冬になると暖房設備の選択に悩む方が多くいらっしゃいます。その数ある暖房設備の中で、「床暖房」があります。
ただし、「床暖房にリフォームしよう」と考えたとき、費用や特長などわからないことは多いのではないでしょうか。
そこでこのページでは、床暖房のリフォームをしたい方のために必要な情報をすべてまとめました。
費用や特長やリフォームの注意点などをわかりやすくお伝えしているため、床暖房を検討している方は目を通しておきましょう。
1.床暖房の特長
床暖房にはどのような特長があるのでしょうか。数ある暖房設備の中で、床暖房にするとどのようなメリットがあるのか気になる方も多くいらっしゃいます。
この項では、床暖房の特徴をご紹介します。
1-1.暖かさにムラがない
床暖房は床が均一に暖まるため、暖かさにムラがありません。そのため、均一に部屋全体を暖かくすることができます。
これは、遠赤外線を利用したふく射熱が壁や天井などに反射することで部屋全体を暖めるからです。
よくエアコンなどの暖房器具の場合、暖かい熱が上に溜まってしまい、頭は暖かい一方、足元が冷えてしまいます。
そのため、「暑くなり頭がのぼせてしまう」方もいるのではないでしょうか。また、暖房を入れていても足元が寒く、「冬はスリッパなしではリビングを歩けない」という悩みを抱えていませんか。
しかし床暖房の場合、足元から部屋全体を温めることができるため、足元が冷えずに暖かい室内にできます。「頭はポカポカするのに足元が冷えてしまう」悩みを抱えている方は、床暖房がおすすめです。
1-2.乾燥しないため、のどに優しい
エアコンや石油ストーブなどの暖房機部の場合、空気が乾燥してしまいます。そのため、のどを痛めてしまったり、風邪を引いてしまったりする方もいるのではないでしょうか。
しかし、床暖房は空気が乾燥しにくいため、体に優しいです。「冬場になると暖房でのどを痛めてしまう」という方は、床暖房にしてのどに優しく暖まりましょう。
1-3.空気を汚さない
床暖房は、火を使わないため二酸化炭素が発生しません。また、エアコンや石油ファンヒーターのように、風を発生させないので、ホコリやハウスダストが 舞い上がるのを防ぐことができます。
乾燥した空気の中、ホコリなどが舞うと空気が汚れてしまうのではないでしょうか。そのため、火を使わず風を発生させない床暖房がおすすめです。床暖房にリフォームして、きれいな空気を保ちましょう。
1-4.火を使わないから安心安全
以上で述べたように、床暖房は火を使いません。そのため、安心で安全です。石油ストーブなどの暖房器具の場合、小さなお子さんが火傷してしまう可能性があります。
いつも注意していればよいですが、ついつい目を離してしまった場合など心配です。
しかし、床暖房の場合そのような火傷の心配がいりません。小さなお子さんがいるご家庭は特におすすめです。
1-5.暖房器具の出し入れが不要
多くの暖房器具が、機器やコードを必要とします。春になると使わなくなるので、収納しなければいけません。
毎年、暖房器具の出し入れをしなければいけないため、面倒ではないでしょうか。
しかし、床暖房であれば暖房器具の出し入れ、収納スペースの確保などをしなくて済むため、とても楽です。また、暖房器具を置く必要ありません。そのため、部屋をスッキリできます。
1-6.水回りの床にも床暖房
床暖房は、トイレや脱衣所などの水回りにもリフォームすることができます。冬場になると、リビングは暖かくても「トイレやキッチンに移動すると足元が冷えてしまう」という方もいるのではないでしょうか。
そのような冷えやすい箇所だからこそ、床暖房にリフォームしましょう。
2.床暖房の種類と特徴
床暖房には、「温水式」「電気式」の2つの種類があります。これから床暖房へのリフォームを検討している方は、この違いを理解しておきましょう。同じ床暖房でも施工費用や維持費用が異なるからです。
そのため、あなたのライフスタイルに適した方法でリフォームしてください。
2-1.温水式床暖房の特徴
温水式の床暖房は、床下に温水を流すことで暖まる仕組みになっています。じっくり暖まるため、ポカポカ暖まることができるのです。
また、温水式はランニングコスト(維持費)がかからない特徴があります。そのため、「長時間床暖房で暖まりたい」という方におすすめです。小さなお子さんやお年寄りがいるご家庭の場合、長くリビングにいることが多いのではないでしょうか。
その場合、温水式の床暖房にすると、ランニングコストを抑え長時間暖まれます。
また、広いリビングやLDKなどを温めたい場合、ランニングコストかかりやすいです。そのため、広い部屋を床暖房にする際は、温水式にするようにしてください。
ただし、電気式に比べて設備費用は割高になることを覚えておきましょう。
とはいえ、床暖房にする際は、長期的なランニングコストのことを考えると温水式がおすすめです。トータルで考えて、お得な方法でリフォームしてください。
