大和ハウス

大和ハウスの注文住宅の特徴と強みを徹底解説!魅力的な家づくり

今回の記事対象とする大和ハウス(工業株式会社)は、戸建ての総着工戸数と売上でトップに位置しており、積水ハウスと並ぶ最大手のハウスメーカーと言っていいでしょう。

ただし、注文住宅の着工戸数では、他のハウスメーカーに遅れをとっているのが残念なところです。

テレビCMでは、役所広司さんの「 何でダイワハウスなんだ? 」や西島秀俊さん演じる「 人々の暮らしと未来を見守り、ひたすら人々を守り続ける 」ダイワマンが、ユニークですね。

では、そんな大和ハウスの注文住宅の特徴、言い換えれば強みとは何でしょうか。これから、マイホームを注文住宅で計画される方の参考になるよう、同社の特徴や強みを紹介していきます。

大和ハウスの概要と注文住宅づくりの姿勢

大和ハウスは大阪に本社を置く、住宅系や商業系を含めた建築業、都市開発事業、環境エネルギー業をグループ会社に持つ企業です。

1955年に創業した同社は、工業化住宅のパイオニアで、鉄骨造住宅を得意としていますが、2002年以降は木造住宅にも力をいれています。

創業時より、「 研究・実験・検証 」を繰り返し、「 イメージではなく、事実としての品質・性能を具現化する 」というポリシーからは、単に実験結果を注文住宅に反映するだけでなく、検証結果を踏まえてから採用するという堅実な姿勢が感じられます。

また、技術力だけではなく、毎年のように受賞しているグッドデザイン賞からも分かるように、デザイン力も大手ハウスメーカーにふさわしいものです。

同社の注文住宅としては、鉄骨造のxevoΣ(ジーヴォシグマ)と木造のxevoGranWood(ジーヴォグランウッド)のジーヴォシリーズで知られています。

鉄骨、注文住宅の特徴

鉄骨工業化住宅からスタートした大和ハウスでは、やはり鉄鋼造の注文住宅が主力です。主力商品のxevoΣでは、鉄骨造のメリットを生かした大開口と高い天井からなる大空間を作り出すことができます。

最大開口幅7.1m、天井高2.72mの大空間

一般的な住宅で採用されている天井高は2.4mですから、32cmも高い2.72mの天井と最大開口幅7.1mがつくる大空間は大和ハウスの鉄骨造ならではのものでしょう。

参考までに、天井高2.72mはライバルの積水ハウスの最大天井高2.7mを意識した設定かもしれませんね。

掲載元:大和ハウス

なお、最大開口幅の7.1mは中間の方立てを含めたもので、実際には最大開口幅3.45mサッシュの連窓ということになります。いずれにしても、これらによる開放感は大和ハウスにしてよかった、と感じる瞬間ではないでしょうか。

鉄骨造の耐震性能は耐震等級3以上

xevoΣPuremium

平屋・2階建てを対象とした鉄骨造の注文住宅には、大和ハウスの主力商品であるxevoΣがあり、上位にはxevoΣPremiumがあります。

いずれも軽量鉄鋼造でエネルギー吸収型の制震装置が標準装備されており、xevoΣにはD-NΣQST(ディーネクスト)、PremiumにはKyurec(キュレック)が採用されています。

柱には、8cm角の角型鋼管を採用し、基礎に直径22mmの専用高強度アンカーボルトで接合させています。その強靭な構造躯体と制震装置の組合せは、大きな揺れに耐え続けるだけでなく、揺れのエネルギーを吸収・収束させることで、構造躯体の致命的な損傷を防ぎます。

地震が多い日本で、新築時の耐震・耐久性を維持していくためには、必須のアイテムになりつつあるといえるでしょう。

制震装置を備えたxevoΣの実大実験では、震度7クラスの地震を繰り返し受けても新築時の耐震性能を維持していることを証明しました。

そんな上部躯体を支えるには、基礎の強さも重要で、大和ハウスでは外周の基礎幅を18cm,、内側を17cmの業界のトップクラスの基礎幅を採用しています。

鉄筋を覆うコンクリートは厚いほど、経年によるコンクリートの中性化による鉄筋の腐食を抑え、住宅の長寿命化を支えます。

大和ハウスの鉄骨造の注文住宅の耐震性能は。最高等級の耐震等級3をクリアするものですが、制震装置との併用で、実質はそれ以上の強度と耐久性があると思われます。

鉄骨造、断熱仕様は3段階(断熱等性能等級5以上)

