洗面所は、家族が毎日使う場所です。朝起きたら顔を洗ったり寝る前には歯を磨いたりします。また、男性と女性とではそれぞれ用途が異なります。男性の場合はヒゲを剃り、女性の場合はメイクをします。
家族でもそれぞれ使う目的が変わるため、洗面所や洗面台のリフォームする際は、家族全員が納得のいくものにするようにしましょう。
しかしながら、初めてのリフォームになるため、「いくらかかるのか」「どのような注意点」があるのかわからない方がほとんどです。
そこでここでは、洗面所をリフォームする方が知りたい「費用」「ポイント」「収納」などの情報をまとめました。注意点を抑え、理想の改修工事にしましょう。
洗面台・洗面所のリフォームの費用や相場
洗面所のリフォームの費用は、おおよそ30万円くらいが相場です。
ただし、低価格なものになると、15万円程度で行えるものもあるため、あなたがどのような修繕工事をするのかによって値段は大きく異なります。
そこでこの項では、洗面所のリフォームを事例別に価格を紹介します。これを参考にすれば、あなたが行いたい、修繕工事がいくら必要なのかの目安がわかります。
20万円未満で行えるリフォーム
洗面台や洗面所の一部をリフォームするようなリフォームであれば、20万円以下の金額で可能です。では、具体的にどのような事例があるのかを紹介します。
洗面所の内装のリフォーム:5万円
洗面所の内装のリフォームになります。主な内容は、床を耐水性のあるクッションフロア(シート系ビニール床材)のものにする改修工事です。
洗面所がお風呂の脱衣所を兼ねている場合、お風呂上りに濡れたままの状態になります。フローリングだと水に弱いため、床が傷んだりカビが発生したりしてしまいます。
たとえばお子さんがいる場合、いくらマットを敷いたとしても、なかなか子供たちはその上でおとなしくしてはくれません。少し目を離したら、床がびしょ濡れになってしまったということはよくある話です。
これを防ぐために、床材を耐水性のあるものに変えるリフォームを行います。また、水に強い素材になるため、掃除は非常に楽なのが特徴です。
壁紙(クロス)の張替え:8万円
洗面所の壁紙の張替えになります。費用は業者やクロスの種類にもよりますが、8万円程度です。
脱衣所を兼ねている場合、湿気が多くなります。そのため、壁紙の劣化が早いです。最悪の場合、カビが発生していることも考えられます。特に、古い住宅の場合はリフォームを行い、壁をきれいにしましょう。
クロスを張り替えるとイメージはガラッと変わります。値段もそこまで高額ではないため、壁紙を張り替えて洗面所の気分をリフレッシュしましょう。
洗面台の取り換え工事:10万円
ユニットタイプ(あらかじめ決められたサイズの洗面台)のリフォームであれば、洗面所を取り換えるだけです。そのため、比較的安く行えます。
すでにできているものを交換するだけになるため、手間がかからず工事費用も抑えられます。また、安いものだと5万円程度で購入することが可能です。特にこだわりがないのであれば、低価格なものを購入してもよいのではないでしょうか。
洗面台は、グレードが上がるにつれて、機能性やデザインが良くなります。せっかくリフォームを行うのであれば、性能にこだわったものを採用すると、その後の満足度は高くなるはずです。
50万円未満で行えるリフォーム
洗面所のリフォームでは20~30万円が一番多い価格帯になります。洗面台の交換から、壁紙の張替えを一緒に行うケースが多いからです。
洗面台の交換と壁紙の張替など何かほかのリフォームを同時にするのであれば、20~30万円程度の費用がかかることを想定しておくとよいでしょう。
ただし、グレードや洗面台自体の価格が高くなるとその分費用は高額になります。
洗面台の交換と内装のリフォーム:30万円
洗面台の交換と内装のリフォームになります。内訳は、洗面台が10万円になり、内装が5万円です。そして、施工費用が15万円の計30万円になります。
このリフォームは、洗面台のグレードはシンプルなものを使用し、内装の床材には防水性の高いクッションフロアを採用しました。なお、壁紙は調湿機能(壁紙が湿度を調節する)のものになります。
これにより、床は水に濡れても大丈夫になり、壁紙も湿気で傷まなくて済みます。ある程度まとめて行うと手間暇がかからないため、施工費用を抑えることができるのです。
もし、洗面台と内装をリフォームする予定があるのであれば、一緒に行ったほうがお得になります。
システムタイプ(カスタマイズできる洗面所)のリフォーム:45万円
先ほど「洗面台の取り換え工事:10万円」で説明した、ユニットタイプとは異なり、システムタイプのリフォームになります。
