家相は一般的には迷信の一つと思われがちですが、実は環境学と呼ばれる学問に基いた物です。
方位表を用いて家のどこにどのような設備があるかを調べ、家相の吉凶を調べます。
家相において方角はとても重要です。方角によって吉や凶を決めるからです。家相を気にする方は、方位の見方を覚えるようにしましょう。
ここでは方位表についての解説と、家のどの方位にどの設備があると家相的に良いかという点について解説していきます。
家相の方位表
出典:http://nishinojinja.or.jp/kasou/kasou2.html
方位表とは、家相を判断するために欠かせない道具です。
この方位表は全方位である360°を45°ずつ8つに分け、北・北東・東・東南・南・南西・西・北西に区分けしてあるものです。
この8つの方位を「八方位」と呼びます。
家相を見る場合には、この八方位を干支(えと)の「十二支方位」に「十干方位」で区分します。
- 甲(きのえ)
- 乙(きのと)
- 丙(ひのえ)
- 丁(ひのと)
- 戊(つちのえ)
- 己(つちのと)
- 庚(かのえ)
- 辛(かのと)
- 壬(みずのえ)
- 癸(みずのと)
この全方位360°を「十二支方位」と「十干方位」で区分したものが、「二十四山方位」です。
北 | 壬 | 納屋、物置き吉。浴室、便所、台所、支障なし。 | 南 | 丙 | 泉水、池、凶。庭園、吉。門、玄関、大吉。 |
子 | 便所、その他不浄物、凶。 | 午 | 浴室、不浄物、凶。 | ||
癸 | 食料品など貯蔵は吉。不浄物支障なし。 | 丁 | 泉水、池、凶。火の元、凶。庭園、吉。 | ||
表 鬼 門 |
丑 | 井戸、便所、大凶。他不浄物、凶。 | 裏 鬼 門 |
未 | 不浄物、凶。張出し、凶。 |
艮 | 門、入口、玄関、凶。張出し、凶。 | 坤 | 便所、凶。張出し、凶。 | ||
寅 | 便所、凶。別棟、凶。 | 申 | 欠込み、凶。倉庫などの別棟吉。 | ||
東 | 甲 | 井戸、台所、浴室、吉。門、入口、玄関、吉。 | 西 | 庚 | 便所、支障なし。出入口なければ吉。 |
卯 | 母屋より高い建物凶。開放的にすれば吉。 | 酉 | 床の間、神棚、仏壇、吉。 | ||
乙 | 井戸、台所、浴室、便所、吉。欠込み、凶。 | 辛 | 不浄物支障なし。欠込み、凶。 | ||
東 南 |
辰 | 門、玄関、大吉。母屋より高い建物凶。 | 北 西 |
戌 | 神棚、仏壇、吉。倉庫、蔵、大吉。 |
巽 | 浴室、便所、凶。大きい張出し、凶。 | 乾 | 浴室、便所、台所、大凶。張出し、吉。 | ||
巳 | 不浄物支障なし。倉庫、蔵、大吉。 | 亥 | 居間、主寝室、大吉。倉庫、蔵、大吉。 |
この「二十四山方位」は一つの方位が15°となっています。方位表の一番外側の部分が24に分かれており、それが十二支方位と十干方位です。
その内側に全方位を8つに分けた方位が記されています。
さらにその内側には、正中線と四隅線という線があります。
正中線とは、方位盤の中心を通る南・北、東・西を結ぶ十字の線、四隅線とは正中線と同じく方位盤の中心を通る北西・東南、北東・南西を結ぶX字の線のことです。
方位表にはさまざまな種類がありますが、この形状のものが一番一般的な物です。この方位表と家の平面図を使って家相を判断します。
家のさまざまな設備には、家相上設置するのに適した場所、適さない場所があります。
各設備がどのような方位にあることが家相上望ましいかを、表にまとめているので、参考にしてください。
また、次からの章では設備ごとに8つの方位の吉凶について解説していきます。
しかし、吉の方位でも正中線や四隅線上にその設備が置かれると、凶に転じてしまうこともあります。
ですので、良いとされる方角にその設備を設置する際には、必ず正中線と四隅線の影響を受けることがないか調べてから設置を行うようにしましょう。
玄関
玄関は家の顔ともいうべき設備なので、明るく良い印象を持ってもらえるように作りたいものです。
まず、鬼門(北東)と裏鬼門(南西)には玄関を作るべきではありません。
