家を購入する際、土地や家の価格以外に、いろいろな諸費用が発生します。住宅を建設する他に、庭の工事を行ったり手続きを行ったりする必要があるからです。
実際家を購入すると、思いがけないことにお金が必要になります。そのため、あなたの想像以上の諸費用がかかる可能性が高いです。ついつい諸経費が高額になってしまい、予算が大幅にオーバーしてしまうことのないようにしましょう。
また、住宅を建てた後、生活するためにさまざまなお金が必要です。家を購入した際に、貯金を減らしてしまえば、その後の暮らしが不安になってしまいます。
そこで、住宅を購入する際に必要になる諸費用の目安と種類をお教えします。これを学び、家を建てる際にどのようなことにお金が必要なのかを知りましょう。
事前にどのくらいの金額になるのかを知っておけば、前もってお金を溜めたり、家のグレードを落とすことで値段を下げたりなどの対策が行えます。住宅を建てたらお金が無くなってしまったということのないようにしましょう。
1.家を建てる際に必要な諸費用の目安
前述の通り、家を建てるのには建物以外のさまざまなことにお金が必要になります。そのため、その諸費用を計算しておかなければいけません。
住宅購入時にかかる諸経費の目安は、たとえば2000万円の家の場合、約200万円になります。購入する家の価格の約10%がおおよその金額になるといわれているからです。このとき、計算式は以下のようになります。
「2000万円(家の値段) × 0.1(10%) = 200万円(建物以外の諸費用の価格)」
この値段になる理由は、駐車場を設けるための外構工事(エクステリア工事)など工事は、数百万円を超えることがほとんどだからです。
しかしながら、よく大手ハウスメーカーや工務店で言われている諸費用の目安は、約150万円と言われています。
ただ、この金額はあくまでも住宅ローンを借りるなどの最低限の諸経費の目安です。そのため、庭の工事費用などの金額は含まれていません。
つまり、家を建てる際に必要な金額はこれだけでは足りません。
お金が足りなってしまったり、後々の生活で急な出費が必要になってしまったりして、住宅ローンを余分に借りてしまう方は少なくありません。諸経費を甘く見積もり、生活が苦しくならないよう注意しましょう。
2.住宅購入時の諸費用の種類
初めて住宅を購入する方が多いため、具体的に何にお金がかかるのか理解していない方がほとんどです。何も知らずにお金を支払うのは不安になります。ここでしっかり学び、無駄な諸費用を支払わないようにしましょう。
住宅ローンを組む際はもちろんのこと、土地の登記などに費用がかかります。想像通りのものから思いがけないものまであるため、以下の表を参考にするようにしましょう。
費用の名称 | 内容 |
---|---|
抵当権設定登記 | 抵当権を設定する際に必要になる費用 |
登録免許税 | 抵当権設定にかかる税金 |
ローン保証料 | ローン保険会社に支払う費用 |
事務手数料 | 借り入れ先の金融機関に支払う費用 |
団体信用生命保険料 | ローン契約者が死亡や病気に備えて加入する保険料 ※民間の場合、無料のところもある |
火災保険料 | 火災に備えて加入する損害保険料 |
地震保険料 | 亊便に備えて加入する損害保険料 |
印紙税 | 契約書につかう収入印紙代 |
消費税 | 購入したときに納める税金 |
仲介手数料 | 仲介業者に支払う費用 |
住宅ローン代行手数料 | 住宅ローンの手続きをしてもらった不動産会社に支払う費用 |
水道分配金 | 水道を引くための費用 |
調査費用 | 検査機関に調査を依頼した時に支払う費用 |
適合証明書発行費用 | フラット35の利用基準を満たしていることを証明する書類の費用 |
つなぎ融資の手数料と金利 | つなぎ融資の際に発生する費用 |
住宅の購入費用とは別に、これらのお金がかかるため、あらかじめ把握しておいてください。
2-1.火災・地震保険は任意
ただし、中には火災保険や地震保険などのように任意の場合があります。これらは、必ず加入しなければいけないわけではないです。とはいえ、住宅ローンを借りる際、ほとんどの場合金融機関から火災保険への加入を勧められます。
万が一のことを考えると、加入することをお勧めします。何かあってからでは遅いです。あなたの家と家族を守るために、必要なことになります。できるだけ入るようにしましょう。
