注文住宅

一条工務店の平屋、事例・提案プランから学ぶ外観と間取りの基本

数年前から、「可能なら平屋がいい」と言う声が多く、リタイア世代だけでなく子育て世代にまで人気があります。

国交省の建築着工統計調査で、3階建て以下の専用住宅の平屋率(全国平均)を見ると、2014年には7.6%だったものが2022年には13.7%で、約1.8倍にまで増えています。

      出典:リクルート社発表資料

また、ある住宅情報誌が、2021年のハウスメーカーの平屋率(上位5社)を紹介していました。(住宅産業研究所:月間TACT)

そこでは、住友林業の35.7%を筆頭に、5位タマホームの19.2%までランキングされており、今回の対象である一条工務店は、3位の24%となっています。

これらの数字には、団塊世代の高齢化に伴う平屋が増えた時代背景あるでしょうが、子育て世代に平屋の良さが理解されてきたのも大きく影響していると思います。

いずれにしても、確実に平屋の人気・需要ともに広がってきているのです。

そこで、今回は一条工務店の平屋を取り上げ、同社の外観と間取りから平屋の基本や傾向などを学んでいきたいと考えています。

マイホームを平屋で計画されている方は参考にしてください。

なぜ片流れ屋根が多いのか

      一条工務店:施工事例

明確な理由は不明ですが、平屋に限らず近年の住宅では片流れ屋根が増えてきています。

考えられる理由としては、切妻屋根や寄棟屋根に比べてコストが抑えられる、複雑な施工がなく施工不良が起こりにくい、つまり雨漏りリスクが減る、などがあると考えられます。

また、平屋の場合には、低い平屋の屋根を高くして、建物を大きく見せるデザイン的な要素もあるように思います。

      一条工務店:提案プラン例

上の2つの片流れ屋根が切妻屋根や寄棟屋根だった場合、屋根高さは1/2ほどになります。

延床面積の大きい平屋なら、切妻や寄棟でも相応の屋根高さになりますが、小さい面積の場合は高さが十分に取れず、建物全体が貧弱に見えることもあります。

また、平屋で不足するスペースを小屋裏利用で補う場合もあるかもしれませんね。

上図のように、屋根の異なる流れ方向(勾配)が接する部分(棟、隅棟など)は複雑な施工になり、雨漏りリスクが増えます。

平屋に片流れ屋根が多いのは、コストと雨漏りリスクの削減、そしてデザイン性、この3つが主な理由でしょう。

子育て世代の3LDKが間取りの中心

冒頭で、子育て世代にも平屋が理解されてきたと述べましたが、平屋率24%の一条工務店の提案プランでも、子育て世代を対象とした3LDKが中心になっています。

家族間プライバシーにも配慮が必要

        一条工務店:提案プラン例

平屋の場合、LDKと主寝室や子供室が隣り合うこともあります。その場合、収納スペースや通路を間に挟むことで音などのプライバシーを確保することができます。

また、防犯と外部からのプライバシーも平屋では特に気になる部分です。隣地や道路からの距離が近いと、高窓や防犯カメラ・センサーが必要になる場合もあります。

なお、一条工務店の樹脂枠トリプル硝子の室内側には、防犯硝子が採用されており、ある程度の安心感があります。

充実している収納バリエーションとスペース

一条工務店の間取り上で特徴的なのは、収納関係が充実していることです。

先の提案プラン例のように、部屋ごとの物入れやクローゼットはもちろん、ウォークインクローゼットやシューズクロークまでが計画されており、パントリーまで用意されているものもあります。

これは、提案プランだからというわけではなく、同社の「モデルハウス仕様が標準仕様」というコンセプトによるもので、オプションなしで実生活ができるほど充実しています。

雑誌類やダンボール類の回収日までの保管場所、あるいは掃除機や季節もの電気製品の保管場所など、実生活をリアルにシミュレーションしてみれば、いかに適材適所に収納が必要かがわかります。

一条工務店では、実際の生活上で必要とされる収納スペースをオプション扱いせずに、当たり前に計画されているのです。

平屋だからこそ重要な動線、事故を防ぐ

平屋は、階段の上下移動がない代わりに、水平移動が多く長くなります。そのため、動線の交差部分も増える傾向があり、出会い頭の事故が起こりやすくなります。

動線チェックする際のいくつかの注意点を列記しておきますので、マイホームのチェックリストとして活用してください。

  • 朝の忙しい時の洗面・トイレ・洗濯・食事の動線がスムーズか
  • ドアの開く方向が動線上にないか。
  • 来客者に気を遣わせない洗面・トイレの動線になっているか
  • 平屋であっても、間取りによっては2箇所のトイレが必要
  • 車椅子利用も想定しておく

元気な子供は家中を走り回ります。不意の出会い頭や、急なドアの開閉が事故になる場合もあるのです。

単に移動しやすいだけでなく、家庭内事故が起こりにくい動線とするようにしましょう。

その他では、車椅子利用も想定した通路幅や洗面・トイレとしておくことも重要ですね。

長期優良住宅仕様が標準の一条工務店の住宅では、子育て世代から高齢者になるまで住み続けることができます。

上下移動のない平屋では、高齢になっても全ての部屋を利用できるのが大きなメリットです。ですから、車椅子で移動できるような通路幅を確保しておくべきでしょう。

手すりはリフォームで改造できますが、通路幅や洗面・トイレの広さは簡単には変えることができませんからね。

構造的に有利な平屋、間取りの自由度が増える

平屋が2階建てよりも構造的に有利、というのは感覚的に理解できると思います。重い2階部分がない訳ですから、当然ですよね。

同じ耐震等級でも、平屋建てに必要な耐力壁(壁量)は、2階建ての1階部分に必要な耐力壁の1/2以下になります。

そして、地震の揺れも2階部分に比べて1/2ほどになり、接合部の損傷や壁の亀裂などの被害が低減できるわけです。

見方を変えると、必要な耐力壁が少なくなる分、間取りの自由度が高くなり、2階建てではできなかった広いLDKも平屋なら可能になります。

なお、一条工務店の耐震性能は社内基準で最高等級3以上としていますが、平屋ならより安心、ということですね。

まとめ

冒頭で述べたように平屋人気は、新築住宅における平屋率が上がっていることからもわかります。

元々、平屋率が大きい地方でも増えてきており、中には50%を超える地域があるほどです。

しかし、平屋の外観や間取りには2階建てにはない注意点や特徴があり、各ハウスメーカーが提案する平屋はそれらの基本を押さえ、実績をもとにプランニングされています。

一条工務店では、「一条の平屋」として同社の特徴やポイント、さらには平屋の魅力を提案プランなどで紹介しています。

マイホームを一条工務店の平屋で計画されているユーザーが、同社のホームページならびに本記事を参考に、外観や間取りのイメージづくりになれば幸いです。

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