遊んだりできるのではないでしょうか。
また、急な用事ができたとしても、子供をママ友に預けることもできます。そうすれば、わざわざ託児所などを利用しなくても良いのです。
このような環境からわかるように、団地はとても子育てに向いています。近所の方と家族ぐるみの付き合いをして、仲良く楽しく暮らしましょう。
2-4.立地条件が良い
冒頭でも述べたように、団地は学校や病院、コンビニや銀行などが近くにあることから、立地条件はとても良いです。これは、一般的なマンションとは異なり、街の都市計画の一部として団地が建てられているためです。
つまり、そこに住む人が快適に生活できるように建設プランを考えて、団地を建設しています。
分譲マンションや賃貸マンションでは、このようなことはありえません。そのため、歩いて数分の場所に、学校や病院などがあるのは、団地ならではの特徴だといえます。
2-5.構造がしっかりしている
団地は、構造がしっかりしているのが特徴です。大地震でも倒壊の被害がほとんどなく、構造的に頑丈だといえます。
また、土地計画によって立てられたため、施工管理が行き届いています。そのため、築年数が経過していたとしても、造りが頑丈なものが多く見られるのが特徴です。
一般的なマンションの場合、施工会社によって品質がバラバラです。利益を求める業者の場合、工期を短くしたり、適切な工事を行わなかったりします。
たとえば、横浜の傾いてしまったマンションなどがその例です。実はこの原因は、本来の工程ではなく、人件費などを節約するために工期を短縮した手抜き工事を行ったためです。
このようなことから、一般的なマンションよりも団地のほうが頑丈な造りです。そのため、築年数が古くても安心して住むことができます。
3.団地をリノベーションする際のポイント
団地をリノベーションする際、いくつかのポイントがあります。これを知らずに物件やプランを決定してしまうと、後々後悔することになりかねません。
納得のいくリノベーションをするために、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
3-1.間取りを変えられない壁式構造
RC造(鉄筋コンクリート造)の建物は、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類の構造があります。それぞれ特徴が異なるので、リノベーションに制限がある可能性があります。
3-1-1.ラーメン構造
ラーメン構造は、梁と柱が頑丈に接合されているものになります。この構造の場合、間取りを自由に変更することができます。上の写真のように、梁と柱が見える段階まで内装の壁などを解体できるからです。
団地のリノベーションを検討しているのであれば、「間取りを自由に変更したい」ものです。キッチンの位置、リビングの大きさなど細部までこだわりたいのではないでしょうか。
もし、団地をリノベーションする際、「間取りを自由に変更したい」というのであれば、ラーメン構造を選ぶようにしましょう。
3-1-2.壁式構造
壁式構造の住宅の場合、柱ではなく壁で建物を支えています。そのため、リノベーションする際、間取りを変更しようと思ってもその壁が邪魔になってしまう可能性があるのです。
せっかくリノベーションするのであれば、あなた好みに間取りや仕様を変更したいものではないでしょうか。その場合、物件を選ぶ際に、間取りが変更できる構造なのかをあらかじめ確かめておきましょう。
3-2.水回りが移動できるのか
団地の床下に構造によっては、水回りが移動できないものがあります。配管の位置がコンクリートの中にあるものとそうではないタイプに分かれるからです。
せっかくリノベーションするのであれば、お風呂やキッチンの場所を自由に決めたいものではないでしょうか。では、具体的にどのようなものなのかお伝えします。
3-2-1.床スラブ貫通配管
図のように、スラブ(コンクリートの床)の中に排水管がある場合、水回りを移動することはできません。コンクリートの中に埋まってしまっているため、移動することができないからです。
築年数が経過しているマンションの場合、床スラブ貫通のものが多いため、注意するようにしてください。
3-2-2.床スラブ上配管
一方、床のスラブの上に配管がある場合、水回りを移動することができます。コンクリートの中を通っていないため、場所を変えることができるからです。
リノベーションによって水回りを移動したい方は、床スラブ上配管の団地を選びましょう。
ただし、トイレに限っては床スラブ貫通、床スラブ上配管に関係なく移動することはほとんどできないことを覚えておきましょう。
3-3.電気の容量は増やせるのか
リノベーションするにあたり、「オール電化にしたい」という方も多いのではないでしょうか。IHクッキングヒーターや電気式床暖房にすれば、暮らしが快適になるからです。
ただし、古い団地の場合、アンペア数(電気容量)を上げられない可能性があります。集合住宅であるため、全体の電気の共有量が決まっているからです。つまり、簡単に容量を増やすことはできないのです。
リノベーションする際、オール電化にしたいという方は、団地のアンペア数を増やせるのかどうかをあらかじめ確認しておくようにしましょう。