ユニットタイプのものは、すでに出来上がっている既製品になるため、デザインなどはあるものをそのまま設置する洗面所でした。
反対にシステムタイプは、デザインやオプションを自由に選べる洗面台です。また、デザインも豪華なものにできたり、大きさや幅も自由に選べたりします。
収納スペースなどの多く確保できるので、たくさんものをしまうことができるのです。洗面所に収納があるととても便利になります。
家族がたくさんいる家庭であれば、このようなシステムタイプのリフォームを行うと良いのではないでしょうか。
50万円以上の洗面所のリフォーム
洗面所のリフォームであっても、ハイグレードのものにすると施工費用は50万円を超えます。せっかく改修工事を行うのであれば、いいものにしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方は、あなただけの高級洗面台にリフォームするようにしましょう。以下で事例を紹介します。
高級洗面所のこだわりのリフォーム:60万円
出典:LIXIL:ルミシス
「TOTO」「LIXIL」「Panasonic」などが展開しているハイグレードの洗面台のリフォームです。機器の費用だけで数十万円するため、施工費用などを含めると値段は50万円を超えます。
しかしながら、その質感は高級洗面所でしか味わえません。予算に余裕があるのであれば、グレードの高い洗面台をお勧めします。また、開口(幅)も120㎝のモデルにすれば、二人並んで使用することも可能です。朝順番待ちなどをする必要がなくなるため、とても快適になります。
あなたも自宅でまるでホテルのような洗面所で、朝を過ごしてみてはいかがでしょうか。
洗面台・洗面所のリフォームの6つのポイント
冒頭で述べたように、洗面台や洗面所は家族が毎日使う場所です。そのため、家族全員のことを考えてリフォームしなければいけません。ポイントを押さえないと、使いにくいものになる可能性があるからです。
また、洗面所は水を使うため、清潔に保つ必要があります。衛生面や手入れなども考えるようにしてください。
そこでこの項では、洗面所のリフォームを行う際の注意点や秘訣を紹介します。これを参考にして、満足のいく改修工事にしましょう。
1.洗面化粧室として利用する
出典:Panasonic
冒頭で述べたように、洗面所では髭を剃ったり髪形を整えたりします。女性の方は、メイクをする方もいるかもしれません。そのため、清潔感のある空間にしたいスペースになります。
また、水回りはカビなどが生えやすいです。リフォームを行うのであれば、家族が心地よく使えるようにするのはもちろんですが、メンテナンスを行いやすい作りにするようにしてください。
1-1.自然光に近い色の照明にする
洗面所をパウダールームとして使用する場合、照明の色は自然に近いものにするようにしましょう。
このとき、自然の光を窓から取り入れることができるようにリフォームすると良いです。暗すぎる照明などでは、化粧の色合いなどがわかりにくいため、思っている色と違う仕上がりになる可能性があります。
もし、パウダールームとして使用する可能性があるのならば、照明の色は気を付けましょう。また、長く居座る場合、椅子を設けるのもお勧めです。
2.脱衣所として使う洗面所のリフォーム
出典:オウチーノ
洗面所は、お風呂に近いケースが多いです。そのため、脱衣所として利用する家庭も少なくありません。
しかしながら、脱衣所として使う場合、床材は防水性や耐水性に優れた素材でリフォームするようにしてください。お風呂上りに床が濡れてしまうからです。
2-1.床をタイルやクッションフロアにする
フローリングなどの床材の場合、水に濡れるとよくありません。カビが生えたり変色してしまったりするからです。そのため、床はタイルやクッションフロアにすると耐水性の高い洗面所になります。
また、湿気が多いため、壁紙や天井にカビが発生しやすいです。そこで、調湿機能のある壁紙や防カビの塗料などにするようにしましょう。
これであれば、湿気が多くても問題ありません。せっかく洗面所をリフォームするのであれば、なるべく防水性に優れたものを使用するようにしてください。
2-2.温度対策を行う
洗面所は浴室やトイレなどと隣接しているため、温度が上がりやすいです。湿気が多く気温が高いとカビが発生しやすくなります。窓があれば換気を積極的に行うようにしましょう。
ただし、窓がないのであれば、換気扇などを設置する必要があります。他のリフォームをする際に、これらの対策も同時に行うようにすると、さらに快適に生活できるのでお勧めです。
2-3.くもり防止ミラーにする
洗面所が脱衣所を兼ねている場合、お風呂から上がるとミラーがくもってしまいます。そのため、くもり防止機能がついている鏡にすると良いです。これは、追加で(またはオプション)選べる機能性になります。せっかくリフォームを行うのであれば、この性能も欲しいところです。
