住宅の築年数が20~30年経過したり、家族が増えたりすると「建て替え」「リノベーション」のどちらかにするのかを悩まれるお客様は多く見受けられます。
一生に一度の大規模修繕になるため、お得な方法を選びたいものです。
そこで、本記事では建て替えとリノベーションを徹底比較しました。メリットデメリットや特徴や費用などから比べるため、どちらがお得なのかがわかるのではないでしょうか。
ここでお伝えした内容を参考にして、お得に建て替えやリノベーションを行いましょう。
1.建て替えとは
建て替えとは、今ある住宅を基礎部分まですべて取り壊した後、新しく住宅を建築することです。新築を建てるのと同じように、自由に間取りやプランを決めることができます。
ただし、条件によっては、建て替えに制限がある可能性があります。建築基準法があるためです。したがって、建て替える際は制約があることを覚えておきましょう。
1-1.建て替えのメリット
建て替えを行うと以下のメリットがあります。
- 自由に設計できる
- ローンが組みやすい
建て替えには、このようなメリットがあるのです。それでは、順番にお伝えしていきます。
1-1-1.自由に設計できる
建て替えを行うと、建築基準法の制限の範囲内であれば、自由に設計することができます。たとえば、キッチンを新しくしたり、間取りを変更したりすることが可能です。
つまり、新築同様のメリットが建て替えにはあります。以前の住宅での不満があれば、それを解決することができます。キッチンが狭くて料理がしにくかったのならば、広くして快適に料理を行いましょう。
ただし、建築基準法によっては、家の大きさや間取りに制限がかかる場合があることを、あらかじめ把握しておいてください。
1-1-2.ローンを組みやすい
建て替えは新築同様の扱いです。そのため、リノベーションやリフォームのローンとは異なり、住宅ローンを組むことができます。よって、金利などが安く高額な費用を借りられます。
このように建て替えは、住宅ローンを組みやすいのです。住宅を担保にできるため、リフォームローンの審査よりも、比較的簡単に融資が行えます。もし、リフォームでの審査に通過しなかった場合は、建て替えを検討してみてはいかがでしょうか。
1-2.建て替えのデメリット
建て替えには、以下のデメリットがあります。
- 費用が高くなりやすい
- 完成に時間がかかる
- 税金がかかる
- 建て替えに制限がかかる
メリットばかりを気にするのではなく、デメリットを考慮して判断するようにしてください。では、順番に紹介していきます。
1-2-1.費用が高くなりやすい
冒頭でも述べたように、建て替えを行うことは、新しくゼロから住宅を建設することになります。そのため、費用は高くなりやすいのです。リノベーションとは異なり、既存のものを活かすことができないからです。
リノベーションであれば、基礎や屋根、柱などをそのまま使用することができるため、その分費用がかかりません。
しかし、建て替えは新築同様の費用が必要になる上に、元々ある住宅を取り壊す解体費用もかかります。建て替えを検討している方は、お金がかかることを覚えておきましょう。
1-2-2.完成まで時間がかかる
建て替えは、既存の建物を壊して、新築を建てることになります。そのため、完成まで時間がかかります。おおよそ、6カ月程度の施工期間がかかることを覚えておきましょう。
当然、その間は自宅に住むことができないため、仮住まいの費用が必要になります。
1-2-3.税金がかかる
住宅を建て替えると税金がかかります。固定資産税はもちろんのこと、登録免許税などもあるのです。また、収入印紙などの諸経費も必要になります。
これらの税金を支払う義務があることを、あらかじめ把握しておきましょう。
1-2-4.建て替えに制限がかかる
建築基準法などによって、建て替えができない可能性があります。また、土地の条件によっては、既存の建物よりも小さくなる場合があるのです。
建て替えを行う際は、あらかじめ建築基準法などの制限がないかを確認するようにしましょう
2.リノベーションとは
リノベーションとは大規模リフォームのことになり、工事を行うことで新しく価値が加わることになります。リフォームはあくまでも修繕工事になるため、古くなったものを元に戻す工事です。意味合いが似ているので、間違えないようにしましょう。
では、リノベーションを行うと、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。良し悪しを判断した上で、適切な方法を選ぶようにしてください。
2-1.リノベーションのメリット
リノベーションは、今ある住宅を活かすことができます。そのため、以下のようなメリットがあります。
- 費用を抑えられるためお得
- 工期が短い
リノベーションには、このようなメリットがあります。具体的にどのような特徴があるのでしょうか。順番にお伝えしていきます。
