敷地面積が狭かったり、部屋の広さを確保したりするためにリビングに階段を設置しなければならないケースがあります。
ただ、階段をリビングに設置するとなると、せっかくのリビングも暗さや圧迫感が気になってしまう恐れがあります。そのため、リビングに階段を設置するには工夫が必要です。
そこで、近年増えている「リビング階段」についてご紹介します。
リビング階段の中でも人気のあるスケルトン階段のメリット、デメリットや吹き抜けについても詳しくお伝えします。
リビング階段でお悩みの方はぜひ、参考にしてください。
リビング階段はスケルトン階段がおすすめ
リビング階段を取りつける場合、スケルトン階段はとても相性がいいです。スケルトン階段は、踏板と骨組みだけで構成されている階段のことです。
オープン階段、シースルー階段とも呼ばれており、人気のある種類でもあります。
スケルトンを採用するだけで、お部屋のおしゃれ感や見通しの良さをプラスすることができることが特徴です。
しかし、スケルトン階段にはメリットもあればデメリットもあります。採用する場合には、しっかりとメリット、デメリットを把握して決めるようにしましょう。
スケルトン階段のメリット
立体的かつおしゃれで開放的な雰囲気を演出してくれるスケルトン階段。
一見、デザイン重視とも見えますが、実は住宅性能も向上させてくれるスケルトン階段はすごく魅力的なアイテムなのです。
スケルトン階段のメリットは、以下の3つです。
- 視界の広さ
- 採光の良さ
- 新鮮な空気
デザインに富んでいるだけでなく、快適な生活を送ることができるメリットばかりです。スケルトン階段を取りつけると、リビングで過ごすことが楽しくなりそうですね。
それでは1つずつ詳しくご紹介します。
視界が良くなる
踏板と骨組みだけで構成されているため、視界を遮る部分が非常に少ないです。そのため、視覚が良くなり、空間の広さを実感できるようになります。
通常の階段は周りを壁に囲まれた閉鎖的な空間です。
しかし、スケルトン階段なら、リビングからも階段からも辺りを見渡すことができます。
また、遠くにいる家族の気配も感じやすいです。
視覚的に広さを感じることができ、建物の奥行も感じやすいことも特徴です。そのため、空間を立体的に見ることができ、間取り以上に広く感じられます。
インテリアをすっきりさせたり、家具を腰の低いものにしたりするとより実感しやすくなります。また、観葉植物との相性も非常にいいです。
視覚で楽しむことが出来る点も、スケルトン階段ならではのメリットと言えます。
階段が日光を遮らない
出典:https://www.yazawa-l.com/
踏板と骨組み周りに板を取り付けて隙間を無くすのが一般的な階段の仕様です。そうなると、階段が日光を遮ってしまうというデメリットになります。
しかし、スケルトン階段は板が占める割合が最小限になっています。そのため、階段が日光を遮らず、採光が良くなることもスケルトン階段のメリットです。
広々とした空間に、自然の明るさがプラスされるので非常に温かみのある雰囲気になりやすいことも特徴です。
ホワイト系や明るめのブラウン系の木材、クロスと組みわせるとより効果が高くなります。
空気が循環する
踏板と骨組みの間が開いているため、空気の循環がスムーズな点もスケルトン階段のメリットです。
空気の循環が悪い間取りの場合、新鮮な空気を部屋内に取り入れるためには長時間、窓を開けておかなければなりません。
しかし、スケルトン階段は空気の通りが非常にいいため、短時間で空気の入れ替えを行うことができます。
通常の階段だと、階段周りや部屋の奥側の空気が入れ替わりにくいですが、スケルトン階段ならその心配がありません。
窓の設置位置を工夫すると、空気の循環効果をさらに促進させることができます。数年前に話題になった「シックハウス症候群」の対策には換気が一番です。
24時間の換気設備も合わせることで、部屋の中にいつでも新鮮できれいな空気を取り入れることができます。
スケルトン階段のデメリット
デザイン性の良さと機能性の高さがポイントのスケルトン階段ですが、デメリットもあります。
スケルトン階段のデメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 落下などの危険性が高い
- 掃除が通常の階段よりも大変
- コストが高い
スケルトン階段を採用する場合には、こちらで紹介するデメリットを把握し、対処法を考えておくことも必要です。それでは、1つずつご紹介していきます。
普通の階段より危ない
踏板と骨組みだけで構成されているため、その隙間から幼児が転落してしまう恐れがあります。
また、手すりの形状によっては側面部分から落下してしまう危険性もあります。使用する木材にもよりますが、階段の踏板部分は非常に滑りやすいです。
そのため、思わぬ事故が発生してしまう可能性があることがスケルトン階段のデメリットです。
このような事態を防ぐためには、防護ネットやつっかえ棒を取りつける方法があります。
しかし、その分見栄えが悪くなってしまう恐れがあり、非常に頭を悩ませることも事実です。
安全性とデザイン性を共存させるために、アイデアや工夫を施すことがスケルトン階段の一番のハードルでもあります。
なお、耐震性や耐久性を心配される方もいらっしゃると思います。こちらに関しては、建築基準法を満たしているため安心していただいて大丈夫です。
