一条工務店

一条工務店の注文住宅の気になる評判と口コミの実態を検証

マイホームを一条工務店の注文住宅で計画している方、あるいは具体的に進めている方にとって、同社の評判や口コミは気になりますよね。

しかし、評判や口コミには参考になるものがある反面、実ユーザーのものではなく、印象で述べているものや、実態を反映しているとは思えないものも多くあります。

そこで、本記事ではネット上の評判や口コミをピックアップするとともに、実ユーザーの声も取り上げて、それらの実態を検証してみたいと思います。

ネット上の気になる評判と口コミ

一般的に、好意的な評判や口コミは件数が少なく控えめで、批判的なものは多く目に付き、広がりやすい傾向があります。

ですから、初めての新築住宅で色々と悩み検討している中では、批判的な評判や口コミの実態を知る前に、タイトルだけで敬遠してしまうユーザーも多いだろうと思います。

さて、一条工務店では、どんな評判・口コミがあるのでしょうか。見ていきましょう。

理不尽な評判・口コミ

まずは、一条工務店だけではない、多くのハウスメーカーや一般的な住宅でも起こりうる問題点を批判的に取り上げているものを紹介しておきます。

冬に食材が痛みやすい:常温放置

床暖房の床に食材を放置したために腐らせてしまった、という批判的な口コミです。冬季とは言え、床暖房で温められた室内に放置すれば腐るのは当たり前です。

全館・全室床暖房を標準としている一条工務店ですが、床暖房を選ぶ限りは同社に限らず起こりうる問題で、理不尽としか言いようがありません。

WiFiの電波が届きにくい

一条工務店の全館床暖房は、当然ながら2階も対象です。床暖房の構造的な仕様にもよるのでしょうが、床暖房に使用されている金属パネルが原因で2階へのWiFiが届きにくくなるようです。ただし、それが床暖房だけによるものかどうかは不明です。

仮に、これが事実だとしても他社の床暖房でも起こりうる問題です。床暖房とWiFiのどちらを優先するかは明らかで、WiFi中継機を設置すれば解決する話です。

各設備のメンテナンスが面倒

床暖、エコキュート、換気システムなどの日常的なメンテナンスや定期点検が面倒だと批判されていますが、それを一条工務店の責任にするには無理があります。

現在の住宅は快適性と健康を目的として、各設備を装備するようになっていますが、メンテナンスフリーなものはありません。

信じられないかもしれませんが、上記のような理不尽な批判も現実にあるのです。もちろん、全てではありませんが、「 やばい!〇〇〇〇 」などの強いタイトルに惑わされる場合もありますから注意ですね。

参考になる評判・口コミ

次に、一条工務店を選ぶ際には、十分に検討しておく必要があると、参考になる問題点を指摘している評判・口コミを紹介しましょう。

床暖房の温度調整が難しい

床暖房の特徴として、立ち上がりに時間がかかるというのがあります。電熱式の場合は若干改善されますが、一条工務店の床暖房はヒートポンプ(エアコン)で沸かしたお湯で床を温めるタイプのものです。

ですから、スイッチを入れて全館が予定の温度になるまでには2日ほどかかり、スイッチを入れたり切ったりすると、返ってランニングコストがかかります。

また、寒いから温度を上げる、あるいは暑いから下げるというタイムリーな微調整が苦手です。

床暖房が効果を発揮するのは、長時間(期間)継続して稼働させる場合です。なお、比較的温暖な地域では稼働日数が少なくなるケースもあり、初期投資に対するコストパフォーマンスも考えておかなければなりません。

つまり、一条工務店が誇る高断熱・高気密住宅であれば、エアコンだけでの冷暖房の方がいい地域もあるのです。

モデルハウスなどで体験した床暖房の快適さも、冷静に判断して本当に必要かどうかを検討してから選ぶようにしてください。

ただし、一条工務店の注文住宅では床暖房が標準仕様ですから、難しいところですね。( 後述の注意点を参照 )

間取りの制約が多い

これは、一条工務店の評判・口コミでよく聞く話です。これには、同社の「 一条ルール 」が影響しています。

同社には、「 住宅は性能 」というコンセプトがあり、耐震性能は最高の3等級を上回るものとしています。

他のハウスメーカーのように「 プランによっては耐震等級3とならない場合もあります 」ではなく、必ず3等級をクリアさせているのです。

これは、とても良いことですが、一定の間取り制限を受け、不自由だという批判で現れてきます。

外観のデザインが悪い

これも一条ルールの影響があり、安全性を確保するために総二階建てになる傾向があります。また、同社はGC(グループカンパニー)制を設けており、GCによっては設計力が不足している場合もあるようです。