2-1-1.費用を抑えられるためお得
リノベーションは、費用を抑えられる特徴があります。元々ある物件を活かすことができるからです。そのため、新築に比べて値段を抑えられます。その分、内装にこだわることができるのです。
たとえば、キッチンのグレードをあげたり、好きな仕様にしたりできます。リノベーションを行って、お得にマイホームを手に入れるのも1つの方法です。
2-1-2.工期が短い
リノベーションは、1~3カ月程度で工事が完了します。建て替えるよりも、工期が短くすみます。そのため、建て替えに比べると、早めに新しくなった住居で生活することができるのです。ただ、工事の規模によっては、賃貸などの仮住まいが必要になるケースがあります。
その場合でも、新築に比べると賃貸の費用などを抑えられます。
2-2.リノベーションのデメリット
リノベーションには、メリットだけではなくデメリットもあります。どのような欠点があるのでしょうか。以下がリノベーションのデメリットになります。
- 老朽化が激しい場合費用が高額になる
- 自由に設計できない
- 築年数は変わらない
このようなデメリットが、リノベーションにはあります。それでは、順番にお伝えしていきます。
2-2-1.老朽化が激しい場合費用が高額になる
住宅の築年数が古い場合、老朽化が進んでいる可能性があります。柱が腐ったり、シロアリが発生したりするのです。そのため、その部分を補修する工事を行います。このとき、老朽化の具合によっては、補修費用が高額になるケースがあります。
ただし、それだとせっかくリノベーションしても、新築とあまり値段が変わらなくなる可能性があるのです。リノベーションをするのであれば、お得に工事を行いたいものではないでしょうか。老朽化が進んでいる場合は、リノベーションではなく、建て替えたほうが良いケースもあります。
もし、老朽化が進んでいると感じているのであれば、一度工務店などに相談して建物の状態を診断してもらいましょう。
2-2-2.自由に設計できない
リノベーションは、ある程度は自由に設計することが可能です。しかし、キッチンの場所を移動したり、お風呂の場所を変えたりするような工事は、費用が高くなるため現実的ではありません。
また、既存の建物を活かすため、新築に比べると自由度は劣ります。ある程度好きな仕様にすることはできますが、すべて自由に設計できるわけではないことを覚えておきましょう。
2-2-3.築年数は変わらない
たとえ、リノベーションをしたとしても、築年数は変わりません。基礎、屋根、柱などの建物そのものを活かして工事するからです。
たとえば、築年数が30年の住宅をリノベーションするとします。その場合、20年経過すると築50年になります。つまり、内装などはリノベーションによって新しくなったとしても、基礎や屋根などの築年数は、築50年のままなのです。
内装は20年経過しても問題ありません。しかし、基礎や屋根などの元々の部分は、耐久性が低くなっている可能性があります。
リノベーションする際は、元々の部分の築年数は変わらないことを踏まえた上で工事を行うようにしましょう。
3.建て替えとリノベーションの特徴で比較
建て替えとリノベーションのメリットデメリットをお伝えしてきました。それぞれの良し悪しを理解できたのではないでしょうか。
ただ、まだ建て替えとリノベーションのどちらがいいのか、判断できない方もいるのではないでしょうか。そこで、以上までのことを踏まえた上で、建て替えとリノベーションの特徴を比較してみましょう。
3-1.工事の内容
建て替えは元々ある建物を取り壊してから、新しく住宅を建てます。自由に設計できたり、好きな仕様にできたりします。そのため、自由度の高い住宅を設計できるのです。
ただし、建築基準法によっては住宅の大きさなどに制限があるケースがあります。建て替える際は、注意しましょう。
一方、リノベーションの場合、元々の住宅を活かした設計になります。そのため、建て替えに比べると自由度は劣ります。
建て替えは、自由に設計できますが、リノベーションは元々ある住宅の範囲内で間取りや仕様を決める違いがあるのです。この違いを理解した上で、建て替えとリノベーションのどちらかを選択しましょう。
3-2.費用や相場
建て替えは、今ある住宅を取り壊す解体費用に加えて、新築の建設費用が加わります。そのため、1,500~4,000万円程度の費用が必要です。
一方、リノベーションの費用は800~2,000万円程度の金額が目安です。
したがって、コスト面を重視するのであれば、リノベーションのほうが安くなります。とはいえ、築年数や補修内容など、トータルで考えると必ずしもリノベーションのほうがお得とは言えません。トータルのバランスを考慮した上で、判断するようにしてください。
また、ここでお伝えした内容は、あくまでも目安になります。金額は、内容やグレードなどによっても変わってくるからです。あらかじめ把握しておきましょう。
