平屋が子育て世代にも人気です。そんな中で、我が家も平屋で!と計画しはじめて、ふと「 平屋生活の住みごこちって、実際はどうなんだろう? 」と気になることがあるのではないでしょうか。
一生に一度の新築ですから、そんな不安を持ったままマイホーム計画を進めたくはないですよね。
そこで、今回は一条工務店の平屋を取り上げ、住ごこちを中心に、実ユーザーの声・評価を紹介していきます。
ユーザーのライフスタイルによって、評価は異なると思いますが、実ユーザーの声を聞いて、我が家も平屋で!の参考にしてください。
一条工務店の平屋の特徴
一条工務店の平屋は、同社の標準的な2階建て同様に、「 家は、性能 」や「 モデルハウス仕様が標準仕様 」が適用されています。ですが、ここでは、それら以外の特徴を紹介していきましょう。
スキップフロアや小屋裏利用のプランがない
全てをチェックしたわけではありませんが、確認した範囲では一条工務店の平屋の推奨モデル、あるいは施工実例には、スキップフロアや小屋裏利用のプランはありませんでした。
また、実ユーザーのプランニング相談事例でも、「 一条工務店ではスキップフロアは採用できません 」、と断られたそうです。
推測ですが、これには同社の「 家は、性能 」の頑なまでのこだわりがあると思います。
つまり、スキップフロアやロフト・収納などの小屋裏利用は、複雑な構造になり、耐震性能的には不利になるのです。
もちろん、詳細な解析や構造計算、そして補強などで安全性を確保することはできますが、コストアップになるのは間違いありません。
同様に、一条工務店では、吹き抜けに対する制限もあり、吹き抜けの一種である勾配天井もむやみに大きくすることができません。
一条工務店の勾配天井(吹き抜け)ルール
一条工務店で可能な勾配天井(吹き抜け)の大きさは、上図のように、建物(ヨコ=7、タテ=5)の各方向それぞれの1/2までの範囲としています。これは、品確法の壁量計算における必要水平構面(床もしくは屋根)のルールに準じたものでしょう。
水平構面の役割には、建物が揺れた時の水平のねじれを抑制する効果があり、耐震性能等級が上がれば上がるほど、より強い水平構面が求めらます。
いずれにしても、確認した限りでは一条工務店の平屋には、スキップフロアや小屋裏利用のロフト・収納の実例がありませんでした。
一条工務店の平屋に、スキップフロアやロフトを希望している方は、注意してくださいね。
平屋率が高い一条工務店(2021年:24%)
出典:国土交通省「建築着工統計調査」
全国の新築戸建て住宅における平屋率は、2012年から2022年までの10年間で、6.8%から13.5%まで、約2倍にまで増えてきています。
また、ある住宅情報誌によると、一条工務店の平屋率は24%となっており、ハウスメーカーの中でも高比率となっていました。(2021年:住宅産業研究所:月間TACT)
このように、平屋率が上昇している中で、特に平屋に力を入れている一条工務店ですが、実ユーザーの住みごこち評価はどのようなものでしょうか、チェックしていきましょう。
VOICE OF ICHIJO
一条工務店のホームページでは、ユーザーの声として、「 VOICE OF ICHIJOU 」が紹介されています。その中から平屋ユーザーをピックアップして紹介します。
ユーザーA:福岡県、家族構成4名
実家の2階部分が全く使用されておらず物置になっているのを実感して、マイホームは平屋にしたそうです。
リビングを中心にした階段も廊下もない間取りのおかげで、家族の動きや気配を感じられる平屋が気に入っているとのことです。
そして、屋根面積が大きくなる平屋を活かした20kWもの同社の瓦一体型太陽光発電パネルがご自慢のようです。
ユーザーB:青森県、家族構成2名
このユーザーの住みごこち評価は、一条工務店の床暖房の快適さに重点を置いたものですが、快適な平屋生活を送っているそうです。
多雪地域で、外部がマイナス11度でも室内は23度と快適な温度で、玄関やトイレも寒くないとのことです。
その他では、雪解けの跳ね返りで汚れやすい外壁も、同社のハイドロテクトタイルのお陰できれいなまま、とのことでした。
とにかく、ここまでの快適さは想像していなかった! との住みごこち評価でした。
ユーザーC:鹿児島県、家族構成3名
一条工務店の平屋に住んで2年を経過したけど、こうすれば良かった、と言うのが見つからないほど満足されているとのことです。
今までは、桜島の火山灰で窓際が灰でザラザラしていたが、一条工務店の高気密・高断熱と24時間換気システム(ロスガード90)のおかげで、快適になったとのことです。
また、ハイドロテクトのお陰で、外壁が灰で汚れることもなく驚いているとのことです。
写真の勾配天井の壁に埋め込まれている時計は、オリジナルでしょうか。オシャレですね。
ユーザーD:静岡県、家族構成3名
アメリカの広い家に近づけたくて、開放感のあるLDKにしたとのことです。写真のように広く連続した空間は平屋ならではですね。
オーナーによると、子供とLDKで追いかけっこができるほどだそうです。
また、今までガス・電気で暖房していた家では、一部しか温まらず、消すとすぐに寒くなったが、一条の家では一旦あったまると後は驚くほどランニングコストが安いとのことです。
参考に、床暖房を含めた全ての光熱費で、月に15,000〜20,000円とのこと。全館暖房でこのランニングコストは安いと思います。
ネットで見つけた実ユーザーの声