北東に玄関を作ると忙しさに煩わされることになり、南西に玄関を作ると努力が報われなくなってしまいます。
この二つの方位は玄関を作るのに最も不向きであるといえます。これ以外に、西の玄関も家相上望ましくありません。
西に玄関を作ると、社交性が上がり周囲の人から良い印象を受けることができますが、金銭面での苦労に悩まされることになるからです。
玄関を作るのに向いてる方位は、東・東南・南・北西です。
この中で一番良いとされる方位は東南です。社交的な方位となり、ゆっくりと運気が上昇していく家相になります。
北西の玄関は性格がまじめになる家相です。その分近寄りがたい印象を周囲に与えがちですが、目下も人への面倒見がよくなるため、良い影響のほうが大きくなります。
東の方位の玄関は、一時的な運気の乱れに見舞われますがその後好転するので、一時的に悪いことが起こっても落ち着いて生活をおくるようにしましょう。
また、東の玄関は後継ぎに恵まれる家相となるので、子どもを望む場合にはお勧めの方位です。
南の玄関は、仕事運が強くなります。
しかし、願望が次第に大きなものへと変化していくため周囲から孤立しないよう気を付ける必要があります。
階段
階段は二階建て以上の家を建てる際には、必ず必要となる設備です。
しかし、基本的に階段を設置すると家相的に良くなるという方位は存在しません。逆にここにだけは設置しないほうが良いという場所はあります。
それは家の中心、北、北西です。
家の中心は宅心と呼ばれ、ここに階段を設置すると家族がまとまらない家となります。
北の階段は、気が二階に流れて行ってしまうため、金運が集まらない家相です。
北西の階段は、その家の主人の健康に悪影響が出るといわれる家相になっています。
階段はこの3つの方位と正中線・四隅線を避けた方位に設置するとよいでしょう。
廊下
廊下は、玄関や部屋同士をつなぐ便利な空間です。廊下を設置する方向に良し悪しはありません。
問題となるのは、家の中にどのように廊下を配置するかという点にあります。
まず、家を二つに分けるように廊下が設置されている場合には、家族が分断され家庭内に不和が起こるとされています。
それ以外にも、一部屋をぐるりと廊下が囲む配置も家相的に良くありません。廊下に囲まれた部屋を使う人が孤立してしまう家相になってしまいます。
廊下の長さは、家の長いほうの一辺の長さの三分の二以内に抑えることが良い家相にするためのポイントとなります。
居間(リビング)
リビングは家族が集まりくつろぐ、家の中心となるスペースです。
このリビングを設置するのに最も適している方位は、東南になります。南東に次いで東と南もリビングを設置するのに向いている方位です。
この3つの方位は日差しが入りやすく、開放的なパワーが注入される方位であるため、リビングを設置するのに向いています。
それ以外に、北西もリビングに向いている方位であるといわれます。
その理由は北西が主人の方位とされているため、その家の主人の運気が上昇するとされているからです。
リビングを配置するのに特別悪い方位というものは存在しませんが、良いとされる方位にリビングを設置してよい家相の家にしましょう。
応接室
応接室を設置するには、特に避けるべき方位はありません。しかし、応接室を設置するのにとても良い方位というものが存在します。
それは北東と南西、いわゆる鬼門と裏鬼門です。鬼門と裏鬼門に応接室を設置することで、これらの凶意をを抑える効果があるとされています。
しかし、鬼門と裏鬼門の線上に開口部を設けないように注意する必要があります。
寝室
寝室は、一日の疲れを取る重要な場所です。この寝室は、家の中のどの方位に設置しても家相的に悪くなることはありません。
その中でも、寝室に一番適している方位は北西になります。北西に寝室を設置すると、夫婦円満になるといわれています。
しかし、正中線と四隅線の上に開口部を設けると家相が悪くなるので、注意しましょう。
座敷:床の間
神仏をまつったりしない限り、座敷の床の間にはどこに設置しても家相に影響はありません。
神仏を祭る際には、神棚や仏壇を設置すべき場所に準じます。
高齢者の寝室
高齢者の寝室はどこに設置すべきでしょうか?
