二世帯住宅

二世帯住宅とは?完全同居・部分的共用・分離型の間取り図と例

二世帯住宅間取り

二世帯住宅を選ぶ際、あなたがどのように親世帯と一緒に暮らしたいのかによって、間取りが決定します。

ただ単に、二世帯住宅と言っても、大きく分けて3種類のタイプがあります。ライフスタイルによって、適切な間取りがかわるため、この中からあなたの理想の間取りを選ぶ必要があります。

ここでは、代表的な二世帯住宅の3つの種類とその間取り図を順番に解説していきます。それぞれを比較して、あなたの思い描いているイメージの住宅を検討してください。

1.完全同居型タイプ

二世帯住宅には、完全同居型のものがあります。以下の画像がそれになります。

二世帯完全同居型タイプ

出典:https://www.rakunism.com/plan/99/

完全同居型タイプは、寝室以外のものすべてを共有して生活します。そのため、一緒になって料理を作ったり、ご飯を食べたりします。また、お風呂やトイレなどもシェアします。

簡単に言えば、サザエさん一家のようなイメージになります。一つ屋根の下、二つの世帯が一緒に仲良く生活します。

もし、婿養子(むこようし)の家庭が両親と一緒に住む場合、家事を行うのが実の母親と娘になるため、同じ生活習慣で炊事などを行うことができます。

家庭によって、みそ汁の味付けが変わるように、「家庭の味」というものが存在します。

同じ家庭で生活してきたのであれば、母親から味を学んでいるため、料理の仕方はほとんど同じになるはずです。

血もつながっており、同じ環境で生活してきた期間が長いため、何の違和感なく、協力して料理を作ることができます。

また家事だけではなく、育児なども協力して行えるメリットがあります。共働きの家庭の場合、手軽に両親に子供を預けられるため、安心してフルタイムで働くことができるのです。これにより、収入が安定します。

ただ、完全同居は、同じ空間で生活を共にするため、子世帯と親世帯との距離が近くなり、プライバシーの独立性が希薄になります。

2.部分的共用型タイプ

二世帯住宅の中に、玄関やキッチン、トイレやお風呂などを部分的に共用する「部分的共用型タイプ」があります。以下の画像がそれになります。

二世帯部分的共有

出典:新感覚の二世帯住宅(講談社)

このタイプは、設備を部分的に共用することができるのが特徴です。玄関を共用したり、トイレやお風呂を一緒に使用したりできます。

先ほど述べた完全同居型に比べて、常に生活を共にするわけではないため、ほどよい関係を保ちながら暮らすことが可能です。二世帯住宅は、両親に気を使います。あまり距離感が近すぎると、疲れてしまいます。

これから先ずっと生活するのにもかかわらず、ストレスが溜まってしまうのでは本末転倒です。無理をせず、あなたの負担にならない程度の距離感を保てる二世帯住宅にするようにしてください。

なお、部分的に共するため、水回りなどのコストのかかる設備1つですませることができます。ただし、共用型タイプの二世帯住宅では、世帯間のライフスタイルの違いなどから、トイレやミニキッチンなどを追加するスタイルが主流になっています。

二世帯住宅は、距離感が近すぎると、ライフスタイルや生活感の違いから疲れてしまう場合があります。

本来、体と精神をリラックスさせるプライベート空間で、ストレスが溜まってしまうのでは本末転倒です。無理をせず、あなたの負担にならない程度の距離感を保てる二世帯住宅にするようにしてください。

特に、これからお子さん面倒など、親世帯にはいろいろと迷惑をかけることが多いです。あなたの要望も大事ですが、両親とも、よく話し合いをして「どの程度共用にするのか」を決めるようにしましょう。それが二世帯住宅を成功させるポイントです。

3.完全分離型タイプ

二世帯住宅には、隣同士で住んでいるかのような「完全分離型タイプ」があります。以下がその間取り図です。

完全分離二世帯住宅

出典:https://xn--nbk520gdka5zu9ngzmmqehz8k.com/

これは、間取りのすべてを別々に分ける二世帯住宅になります。なお、上の図は、左右で2つに分けるタイプのものです。そのほかに、1階と2階を完全に分離する仕様があります。

イメージとしては、マンションやアパートのような感覚です。

ただし、あなたの世帯と親世帯にそれぞれ玄関やお風呂などの水回りのすべてを別々に建設するため、建築費用は2世帯分必要になります。完全分離型にする場合、お金がかかることを覚えておきましょう。

