ハウスメーカーの特徴

セキスイハイムと一条工務店、どちらを選ぶ?両社を徹底比較してみた。

数え切れない住宅メーカーの中から1社を選ぶには、大変な時間と労力が必要になります。基本的には予算に合うかどうかが第一段階ですが、それでも数社が残った場合、そしていずれにも甲乙つけがたい魅力がある場合は、本当に迷ってしまうものです。

本記事ではセキスイハイム一条工務店を取り上げ、それぞれの特徴や情報を紹介すると共に、合わせて住宅メーカー選びの基本的なスタンスを紹介したいと思っています。

セキスイハイム、一条工務店ともに、年間着工戸数が1万棟を超えている住宅メーカーで、着工戸数や人気などのランキングで常に上位に位置しています。

主な項目の両社比較一覧

さっそくですが、新築時にユーザーが重要視するだろう項目を一覧で比較してみました。

比較項目 セキスイハイム 一条工務店
本体坪単価 70〜120万円 60〜80万円
構造・工法 鉄骨ラーメン構造・ユニット工法 木造枠組壁工法(2×6)
間取り自由度 高い 普通
標準仕様 ・外壁:磁器タイル

・水回り設備:一般的なもの

・空調システム:快適エアリー

・外壁:ハイドロテクトタイル

・水回り設備:モデルハウス仕様

・空調システム:全館換気床暖房

断熱仕様 ・高性能グラスウール

・アルミ樹脂サッシ+ペアガラス

・高性能ウレタンフォーム

・樹脂サッシ+トリプルガラス

耐震性能 等級3 等級3
標準基礎 ベタ基礎 布基礎
長期優良住宅 標準対応 標準対応
保証 30年(補修・メンテナンスが必要) 30年(15年目の補修工事が必要)

次に、各項目をもう少し詳しく説明していきましょう。

①本体坪単価

両社の商品によって異なりますが、全般にセキスイハイム>一条工務店、となります。セキスイハイムの主力商品パルフェで80〜110万円/坪、一条工務店の主力商品アイスマート(i-smart)で70万円台/坪とされています。

セキスイハイム:パルフェ(80〜110万円/坪)

一条工務店:アイスマート(70万円台/坪)

なお、一条工務店の低価格商品には、アイキューブ、セゾン、ブリアールがあり、いずれも60万円台/坪となっています。

②構造・工法

これは、両社で大きく異る部分です。セキスイハイムは鉄骨のボックスラーメン構造で、構造部分だけでなく断熱材やサッシなどを工場でユニット化して現場で組み立てます。

セキスイハイム工場組立状況

工場でのユニット化率は全住宅部材の80%以上とされているため、住宅性能や仕上がりに施工バラツキの少ない、ほぼ設計どおりの性能と品質の住宅を建てることができます。

一条工務店パネル組み立て状況

他方の一条工務店も工場化率が高く、枠組壁工法に使用する部材やサッシなどをパネル化し、工場生産率は80%となっています。

鉄骨造と木造の違いはありますが、両社共に工場生産率が高く、現場施工による精度やバラツキは甲乙つけがたいでものです。

③間取り自由度

この比較表では、一条工務店よりもセキスイハイムの方を自由度が高いとしていますが、意外に思われるかもしれませんね。

ボックス形状を組み合わせるユニット工法では、間取り制限があるのでは?というイメージがあるのでしょう。ですが、実はかなり自由度が高いのです。理由は、ボックスラーメン構造にあります。

掲載元:セキスイハイム

ラーメン構造では、木造軸組構造や木造枠組壁工法にある筋交いなどの耐力壁が必要ないのです。そのため、大きなユニット空間がつくれ、広いLDKはもちろんのこと、ユニット空間の中で自由に間仕切り壁(非構造)をつくることができます。また、将来の間仕切り変更も自由に行えるのです。

ただし、ボックス形状のユニットで住宅を組み立てていくわけですから、あまり複雑な形状や狭小の変形敷地は苦手で、コストアップの要因になります。ですから、一般的な間取りと敷地の範囲内においては設計の自由度が高いと言うことです。

一条工務店の場合は、枠組壁工法独自の構造制限(建築基準法)で、耐力壁を設けなければならず、木造軸組工法よりも制限を受けるほどです。反面、それだけ構造の安全性が担保されているわけで、経験を積んだ設計士ならユーザーの要望に答えられる間取りとすることは十分に可能です。

④標準仕様

外壁

セキスイハイムの外壁には塗り替えの必要がない磁器タイルが採用されており、一条工務店では光触媒のセルフクリーニング機能を付加したハイドロテクトタイルが採用されています。いずれも、ほぼメンテナンスフリーの外壁です。