大和ハウスの断熱仕様には、スタンダード(温暖地域)、ハイクラス、エクストラ(寒冷地)の3段階があります。

掲載元:大和ハウス

ZEH基準で求められる断熱等の性能数値は、温暖な地域と寒冷地とでは異なります。つまり、温暖な地域ではスタンダードVの仕様でもZEH基準に適合しますし、寒冷地ではエクストラVの仕様が必要だということです。

いずれにしても、ZEH基準の断熱性能とするには、断熱等性能等級5以上となります。

余談ですが、積水ハウスも同様に3段階の断熱仕様となっています。つくづくライバル意識が強いようです。

 

掲載元:大和ハウス

大和ハウスの断熱仕様の特徴は、画像のように外壁内に高性能グラスウールと鉄骨の熱橋を防ぐ断熱材が入り、付加断熱として外側にも高性能グラスウールと高性能グラスウールボードが張られています。つまり、充填断熱と外張り断熱を合わせた二重構造になっているのです。

熱橋とは、柱や梁、あるいは天井と壁の取り合い部分などで、断熱性能が不足しやすい部分で熱が伝わりやすい部分のことをいい、熱が伝わりやすい鉄骨造の弱点といわれています。

この断熱材の二重構造は、積水ハウスの外壁内の充填断熱と室内側にも断熱材を入れる二重構造とは異なっています。同じ二重構造ですが、付加断熱材を外側にいれるか、内側にいれるかの違いです。

いずれも、住宅を断熱材で包み込む考え方ですが、室内スペースの有利性を考えると大和ハウスになります。また、性能差もあるとは思いますが、同じ地域でZEH基準に適合しているとすれば、ほぼ同性能と考えていいでしょう。

なお、ハイクラスとエクストラの違いは、エクストラには外壁内の高性能グラスウールがダブルで入っていることで、スタンダードとハイクラスの違いは天井断熱材の違いによるものと紹介されています。

また、スタンダードではアルミと樹脂の複合サッシュが標準で、ハイクラスとエクストラでは樹脂サッシュが標準となっています。

参考までに、断熱等性能等級は2022年4月と10月に見直し施行されており、それまでの等級1〜4が1〜7までに引き上げられています。また、一次エネルギー消費量等級も2022年4月に見直し施行され、それまでの1〜5までが1〜6まで引き上げられています。

この矢継ぎ早の見直しと施行は驚きで、省エネとCO2削減の要求がそれだけ強いということでしょう。そのせいか、各ハウスメーカーでは断熱材の見直しが進んでいるとの情報があります。

ですから、注文住宅を計画されている形は、これからも各ハウスメーカーのHPなどで最新情報を注意深く見ておくようにしましょう。

なお、ZEHとするには一次エネルギー消費量も条件になりますが、これは省エネ設備に関係しますので省略します。

木造、注文住宅の特徴

大和ハウスの木造注文住宅の歴史は鉄骨造に比べると短いですが、長年培ってきた鉄骨造の技術やノウハウをいかしたものになっています。

xevoGranWoodの構造躯体には、生まれ育った土地の気候に柔軟に適応していく国産材を使用するなどの品質にこだわっています。

木造、基本構造と耐震性能(耐震等級3)

木造のxevoGranwoodの構造は「 構造用集成材+接合金物+構造用面材+シームレス一体スラブ基礎 」の採用で安定した性能を確保しています。さらに、邸別の構造解析で耐震性能等級3の安全性を確認しています。


xevo GranWood

上位のPremium GranWood では、鉄骨造と同様のエネルギー吸収型木造耐震壁(グランデバイス)が採用されています。

揺れによる構造の変化を1/2までに抑え、50回以上の加震でも柱や梁に損傷はなく、新築時の耐震性能を維持することが確認されています。

木造、断熱性能

掲載元:大和ハウス

画像左側がPremium GranWoodで、右側がxevoGranWoodになります。いずれも、鉄骨造と同じく、外壁内の充填断熱と外張り断熱の二重構造となっています。