3.収納がたくさんある洗面台
洗面化粧室に収納スペースがたくさんあると、いろいろなものをしまえるためとても便利です。洗面所は家族全員が使います。きっとあなたの洗面台にも、それぞれの私物が置いてあるのではないでしょうか。
たとえば、化粧水やヘヤワックス、髭剃りなどです。家族のそれぞれのものが散乱していると、とても使いにくい上に見栄えもよくありません。リフォームをするのであれば、収納スペースを工夫した作りにするようにしましょう。
そこで以下では、洗面台の収納スペースのアイデアをまとめました。これから紹介することを参考にしてください。きっとすぐに採用したくなると思います。
3-1.現在収納しているのかを確認する
洗面所のリフォームを行い、収納スペースを確保するのであれば、現在の洗面台で何をしまっているのかを確認しましょう。そして、何を収納したいのかを挙げていきましょう。
たとえば「化粧品」「歯磨き」「ドライヤー」など、いろいろあるはずです。男性と女性では普段使うものが異なるため、収納したいものがそれぞれあると思います。
まずは、収納したいものを明確にし、リフォームを行ってください。収納したいものがすべてわかれば、それをしまうことができる改修工事ができます。
これにより、改修工事したのにしまえなかったということを防ぐことができるのです。リフォームしてから後悔しても遅いため、抜け目のないようにしましょう。
3-2.収納と鏡を兼ね備えた洗面台
コンタクトを洗面所で交換するケースは多いです。また、お風呂上りに化粧水を使う方もいると思います。
洗面所を化粧室として利用する方は、洗面台に収納スペースが付いた鏡にすると良いです。
メーカーが販売しているものの中には、鏡を広げると収納することができるものがあります。コンタクトレンズはもちろんのこと、メイク道具などもしまえるので便利です。
3-3.おしゃれな収納でかっこよくする
出典:RoomClip
少し工夫するだけで、収納スペースがおしゃれなものになります。以上の画像のように、カゴやタオルなどを少しかっこよくするだけで印象はガラッと変わるのです。
少しアレンジするだけであなただけの収納スペースになるということを覚えておきましょう。あなただけのオリジナルの洗面所にすると、リフォームが楽しくなります。
4.使いやすい高さにする
出典:水回りDo
使いやすい洗面台の高さは、家庭によって異なります。あなたの家族が、どのくらいの高さが使いやすいのかを把握してから適切なものを採用してください。
以前は、JIS規格(日本の国家標準の一つである)の72㎝が一般的な高さでした。
しかしながら、近年では背の高い家庭が増えたり髪の毛を洗う方が増えたりしたため、75~80㎝などの大きさの規格が増えています。
4-1.身長が低い人に合わせる
ただ、洗面台の高さはなるべく背の低い方を優先するがポイントです。身長が高い人は、少しかがむだけで使用できるからです。
一方身長の低い方は、洗面台が高すぎると背伸びする必要があるため、とても使いにくいです。また、手や顔を洗う際、洗面所の位置が胸ぐらいの場所にあると、ひじを伝って水が垂れてしまいます。
要するに、洗面所は低い場合よりも高いほうが使いにくいということです。
家庭の中でも女性や高齢者の方のほうが、身長が低い傾向にあります。特に、家族におじいさんやおばあさんがいる場合は、なるべく洗面台は高すぎないようにしましょう。
非常に使いにくいため、なんのためのリフォームかわからなくなってしまうからです。家族が使いやすいような気配りが、家庭を円満にしてくれるポイントになります。
5.洗面所に洗濯機を設けて家事室にする
洗面所に洗濯機を設置するケースは、多くの家庭で見られます。
つまり、洗濯機があるということは、そこが家事室として機能するのです。リフォームする際は、そのことを考慮した上で行うようにしましょう。
たとえば、洗濯物を洗い終わった後、すぐに干せるようにすると便利です。
5-1.洗濯物を干す作業を楽にする
洗い終わった洗濯物を干す作業は、とても重労働になります。家族が増えるにつれてその量は増すので、それが毎日となると家事の負担はとてつもないものです。そのため、洗濯を終わったら干すという流れをスムーズにする必要があります。
洗面所のリフォームをするのであれば、家事の負担を減らせるような工夫をするようにしましょう。そうすれば、日々の洗濯が楽になるはずです。
部屋干しを行うのであれば、脱衣所に以下のような部屋干しユニットなどを設置すると、そこで干せるようになります。
出典:部屋干し専用:リモコンで昇降する電動物干しユニット「ホシ姫サマ」