水回り設備、他

一条工務店のHPに、「モデルハウス仕様が、標準仕様です」とあり、その内容はオプションの必要がないほどです。

具体的には、食器洗い乾燥機付きのシステムキッチン、1.25坪大の床暖付きバスユニット、収納たっぷりの洗面化粧台、各居室のクローゼット、シューズクローク、ブックシェルフとあり、まさにモデルハウス仕様です。

セキスイハイムの水回り設備は、高品質ですが一般的な内容で、付加設備・機能はオプション扱いとなります。

空調システム

一条工務店は全館床暖房とし、熱交換型の高性能フィルター付き全館換気システムを標準仕様としています。

一条工務店:床暖房

セキスイハイムの温熱空気環境は、同社の快適エアリーシステムでコントロールされており、一条工務店同様に熱交換型の換気扇が組み込まれています。

快適エアリーシステムは、冷房時に全館に効率よく涼しさを循環させ、暖房時は足元の吹出口からの暖気でじんわり暖めるシステムです。

セキスイハイム:快適エアリー/暖房時

両社の換気扇には共に、花粉・PM2.5を除去する機能、さらに除湿機能も備わっています。なお、セキスイハイムには抗ウィルス機能も備わっています。

いずれにしても両社ともに、全館の換気・冷暖房システムとしていますので、ほぼ同等とみなしてもいいでしょう。

⑤断熱仕様

断熱材

セキスイハイムの断熱材は、外壁に高性能グラスウール100mmを採用し、天井には140mmが採用されています。床下には快適エアリーの設備機器を収納しているため、床断熱とせず基礎断熱としています。

一条工務店の外壁断熱は、外内ダブル断熱構法としており、2×6材の壁に140mmのウレタンフォームを充填し、外側にさらに50mmのウレタンフォームを張っています。そして、天井には235mm、床下に140mmのウレタンフォームを採用しています。

これらから得られる温熱環境の快適さを、断熱材の厚みや性能数値だけで判断するのは危険ですが、数値上ではC値(気密性能)、Q値(熱損失量)、UA値(外皮平均熱還流率)ともに一条工務店が上回っています。

サッシ

一条工務店の断熱サッシは、樹脂枠サッシのアルゴンガス充填のトリプルガラスで、セキスイハイムではアルミと樹脂の複合サッシにアルゴンガス充填のペアガラスを組み合せたものです。これは一条工務店に軍配があがり、その性能差が先のQ値やUA値に影響しています。

⑥耐震性能

セキスイハイム、一条工務店ともに、耐震等級は最高の等級3を標準としています。住宅の基本性能は、断熱性能と耐震性能ですから、標準で最高等級3としているのは両社の設計スタンスの現れといえます。

⑦標準基礎

セキスイハイムの標準基礎はベタ基礎で、一条工務店では布基礎となっています。

単純比較では、セキスイハウスの方が強い基礎といえますが、建物や土地により適した基礎であるかどうかは、地耐力調査の結果によって決まります。

つまり、地耐力が十分にある敷地でのベタ基礎は過剰になるのです。一条工務店では、地耐力調査の結果でベタ基礎が必要な場合はオプションとなります。

セキスイハイムがベタ基礎を標準としている理由には、強度だけでなく床下空間を利用する同社の快適エアリーシステムがあります。(上の④の空調システム図を参照)

⑧長期優良住宅

セキスイハイムと一条工務店ともに、標準仕様で対応可能としています。対応可能というのは、仕様や性能は長期優良住宅基準に適合しているが、申請して認定を受けるためには別途費用が必要になると言うことです。

長期優良住宅基準は、三世代(90年以上)が住み続けることを目的としたものですから、申請の有無は別にして安心の住宅性能といえるでしょう。

⑨保証

<セキスイハイム>

<一条工務店>両社ともに最長30年としていますが、各保証に関する但し書きがついていますので、以下で紹介します。

構造耐力上主要な部分(基礎から小屋組みまでの構造)

セキスイハイムでは、同社が決めた無償の定期点検と定期診断を受け、適切な補修・メンテナンス(有償)を行うことで30年の保証としています。

一条工務店では、10年目と20年目の無償シロアリ予防工事を受けることで30年の保証としています。

雨水の侵入を防止する部分(屋根、開口部、外壁)

セキスイハイムは、同社が決めた無償の定期点検と定期診断を受け、適切な補修・メンテナンス(有償)を行うことで30年の保証としています。

一条工務店では、10年目の無償点検を受けることで15年の保証となり、15年目の無償点検と有償補修工事、さらに20年目の無償点検を受けることで、30年の保証としています。