2-2.電気式床暖房の特徴
電気式は、電気によって床を暖める仕組みになります。
ただし、電気によって暖めるためランニングコストがかかりますが、設置費用は温水式よりも安いです。そのため、朝晩に床暖房を使う共働きのご家庭におすすめです。
日中の長い時間、電気式にすると電気代が高くなります。しかし、朝と夜だけ床暖房を使うのであれば、電気式のほうが手軽に行えるのです。
また、「キッチンや洗面所など、部分的に床暖房にしたい」場合は、電気式がおすすめになります。
3.床暖房リフォームの費用や価格
床暖房のリフォームを検討したとき、多くの方が気になるのが費用です。
ただし、リフォームの価格は都道府県や施工会社によっても異なるため、一概にお伝えすることができません。
とはいえ、それでもいくらぐらいの費用が必要なのか気になるものです。そこでここでは、床暖房リフォームの費用についてご紹介します。
3-1.電気式の床暖房の工事費用:50〜80万円
電気式の床暖房のリフォーム費用は、50~80万円が多い価格帯です。
一般的に、10帖でこの価格帯になることが多く、さらに広くなるとその分値段は高くなります。これから電気式の床暖房にリフォームする方は、これぐらいの価格になることを覚えておきましょう。
3-2.温水式床暖房の工事費用:80~130万円
電気式の床暖房のリフォーム費用は、80~130万円が多い価格帯です。
先ほどお伝えした電気式のものに比べると工事の規模が大きくなるため、設置費用は高くなります。しかしながら、維持費は温水式暖房のほうが安いです。
「設置費用」「維持費」のトータルを考慮して、あなたのライフスタイルに適したほうほうでリフォームしましょう。
4.床暖房リフォームのポイント
床暖房のリフォームを行う際、いくつかのポイントがあります。これから床暖房のリフォームを検討している方は、以下でお伝えする内容を抑えた上で工事を行いましょう。
4-1.床暖房の設置面積
床暖房の設置面積は、全体の70%にするようにしましょう。70%の面積が床暖房になっていれば、部屋全体を温めることができるからです。無駄を無くすために、70%の面積を床暖房にするようにしてください。
10帖の部屋を床暖房にする場合、その内の7帖を床暖房にしましょう。
そして、床暖房を設置する場所にも気を配るようにしてください。なるべく、人が通る場所や座るところに設置しましょう。部屋の隅などテレビが置いてある場所に床暖房を設置する必要はありません。
したがって、できるだけ人がいる場所に設置するようにしてください。
4-2.断熱リフォームを同時に行うと効果的
床暖房のリフォームに加えて、断熱リフォームを行うと効果的です。いくら暖房で暖めても、その熱が逃げてしまうからです。
せっかく暖房によって暖めたとしても、熱が逃げてしまえば、光熱費がかかる上に寒いままになってしまいます。
熱を逃がさないように、断熱リフォームを行うようにしましょう。その中でも、窓を断熱性の高いものにするのがおすすめです。実は、冬の暖房から逃げる熱のほとんどが窓からです。
つまり、窓を二重窓などにすることで断熱性が良くなります。
そのため、床暖房だけではなく、同時に断熱リフォームを行うことが、光熱費を抑え暖かく暮らせるようになる秘訣です。断熱リフォームを行い、快適な空間を作りましょう。
5.費用や価格を抑える秘訣
床暖房のリフォームを行う際、「費用や価格を抑えたい」という相談を多く受けます。
ただし、リフォームの価格は、工程を省くなどの手抜き工事を行えばいくらでも安くすることができます。つまり、安さだけを重視すると工事の質が下がってしまいます。
また、悪徳業者に工事を依頼してしまう可能性があるのです。安さだけを求めると「安かろう悪かろう」になってしまいます。
むやみやたら価格を下げるのではなく、無駄を無くして費用を抑えるようにしましょう。
リフォームの費用は数十万円単位になるため、少しでも値段を抑えたいものです。そこで、以下では費用や価格を効率よく抑える秘訣をご紹介します。
5-1.カバー工法にする
床暖房にリフォームする際、カバー工法(上から新しく被せる方法)でリフォームすると値段を抑えられます。張り替える必要がないため、工事の規模が大きくならないからです。
この方法は、既存のフローリングの上に新しい床材を重ねる施工方法になります。そのため、床を解体するなどの大規模なリフォームを行いません。したがって、費用を抑えつつ床暖房にリフォームできます。
ただし、既存の床材の上に新しい床を重ねるため、床がその分厚くなります。そのため、部分的に行うと段差が発生してしまうので、注意が必要です。
5-2.設置面積を減らす
設置面積を減らせば、床暖房のリフォーム費用を抑えることができます。
たとえば、効率よく床暖房を張ることができれば、床全体の50%を床暖房にするだけで十分な効果が得られる場合があるからです。