高齢者の寝室を設置すべきではない方位は北と北西になります。北の部屋はあまり日が差さないため、高齢者の寝室には不向きです。
また、北西はその家の主の方角とされているため、そこに高齢者の寝室を設置すると、その下の世代の運が開けないとされています。
それ以外の方位であれば問題はありませんが、東・東南・南・西の方位が高齢者の寝室に特に向いている方位です。
できるだけ日当たりの良い明るい方位に高齢者の寝室を設置しましょう。
子供室
子供室に最も向いている方位は、北・東・東南です。東と東南は新鮮な太陽のパワーが入る部屋であるため、将来の期待が高まり、協調性が出てくるといわれています。
北の子供室は適度な冷気が影響するため、集中力がある活発な子どもに育つ子どもに育つでしょう。
この3方位に次いで、西も子供室に向いている方位です。この方位は家族間の思いやりを育てる方位とされているため、やさしい性格の子どもに育ちます。
残りの4方位は子供室に向いていないとされています。
北東は自己中心的に、南は勉強がおろそかに、南西は飽きっぽい性格に、北西は人に敬遠されるようになるといわれる方位です。
ですので、この4方位に子供室を設置することは避けましょう。
台所・キッチン
家相では、三備(玄関、台所、トイレ)の位置には特に注意しなければならないとされています。
その一つである台所を設置するのに最良の方位は、東北東、東、東南、北西となっています。
東南東、東の台所はエネルギーに満ち溢れた方位であるため良い効果が期待できます。
東南は台所を設置する方位としては一番良いとされており、家庭内の運気が安定するため家族が健康的になる設置場所です。
北西もまた台所を設置するのに適した方位です。
北西は家の主人の方角とされていたため、女性が独占する台所を設置するのは望ましくないとされていました。
しかし、現代では男性が料理をすることも一般的になってきたため、問題はないと考えられています。
これ以外の方位は、すべて家相的に良くない方位です。
また、向いているとされる方位に台所を設置する場合にも、汚水桝や浄化槽などと台所の窓を向き合わせると凶相となってしまいます。
さらに、シンクやコンロを正中線や四隅線の上に配置しないように注意することも大切です。
トイレ
トイレを配置するのに適した方位は、東北東、東、南東、南南西、北西となっています。
これらの方位にトイレを設置することで、さまざまな運気を挙げることができます。
それ以外の方位はトイレを設置するのに向いていない方位なので、トイレの設置は避けるようにしましょう。
また、良いとされる方位にトイレを設置する場合にも、正中線や四隅線の上に便器がかかると家相的に悪くなってしまうので、注意が必要です。
そのような場合は、正中線や四隅線からずらすことが望ましいのですが、ずらすことで鬼門や裏鬼門にかかってしまう場合にはそのままにしておくほうが無難です。
浄化槽:本体
浄化槽を設置するのに最適な方位は東、東南、北西です。この方位であれば、家相上浄化槽を設置しても何ら問題はありません。
それ以外の方位は浄化槽を設置するのに向いていませんが、その中でも特に北北東への設置は大凶となるため、絶対に避けるようにしましょう。
汚水管
汚水管はどの方位にあるかよりも、家の敷地内をどのように通っているかが問題となります。
汚水管が建物内部を横切ったり、近回りさせたりするために玄関前を横切るように通っていると凶相となります。
浴室
浴室は一日の疲れをいやし、リフレッシュするための場所です。ですので良い方位に設置して気持ちよく利用しましょう。
浴室を設置するのに向いている方位は、東、東南、南、北西です。
東、東南の方位は発展と繁栄のエネルギーに満ちているため、浴室を設置すると水のエネルギーと相まって良い影響を与えてくれます。
また、北西の方位に浴室を設置することで、事業の成功や充実感を得ることができます。南もまた、浴室の設置に向いている方位です。
逆に浴室の設置に向いていない方位は、北北西、北、北北東、家の中心です。
家相的に良い方位に浴室を設置する場合には窓を大きくとることで、さらに良い家相にすることができます。