掲載元:大和ハウス

床の断熱は、基礎断熱とし、Premium(画像左側)では内外の基礎断熱としています。

現在の大和ハウスのHP上では、木造注文住宅の断熱仕様は2種類になっていますが、先に紹介した断熱等性能等級の引き上げに伴って、見直されるという情報もあります。

画像から分かるように、基礎断熱では一般的な住宅にある床下換気孔がなく、気密性や断熱性にすぐれている反面、湿気が逃げにくくカビが発生し易い欠点があるとされています。

他方の床断熱の場合は、気密や断熱を確保しにくい反面、十分な通気システムであれば、床下に湿気がこもりカビが発生することがありません。

それぞれに一長一短がありますので、ここではその是非は省略しますが、大和ハウスでは気密と断熱性能を確保しやすい基礎断熱としています。

共通のその他の特徴

ここまで、大和ハウスの鉄骨造と木造に分けて、特徴を紹介してきましたが、ここからは共通する特徴や強みを紹介していきましょう。

ZEH実績と目標

現在の新築では、ZEHを無視できる時代ではなくなりました。しかし、主に経済的な理由から、完全なZEHとするか、太陽光発電システムさえ搭載すればZEHになる対応とするかでは迷うこともあるかと思います。

大和ハウスの2021年の戸建て住宅のZEH比率は60%程度で、ZEH比率トップの積水ハウスの90%超に大きく引き離されている状況です。

とは言うものの、大和ハウスには業界初の「 全天候型3電池連携システム 」があります。これは、太陽光発電、燃料電池、そして蓄電池を組み合わせることで、災害や悪天候でも約10日間は生活が持続できるものです。

掲載元:大和ハウス

ですから実績が少ないのは、技術の問題ではなく戦略的な問題だったような気がします。

いずれにしても、大和ハウスはこれを挽回すべく、標準仕様で2025年までに80%、2026年までには90%に引き上げる目標を公表しています。

保証システム

大和ハウスのアフター・保証システムは、他の大手ハウスメーカー同様に、初期保証30年、有償メンテナンスで60年までとなっています。

掲載元:大和ハウス

大和ハウスの保証で特徴的なのが、住宅設備7品目に対して、10年の保証を行っていることです。一般的に家電製品の保証は1〜2年ですから、より安心な内容ですね。

掲載元:大和ハウス

つなぎ融資が不要

注文住宅の工事金支払いは、着工金、中間金、引渡金に分けて行われます。しかし、住宅ローンで借り入れたお金は、融資を受けた銀行から引渡時に一括で支払われます。

そのため、着工金と中間金は、一時的に別途の借り入れを行う必要があります。この借り入れをつなぎ融資といいます。

仮に、着工金を自己資金で支払い、中間金の2,000万円をつなぎ融資で支払った場合、完成時のローン実行までの数ヶ月間の金利と事務手数料や印紙代などでおよそ20万円ほどの費用が発生します。

大和ハウスの場合、このつなぎ融資が不要で、完成時の一括支払いとすることができるのです。大企業だからこそできることですね。

まとめ

大和ハウスの強みは、何をおいても大企業であることです。創業から70年に迫る歴史と実績には、何にも替えることのできない信頼と安心感があります。

技術開発においても大手ハウスメーカーの中でも最も早く総合研究所を開設し、その成果を注文住宅に反映させてきました。

「研究・実験・検証」の繰り返しで積み上げてきた技術は、耐震・耐久性、そして断熱性能に反映されています。

他方で、同社の注文住宅には明確なイメージがないように感じます。冒頭で同社のユニークなテレビCMに触れましたが、他社の「家に帰れば〇〇ハウス」や「あったか〇〇○」などのように、快適なマイホームをイメージさせるものがありません。

力も技術もあるのに、何か不器用。大和ハウスはそんなイメージでしょうか。見方を変えれば、地味だが堅実とも言え、プロ好みかもしれません。そして、そんなプロ好みの特徴や強みが一般ユーザーにも伝わることを願っています。

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