本来70%を床暖房にしなければいけない場合でも、効率よく床暖房にすることで50%の割合にすることができれば、費用をその分抑えられます。無駄を無くしてリフォーム費用を抑えましょう。
6.床暖房のリフォームのよくある疑問
床暖房にリフォームする上で、よくある質問や疑問をまとめました。初めての床暖房へのリフォームになるため、わからないことがたくさんあるかと思われます。以下の質問を参考にしてみましょう。
6-1.床暖房の使い方の疑問
実際に床暖房にリフォームして、その後の生活のことを考えるといくつかの疑問が思い浮かぶのではないでしょうか。そこで、床暖房の使い方についての質問をまとめました。
Q.上に重いものを乗せても大丈夫なのか
A.問題ありません。床暖房の床材は、面で荷重を受けるからです。ただし、重いものを置く際は、床に板などを敷くことをおすすめします。点で荷重がかかると凹む可能性があるからです。
Q.ホットカーペットのように温度設定を変更できますか
A.できるタイプとできないタイプがあります。床暖房のメーカーによって変わるため、施工する前に確かめておきましょう。
Q.床暖房は本当に安全なのか
A.火を使わないため、安全です。
また、小さなお子さんがいる場合でも、触ってしまい火傷してしまう危険性もありません。そのため、数ある暖房器具の中でも安心してご利用いただけます。
Q.水がこぼれても大丈夫なのか
A.水がこぼれても影響ありません。しかし、そのまま放置するとシミになる可能性があるため、なるべく早めにふき取るようにしてください。
6-2.リフォームの施工の疑問
リフォームを行う際、工事を行います。このとき、初めての床暖房のリフォームになるため、わからないことも多いのではないでしょうか。そこで、リフォームの施工時の疑問をまとめましたので、ご紹介いたします。
Q.どんな住宅でも床暖房にできるのか
A.一戸建て、マンションに限らず床暖房にリフォームできます。ただし、床下の状況によってはリフォームできない可能性もあるため、あらかじめ業者に確認しておきましょう。
Q.床材を選ぶことはできるのか
A.床暖房の仕上げの床材は選ぶことができます。フローリングはもちろんのこと、「畳」「カーペット」「タイル」などあなた好みのデザインを選べます。床暖房にリフォームする際は、床材を好きなものに変えましょう。
Q.2階も床暖房にできるのか
A.2階や3階であっても床暖房にリフォームすることは可能です。
ただし、温水式の場合、3階には設置できない場合があります。熱源機(熱を発生させる機械)が5.6m以上、上の場所あると届かない可能性があるからです。
そのため、3階の床をリフォームしたい方は、工務店やリフォーム会社にあらかじめ確認しましょう。
Q.どのくらいの期間でリフォームできるのか
A.床暖房へのリフォームは、簡易的なものの場合、早いと1日で終わります。
ただし、リフォームの内容や工事の規模にもよるため、1週間以上かかる場合もあります。そのため、工事の内容や規模によって施工期間は変わることを覚えておきましょう。
6-3.機能性の疑問
床暖房にしようか迷っている方もいるのではないでしょうか。そこで、床暖房の機能性の質問や疑問をまとめました。迷っている方は、この質問を参考にしましょう。
Q.本当に床暖房は暖かいのか
A.床暖房を設置すれば、床暖房だけで部屋全体を温めることができます。ただし、床暖房の面積が全体の70%を下回る場合、効果は減るので注意が必要です。
Q.低音やけどしないのか
A.温度設定が44度以上になると低音やけどの可能性があります。そのため、38度前後にするようにしてください。一般的に、電気式のほうが高温になり、温水式のほうが低温になります。
リフォームする床暖房の種類にもよるため、温度設定ができるのかなどを事前に確認しておきましょう。
Q.何年使用できるのか
A.床暖房は、30年以上対応年数があります。そのため、これから数十年先も床暖房を使えます。しかしながら、必ず壊れないわけではないので、メンテナンスや修理は定期的に行うようにしてください。
Q.温水式は水道代がかかるのか
A.温水式は、暖かい温水を循環します。そのため、水道代が高くなることはありません。
まとめ
床暖房は、数ある暖房器具の中でも安全性が高く体に優しい特長があります。そのため、小さなお子さんがいるご家庭は、床暖房へのリフォームをおすすめします。
しかしながら、床暖房には種類があるため、あなたのライフスタイルや予算とのバランスを考慮した上で、適切な方法でリフォームしましょう。
床暖房リフォームを行い、冬の寒さを乗り切りましょう。
リフォームは、300万円以上を超える高価な買い物です。できれば値段を安くしたいものです。
実は、値段の高いリフォームですが、誰でも必ず安くできる方法があるってご存知ですか?
同じ内容のリフォームなら安くておしゃれなほうがいいですよね。