一条工務店が紹介している自社ユーザーの声だけでは十分ではないかもしれませんので、ネット上で見つけた同社の実ユーザーの声もピックアップしてみました。
ユーザーE:愛知県、家族構成2人
これから迎えるセカンドライフを考慮して、家事や生活が楽になる平屋に建て替えたそうです。
また、将来の生活費を抑えるために、大容量の太陽光発電システムを搭載したそうで、子どもたちが独立した後のセカンドライフ住宅の典型ですね。
ユーザーF:兵庫県、家族構成4人
勾配天井の木調は、システムキッチンに合わせたとのことで、ホワイトと淡いブラウンのコーディネートが優しい印象です。
平屋の住みごこちについての直接的な評価はありませんが、単調になりがちな外観や室内空間を魅力的にするために、勾配天井としたそうです。
家事作業については、脱衣所に隣接したファミリークローゼットのおかげで、洗う、干す、整理が楽になった、とのことです。 ワンフロアに各部屋をレイアウトできる平屋のメリットですね。
一方、家事作業が玄関先から見えない工夫もしたとのことで、各部屋がワンフロアで繋がる平屋では、注意する点かもしれません。
ユーザーG:愛知県、家族構成4名
平屋で増えやすい廊下を有効に使う(減らす)ために、間取りのほぼ中央にウォークスルータイプのクローゼットを設けたそうです。
先のユーザーもファミリークローゼットの利便性を紹介していましたが、平屋ではウォークインクローゼットの活用がキーポイントになりそうです。
平屋では各部屋が水平に繋がりますから、廊下を何らかの形で有効に使う工夫が重要ですね。
ユーザーH:長野県、4LDK
このユーザーは、この平屋を建てる前の数年間で様々なタイプの住宅に住み、それぞれに住みにくさを感じていたようです。
そして、選んだのが平屋です。計画する際には効率的な生活動線を重視し、間取りのゾーニングにこだわったとのことです。また、長く住み続けられることも重視したそうです。
以前の家では重い洗濯物を2階のバルコニーまで運んだり、階段の一段一段を掃除するのが大変だったが、今は着替え、洗濯、収納までを少しの移動で完結するようになった、とのことでした。
さらに、平屋にしたおかげで友達家族が遊びに来た時も、子どもたちが家中を走りまわれる広さになり、その上に安心して見守ることができる、とも評価されていました。
実例から学ぶ点、注意する点
上で紹介した一条工務店の平屋実ユーザーの評価から学ぶ点や注意点を整理してみましょう。
ウォークインクローゼットを上手に活用
水平に広がる平屋では、合理的な家事動線や回遊動線のことがよく指摘されています。その中で、キーポイントになるのが、ファミリータイプのウォークインクローゼットです。
一条工務店:平屋プラン・デザイン集より抜粋
上のプランでは、ウォークインクローゼットを介した回遊動線となっています。また、洗面スペースと脱衣室とを分けているのが特徴で、最近はこのスタイルが増えてきています。
脱衣、洗濯、乾燥、整理を一連の動作で行うために、ファミリータイプのウォークインクローゼットをそれらに隣接させる間取りは、平屋だからこそできるものでしょう。
また、平屋では増えやすい廊下を減らす、あるいは有効に使う工夫が重要です。実例紹介にもあったように、ダイニング・リビングを間取りの中心にレイアウトする、あるいはウォークスルータイプのウォークインクローゼットなどが有効です。
ただし、各用途のスペースがワンフロアにあることで、見られたくないものも見えやすくなります。ですから、来客時の動線・視線などもシミュレーションしてみてください。
勾配天井を上手に活用
一条工務店では、勾配天井(吹き抜け)の大きさが制限されますが、単調になりやすい平屋の外観や室内空間に変化を与えるには有効な方法です。
ただし、勾配天井を利用したロフトやスキップフロアは、一条工務店では採用できません。
各部屋が水平に繋がる平屋では、視覚的に天井も繋がって見え、単調な水平天井では圧迫感を感じることもあります。
今回の平屋実例でも、家族が集まるダイニング・リビングを勾配天井にしているケースがほとんどでした。
太陽光発電システムの予算は別枠でもOK
一条工務店は、戸建て住宅における太陽光発電システムでもトップクラスの搭載率を誇っており、同社の瓦一体型の太陽光発電パネルが好評です。
平屋では、大容量の太陽光発電パネルを載せやすくなりますから、是非とも採用したいシステムですね。
太陽光発電システムは、初期費用で200〜300万円ほどかかりますが、毎月の光熱費の削減分で初期費用のローン返済が可能になります。
一条工務店の試算では、約10年ほどで回収できるようですから、あえてオプション費用として予算枠に組み込む必要はないかもしれませんね。
まとめ
どんなに注意して計画しても、実際の住みごこちは、住んでみないとわからないものです。
平屋に対する想いや希望は、ユーザーによって異なりますが、実ユーザーの声から実際の住みごこちを推測することも、マイホームを後悔しないための一つの方法になると思います。
一条工務店では、高い住宅性能と共に、3世代まで住み続けられる長期優良住宅仕様が標準化されています。
その中でも、平屋は子育て世代からリタイア世代まで、より実質的に長く住み続けることができる住宅スタイルですから、” 住みごこち ” は重要な課題です。
平屋人気が定着してきている中で、我が家も平屋で! と考えているユーザーに、今回紹介した平屋実ユーザーの住みごこち評価が参考になれば幸いです。
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