モダン住宅はシンプルでスタイリッシュな外観が魅力的です。平屋を建てる際に、モダン住宅の外観に憧れて家を建てる方は多いですよね。
せっかく家を建てるのであれば、おしゃれな外観のモダン住宅を建てましょう。
本記事では、平屋のモダン住宅の事例やお得に建てる方法をご紹介していきます。これから家を建てる方は、ぜひ参考にしてください。
モダン住宅とは?
モダンと言う言葉には、「現代風」や「今風」という意味があります。しかし、「昭和モダン」などのような使い方によってはレトロな印象を持つこともあります。
一方、「モダンな住宅」と聞くと、現代風はもちろんですが、都会的な、おしゃれな、個性的な、などのイメージを浮かべるのではないでしょうか。
現代風なシンプルなモダン住宅はとても魅力的です。
おしゃれな平屋のモダンをご紹介
以下で紹介する平屋は、いずれも実例ですから、各オーナーの強い想いが込められています。
そのため、それぞれのおしゃれな工夫や個性が、全ての人に適しているとは限りません。
しかし、これから平屋を計画している方の参考になるようなヒントが沢山あります。
それらのヒントを元にして、アレンジすることも含めて、是非参考にしてください。
事例1:田園に建つショールームのような平屋
出典:SUVACO
郊外にあるショールームのような洗練されたデザインです。一見すると、鉄骨造かコンクリート造のように見えますが、木造住宅です。
正面大開口の連窓サッシの縦・横の枠下地は、木製の柱・梁を塗装仕上げしたもので、上手な使い方だと思います。
平屋は2階建てのような上階の荷重がないため、2階建ての1階ほど筋交いなどの耐力壁を必要としません。ですから、写真のような大開口のサッシが可能になるのです。
なお、屋根中央に見える煙突は、リビングに設けられている暖炉用のものです。
LDKの中央にダイニング・キッチン、手前にリビングがあり、中央に暖炉が設けられています。なお、奥には和室があります。
どの部屋も大開口の窓に面しており、開放的だけでなく、少し高台にある立地からの眺めも最高のものだろうと想像できます。
なお、写真では少しわかりにくいですが、大開口サッシの枠下地とソファー後ろの柱は木製です。
和室からLDKを見た写真ですが、大開口サッシの柱・梁を見ると、かすかに木目模様が表れています。
LDKと和室は引き戸で仕切ることができますが、上部を開放(開口)としているため、締めた状態でもLDKとの一体感は失われません。グッドアイデアで、参考になりますね。
この建物は、延床面積148㎡(44.77坪)の4LDKで、設計・施工の費用が3,600万円となっています。
仮に、設計・監理費用を低めに建設費の10%とした場合、建設費用は3,300万円弱となり、坪単価では73万円ほどになります。
このデザインと品質で、本体価格と給排水などの屋外付帯工事を含めたこの価格は安いくらいでしょう。
事例2落ち着いた町並みに建つ品のある平屋
出典:MISAWA
シャープな線で構築されたフラットな外観は、余分な虚飾のないデザインです。これも、木造らしくありませんが、木質パネルで建てられた住宅です。
この住宅のコンセプトは、周囲の視線を気にすることなく家族でくつろぐことができ、子供とのコミュニケーションがとれるもの、とのことです。
そして、そのための選択が、平屋と中庭になったようです。
ウッドデッキ中央にシンボルツリーを設けた中庭です。外周部の窓を最小限にして、中庭に向けた大きな窓からの採光と通風を確保しています。
外部の視線を気にせず、家族が団欒する姿や子供がウッドデッキで遊ぶ姿が想像できます。
奥がキッチンで、ダイニングテーブル左側は中庭に繋がっています。
ホワイトとブラウンのコーディネートで、外観同様にシンプルなデザインで好印象です。
事例3:和風料理店のような平屋
出典:雅家建築
和瓦、白壁と焼杉の腰壁、木製縦格子、引違いの玄関戸と、まるで和食店のような外観ですね。
和風と木にこだわっていることがよく分かるLDKです。木構造を見せた勾配天井や、いくつものぶら下がっている照明も、お店をイメージさせます。
玄関ホールにある丸窓です。丸窓に付けた内障子やニッチ棚の自然木に、オーナーのこだわりを感じます。
内外ともに、和風と自然木志向のオーナーの好みが現れた平屋で、現代版の和風平屋住宅といえるでしょう。
事例4:軒下空間と一体になった平屋
出典:ワンズキューボ