しかし、あくまで「最低限の基準」を満たしているだけということも重要です。通常の階段と比べると耐震性や耐久性は低くなってしまうため、注意してください。
掃除が大変
通常の階段よりも掃除する面積が多くなることもスケルトン階段のデメリットです。通常であれば踏板部分と側面の掃除で済みます。
しかし、スケルトン階段の場合は踏板の裏側や骨組みも丁寧に掃除しなければなりません。
また、掃く場合もほこりが下の階に飛び散ってしまう恐れがあります。階段掃除とリビングの掃除を両方行わなければなりません。
通常、掃き掃除だけで済む階段掃除もスケルトン階段の場合は時間と手間が非常にかかります。
掃除に時間をかけられない、掃除の頻度を最小限にしたいという方はスケルトン階段はやめておいた方がいいです。
費用がかかる
通常の階段よりもデザイン性に富んでいるため、スケルトン階段の構造は複雑になっています。そのため、通常よりも費用がかかってしまうデメリットがあります。
スケルトン階段を採用する場合は、階段も含めた空間づくりが必要になります。
踏板、骨組み、手すりなど1つ1つにこだわりが詰まっていておしゃれな分、費用も高いです。
通常の階段の施工が20万円ほどとすると、スケルトン階段の場合は80万円から100万円以上もかかるといったケースもあります。
手すりだけスチール製にするなどの工夫を行っても50万円前後は必要になります。
施工する業者によって価格設定が異なるため、スケルトン階段を採用する場合はしっかりと金額面でも相談もするようにしてください。
リビング階段は吹き抜けがおすすめ
リビング階段を設置する場合、リビングと階段のバランスを考えなければなりません。空間の圧迫感や空気の循環、採光など、注意するべき部分はたくさんあります。
そこでおすすめするのが吹き抜けです。リビング階段と吹き抜けの相性は抜群です。とてもおしゃれで見栄えも機能性も良くメリットもあります。
一方で、吹き抜けにすることで生じるデメリットには対処が必要です。
ここではリビング階段と吹き抜けを組み合わせることのメリット、デメリットをご紹介します。
リビング階段を吹き抜けにするメリット
吹き抜けはリビング階段との相性が抜群です。見栄えはもちろん、生活のしやすさを向上させることができます。
それは、吹き抜けがリビング階段のメリットを最大限生かすことができる間取りだからです。
住宅性能をさらに向上させるリビング階段×吹き抜けのメリットは、以下の3つです。
- 通気性がよくなる
- 採光が得られる
- 開放感の演出
通常のリビング階段でもこの効果を得ることはできますが、吹き抜けも合わせることで相乗効果を得ることができます。
それでは1つずつご紹介します。
風通しがよくなる
吹き抜けは風通しが非常にいいことが特徴の1つです。
室内の空気の循環が非常にいいため、外の新鮮な空気の出し入れが容易になります。
スケルトン階段と組み合わせるとより高い効果を発揮します。
また、風通しが良くなることで窓の設置も最小限に抑えることができる点もメリットです。
密室だと空気が悪くなるために、空気清浄機をつけなければなりません。
しかし、吹き抜けの場合は空気清浄機がなくとも新鮮な空気を部屋全体に取り入れることができます。
視界がいい=空気の通り道がたくさんあるということにも繋がるので、換気にも適しています。
冬でも室内が明るくなる
わずかな日光でも部屋の中に最大限取り入れることができます。そのため、冬であっても電気無しで室内の明るさを保つことができます。
採光の良さは住み続けるうえで非常に重要なことの1つなので大きなメリットです。
また、採光がいいと照明を最小限に抑えることができます。そのため、照明にかかるコストを抑えることができ、その分を他の部分に回せるといった点もメリットです。
日光を直接室内に取り入れることができるので、日向ぼっこにも適しています。
小さなお子様がいるご家庭では、室内でも日光を浴びることができるので、育児の面から見てもとても魅力的です。
開放感のある家になる
出典:https://www.yazawa-l.com/
吹き抜け最大のメリットは開放感の演出です。上記の絵のように、リビング階段を設置するだけで視界が広くなり、広々とした印象を受けることができます。
奥行が見えるようにすることで、立体的に全体を捉えることができます。
遠くまで見えるようになることで、間取り以上の広さを実感することができるのです。
また、スケルトン階段にすることでその効果はより一層強くなります。
日光が差し込むスペースも大きくなるため、より開放的な印象を強めることができます。これらは通常のリビング階段と吹き抜けの組み合わせでも得られることができる効果です。
しかし、スケルトン階段を採用すればその効果をさらに高いものすることができます。
持っているメリットが同じだからこそ、相乗効果で高い住宅性能を可能にするのです。リビング階段を検討している方は、ぜひ、吹き抜けも一緒に考えてみてください。
吹き抜けにするデメリット
リビング階段と非常に相性のいい吹き抜けですが、メリットだけではなくデメリットもあります。
吹き抜けを採用するためには、吹き抜けのデメリットをいかに対処するかがポイントです。
吹き抜けのデメリットは、以下の大きな問題が2つあることです。
- 寒さ対策が必要