また、完全分離型の二世帯住宅の場合、音の問題があります。左右で分けるのであれば、ある程度は緩和されますが、上下で分離する場合、下に振動や音が伝わってしまいます。

一般的に、上下で分ける場合、2階があなたの世帯になり、1階が両親が暮らします。2階で子供たちがはしゃいだりすると、1階に響いてしまうため迷惑をかける可能性があるかもしれません。

あまり音や振動で迷惑をかけない場合、左右で分けるのも良いでしょう。

ただし、左右で分ける場合、敷地面積に余裕がなければいけません。そのため、土地の大きさを考慮した上で、どのような完全分離型の住宅にするのかを判断しましょう。

いずれにしても完全分離型の二世帯住宅は、世帯間のプライバシーを守れるため、ストレスを感じることが他のタイプに比べて少なくなります。

お互いの生活スタイルを尊重し、それぞれのプライバシーを確保しながら、手の届く距離で住む場合の選択ですね。

二世帯住宅は補助金がもらえ(三世代同居)

国土交通省が主導して取りまとめた政策に「地域型住宅グリーン化事業」がありまこれは事業に適応した住宅を建築し、申請が認められた場合に補助金が交付されるというものです。

この制度を利用して、長期優良住宅やゼロエネルギー住宅(ZEH)などの二世帯住宅(三世代同居)を建てると、補助金が増額されます。

それでは、その内容について詳しく解説いたします。

地域型住宅グリーン化事業とは

地域型住宅グリーン化事業とは、地域において木造住宅生産体制を強化しながら環境への負荷を低減することを目的としています。

まず、補助金の交付を受けるためには一定の条件を満たした住宅とする必要があり、以下のいずれかに該当することで補助金を受けることが可能となります。

  • 認定長期優良住宅:140万円/戸
  • ZEH、Nearly ZEH:140万円/戸(長期優良住宅と併用する場合は150万円)
  • ZEH Oriented:90万円/戸
  • 認定低炭素住宅:90万円/戸

補助金の加算措置

上記の補助金以外に、新築する住宅が下記に該当する場合は、該当項目によって、それぞれの補助金が加算されます。(一部併用可)

  • 地域材等加算:20万円/戸(主要構造材の過半に地域材を使用)
  • 地域住文化加算:20万円/戸(地域の伝統的な建築技術による住宅)
  • 三世代同居加算:30万円/戸(完全分離型は不可)
  • 若者・子育て世帯加算:30万円/戸
  • バリアフリー加算:30万円

二世帯住宅で上記の三世代同居の補助金対象とするには、世帯間の住居を行き来することができることとなっていますから、完全同居型と部分的共用型が対象です。さらに、玄関、キッチン、浴室、トイレのうち、いずれかを2つ以上設置する条件もついています。

なお、上記の加算項目に複数該当する場合は、40万円/戸が限度とされており、併用可能な組合せは下表の通りです。

例えば完全分離型ではない二世帯住宅(三世代同居)を長期優良住宅で建てた場合、補助金は170万円となります。さらに、ZEHやバリアフリーにも該当する場合は合計で190万円の補助金となります。

なお、地域型住宅グリーン化事業や補助金、そして各住宅の定義や詳細は下記のHPで参照願います。

国交省:地域型住宅グリーン化事業

国交省:長期優良住宅(新築) 長期優良住宅(増築・改築)

住宅金融支援機構:ZEH、Nearly ZEH、ZEH Oriented

国交省:低炭素住宅

上記の各補助金は、国交省の採択を受けたグループ(木材業者や施工業者など)が地域型住宅グリーン化事業に該当する住宅を建てる時にグループに交付されます。

つまり、結果として請負金額(販売価格)に反映されるため、ユーザーは、その分安く建てられるということです。

ですから、ユーザーが、この制度を利用して新築住宅を安く建てたい時には、国交省の採択を受けたグループの施工業者に依頼する必要があります。

国交省:地域型住宅グリーン化事業 採択グループ一覧

二世帯住宅の税金対策

二世帯住宅における経済的メリットのひとつに、税金対策として効果的であるという点があります。

主に相続税に関する部分においてその効果を発揮するわけですが、その仕組みについて詳しく解説いたします。

相続税を抑えることができる

相続税とは人が亡くなることで財産を相続した場合に課される税金で、土地や建物についても対象となります。

土地に課される相続税は評価額に基づいて計算されますが、その額によっては売却するなどの対策をとらないと支払いができないケースも生まれます。

生活の基盤としている土地であった場合には、その後の生活環境が大きく悪化することなどが考えられるので注意が必要です。

そういった状況を防ぐために、一定の要件を満たす場合には特例が認められ、土地の評価額を減らすことができるというものです。

これを「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例」(小規模宅地等の特例)といって、相続する土地に対して相続税の評価額を最大80%まで減額するもので、相続人にとっては非常に重要な内容となります。