当然、保険に入ったら保険料がかかるため、この費用も計算しておくと支払う金額が分かりやすいです。
以上までで、住宅購入時に必要な諸費用の種類を理解いただけたのではないでしょうか。何にいくら必要なのかがわかれば、あらかじめ貯蓄をすることも可能です。
必要な費用を計算して、計画的にマイホームを手に入れましょう。
2-2.家を建てる際、土地や建物以外にかかる付帯工事費(諸経費)
家を購入する際、土地と建物の金額以外に、「付帯工事費用」がかかります。住宅を建てること以外にいろいろな工事があるからです。そのため、住宅以外の施工のお金が必要になります。
たとえば、庭に駐車場を設けたいと思ったのであれば、外構工事(エクステリア工事)を行わなければいけません。また、室内にエアコンを取り付けるのであれば、電設工事を行う必要があります。
注文住宅を購入する際は、このように必要に応じて工事を行わなければいけません。その都度費用がかかるため、マイホームを建設するのであれば、建物や土地以外にも様々な諸経費がいることを覚えておきましょう。
住宅を購入する際は、思いがけない出費が発生します。「思ったより住宅の費用がかかってしまった」「思いがけないものが高額だった」ということになりがちです。そうなってしまわないように、事前の準備をしっかり行いましょう。
2-2-1.住宅購入時に行う工事の種類
家を購入する際には、住宅の工事以外にもいろいろな施工が必要です。庭に駐車場やブロック塀がいるのならば、外構工事(エクステリア工事)を行わなければいけません。
このとき、隣りの敷地に高低差がある場合、擁壁(ようへき:盛り土側面が崩れ落ちるのを防ぐための壁)を作る必要があります。家を建てた際、土が崩れてしまうからです。これを、「造成工事(ぞうせいこうじ)」とも呼びます。
なお、土地を購入して擁壁を作る場合、地盤が高いほうが施工するのが一般的です。そのため、隣地よりも土の面が高いのであれば、造成工事や境界工事の費用を負担する必要があります。
当然、これらを施工する費用がかかります。そのため、土地を選ぶ際は、土地の位置が高いほうよりも低い方を選ぶと、これらの付帯工事費用を節約することができます。
また、庭に木や植木を植えたり、芝を張りたい場合は、造園工事を行うようにしましょう。
古い家を取り壊してから新しい住宅を建設するのであれば、既存の建物を壊す工事をします。このような場合、建て替える場合は解体費用が住宅の購入価格に追加されるため、必然的に値段は高くなるのです。
また家を建てる際、地盤が軟弱な場合があります。
たとえば、田んぼだった土地に住宅を建設する場合などがこれに当たります。このとき、まず建物を建築してもいいか地盤調査を行います。これにより、土地が頑丈かどうかを判断します。
調査の結果、地盤が家を建てるのにふさわしくない場合、地盤改良工事や支持層(固い地層)に杭を打つ工事を行います。
このように、家を買うにあたり必要に応じて、エクステリア工事を行ったり造園工事を行ったりします。住宅以外のさまざまな工事費用が必要になるため、これらの費用を準備しておくようにしましょう。
2-2-2.家を建てるときに必要なインテリアと電設工事
家を建てたら生活するために、家具やカーテンなどのインテリア関連を揃えなければいけません。何もないと暮らしが不便になってしまうため、ほとんどの方が入居と同時にインテリアを充実させます。
また、エアコンを取り付けるのであれば電気の配線などの電設工事が必要です。風呂やキッチンを使うためには、ガス工事を行わなければいけません。
ここまで述べたことから分かるように、室内のカーテンなどのインテリアや駐車場などの外構工事など「建物以外の工事」は、マイホームを建築する際に必ず必要になります。
ただ、外構工事や解体工事は住宅ローンに含まれますが、家具などのインテリアは借り入れ代金に含まれません。そのため、現金で購入しなければいけません。
家を購入したことで、予算オーバーにならないように注意が必要です。家電や家具を買うお金がなくなってしまわないようにしましょう。
2-2-3.付帯工事費用の相場と目安
ここまで述べてきたことから分かるように、住宅には家を建てる工事以外に様々な種類の費用がかかります。