その他の比較

上記はいずれも、住宅瑕疵担保履行法で10年間の保証とされている部分ですが、両社ともに法律以上の内容になっています。特に、一条工務店の無償シロアリ予防工事には割安感があり、シロアリ被害の心配のない鉄骨造を意識しているのかもしれません。

その他では、一条工務店の構造部分の定期点検については但し書きに記載されていないこと、そして補修が必要な場合の費用についても触れられていませんので確認が必要でしょう。一般的には有償になると思われます。

なおセキスイハイムでは、上記の他に磁器タイルの外壁仕上げに限り、そして適切なメンテナンスを行うことで、30年保証としています。磁器タイルの耐久性の高さを根拠にしたものですね。

セキスイハイムのまとめ

セキスイハイムは積水化学のグループ会社で、鉄骨ボックスラーメン構造とユニット工法は、工場生産率80%以上を実現しています。工場生産による安定した住宅性能と高品質は、「時を経ても続く価値」や「一生モノ」という同社の住宅づくりのスタンスを裏付けるものです。

工場生産とユニット化で、自由な間取りができないと思われがちですが、実際には88種類もの異なるユニットサイズを利用して、年間10,000棟を超える実績の中で、ひとつとして同じものがないほどです。

同社の塗り替えの必要がない、ほぼメンテナンスフリーの磁器タイル外壁、そして温熱空気環境システムの快適エアリーシステムが魅力です。また、施工現場では一日で外皮が出来上がり、雨に濡れる心配がない、というのもユーザーに安心感を与えてくれます。

なお、鉄骨造でセキスイハイム同様の価格帯の住宅を建てているメーカーに、パナソニックホームズがあり、低価格のWEB限定商品ヴェッセは注目です。

パナソニックホームズ:ヴェッセ

ヴェッセでは、プロが厳選したプランをベースに、外観、インテリア、設備、そしてユーザーのこだわりを選択することで、家づくりのシミュレーションを行うことができます。

一条工務店のまとめ

一条工務店は、家の性能にこだわり、住宅の基本性能である耐震性能を最高等級3とし、断熱性能は業界でもトップクラスとしています。また、モデルハウス仕様を標準仕様としており、質の高い暮らしを納得価格で提供しています。

木造枠組壁工法(2×6)を工場生産率80%のパネルで実現しているため、現場での施工のバラツキは最小限となります。また、高い住宅性能やオプションの必要がないほどの標準仕様は、コストパフォーマンスの高いものです。

同社のユーザーでよく話題になるものに、「一条ルール」というのがあります。間取りの自由度が低い、あるいはプラン変更ができないなどの批評もありますが、誤解です。

一条ルールは、建築基準法の構造制限によるものと、同社が目指している住宅性能の確保、そしてコストパフォーマンスの高い合理的な価格とするためのものです。

けっして、一条工務店の都合で設定されているものではなく、あくまでもユーザーと家のために設定されているものです。

建築基準法による構造制限は、構造の種類に関わらず全ての住宅に適用されるもので、一条ルールは安易にユーザーの言いなりになって危険な住宅となる、あるいは不合理なコスト高になるること避けるためのものと言えます。

一条工務店と同じ木造枠組壁工法を採用し、本体価格も同様の70万円台/坪としている住宅メーカーに、ヤマダホームがあります。

ヤマダホーム:フェリディア 2×6

写真のフェリディアは、一条工務店と同じ2×6を採用しており、安心設計と高気密・高断熱を特徴としています。

まとめ:選び方

結論として、甲乙つけがたい中でもあえて選ぶとすれば、一条工務店になるでしょう。高い住宅性能と充実した標準仕様でありながら、本体坪単価で70万円台/坪の高いコストパフォーマンスは魅力です。

一方、積水化学グループがもつ総合力や長い歴史を背景にしたセキスイハイムのブランド力と気品は一条工務店を上回ります。セキスイハイムには、価格や性能では表せない住む喜びや満足感があると言えるでしょう。

本記事ではセキスイハイムと一条工務店を取り上げましたが、上で紹介したように他にも比較検討の対象になる住宅メーカーがいくつかあります。比較対象を増やしすぎると、収拾がつかなくなる恐れもありますが、価格と性能を優先して、可能な限り多くをチェックしておくことをお勧めします。

新築に際しての住宅メーカー選びには相応のエネルギーと時間が必要になりますが、焦らず納得いくまで比較検討を行い、後悔しない住宅メーカー選びとしてください。

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