GCとはフランチャイズとほぼ同じで、GC各社の設計担当者全てが高い設計能力を持っているとはかぎりません。

仮契約するまでは設計士との打ち合わせができない

他社にも見られますが、設計担当者不足やコストを抑える意味で、設計士との打ち合わせは仮契約後となっています。

仮契約といっても実態は契約ですから、後日ユーザー都合で解約となった場合は、手付金の没収となります。仮だからと安易に契約しないようにしてくださいね。

ユーザーの意見を聞いてくれない

一条工務店の「 住宅は性能 」や「 モデルハウスが標準仕様 」は同社の大きな特徴です。しかし、そのコンセプトに自信があるのか、往々にして押し付けに感じるユーザーもいるようです。

オーバースペックな床暖房

一条工務店の標準仕様には全館床暖房が含まれていますから、温暖な地域で必要としない場合でも、見積りには含まれてきます。

仮に、いらないと言っても標準仕様のマイナスオプションは驚くほど少額になるのが一般的です。

一条工務店の床暖房が標準仕様なのは、木造枠組壁工法の注文住宅(グランスマート、アイスマート、アイ・キューブ)で、木造軸組み工法の注文住宅(セゾンシリーズ、ブリアールなど)ではオプション扱いとなっています。

以上は、ネットで見られる評判や口コミの一部です。えっ!って思うものや参考になるものなど様々ですが、それらに惑わされることなく、ご自身の判断、そして不明なことは担当者に確認するなどで、後悔しない選択としてください。

実ユーザーのVOICE(声)

一条工務店で注文住宅を建てた実ユーザーの声は、当然ながら好意的なものがほとんどです。

ですが、同社のどんなところに好意をもったのかを知ると、同社を選ぶヒントが見えてくると思います。

マンションの時よりも、光熱費が安くなった。(東京都:3階建て)

このユーザーは子供たちの成長で、狭くなった賃貸マンションから親と同居の注文住宅住宅を建てたとのことです。

マンション時代は冬季にガス・電気代で2万〜3万円/月だったのが、オール電化で一日中床暖房をつけていても、月に2万円弱だったと驚かれています。

親と別居していた当時の二世帯分の光熱費で比べると、実質的には1/2ほどになっているでしょう。

コストパフォーマンスがよく経済的(埼玉県:2階建て)

以前に住んでいた家は古かったので比較できないが、一条工務店の家になって、光熱費が月平均で1万円前後/月になった。

エアコン1台で夏でも涼しい我が家(京都府:2階建て)

以前のマンションでは、夏場に電気代が1万円以上、ガス代を含めると3万円を超えていたが、一条の家でオール電化にしてからはエアコン1台で家全体が涼しく、24時間つけっぱなしにしても電気代が8,000円/月ほどとのこと。

ヒートショックのない家(静岡県:平屋)

以前の家では、ガスファンヒーターを使っていたが、部屋からでると寒くてヒートショックが心配だった。

今は、どこにいても暖かく、オール電化なのに電気代が1.5万〜2.0万/月で意外なほどに安くて驚いている。

冬でも夏のスタイル(服装)で過ごせる(北海道:2階建て)

冬季の一番寒い時には、マイナス20度くらいになる地域で、以前のマンションでは辛い思いをしたが、今は冬でも夏の服装で過ごせるとのこと。

また、マンション時代では結露に悩まされたが、それもなくなったとのことです。

標準仕様が充実している(山口県:2階建て)

モデルハウスで感じた感動を、2年半後の今も我が家で感じられ、住設備から収納関係までをモデル仕様・グレードで装備している標準仕様に満足。

以上の実ユーザーの声にほぼ共通するのは、全館床暖房の快適さと光熱費が安くなったと言うことです。そして、それらは一条工務店の断熱性能と気密性能の高さによるものです。

では、それらの性能が実際にどれくらいのものなのか、数値および他社比較で確認してみましょう。合わせて、耐震性能についても触れますので参考にしてください。

一条工務店の耐震性能と断熱性能

「 住宅は性能 」という一条工務店の基本コンセプトは、住宅に必要な基本性能の耐震性能と断熱性能を表現したものでしょう。では、具体的に見ていきましょう。

耐震等級3を上回る性能

一条工務店には、30年以上にわたる実験の歴史があり、その結果から社内基準を設け、耐震性能の最高等級3を上回る性能としています。

前述したように、全ての注文住宅で耐震等級3以上を満足させているのです。

過去に起きた大地震のあらゆる地震波で、そして自社の全ての商品タイプで実験を行っており、その実験回数は2年間で253回にも及びます。驚異的な回数ですね。

また、地震後も安心して住み続けられること、さらには実験後も気密性能に変化がなく、太陽光発電システムにも異常がないことを確認しています。

高気密・高断熱性能( C値・UA値 )