しかしながら、よくカタログや広告などで家の価格を表記してありますが、ここに付帯工事費用(諸経費)が含まれていないことがあります。メーカーによっては、本体工事のみの金額しか載せていないからです。
たとえば、「住宅の価格3,000万円(本体工事のみ)」と記載してある場合、ここまで述べてきた付帯工事の費用が含まれていません。そのため、チラシや新聞などで住宅の値段を確認する際は、注意してみるようにしましょう。
このとき、「そこまで高額にはならないのではないか?」と疑問に思う方は多いです。確かに、カーテンやエアコンなどの取り付け工事だけでは、そこまで金額は高額にはなりません。
しかし、庭の駐車場や門扉(もんぴ)などの外構工事(エクステリア工事)の場合や擁壁の造成工事(境界工事)を行うと値段が高くなります。
規模にもよりますが、外構工事や造成工事は値段が数百万円になることがほとんどです。基本的に、家を建てる際は、庭の工事を行います。したがって、付帯工事費用は高くなることが多いです。
こうした費用まで計算することで、家に関する適切な予算を建てることができるようになります。夢のマイホームを手に入れるためにも、しっかりかかるお金を把握するようにしましょう。
3.住宅の諸費用を節約し、数十万円以上無駄な出費を抑える方法
住宅購入時に必要になる諸費用は、中には節約できるものもあります。少しでも家庭の負担を減らすために、ここでその方法を学びましょう。
3-1.登記費用を節約する方法
住宅を購入する場合、登記(土地や建物の所有者が住所、氏名を登記簿に記載する手続きのこと)を行う必要があります。これを行わなければ、土地や家の所有権をあなたのものだと公式に証明できないからです。
一般的に、登記は司法書士や土地家屋調査士に頼みます。
ただ、登記は無料ではないため、成果に見合った報酬を支払わなければいけません。
しかしながら、依頼する場所や人によっては安い値段で行ってくれ場合があります。安いところに依頼すると費用を抑えられるため、そうした方へ積極的に頼むようにしましょう。
ただ、あまり安さばかりを求めすぎると、司法書士などからしてもうれしくはありません。値段を安くした分だけ、利益が減ってしまうからです。そのため、あなたの手続きを行ってくれる人が、得をするように、値下げ圧力は適度にするように心がけましょう。
3-2.自分で行うと一番安い
また、これらの登記を自分で行うのも一つの手です。司法書士や土地家屋調査士に頼むとお金がかかってしまうからです。これらの手続きは、プロに頼まなければできないと思いがちですが、自分で行うことができます。
一昔前までは、これらの手続きは自分で行わなければいけないものでした。そのため、これら手続きをプロに依頼せずに自ら行えば、その金額分を節約できます。
ただし、簡単にできることではないため、なるべくプロに依頼するようにしましょう。そのほうが、スムーズに手続きを行ってくれます。
4.不動産の中間マージンを節約する方法
土地を購入する際、不動産の仲介手数料を節約する方法があります。一般的に不動産業者は、物件どの取引を行うことで利益を得ています。そのため、こうした本業での儲け部分に対して値下げ交渉をしても、安くなることはほとんどありません。
そこで、不動産取引まで行っているハウスメーカーや工務店へ依頼するようにしましょう。この場合、たとえ不動産(土地購入)による仲介手数料が発生しなかったとしても、建物を建てることで利益が出るからです。そのため、不動産の手数料を抑えることができます。
ただし、これを行うには、家の土地を買うより先にハウスメーカーや工務店などの「家を建設する業者」を決めておく必要があります。先に土地を決めてしまうと、建設会社に不動産取引を任せることができなくなるからです。
したがって、手数料を節約するためには、土地と家を購入する順番を間違えないようにしましょう。
5.住宅ローンの諸費用を節約する方法
家を購入する際、住宅ローンを組む方がほとんどです。販売価格が数千万円単位になるため、家を現金一括払いで購入する方はほとんどいないからです。
このとき、借り入れを行うにあたって手数料が発生します。そのため、費用が安い金融機関からお金を借りると、諸費用を節約できます。
どの金融機関が安い手数料で行ってくれるのかを把握するためには、いくつかの銀行や金融機関を比較すると良いです。このときは条件や値段を比べると分かりやすいためです。
6.高額な外構工事(エクステリア工事)を簡単に節約する秘訣