書斎
書斎は、どの方位に設置しても問題はありません。
しかしリビングや寝室に付随している書斎コーナーの場合は別で、それぞれの部屋の一部として扱うようにしましょう。
収納(押入れ・クローゼット・納戸)
収納はどの方位に設置しても問題はありません。しかし扱いが雑になり、カビやほこりが生じると凶となってしまいます。
こまめに掃除や風通しをし、収納内を清潔に保つようにしましょう。
神棚
神棚は人間らしい感謝の気持ちを表すものなので、それだけで良い家相になります。
しかし、北東と南西のいわゆる鬼門と裏鬼門に置くと凶相になってしまいます。
また、神棚を向ける方位も重要です。神棚は、基本的に北を向けないように配置するようにしましょう。
一階に設置する場合には、上階から足で踏みつけるような場所に設置してはいけません。
仏壇
仏壇は、先祖供養を行う大切なものです。この仏壇も神棚と同じく、北東と南西の鬼門・裏鬼門と同時に、家の中心部である宅心に置くことも避けなければなりません。
また、神棚と仏壇が向かい合う配置は凶相となります。
さらに、上階の部屋や廊下から足で踏みつけるような形になる場所には配置しないようにしましょう。
門
門を設置するのに向いている方位は東、東南、北西とされています。
東南と東の門は繁栄発展、北西の門は社会的な引き立てが期待できます。それ以外に南の門も吉です。
北と西の門は悪いとされていますが、西の門は料亭や飲食店においては良いとされています。
北東と南西は鬼門と裏鬼門に当たるため、悪い気が入ると考えられるので門を設置するのに最も悪い方位となります。
車庫
車庫は、基本的にどの位置にあっても家相に良い影響はありません。
しかし、どうしても車庫が必要な場合は、比較的良いとされる北西か東南に配置するようしましょう。
絶対に避けるべき方位は、北東と南西の鬼門と裏鬼門です。
池
池は湿気や腐敗を呼ぶので、一般住宅にはあまり向かないものとされています。
どうしても池を設置したい場合は、南東方向の家から十分距離がある場所に設置すると良いでしょう。
家の中心を求める
家相を見るためには、方位表の中心を家の平面図の中心(宅心)に合わせる必要があります。
家の中心を求めるためには、正方形又は長方形の家であれば平面図に対角線を引き、その交差した点が家の中心となります。
家の形が複雑な場合
家の形が複雑である場合はどのようにして家の中心を求めればよいのでしょうか。
そのような場合は家の平面図を厚紙に貼り付け、ペン先などでバランスを取り、重心が取れた場所が家の中心となります。
新築の家相はプロに相談して間取りを考えよう
新築の家を建てる際には、便利さだけではなく家相的にも良い家にしたいとお考えの方が多いと思います。
その際には、家相のプロに相談して間取りを考えることをお勧めします。
素人では難しいのでプロに相談する
家相は、ここで説明した以外にもさまざまな要素を考慮する必要があります。
そのような複雑な要素を加味して、家相の良い間取りを考えるのは素人には難しいことです。
ですので、家を新築することが決まったら、迷わず家相のプロに間取りを相談しましょう。
プロに相談したほうが失敗しないですし、楽ですよね。家相相談を専門としているプロがいるので、新築の場合は依頼するのがおすすめです。
家族が幸せに暮らせる家づくりをする
冒頭でも解説したように、家相とは単なる迷信ではなくれっきとした環境学の一つです。
ですので、家相の良い家は必然的に暮らしやすい家となり、家族が幸せに暮らすことができるようになるのです。
家族の幸せのためにも、家を新築する際には家相も考慮に入れて間取りを考えるようにしましょう。
家相の無料相談できるサービスを活用しよう
家相はここで解説したことがら以外にも、さまざまな要素が複雑に作用して吉凶が決まります。
家相の良い家を建てるためには家相のプロへの相談が必須です。
家相の専門家の中には、家相についての無料相談サービスを行っている人もいるので、家の間取りを決める際にはこの無料相談サービスを活用することをお勧めします。
無料で家相の診断ができるので、お得ですよね!