住宅の基本性能を日常的に実感・体感できるのは断熱性能です。それらの根拠となる各性能数値がどれくらいのものなのか、確認してみましょう。

まず、現在の新築住宅での判断基準となるZEHに求められている断熱性能(UA値)がどのようなものかを紹介しておきます。

ZEH基準・地域区分 Ⅰ・Ⅱ地域 Ⅲ地域 Ⅳ〜Ⅶ地域
UA値(W/㎡・K) 0.4以下 0.5以下 0.6以下

表の地域区分とは、地域ごとの気候に合わせて分類されたもので、Ⅰ地域は北海道、Ⅱ地域は北海道の一部と東北の一部になります。そして、東北や山岳地帯でⅢとなり、温暖な地域はⅣ以南となります。

UA値(外皮平均熱還流率):外界との温度差が1℃のときに、天井(屋根)、外壁、床、窓を通じて、建物内部から外界へ逃げる単位時間当たりの熱量を外皮面積で割ったもの。

建物の構造や外壁・断熱などの仕様などから、計算で算出されるのが一般的です。

従って、UA値が小さいほど断熱性能がよく、寒い地域ほど高い断熱性能が求められているのです。ZEH基準といっても、全国一律の断熱性能が求められている訳ではないのですね。

ハウスメーカー UA値(W/㎡・K) C値(c㎡/㎡)
一条工務店(枠組壁工法) 0.25( 公表値) 0.59(公表値)
     (軸組工法) 0.36(計算事例) 0.61(公表値)
積水ハウス 省エネ・ZEH基準に準じる
大和ハウス ZEH基準に準じる
住友林業 0.46と0.56(公表値)

表のC値(気密性能)はZEH基準に設定されているものではありませんが、UA値だけでは住宅の断熱性能の実態はわかりません。つまり、どんなに断熱性能がよくても、隙間だらけの住宅では意味がないのです。

C値(気密性):住宅全体の隙間面積(c㎡)を床面積で割ったもの。基本的に計算では求めることができないため、一条工務店では戸別に専用の機器で実測しています。

一般的な住宅では、C値が1.0前後でも高気密住宅とされていますから、一条工務店のC値(0.59)がいかに突出しているかがわかります。

※積水ハウス:ZEH比率92%を誇る同社ですが、ZEH基準を全商品の標準仕様としている訳ではなく、基本は省エネ基準からのオプションでZEH仕様としています。

※大和ハウス:同社の断熱仕様は基本的にZEH基準としていますが、地域区分によって断熱仕様(グレード)を選べるようになっています。

※住友林業:断熱仕様には、UA値0.46仕様とUA値0.56仕様の2種類があります。ですから、Ⅲ地域以南であれば、標準仕様でもZEH対応となりますが、ⅠとⅡ地域ではオプションで断熱仕様のグレードアップが必要になるでしょう。

なお、表の各数値は、2023年9月時点で各社がHPで公開しているものを基本としました。

以上から判るのは、標準仕様で寒冷地Ⅰ地域のZEH基準を大きく上回る一条工務店の断熱性能が突出していることです。実ユーザーが口を揃えて温かい家というのも分かりますね。

UA値やC値で、一条工務店以上の成績を公表しているハウスメーカーはあります。しかし、それらを標準仕様で実現し実績を残しているのは、やはり一条工務店でしょう。

まとめ

大手ハウスメーカーを相手に、年間戸建て販売戸数でトップに位置している一条工務店は特異な存在と言えるでしょう。

かたくなに「 住宅は性能 」「 一条ルール 」、そして「 モデル仕様が標準仕様 」を守る同社の姿勢に一部の批判的な評判や口コミがあるのは事実です。

間取りの不自由さや、標準仕様は充実しているが選択幅が狭いなど、強いこだわりのあるユーザーには、納得のいかない部分もあるでしょう。

しかし、年間の戸建て販売戸数トップの実績が、多くのユーザーに支持されている何よりの評価ではないでしょうか。

ネットで簡単に情報を集められる現代ですが、評判や口コミを鵜呑みにするのは危険です。可能な限り、自身で調べたり聞いたりして、情報の真意や実態を確認することもハウスメーカー選びでは重要なことです。

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