大きく深い軒下に、玄関ポーチとリビング前の空間をまとめ、屋内外一体のコンパクトな印象の外観です。参考までに、延床面積は24.54坪の3LDKになっています。
この状態では、隣地側からの視線を遮ることができませんので、気になる場合は植木などの何らかの目隠しが必要でしょう。
この住宅の特徴的なのは、軒下全域のウッドデッキとリビングの土間です。
リビングの土間は、ウッドデッキとの境界を無くす役割を果たし、サッシを開け放った状態では、屋外が室内に入り込むような感じになるでしょう。
また玄関も同じウッドデッキ上にあり、親しい友人なら玄関を通らずに直接、土間から訪れるかもしれませんね。
非常に個性的な間取り、フレンドリーで開放的な生活スタイルの方には参考になるのではないでしょうか。
事例5:おおらかな寄棟屋根の平屋
出典:MISAWA
特に目を引く象徴的なものはありませんが、よくまとまった上品で優しい感じのする外観です。
片流れや切妻の屋根が多くなっている中で、寄棟屋根の良さを改めて感じます。
元は純和風だった家の建て替えだそうで、耐震性のある鉄骨ラーメン構造にしたとのことです。しかし、鉄骨の硬いイメージはなく、非常にソフトで木造住宅のように見えます。
玄関正面右側の縦格子は、アルミ製の目隠しになっており、内側はインナーテラスになっています。格子の目隠しですから間接的ですが、採光や通風は問題なく、時には雨も入ってくるでしょう。
この準屋外的な空間は、家族のもう一つの憩いの場になっているようです。
屋内と屋外を明確に区別するのではなく、中間の性質を持ったこのような空間の採用はグッドアイデアですね。
事例6:片流れ屋根3枚の平屋
出典:エス・バイ・エスの住まい
道路に面した大中小3枚の片流れ屋根が目立つ住宅です。黒で統一した外観に、ホワイトの小窓枠、そしてブラウンの縦格子がアクセントになっています。
道路側の窓を小さくし、高い位置に配しているのは、防犯とプライバシーに配慮したものです。
比較的目立つデザインですが、オーバーデコレートな部分がなく、現代的な個性を感じます。
柱と梁を床と同系の色で塗装し、ホワイトとブラウンのカラーコーディネートとしています。ダイニング・キッチンの右側窓の外には、コの字型の中庭があります。
この住宅のオーナーは、家族が自然に集まり、いつも家族の気配を感じられることに重点をおいて平屋を選択したとのことです。
どうやら、「家族の気配」や「コミュニケーション」が、若い子育て世代が平屋を選ぶキーワードになっているように感じます。
事例7:木をふんだんに使った平屋
出典:BAUNEST
この平屋は、子育てが終わったオーナー夫婦の生活の場として建てたとのことです。
夫婦二人の住宅ですが、一方では大勢の友人と賑やかに過ごすことも好きだと言うことで、リビングに掘りごたつを設け、居酒屋風の雰囲気を出しています。
掘りごたつ周囲の畳と自然木のテーブルとの組み合わせに、オーナーのこだわりを感じます。
腰掛け用椅子の自然木もオーナーのこだわりでしょう。そして、沢山の友人が訪れても大丈夫なように、広めの玄関になっています。
事例8:ドッグランのある平屋
出典:意匠堂
外壁にブラックのガルバニウム鋼板を採用し、木部のブラウンをアクセントとした現代風の外観です。個性的なデザインですね。
この住宅の中庭は周囲を囲い、オーナーが飼っている中型犬のドッグラン用に計画されています。
家族が集まるLDKから常に愛犬の様子が見えるのは安心なものでしょう。庭のウッドデッキは、家族と犬が触れ合う場になり、テーブルの周りで家族と愛犬の遊ぶ姿が見えるようです。
家族の生活スタイルを明確に表現した平屋住宅です。
中庭から全室が見えるのではないかと思うほどの全面ガラス窓です。これだけ室内が見渡せれば、愛犬も寂しくないでしょう。
平屋の中庭は、写真のように天空が近く、室内の安心・安全を確保しながら屋外の自然を感じられる空間になります。
事例9:モダンな幾何学的な平屋
出典:ハウスクラフト
一つの塊をスパッとカットしたようなデザインで、ホワイトと自然木の色合いに若々しいおしゃれを感じます。
写真右側に中庭の一部が見えており、玄関ポーチ右側の通路に繋がった風の通り道になっています。
玄関ポーチ右側の通路と坪庭風の中庭です。坪庭上部の屋根はくり抜かれており、採光・通風を確保しています。
