注文住宅はプランや使用する設備のグレード選びが自由なため、建てる人によって予算に大きな差が出ます。
今回は、土地付きで注文住宅を建てる際の全国平均である4,000万円の価格帯について詳しく解説していきます。
地域別の平均価格や坪単価といったデータから、実際に総額4,000万円前後で建てられた実例などを写真付きで紹介します。
注文住宅を建てる際に覚えておきたいコツなども紹介しますので、注文住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。
注文住宅土地込み4,000万円は平均的な相場
日本全国で建てられている注文住宅の平均相場は約4,000万円です。
ここでは土地込みの場合と、既に土地は持っていて建物だけ建てる場合の平均価格をそれぞれ見てみましょう。建物価格のグレードの目安となる坪単価にも注目してみてください。
土地込み場合は土地約1,300万円建物約2,700万円
下の表は土地込みで注文住宅を建てる場合の平均価格のデータです。
地 域 | 建設費(万円) | 延床面積:㎡(坪) | 坪単価 | 土地の価格(万円) | 総額(万円) |
全 国 | 2,734.3 | 113.3(34.27) | 79.78 | 1,304.9万円 | 4039.2 |
首都圏 | 2,624.9 | 107.8(32.60) | 80.51 | 2,092.9 | 4717.8 |
近畿圏 | 2,632.2 | 112.0(33.88) | 77.69 | 1,516.5 | 4148.7 |
東海圏 | 2,864.8 | 116.3(35.18) | 81.43 | 1,206.4 | 4071.2 |
その他 | 2,791.3 | 115.6(34.96) | 79.84 | 885.9 | 3677.2 |
フラット35利用者調査より引用
地域によって多少のばらつきはありますが、土地の価格が約1,300万円、建物価格が約2,700万円となっています。
他の地域と比較して土地価格が高い首都圏は、予算を抑えるには建物価格を抑えるしかありません。
地域によって延床面積と建設費の差はありますが、坪単価はほとんど80万円前後に収まっているのは興味深いデータです。
使用する設備のグレードによって坪単価は上下しますが、注文住宅の場合は80万円を目安にすると予想がしやすそうです。
土地込み4,000万円で家を建てるかたは、坪単価80万円を目安にしましょう。
土地がある場合の相場
親からの相続や建て替えなどの理由で、既に土地を持っている場合の平均価格も参考に見てみましょう。
土地込みの場合と比較すると、延べ床面積が+14.9㎡となっていて少し大きい家になっているのが分かります。
坪単価も上がっており、土地で浮いた分建物にお金をかけているのが分かります。
地 域 | 建設費(万円) | 延床面積:㎡(坪) | 坪単価(万円) |
全 国 | 3,353.5 | 128.2(38.78) | 86.47 |
首都圏 | 3,627.0 | 127.0(38.41) | 94.42 |
近畿圏 | 3,408.1 | 126.9(38.38) | 88.79 |
東海圏 | 3,437.2 | 130.1(39.35) | 87.34 |
その他 | 3,193.0 | 128.5(38.87) | 82.14 |
フラット35利用者調査より引用
注文住宅土地込み4,000万円はそこまでこだわれない
土地込みの注文住宅の平均相場である4,000万円の予算では、あまりこだわったプランは作れません。
平均坪単価は約80万円ですが、これは大手ハウスメーカーの平均予算とほぼ同じです。
つまりハウスメーカーの標準仕様とほぼ同じなので、こだわった設備やプランを入れると坪単価が上がり4,000万円を超えてしまうということです。
ローコスト住宅で建てるという手もありますが、設備のグレードが低いためオプションを選ぶと結局坪単価が上がりあまり変わりません。
4,000万円はあくまで標準的な仕様の相場で、こだわった家をつくると予算が上がるということを頭に入れておきましょう。
ただし、予算を抑える工夫をすることで全体の建設費を抑え、浮いた予算でこだわりを実現するということは可能です。
採光に関係ない北側の窓を減らす、廊下をなくして効率的な動線の間取りにする、など注文住宅ならではのプランを考えてみましょう。
注文住宅の土地込み4,000万円の事例
ここからは、実際に建てられた土地込み4,000万円注文住宅の事例を写真付きで紹介します。
それぞれ特徴のある3軒を紹介しますので、4,000万円でこだわれる範囲の目安にしてみてください。
3階建て二世帯住宅の事例
本体価格 | 2000万円~ |
延床面積 | 40.70坪 |
家族構成 | 父母+夫婦+子ども1人 |
間取り・イメージ
出典:http://www.aqura.co.jp
縦長の土地を上手く活かした三階建ての二世帯住宅です。北側斜線ギリギリまで空間を使った、狭さを感じさせない家づくりとなっています。
斜線規制に対応するため斜めにカットされた屋根スペースは、仕事や読書をする書斎スペースに活用し無駄にしません。
となりの部屋へつながる廊下としての機能も持たせることで省スペース化と予算の削減に成功しています。
内装は白を基調としたシンプルな造りで予算を抑えながら、要所にアクセントカラーを入れて安っぽさを感じさせません。
こだわりのオープンキッチンがあるLDKは南側の窓が多く、たくさんの自然光が入ってくる明るい空間となっています。
照明にダウンライトを使っているのも、天井がすっきりとして広く見える小技です。
