みなさまのなかには、「そろそろ家を建て替えようか」と思う方もいるでしょう。35坪の住宅は、平均的な広さです。
しかし建て替える際にどのくらい費用がかかるかは、気になるところです。
35坪の住宅を建て替える費用には、解体工事費や建築費など、さまざまな費用がかかります。
この記事では必要な費用の項目を取り上げた上で、建て替える際のポイントや建築事例を解説していきます。
35坪の建て替えにかかる費用
35坪の家を建て替える際には、住宅そのもの以外にもさまざまな費用が必要です。
ここでは解体工事費用、引っ越し費用、仮住まいの家賃に分けて、それぞれどの程度必要か解説します。
解体工事費用:1坪3~4万円
家の建て替えには、解体工事が欠かせません。その費用は、1坪3~4万円が相場です。35坪であれば、解体に105~140万円がかかることになります。
一方で解体業者には繁閑があるため、時期により解体費用は変わります。
従って4月から6月といった閑散期に解体スケジュールを入れると、良質な作業を安価で受けることが可能です。
引っ越し費用:約20万円
自宅を建て替える場合は、今の住宅から引っ越すことが避けられません。引っ越し費用は引っ越す距離と家族人数により、以下のように変わります。
家族 2人 | 家族 3人 | 家族 4人 | 家族 5人以上 | |
---|---|---|---|---|
~15km未満 (市区町村内) |
平均80,527円 | 平均93,593円 | 平均116,398円 | 平均138,115円 |
~50km未満 (都道府県内) |
平均81,822円 | 平均103,078円 | 平均114,283円 | 平均122,071円 |
~200km未満 (同一地方内) |
平均105,918円 | 平均138,112円 | 平均151,298円 | 平均120,111円 |
~500km未満 (近隣地方) |
平均114,905円 | 平均177,000円 | 平均183,241円 | 平均318,571円 |
500km~ (長距離) |
平均148,949円 | 平均185,867円 | 平均205,932円 | 平均257,122円 |
出典:価格ドットコム
上記の表で示す通り、距離が長くなるほど、また家族が多いほど引っ越し料金は上がる傾向にあります。但し50km未満の場合、距離による差はそれほどありません。
また引っ越しの費用は、荷物の量などにも影響されます。
このためご自宅の状況によっては、費用が上記よりも大きく変わる可能性があります。
仮住まいの家賃
もし仮住まい先として賃貸物件を選ぶなら、月々の家賃も欠かせません。仮住まいの期間が長くなるほど、より多くの費用が必要です。
ここでは以下の物件に8か月間仮住まいした場合について、どれだけ費用がかかるか考えてみましょう。
項目 | 費用 |
---|---|
仮住まい家賃 | 8万円 × 8カ月分 = 64万円 |
敷金 | 8万円 × 2カ月分 = 16万円 |
礼金 | 8万円 × 1カ月分 = 8万円 |
総額 | 88万円 |
※家賃:月額8万円 敷金:家賃の2か月分 礼金:家賃の1か月分
ご覧の通り、仮住まいの費用は8か月間で88万円かかります。これは引っ越し費用よりもはるかに多額です。従って仮住まいの費用は、建て替えを行う前のチェックが必須です。
住宅を建て直す費用:35坪の場合
住宅を建て替える際にメインとなる費用は、建て直す費用となります。具体的にどの程度の費用が必要となるか、確認していきましょう。
全国平均の相場
地 域 | 建設費(万円) | 延床面積:㎡(坪) | 坪単価(万円) |
全 国 | 3,353.5 | 128.2(38.78) | 86.47 |
首都圏 | 3,627.0 | 127.0(38.41) | 94.42 |
近畿圏 | 3,408.1 | 126.9(38.38) | 88.79 |
東海圏 | 3,437.2 | 130.1(39.35) | 87.34 |
その他 | 3,193.0 | 128.5(38.87) | 82.14 |
フラット35利用者調査より引用
住宅の建設費は、全国平均で3,353万円です。また、平均坪数は38坪程度です。従って35坪の住宅を建てる場合は、上記の表に近い額が見込まれます。