ただ、小規模宅地等の特例を受けるには、いくつかの要件を満たす必要があります。二世帯住宅においては、大前提にあたる部分で要件を満たすことができるため有利に働く傾向にあります。

特例が認められた場合、土地評価額が下がり相続税も減額されるという仕組みとなります。

小規模宅地等の特例の内容について

小規模宅地等の特例が適用できるかどうかで、場合によっては相続税が膨大な額で変わってくることがあるため事前に対策しておくことも重要となります。

特例が認められ相続税の減額を実現するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

その要件のひとつが、「被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族」とあります。

すなわち、相続以前から被相続人名義の建物で生活を共にしておく必要があるということです。

二世帯住宅などで同居をしておくことで、特例の認定における大前提をまずは達成することができます。

そのうえで、「その宅地等を相続税の申告期限まで有していること」の要件を満たせば特例を使うことが可能となります。

相続が発生する以前から同居する親族が土地を相続した場合は、相続が発生して申告期限となる10か月の間は所有し居住しておく必要があるということです。

ただし、二世帯住宅であっても特例が認められないケースがあるため注意が必要です。

区分所有登記をしているケースとなりますが、例えば1階と2階のそれぞれ親と子で名義を分けて登記している場合は、同居とはみなされないとして特例を受けることはできません。

小規模宅地等の特例は非常に複雑で、多くの条件を満たして適用されますが、適用されるとされないでは非常に大きな差が生まれます。

二世帯住宅は、その対策として非常に有効であるため検討してみることも良いのではないでしょうか。

これらの制度は難しい部分が多いため、まずはハウスメーカーや工務店の方に相談してみましょう。

二世帯住宅にかかわる贈与税

贈与税とは、個人から財産をもらったときに受け取った側に対して課される税金のことです。

1年間にもらった財産の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対して課税されるため、もらった財産の合計額が110万円以下であれば贈与税はかかりません。

対象が親族であるかどうかは関係なく、財産を受け取った場合には誰であろうと贈与税が発生することになります。

二世帯住宅を建築する際、親と子の共同で費用を捻出するケースがありますが、名義をどのようにするかという点では注意が必要です。

共同の名義で登記する共有登記とした場合は、所有権を持つ親が亡くなり相続が発生したときに問題が起こることがあります。

例えば、相続人が複数存在する場合、遺産分割で親名義の部分を細かく分配すると所有者の数が増え複雑化してしまいます。

さらに、単独所有に切り替えるとしても相続人の間で協議が必要です。

このような公平な分配が困難な状況になった場合には、トラブルに発展する恐れがあります

所有権を2戸に分けて登記する区分所有登記とした場合は、相続税手続きにおいて小規模宅地等の特例による減額が適用されません。

また、子どもの名義とする場合は、親からの資金提供を受けたとみなされ贈与税が発生することになりますが、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」(住宅資金贈与の特例)を利用すれば多くの部分で非課税となる場合があります。

この制度は、親などからの贈与によって居住するための住宅を建築・取得した場合において、一定の要件を満たすとき、贈与税の一部が非課税になるというものです。

一定の要件とは、主に子どもの年齢が20歳以上であることや年間所得が2,000万円以下であることなどです。

非課税となる限度額は住宅の性能によって変わり、省エネ等以上の住宅で1,000万円まで、その他の住宅では500万円までとなっています。(令和4年4月1日現在)

共同で出資して、二世帯住宅を建築・取得する場合は名義をどうするのか、子ども名義とするなら住宅資金贈与の特例を利用して贈与税対策をするということがポイントとなります。

新しく住宅を建築することを検討するのであれば、補助金が利用できるうえ税金対策にも有効な二世帯住宅がおすすめです。

まとめ

二世帯住宅は、「完全同居型」「部分共有型」「完全分離型」の3つの種類があります。このとき、親世帯とどのような距離感で生活したいのかによって、間取りを選ぶようにしましょう。

さらに、親世帯と生活を共にすることで経済面では節約効果が高まり、また協力体制や見守り効果など精神面においても安心へとつながります。

あらゆる点でメリットの大きな二世帯住宅を検討してみてはいかがでしょうか。

これから一生生活する家になるため、あなたの家族と両親が幸せになれるような二世帯住宅を建設するように心がけましょう。

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