また、ベランダなどで外干しする際も、移動距離も短くするような工夫があると毎日の洗濯の労力を少なくできます。その他にも、アイロンや服を畳む場所などをどこにするのかをよく考えて、リフォームを行いましょう。
毎日頑張っている奥さんを、少しでもリフォームで楽をさせてあげてはいかがでしょうか。
6.冬のお風呂上りに暖かい脱衣所
洗面所を脱衣所として利用する場合、寒さ対策を行うようにしましょう。お風呂に入ったり出たりする際、裸になります。夏場ならばいいですが、冬場になるととても寒いです。
また、お風呂上りはびしょ濡れで出るため、なおさら寒いのではないでしょうか。これを防ぐためには、暖かい脱衣所にしなければいけません。
たとえば、窓を2枚ガラスなどにすると、寒さを和らげることができます。また、冬は朝も冷えるため、起きて顔を洗ったり歯を磨いたりするときも快適です。
特に寒い地方の方は、このような工夫を行うとその後の脱衣所の使用が快適になります。
6-1.ヒートショック現象対策
ヒートショック現象とは、急激な温度差によって体が受ける影響のことです。お風呂に入る際、寒い脱衣所から暖かいお風呂に入ります。このときの温度差によって、急死してしまうケースは少なくないです。
出典:高齢者、若者もなる恐怖のヒートショック!予防や対策はコレだ!
特に、家族にお年寄りがいる場合、ヒートショック現象が起こらないような工夫を行うようにしましょう。先ほど述べたように、2枚ガラスにしたり内窓を設けたりなどの防寒対策のリフォームを起こってください。
今は若くて問題ないかもしれませんが、数十年後の自分のことを考えると、暖かい脱衣室にする必要があるはずです。「明日は我が身」という言葉があるように、いつあなたがヒートショック現象になるかはわかりません。
大切な家族を守るために、なるべく温度差のない空間づくりをするようにしてください。
よくある洗面所のリフォームの失敗談
洗面所のリフォームをする上でいくつか落とし穴があります。これを知らずに改修工事を行うと、かえって使いにくくなる可能性があるのです。
それを防ぐために、洗面所のリフォームの失敗談を紹介します。実際に改修工事を行った方の意見になるため、必ず参考にするようにしましょう。
コンセントの数が足りない
洗面所はコンセントの数が不足しがちです。ドライヤーやアイロン、シェーバーなど電気を使うものはたくさんあります。
せっかくリフォームするのですから、「コンセントの数をもっと増やせばよかった」ということのないようにしましょう。また、これら以外にも足元に掃除機や暖房用の電源を取れる場所を設けると便利です。
裸になることを忘れていた
洗面所を脱衣所として利用している方は、裸になる空間ということを認識する必要があります。大きな窓を設けることで、開放的になりすぎたために、「覗かた」というトラブルも少なくないからです。
家族ならばいいかもしれませんが、あまり開放的すぎると親や親戚などが遊びに来た場合に「裸を見られる」という問題が起ってしまいます。
リフォームする際は、脱衣所は裸になる空間ということを踏まえた上で、プランを決めるようにしてください。
洗濯機が置けなくなった
洗面所に洗濯機を置くのであれば、そのスペースを確保するようにしましょう。あまり狭すぎると、機器によっては入らない可能性があるからです。
また、洗濯機を買い替える際に、欲しい機器が自宅には入らないということを防げます。今あるもののピッタリの大きさでリフォームしてしまうのではなく、ある程度いろいろなモデルのものが入るような広さを確保しておきましょう。
まとめ
洗面台・洗面所のリフォームの費用やポイントなどを説明してきました。
洗面台や洗面所のリフォームの費用や価格は、行う内容によっても異なります。ここで紹介したものと同じような改修工事を行うのであれば、参考になるはずです。
ただし、リフォームの値段は電化製品のように定価がありません。施工業者によっても異なりますし、仕様によっても変わってくるからです。
また、安さだけを求めるのは控えるようにしましょう。質の悪いリフォームになってしまう可能性があります。
リフォームの費用は、材料を安いものにしたり、工程を少なくしたりすることでいくらでも安くできるからです。
数十万円単位の高額な買い物になるため、納得のいく工事にするには、値段だけを追求しないようにしてください。
なお、洗面台や洗面所のリフォームは、少し工夫するだけでとても生活は快適なものになります。ここで紹介したポイントや失敗談などを参考にして、満足のいく改修工事にするようにしてください。
リフォームは、300万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。