いずれにしても建設費は、建て替えに関する費用のなかでも多額です。
特に首都圏で住宅を立て直す場合、坪単価の平均額は944,200円となっています。これは全国平均よりも、9%ほど高額です。
従って建設費も3,627万円と、全国平均よりも8%ほど高くなります。
35坪の注文住宅の事例
35坪の広さがあれば、さまざまなタイプの注文住宅を建てることが可能です。ここでは代表的な事例を3点取り上げ、それぞれの特徴を説明します。
1,600万円35坪新築2階建て:土間リビング付き、坪単価58万円
本体価格 | 1600万円 |
---|---|
坪単価 | 58万円 |
延床面積 | 92.74m2 |
敷地面積 | 116.10m2 |
工法 | 木造軸組 |
最初に紹介する事例は、新築で35坪の自宅を、1,600万円で建てた物件です。
大きな窓と三角屋根が印象的な、2階建ての建物です。また、坪単価は58万円となっています。
1,600万円35坪新築2階建ての間取り
1階
1階の特徴的なポイントは、リビングが土間であることです。リビングは玄関と直結しているため、来客も靴を脱がずにくつろげます。
加えて、隣のダイニング・キッチンとは段差を設けているだけとなっています。このため壁や柱に視界が妨げられず、部屋の広さを実感できることが特徴です。
2階
出典:https://suumo.jp/
2階には、洋室が3部屋配置されています。クロゼットやトイレとともに、ムダのない配置となっています。
また窓に沿って、サンルームが設置されていることも特徴です。これにより雨の日でも気にせず、洗濯物を乾かすことが可能です。
約35坪ビルトインガレージや音楽室、中庭のある豪華な家
本体価格帯 | 2,500万円~2,999万円 |
---|---|
延床面積 | 107.62m2 |
敷地面積 | 117.90m2 |
工法 | 木造軸組 |
続いて、ビルトインガレージや音楽室、中庭を備えた家を紹介します。
35坪でこれだけ豪華な設備を設けられるのかと、驚く方も多いのではないでしょうか。どのような工夫があるか、確認していきましょう。
内装・イメージ
中庭には木が植えてあり、狭いながらも癒しの場となっています。リビングから段差なしで移動できることもメリットの1つです。
この中庭は、和室にも面しています。和室の縁側に座って中庭の木などを見ることで、くつろぎのひとときを過ごせます。
音楽室がある自宅は、珍しいのではないでしょうか。注文住宅なら防音設備や電源など、必要な設備を設けることが可能です。
このため、音楽室を設けたいという願いもかなえられます。日々の練習もわざわざスタジオに行く必要がなく、自宅で好きな時間に行えます。
間取り図
出典:https://suumo.jp/
間取り図を見ると、ガレージの広さが印象的です。ガレージ1はシャッターと屋根付きですから、雨の日でも安心して格納できます。
一方でサンルームや中庭といった、日光が入る場所を多く用意していることも特徴です。
またリビング&ダイニング部分の上層階は、一部がロフトとなっています。これにより、リビングに吹き抜けの空間を確保しています。
収納スペースの多い35坪の注文住宅
家族構成 | ご夫婦・お子さま 計6名 |
---|---|
法規 | 都市計画範囲内 |
構造・工法 | 木造軸組工法 |
構造材 | 鹿児島県産材 |
基礎 | ベタ基礎 |
規模 | 木造2階建て住宅 |
敷地面積 | 138.32m2(41.9坪) |
床面積 | 1階=57m2(17.27坪)、2階=58m2(17.58坪) |
延床面積 | 115m2(34.85坪) |
最後に紹介する事例は、6人で暮らす2階建て住宅です。
家族が多いと収納場所の確保に苦労しますが、この住宅では収納スペースを豊富に用意している点が特徴です。
内装・イメージ
この家では収納スペースの確保をはじめ、さまざまな工夫をしています。ここでは主な部屋の写真を見ながら、それぞれの特徴をみていきましょう。
キッチンとリビングの写真です。全体的に明るい雰囲気が特徴です。キッチンとリビングの間には仕切りがありますが、顔の高さになる部分に空間が用意されています。
このためリビングの様子を見ながら、料理を作ることができます。もし家族に小さい子供がいても安心です。