3-3.築年数の目安
築年数が30年以上の物件になると、建て替えを検討される方は多く見られます。
築30年の物件を1,000万円かけてリノベーションしても、その後のことを考えると、建て替えてしまったほうが良いという判断をされる方がほとんどだからです。
一方、リノベーションの場合、20~30年が目安になります。築20年であれば、リノベーションしてから20年経過しても築40年になるため、基礎や屋根などの既存の部分の耐久性が保たれると考えられます。したがって、建て替えるのではなく、リノベーションされる方が多くみられます。
現在の築年数を考慮した上で、建て替えとリノベーションのどちらがいいのかを判断しましょう。
3-4.設計などの自由度
前述でも述べたように、建て替えは、新築を建てるため自由に設計できます。
一方、リノベーションは設計に限りがあります。そのため、自由に間取りや仕様を設計したいのであれば、建て替えがおすすめです。家族が増えたり、部屋の大きさや数などを変更したりした場合は、建て替えを検討すると良いでしょう。
3-5.完成までの期間
建て替えとリノベーションでは、完成までの期間は異なります。建て替えはゼロから新しく住宅を建てるため、6カ月以上の期間が必要です。
一方、リノベーションは、元々ある住宅を活かして施工を行います。そのため、1~3カ月で工事が完了します。建て替えとリノベーションでは、工事が完了するまでの期間が変わることを覚えておきましょう。
4.建て替えとリノベーションを選ぶポイント
建て替えとリノベーションを選ぶポイントがあります。一生に一度の買い物になるため、後悔しない選択をしましょう。そのためには、以下でお伝えするポイントを抑えておきましょう。
4-1.長い目を見てトータルで費用を比較する
建て替えとリノベーションの費用を比較する際は、長い目を見て決断しましょう。目先の利益を求めすぎると、後々後悔する可能性があるからです。
たとえば、築40年の住宅を建て替えかリノベーションするのか迷っている場合、築年数や費用のバランスを考慮した上で判断しなければいけません。このとき、建て替えに比べると、リノベーションのほうが費用を抑えられます。
しかし、築年数や後々のことを考えると、必ずしもリノベーションのほうがお得だとは言い切れません。したがって、建て替えとリノベーションの費用を比べる際は、10年、20年後のことを想像して決めるようにしてください。
そうすれば、トータルで得をする選択ができるのではないでしょうか。
4-2.専門家に家の調査を依頼する
建て替えかリノベーションかを判断する前に、必ず専門家に家の調査を依頼しましょう。家の現状を把握しなければ、正しい判断ができないからです。
たとえば、同じ築30年の家であったとしても、住宅の傷み具合は異なります。定期的にメンテナンスをしっかりしていた住宅とそうではない建物では、症状が変わってくるからです。
このことからわかるように、一概に築年数によって、建て替えリノベーションという判断はできないのです。状態が良ければ、築年数が30年以上の物件だとしても、リノベーションをすれば良いケースもあります。築年数だけの判断で建て替えを行うのは、もったいない場合もあるのです。
数千万円単位の買い物になるため、正しい判断をする必要があります。そのためには、まず専門家に家の調査を依頼して、正しい状態を把握しましょう。そして、適切な判断で建て替えかリノベーションを選んでください。
4-3.家族の意見や今後のライフスタイルを見直す
建て替えかリノベーションを判断する場合、家族の意見や今後のライフスタイルを考えるようにしましょう。住宅は、家族が生活する空間です。そのため、家族の意見なしでは理想の住宅を手に入れることは不可能です。
たとえば、子供たちが住むからといって建て替えた場合、子供たちが独立してしまい家から離れてしまえば、せっかく立て替えたとしても、あまり意味がありません。
家族がその後どうするかによって、建て替えかリノベーションにするのか変わってきます。未来のことなのでわからないかもしれませんが、今のうちにしっかり話し合い、家族がどうしたいのかを聞くようにしましょう。
まとめ
ここまで建て替えかリノベーションについてお伝えしてきました。それぞれのメリットデメリットや違いは、理解できたのではないでしょうか。
今一度、それぞれの特徴をお伝えします。
- 建て替えは、費用がかかるが自由に設計できる。築年数が30年ならば建て替えする方が多い
- リノベーションは、費用は安いが設計に制限がある。築年数が20年以下ならリノベーションする方が多い
建て替えとリノベーションにはそれぞれ特徴があるため、よく吟味して適切な方法を選んでください。一生に一度の買い物だからこそ、後悔のない選択をしましょう。
リフォームは、300万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。