住宅を建てる際は、家だけの工事だけではすみません。先ほどもお伝えしたように、庭に駐車場を設けるのであれば、外構工事(エクステリア工事)を行う必要があるからです。また、隣との土地に高低差ある場合、造成工事(境界工事)を行い擁壁を作る必要があります。
ただ、これらの工事を行うと費用が高額になります。一般的に、数百万円を超える規模の施工がほとんどだからです。
そのため、この費用を節約することができれば、諸費用を大幅に節約することができます。そしてその方法は、「ハウスメーカーや工務店に外構工事を依頼しない」ことがあります。その代わり、これらの工事を外構業者に直接頼みます。
これを行うことによって、仲介手数料を無くすことが可能だからです。ハウスメーカーや工務店に頼んだとしても、実際には外構業者(エクステリア業者)へ外注するだけです。
たとえば、ハウスメーカーや工務店の外構工事費用が110万円の場合、その中身は「110万円(ハウスメーカーや工務店の価格) − 36万円(仲介手数料) = 74万円(実際の工事費用)」のようになります。
そのため、直接エクステリア業者に工事を依頼すれば、この仲介手数料を節約することができます。
外構工事費用は、住宅の諸費用の中でも高額にな費用です。そのため、これを節約して、大幅なコストダウンをしましょう。
なお、家をハウスメーカーや工務店で建てるからといって、「それらの会社へエクステリア工事を頼まなければ申し訳ない」と感じる必要はありません。そのため、気軽に外構業者に直接工事を依頼しましょう。
7.火災保険・地震保険を節約する
家を購入する際に、火災保険や地震保険に加入する方は、これらの費用を節約するようにしましょう。
その具体的な方法は、複数の会社に見積もりを出し、比較することが挙げられます。値段やプランを比べることで、あなたの希望に合った内容が見つかるからです。そのため、保険に加入する場合は1社だけではなく、複数社依頼するよう心がけましょう。
7-1.必要プランだけ加入する
また、必ず必要なものを優先して保険のプランをつけると保険料を安くすることができます。内容を手厚くすると安心ですが、高額になればいいというわけではありません。そのため、保険の内容と金額のバランスを考え、あなたに適した割合のプランにすると良いです。
ここまで述べてきたことから分かるように、住宅の諸費用を節約することで、無駄な費用を抑えることができます。そこで、どのようなものにお金がかかるのかをしっかり把握しましょう。
また、必要なものだけにお金を使うと余計な支出を抑えられます。
家の諸費用は無数にありますが、見直せば節約できたり、費用を抑えたりすることが十分に可能になります。節約できれば、数十万円の費用を得することが可能です。ただし、無駄なお金を少しでも減らせるようにするためには、あなた自身が努力する必要があります。
8.団体信用生命保険を節約する
住宅をローンで購入する場合、ほとんどのケースで団体信用生命保険に加入します。
これは、住宅ローンの返済中に、ローン契約者が死亡または高度障害になった場合、本人に代わって生命保険会社が、その時点の住宅ローン残高に相当する保険金を債権者に支払い、ローンが完済となる制度のことになります。
つまり、あなたに何かあった場合に住宅ローンの残債を代わりに支払ってくれる生命保険です。そのため、家族の幸せや将来のことを考えるのであれば、加入するのをお勧めします。
そして、この団信の支払方法は、一括で支払う場合と、住宅ローンの金利に含まれるものがあります。一回で支払ってしまったほうが、金額的には安いです。
ただ、いろいろお金がかかるため、一括で支払えないというのであれば、住宅ローンの金利に含まれるようにするようにしましょう。これであれば、月々の住宅ローンの支払いに合算することができます。
まとめ
マイホームを購入する際、諸経費がかかります。住宅を建てるということは、家そのものの費用に加えて、さらにいろいろなものにお金が必要になるからです。
家を購入してからお金がなくなってしまわないために、何にいくら必要なのかを学び、あらかじめ貯金などをしておくようにしましょう。
それが、計画的に夢の注文住宅を手に入れるコツだからです。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料