またリビングの奥には、和室があります。引き戸を開けることで、リビングと一体的な空間をつくることが可能です。
和室には、引き戸の収納スペースが用意されています。また階段下のスペースにも、様々な物を収納することが可能です。
これらの保管場所は洋風ですから、和洋折衷のスペースとなっていることも特徴です。
2階の洋室の奥には、広い収納スペースが用意されています。家族が多いと物も多くなりがちですが、この広さがあれば安心です。
収納スペースには高さもありますから、大きい物でも保管できます。
また室内は1階のリビングと同様、明るい雰囲気であることも特徴的です。
出典:http://marusan-amami.com
デスクワークなどの作業に使えるスペースです。すぐ上に照明があるため、手元が明るい状態で作業でき、便利です。
コンセントも3か所用意されていますから、パソコンを使った作業も簡単にできます。
また机の上には、本などを並べることも可能です。
35坪で注文住宅を建て替える方の注意点
ここまで見てきた通り、35坪の広さで希望する家を建てることは工夫次第で可能です。一方で注文住宅を建て替える場合は、いくつかの注意点があります。
ここでは解体業者の選定、相見積もりの重要性、一括資料請求サービスの3点を取り上げ、解説します。
解体業者は必ず比較する
解体工事の相場は、1坪当たり3~4万円です。一方で、解体業者により費用は変わります。このため適当に業者を選んで発注すると、思わぬ出費を強いられることになりかねません。
このため解体を依頼する前に、複数の解体業者を比較することが重要です。できれば見積もりを取り、作業内容と金額を比較した上で依頼先を決めましょう。
また解体工事の難易度は、物件ごとに異なります。このため、現地調査を行った上で見積もりを出す業者を選び、依頼することをおすすめします。
ハウスメーカーや工務店は相見積もりをする
住宅の建て替えを申し込む場合、ハウスメーカーや工務店を選ぶ方は多いでしょう。申し込む前には複数社から見積もりを取り、価格と内容を比較した上で発注することが重要です。
相見積もりの金額は、各社で差が出る場合も多いです。以下の例を見てみましょう。
https://home-kensetu.com/tyumon-otoku
上の図では、5社に見積もりを取った結果を示しています。B社以外の4社は、2,500万円以下の見積もり額となっています。
一方で、B社は3,500万円と高額の見積もり額となりました。ここで品質に違いがなければ、B社以外から発注先を選定することになります。
上記の例では5社から見積もりを取ったことで、B社が高額ということがわかりました。もし見積もり先がB社だけなら、相場よりもかなり高額の金額で発注することになります。
従って適切な価格で発注するためにも、相見積もりを必ず取ることが大切です。
一括資料請求サービスを上手に活用しよう
ハウスメーカーや工務店から相見積もりを取る場合、個別に見積もりを取ると多大な手間がかかります。
このため一括資料請求サービスを活用して、見積もりを取る手間を省くことが大切です。一括資料請求サービスならスピーディーに資料を受け取れ、比較できることもメリットにあげられます。
上の図は、一括資料請求サービスの一例です。住宅の建設予定地を入力することで、ハウスメーカーや工務店の資料を受け取ることが可能です。
なかには工法や間取り、人数などを指定して、間取りプランを受け取れるサービスもあります。
なお資料を請求したハウスメーカーや工務店からは、後日電話や訪問などの営業があります。注文住宅の発注は1社しかできませんから、希望する条件にあわない場合は早めに断りましょう。
まとめ
35坪の住宅を建て替える際には、建設費だけでなく解体工事や引っ越し、仮住まいといった費用も必要です。
特に建設費は3,000万円台前半と、多額の費用がかかります。一方で35坪なら工夫次第で、希望する家を建てることも可能です。
あなたの望む家を建てるためには、解体費用や建設費用について相見積もりを取ることが必要です。その際は費用だけでなく、内容も必ず比較しましょう。
またよい業者に出会うためには、一括資料請求サービスを利用することがおすすめです。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料