3-4.断熱性の問題
築年数が経過している団地の場合、断熱性があまりよくないケースが見られます。これは、断熱材が少ない場合があるからです。昔は、断熱性の基準が厳しくなかったため、今のように断熱材がしっかり入っていません。
そのため、古い団地は断熱性が悪い可能性があることに注意してください。夏は風通しがよく涼しいかもしれませんが、冬はとても寒く感じることになります。
実際、団地をリノベーションした方の中で、「冬は寒い」とおっしゃられる方は多く見られます。これからリノベーションを検討しているのであれば、断熱材を増やすリフォームをするようにしましょう。
3-5.浴室を広くできるのか
「団地のお風呂をリノベーションしたい」方は、お風呂の構造に注意してください。古いタイル張りの在来工法の場合、施工費用が高くなりがちです。また、浴室を広くすることができない可能性があります。
せっかくお風呂をリノベーションするのであれば、「足を伸ばせるくらい広くしたい」と思う方は多いのではないでしょうか。
狭いお風呂のままではなく、広いユニットバスにしたいのであれば、あらかじめ浴室を広くできるのかを確認しておきましょう。
3-6.防音対策
団地などの集合住宅の場合、防音対策を行いましょう。築年数が経過している団地の場合、隣の人の声や振動などが伝わって、ストレスを感じたりトラブルに発展してしまったりするケースは多く見られます。
また、自分たちの生活している際に発生する音なども隣の人に聞こえてしまうかもしれません。そのため、団地をリノベーションする場合、防音対策を行うようにしてください。
たとえば、フローリングには、遮音性(音を伝えない性能)の高いものが販売されています。このようなものを使えば、防音対策を行えます。下の方に歩く際の音や振動を伝えないためにも、防音性の高いものでリノベーションしましょう。
3-7.エレベーターがないケース
5階建て以下の団地の場合、エレベーターがない物件があります。毎日の生活のなかで、エレベーターがないと不便に感じる方は少なくありません。
特に高齢者がいる家庭の場合、毎日階段の上り下りは負担になってしまいます。また、自分が数十年後もそこに住むことを考えると、大変に感じてしまうのではないでしょうか。
エレベーターは、後付けすることはできません。購入時は必要ないと思っても、「後々失敗してしまった」という方は実際にいらっしゃるので、あらかじめ確認しておきましょう。
4.団地リノベーションの事例
団地のリノベーションを行う際、どのような事例があるのでしょうか。いくつかの事例をご紹介します。ここで紹介する内容を参考にして、あなたのリノベーションに役立ててください。
4-1.パーティーができるおしゃれな団地
出典:eA(イーエ)
団地をリノベーションするとパーティーができるほどの広いリビングにすることも可能です。
たとえば、複数ある部屋をひとつにまとめることができれば、広いリビングになります。リビングが12畳くらいになれば、仲の良い友人を招待して昼食パーティーやディナーをしても十分な広さになります。
元々はたくさん部屋数のある間取りでも、リノベーションによって1つの大きなスペースにすれば、広々とした生活を楽しめるのです。
4-2.レトロな団地にリノベーション
出典:EcoDeco
リノベーションを行えば、団地でもあなた好みの仕様にすることができます。人それぞれ、好きな雰囲気やこだわりがあるのではないでしょうか。
たとえば、レトロなシンプルな雰囲気にしたいのであれば、そのようなプランで施工を行えます。
また、団地であれば注文住宅などに比べても低価格な費用で好きな仕様にすることができるため、コストパフォーマンスに優れています。
もし、これから団地を購入してリノベーションを検討しているのであれば、あなた好みの理想的な仕様にリノベーションしましょう。
4-3.フルオープンなLDKにリノベーション
出典:LOHAS studio
先ほどお伝えしたように、リノベーションを行えば好きな間取りや仕様にできます。あなたが住みやすいように、キッチンの位置やリビングの大きさなどを決めましょう。
団地などは、小さな部屋がいくつもある場合があります。しかし、子供がいないご家庭などでは、部屋の数があっても住みにくいだけです。
そこで、キッチンからリビングまでの一つの空間にすれば、移動も楽になり、とても開放感のあるLDKになります。
これから団地のリノベーションを検討している方は、フルオープンな間取りにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
団地のリノベーションは、安く理想の住宅が手に入るため、人気があります。
ただし、リノベーションは元々ある物件を新しく生まれ変わらせるための工事します。そのため、物件の良し悪しによって、施工内容やその後の生活の快適性も変わってくるのです。
一生に一度の買い物を満足いくものにするためには、ここでお伝えした内容を参考に理想の物件を購入しましょう。そして、理想的な団地リノベーションするようにしてください。
リフォームは、300万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。