- あらゆるコストが高くなる
これらは、デメリットと感じると我慢しなければならない部分でもあります。そのため、事前にデメリットを把握し、対処法を考えておくことが重要です。
それでは1つずつご紹介します。
寒さ対策をしないと寒い
吹き抜け最大のデメリットともいえるのは寒さ対策です。
特に冬は非常に寒いので、寒さに耐えられない方には吹き抜けはおすすめできません。
それは暖かい空気は上へあがっていく特徴があるからです。
暖房設備を充実させたとしても、1階が温まるまでにはかなりの時間が必要です。場合によっては、2階は十分温まっているのに、1階は寒いままなんてこともありえます。
寒さ対策としては、以下の3つが挙げられます。
- 床暖房を採用する
- 通常よりも強力な暖房設備を取りつける
- 絨毯やカーペット、ストーブなども併用する
また、使用する木材を温かみのあるカラーにすることで視覚的に温かさを演出することも可能です。
「寒さには強いから大丈夫」と思っていても、実際に暮らしてみると想像以上に寒く感じるのが吹き抜けの特徴でもあります。
採用する場合には、必ず寒さ対策を考慮するようにしてください。
費用が高くなる
吹き抜けはコストが高くなることもデメリットの1つです。
まず、通常の間取りよりも施工面積が広くなり、特殊な設計にする必要があるので建築費用が高くなります。
また、前述の通り、暖房設備も従来のものだとパワー不足になるため、設備のグレードを上げなければなりません。
さらに、光熱費も非常に高くなります。前述の通り、冬は温まりにくいですし、夏は想像以上に冷えません。
そのため、1日家にいる場合はずっとつけっぱなしにしなければならないケースも出てきます。
また、採光の良さもデメリットになりえます。
それは、特に夏は採光がいいと返って部屋の中が暑くなりすぎてしまうのです。西日が直射する間取りにしてしまったら、夕方はサウナ状態になってしまいます。
メリットがデメリットにもなり得る構造をしているため、細部にこだわって決める必要があります。
他にも、
- 臭いの充満
- 音漏れ
- 掃除が大変
などのデメリットもあるため、これらをいかに対処するかも合わせて考えることも大切です。
リビング階段で後悔しないための注意点
とても魅力的なリビング階段。吹き抜けと組み合わせるとその良さをより一層感じることが出来る点も魅力の1つです。
しかし、メリットの大きさに比例するようにデメリットが大きい点も特徴です。
そこでリビング階段を検討する際に、後悔しないための注意点をご紹介します。
オリジナリティ溢れる間取りの1つであるリビング階段を取り入れようと思っている方はぜひ参考にしてください。
今一度本当に必要なのかを考える
リビング階段や吹き抜けは非常におしゃれで魅力的ですが、その分後悔が生まれやすいものでもあります。
メリットだけではなくデメリットも考慮した上で、間取りに絶対に必要なのかを検討することがとても大切です。今までになかったものに憧れる気持ちはすごくよく分かります。
しかし、取り入れたことで「我慢」「後悔」が生まれてしまう恐れもあるのです。
長く住み続ける家だからこそ、快適性に勝るものはありません。
本当に間取りに必要なのかを検討し、結論を出すことが後悔しない家づくりに繋がります。
おしゃれではあるが費用が高くなる
デザインを重視するためにはそれなりに費用がかかります。
特にリビング階段、スケルトン階段、吹き抜けは通常の間取りに取り入れないことが一般的です。そのため、特殊な素材や設計、施工が必要になるため、コストが大きくなります。
また、生活を始めてからの光熱費も考えておく必要があります。
建築費と生活費ともに通常より高くなることを考慮しなければなりません。予算や収支の見通しを立て、ムリなく採用できるかどうかを判断するようにしてください。
業者を比較して最も良いところを選ぶ
リビング階段や吹き抜けは業者によって価格設定が大きく異なります。そのため、相見積もりを複数社に取ることがコストを抑える最大のポイントです。
業者によって価格に大きな開きが出るため、1社でも多くの業者を比較するようにしてください。
また、デザインや機能性、アイデアも業者ごとにかなり違います。数社の比較を行って、妥協して決めてしまうのは後悔に繋がってしまいます。
オリジナリティ溢れる、魅力的な間取りだからこそ、業者選びにもとことんこだわるようにしましょう。
まとめ
リビング階段はこだわることで室内を魅力的な空間に変えることができる間取りの1つです。
中でもスケルトン階段は、
- 視界が良くなる
- 採光が良い
- 空気が循環する
といったメリットがあります。
一方で、
- 通常よりも危険
- 掃除が大変
- コストがかかる
といった点がデメリットです。
また、吹き抜けとの相性が抜群によく、組み合わせることでメリットを最大限引き出すことができます。
その際も、吹き抜けにすることで生じるデメリットがあるため、対応策を考えなければなりません。
魅力的で他にはないものだからこそ、妥協することなくこだわる必要があります。業者によって価格はもちろん、設計や素材、デザイン等が大きく異なります。
そのため、リビング階段や吹き抜けを検討する場合は業者選びからこだわるようにしてください。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料