20代で建てるある注文住宅
本体価格 | 2500万円~3000万円 |
延床面積 | 116.75㎡(35.3坪) |
家族構成 | 夫婦+子供3人 |
間取り・イメージ
出典:http://www.aqura.co.jp
リビングに隣接した昔の農家のような土間スペースと、一繋ぎの和室スペースが特徴的な注文住宅です。
広い土間スペースから和室とリビングの両方にアクセスでき、ご近所さんを気軽におもてなしもできます。
3人いる子供の友達がたくさん遊びに来ても、靴を置くスペースに困りません。遊び道具や自転車などを一時的に置くスペースとしても活躍しそうです。
こだわりの和室は床の間を設けた本格的な造りで、地窓から差し込む柔らかい光を畳に座って楽しめます。
食後のお茶を飲んで、ゆったりと読書して過ごすのもよさそうですね。
大きなカウンターの対面キッチンは、椅子を置けば朝食を採るのにピッタリなミニカウンターに早変わりです。
清流版の付いたレンジフードを設置して、オープンキッチンの匂い対策もばっちりです。
防音スタジオのある注文住宅
本体価格 | 2,000~2,500万円 |
延床面積 | 46.59坪 |
家族構成 | 夫婦 |
出典:http://www.aqura.co.jp
開放感抜群の吹き抜けが気持ちいいリビングと、こだわりの大きな防音スタジオを備えた注文住宅です。
一番のこだわりポイントであるスタジオでは、趣味のエレキギターを大音量で演奏しても近所に迷惑が掛かりません。
ダウンライトに照らされたエレキギターを眺めながら、お酒を楽しむといった使い方もできそうです。
好きなCDやレコードをじっくりと聞いたり、友達と集まってミニコンサートを開いたりするのも楽しそうですね。
リビングダイニングは二階までの吹き抜けとなっており、開放感があって広く感じる空間です。
南向きの高い窓からたっぷりと自然光が入ってくるのも、広さの演出に一役買っています。高窓の手前にあえて床面を造っており、窓の掃除やメンテナンスも問題ありません。
外観はシンプルな形で予算を抑えながらも、ブラウンのアクセントを入れることで高級感を演出しています。
ベランダを二か所設けるなど、将来家族と洗濯物が増えても対応できるように考えられています。
注文住宅土地込み4,000万円を建てる際のコツ
総額で4,000万円の予算に納めながら、なるべくこだわりを実現した注文住宅を建てるために、覚えておきたいポイントがあります。
3つのコツを紹介しますので、これから検討を始める方はぜひ参考にしてください。
価格を比較して優良業者を決める
注文住宅は作るプランや使用する設備、建材のグレードによって価格が大きく変動します。適正な価格で建てるためには、複数の会社をくらべる相見積もりが欠かせません。
複数の会社に同じ要望を伝えても、出てくる金額やプランの内容はそれぞれ違うはずです。一つの会社だけでなく、複数の見積をくらべることで初めて自分の要望を叶える適正な価格相場が分かります。
またそれぞれの会社のプラン力や、担当者の対応なども大切な要素ですので、しっかりと見くらべましょう。いくら安くても、担当者や会社の対応がずさんでは良い家は建てられません。
相見積もりをする際は、事前に相見積もりを取るということを伝えるのがマナーです。他社と比較されることで緊張感が生まれるというプラス効果も期待できます。
プラン内容や見積価格にも力が入り有利な条件になるかもしれません。
あまり多すぎても時間がかかり過ぎて大変ですが、時間の許す限り相見積もりを取って、自分にとっての優良業者を見つけましょう。
諸費用が2割かかるのを覚えておこう
注文住宅を建てる際は、総工費に対して約2割の諸費用が掛かります。諸費用には土地購入の仲介手数料や書類作成費などの細かい項目が含まれます。
知らずに計画を立てると、4,000万円の予算を組んで総額が4,800万円になってしまい慌てる事態になりかねません。
また、諸経費は住宅ローンに組み込めない項目が多いので、その点も気をつけましょう。
契約してから諸経費の存在に気づき、現金が必要になって慌てるというのもよくあるケースです。
注文住宅を建てるときは、総工費の2割を諸経費として、現金で用意しておく必要があると覚えてきましょう。
一括資料請求サービスを活用しよう
注文住宅を建てる会社探しを始める際は、便利な一括資料請求サービスを活用しましょう。
検討を始める際は、会社の雰囲気や施工実例などを見て見積を依頼する会社を探すのがスタートです。
まずはパンフレットを集めて会社を調べるのが一般的ですが、一社ずつホームページを探して資料請求するのは簡単ではありません。
一括資料請求サービスなら、お気に入りの会社を何社かピックアップして、一回の申し込みでまとめてパンフレットがもらえます。
「○○が得意な会社」など条件を絞って検索することもできるので、好みのテイストの会社も見つけやすくなります。
申し込みはインターネット上で完結するので手続きも簡単なので積極的に活用しましょう。利用料金もかかりませんので、気軽に利用することができます。
まとめ
今回は土地付き注文住宅の平均相場や、実際の施工事例、立てる際に知ってほしいコツなどを紹介してきました。
平均土地価格が高い傾向がある首都圏では、その分建物価格を抑える必要があります。
しかし、土地付きで建てる場合の平均相場である4,000万円でも、工夫しだいでこだわりを反映した思い通りの家を建てることができます。
相見積もりを駆使して優良業者を見つけ、素敵なマイホームを手に入れましょう。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料