ホワイトの壁とナチュラルな白木系のフローリングとの組み合わせは、外観同様に若々しいオシャレを感じさせます。
事例10:杉板で囲まれた平屋
出典:重量木骨の家
外周をぐるりと杉板で囲っており、一見すると不思議な住宅です。
この杉板の内側には中庭が設けられており、近隣にマンションなどもある地域で、プライバシーを確保しながら平屋を建てる工夫と言えます。
フローリングには、外周部と同じ杉材が使われており、奥には畳コーナーが配置されています。
中庭に面した全面をガラス窓としているため、外からは想像できないほどの開放感があります。一方で、外部の視線をシャットダウンしていますので、隠れ家的な雰囲気も感じます。
写真中央は、玄関とリビングをつなぐ廊下で、まるで離れ部屋に入る感じです。
外からは想像出来ないほど魅力的なこの住空間は、おしゃれであると同時に粋な印象さえあります。
モダンの平屋を建てるコツ
上の10事例のように、モダンな平屋にはオーナーの様々な生活スタイルや工夫が反映されています。そんな中で、中庭を採用しているケースが多いことに気づくのではないでしょうか。
2階建てに中庭を採用する場合、相応の広さがないと、採光や通風が悪くなり、日陰の多い閉鎖的な空間になってしまいます。
しかし、平屋の場合は、屋根が低く、天空が近いのです。つまり、さほど広くない中庭でも明るい開放的な空間とすることができます。
おしゃれで個性的なモダンな平屋とする際には、中庭を上手に利用することをおすすめします。
なお、上で紹介した事例の大半は設計事務所の設計によるものですが、ハウスメーカーでも多くの平屋住宅を提案しています。
それらには、規格型だけでなく注文住宅もありますので参考にされるといいでしょう。
業者によって外観・デザイン性が異なる
ハウスメーカーには、それぞれ得意とする工法や構造を持っています。しかし、平屋は2階建てに比べて構造的な制限が緩やかで、建てやすいと言う一面があります。
したがって、特に構造的なこだわりがある場合を除いて、ハウスメーカーを限定する必要はないでしょう。
むしろ、ハウスメーカーのデザインの傾向や全体のセンスが、希望しているイメージと合っているかどうかを選択基準にすることをすすめます。
モダン住宅が得意の業者を探そう
どのようなモダンを業者に求めるかにもよりますが、少なくともオーナーが希望するイメージで設計してくれることが重要なポイントになります。
したがって、下で紹介する相見積りを依頼する際には、参考写真などを提示して、希望するイメージが十分伝わるようにしてください。
そして、提案されたプランから、よりイメージに近いもの、あるいは提案内容の優れているものを選ぶようにしましょう。
業者によって価格が違うので必ず比較する
注文住宅では相見積りが基本で、業者によっては上表のように最安値と最高値で1,400万円もの差が出ることがあります。実に1.7倍近い差です。
どんなに気に入ったイメージや提案内容でも、手に届く価格でなければ意味がありません。
業者を選ぶおすすめの方法としては、最安値と最高値の業者を外し、中間業者を残し、幾度かの打ち合わせを重ねることです。
その中で、オーナーの意図や希望を理解し、よりイメージに近い提案をしてくれる業者を選んでください。
まとめ
平屋は、かつての小規模住宅や子育てが終わった夫婦用の住宅と言うイメージから、若い子育て世代にも人気のある住宅として認識されつつあります。
その中で求められるのは、おしゃれや個性、そして暮らしやすい動線などで、かつての平屋住宅にはないモダンな考え方です。
平屋住宅の計画でキーポイントになるのは、プライバシーと中庭です。
2階建てに比べて侵されやすい平屋のプライバシーをどのように解決し、中庭のメリットを活かしやすい平屋をどのように計画するかが重要になります。
2階建てが主流の中で、平屋を選ぶこと自体が既に個性的でこだわりのあるものです。その折角のこだわりを満足のいく内容とするために、本記事が参考になることを願っています。
住宅は一生に一度の高価な買い物です。数千万円単位になるため、できれば値段を安くしたいものです。
実は値段の高い注文住宅ですが、建売よりも安く家を建てられる方法があるってご存知ですか?
建売でもいいですが、せっかくであれば自由に仕様や間取りを選べる注文住宅がいいですよね。
ただ、注文住宅は失敗してしまう方がほとんどです。夢のマイホームで後悔したくないですよね。
※お断り自由・完全無料